『窓越しに見えるのは』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
窓越しに見えるのは
地方の都市。田舎ではないけれど、大都会にはなりきれない街並みを眺め、山を貫くトンネルを通り過ぎれば、左手に海が見える。
「あ、漁船かな」
遠くポツンと見える白い船は、時折ボォーと汽笛を鳴らす。実家にいた頃、たまに聞こえたその音が、案外好きだったのだと気づいたのは割と最近の話だ。
久しぶりの帰省は、電車の窓越しに見える風景を眺めるようにしている。
懐かしいような、楽しみなような、そんな気持ちにさせてくれるから。
まぁ、生まれ育った町には駅なんてないので、故郷の風景は見えないのだけど。
最寄りの駅で電車から降りたら、バスに乗って約40分、今度こそ故郷の風景を堪能しよう。
私が見ていたのは
窓の外にある景色ではなく
窓に反射する貴方の悲しそうな笑顔です
ローソンに寄って自転車の空気入れをやってやっと扇風機で一休み出来ました♪
さかなというのは、どんな色をしてどんな形をしているのか。犬とはどんなものなのか、その一切を少年は知らなかった。本来なら白色以外の色すらもわからないはずであった。けれども1人の親切な研究員が小さな小さな窓を作ってくれた。それで少年は小さい世界で色とりどりの本来の世界を見ることができた。
その景色はやがて少年の心に好奇心という炎で焼き焦がし、少年はずっと待っていた。
いつかここをでられる日を。
終わりなき白い空間で。
「窓越しに見えるのは」
「窓越しに見えるのは」
緑が見える。
田舎へのひとり旅。
ビルが多い景色だったのに
いつの間にか田園風景。
これが楽しみで
電車の旅を選んでる。
私は家庭科部だ。
だから室内にいる。
でも好きなあの子は野球部。
だから窓越しにいつも見ながら縫い物をしている。
あの子とはもう二人で遊びに行ったりもした。
だから私はずっと気になっている。
でもあの子にもやはり別の好きな人がいた。
私は諦めきれない心に情けないなと思った。
でもあの子はモテモテだからしょうがない。
私は諦めきれないので告白した。
するとえ?普通に無理。と言われた。
まぁ当たり前だよね~と思いながら複雑な気持ちになった。
まぁ私も半分諦めてたし、なんたってあの子は同性の女の子だからね。
じゃあしょうがない他の子にするか。
これは私の高校の恋愛だった。
今はもう幸せだ。
その窓越しに見えるのは、大きな天秤だ
何故か片方向だけが下に下がったまま、その天秤はびくともしない
下がった天秤の大皿の中を覗いてみると、そこには若さや美貌や夢や希望、親しかった人々、生き甲斐や目標…
私が年齢と共に失ってしまったと嘆いていたものの数々がひしめき合っている
反対に、上がりっ放しの方の天秤の大皿にはこれと言って目立つものはなく、頼りなさ気な小さな灯りだけがちょこんと乗っている
恐らくこちらの方の大皿には、失ったものと引き換えに得たものが鎮座するはずなのだろう
そうか、私が覗いてしまった窓は私の「心の窓」だったんだ…
失ったものばかりを数えているうちに、私の心の天秤はこんなにも傾いてしまっていたんだ
これからの時間でもう片方の大皿に゙何かを増やしていくことは出来るだろうか…
少なくとも心の天秤がこんなに傾いていたことを知ったことは大きい
失ったものはもう取り戻すことは出来ないかも知れないけれど、経験や知恵は増やしていくことが出来る
その先に希望も膨らんで来るかも知れない
そして何より、こうして日々綴る言葉の数々が「自信」という重みを加えてくれるに違いない
いつかその天秤がバランス良くユラユラ揺れている様を心の窓越しに見てみたい
『窓越しに見えるもの』
窓越しに見えたのは、クラスの静かな図書委員の姿だった。黒く長い髪と、縁の細い眼鏡で、静かだけれど、奇妙な美しさがある少女だった。
彼女はちらりと周りを見渡して、スカートのポケットから色つきのリップを取りだした。学校では禁止されている、色つきリップ。つけてる女の子たちは沢山いるけれど、彼女が持っているのはいつも色のつかない、薬用の透明リップだった。
少し震える手で、リップの蓋を外してゆっくりと唇に添わせる。綺麗な形の唇が花開くようにピンクに染まるそのさまから、僕は目を離せなかった。
ぷる、と瑞々しい唇があ、と言うように開いた。
思わず顔を上げると、彼女の切れ長の目と目が合う。
いつもよりピンク色の唇と、恥じらいで赤く染った頬に、僕はどうしようもなく、欲情している。
題:「窓越しに見えるのは」
私はいつも、故意に自分の部屋の窓を見る。それはあなたが見えるから。私と彼の家は隣で、部屋に関しては真正面。窓越しに見えるのは、いつもあなた。
彼とは同じ学校の同じ学年で、同じクラスだった。いつも優しくて、明るくて、友達もたくさんいて、誰とでも笑顔で接してて、、私の初恋の人。
あなたはいつも、黒いヘッドホンをしながらパソコンを見ている。そして私に気付くと、笑顔で手を振ってくれる。私はそんなあなたが大好きだった。
だから私は、放課後にいつも窓の外を見る。あなたと目を合わせるために。あなたに手を振ってもらうために。あなたの笑顔を見るために。
このつまらない日常の中で、毎日毎日、それだけが唯一の楽しみだった。
そのせいで今も、窓を見る癖が消えない。見れば涙が出ることがわかっているのに、無駄な期待が心をよぎってしまう。
昨年の8月、家のすぐそこで事故があった。その時、一番最初に気付いたのは私。見覚えのある男の人が、大量の血を流して倒れていた。
あなたは、もうこの世にいない。
いつも温かいあなただったのに、今は冷たくなって、お墓の中。
窓を見ても、あなたはいない。そんなの分かりきってる事なのに、もしかしたらあなたが見えるんじゃないか。また笑顔で手を振ってくれるんじゃないか。そう思って、今でも窓を見てしまう。
今窓越しに見えるのは、あなたがいつも使っていた黒いヘッドホンと、パソコン。
ーーーENDーーー
朝からカラスの鳴き声がする。
一羽鳴くとそれに呼応して他のカラスが鳴く。
梅雨。朝から雨。
窓のカーテンは朝から閉めっぱなしだった。
ふとカラスがひときわ大きな声で鳴くのが聞こえ、窓に視線を向けた。
カーテンの隙間から、明るい光が差していた。
いつの間にか雨は止んでいるようだ。
カーテンを開けてみた。
控えめな明るさだが薄暗くもない。
そんな空の向こうからカラスの声が聞こえた。
カラスの姿は見えない。
ただ、雨が止んだ後の濡れた町と傘を畳んだ人が歩いていくのが見えた。
一瞬、雀の声が聞こえた。
カーテンを締め切った部屋の中でカラスの鳴き声を聞きながら想像してた世界とは全く違う。
窓の向こうに見えるのは
淡々とした日常。
窓越しに見えるのは、どんな景色だろう。
昔は見えていた山々も、今では家が立ち並び、
その姿を見ることはできない。
それでも、そのおかげで夜道は明るく、不安はなくなった。
これからも、景色は変わるのだろう。
どんな景色になるのだろうか。
窓越しに見えるのは
外の景色
どこを見ても山
田舎はいい所だよ
変なバイトに応募した。
業務は、カーテンを開けて見えた景色を記録すること。この時点で少し変だが、もっと変なのはその窓が地下室にあるということ。
そして、そこから地上の景色が見えることだ。
不思議なことに、その窓から見える景色は毎日違う。
ある日は、都会の通りが見える。
ある日は、寂れた古い路地が見える。
ある日は、砂漠。ある日は、アルプスの草原。
東京タワー最高階からの景色が見えたこともあった。
「その窓は、死者の国と面しているんだよ」
雇い主であるおじさんは、初めて窓を見た驚きで口が聞けない俺にそう言った。
「この地下室の真上には、昔神社かあったんだよ。今は取り壊されてしまったけとね。それで行場を失くした、この地に深ーく残る龍脈が、たまたま意味のないこの窓と繋がっちまったのさ」
おじさんの言ったことは、突然事実として俺の前に現れた。
ある日、カーテンを開けると、目の前に広がったのは見慣れた昔の家のキッチンと、子供の頃に亡くした母さんの姿だった。
「母さん!」
俺が窓越しに声をかけても、母さんは振り向かない。
母さんは誰かと話をしていた。背伸びをして隣に立ちながら、拙い手つきで何かを混ぜている――子供の頃の俺だ。
ふと、涙が溢れた。
窓越しに見えるのは、昔の思い出。もう再び見ることのできないと思ってた、母との生活の一部。
なにより、死んだ母さんが、思い出という形であっても今でも俺を思っていてくれて、嬉しかった。
「俺、頑張るから。母さんが居なくて寂しいけど――最後には、笑ってそっちに行けるように、頑張るから」
泣きながら俺がそう言うと、母さんは少しだけこっちを向いて微笑んだ気がした。
あれから少し時間が経った。
今はバイトを止め、新しい職にも就いた。これまでよりはまともに生活を送れていると思う。
辛いこともあるけど、不安はない。
あの日、窓越しにもらった愛情と自信は、間違いなく本物だと信じているから。
窓越しに見えるのは
君の横顔だった
私は正面からあなたと向き合うのが苦手だ
どうしてだろう
空っぽな自分を知られるのが怖くて
反対方向を向いてしまう
嫌いじゃないよ
向き合うのが怖いだけ
語る口もない
会話もできない
ここにいる価値もない
そう思うこんな私を知られるのが
怖いんだ
小2の頃には既に学校に遅刻ギリセーフで駆け込むことが
日課になっていた私。ウチから小学校まで7分の距離を
いかに縮めるかに身命を賭していた。
と言うわけで玄関でて、いきなり猛ダッシュなのだが
通学路をショートカットして走り抜ける団地群の
北側を通ると和室の窓からいつも
全力疾走するこちらを見ている人がいた。
こちとら必死で走ってるし、既に近眼だった私には
ボンヤリとしか見えないのだが、朝必ずいた。
まあ帰りはちゃんと通学路を守って帰ってたので通らんから
昼も夜も窓から覗いているかは知らんのだが。
それがある日パッタリいなくなった。
数日気にして見てみたり、この私が朝5分早く出てその窓の下で
待ってみたりしたのだが、和室の窓は空っぽだった。
だいぶ後から聞いた話だが、そのウチには夫婦と子供二人と
おばあちゃんが住んでたそうだが、旦那さんが亡くなってすぐ
おばあちゃんだけが引っ越したそうだ。
そのおばあちゃん…だったのかな?
遅刻ギリで走るアホな小学生を窓越しに見て
笑ってくれていたのならいいのだけど。
(窓越しに見えるのは)
窓越しに見えるのは私に別れを告げて去っていった背中だけ、
最後に顔、見せて欲しかったな、
『窓越しに見えるのは』
今日は昨日より何か残せたか?
あんなミスするかぁ…
雨だ
どっか行きたいなぁ
あいつ元気かな?
美味いもん食べたい
窓越しに見えるのは
案外目の前のことではなく
頭の中の景色
【窓越しに見えるのは】
子供の頃
車に乗って出かけるのが好きだった
窓の外を見ると
全ての景色が流れていく
右の窓を見れば右へ
左の窓を見れば左へ
不思議では無いが
もの知らぬ子供だった私は
不思議で好奇心いっぱいに眺めていた
海辺を走っている時
走っている車に並走するように
海鳥が並んでいた時は
目をキラキラさせていたものだ
子供の頃の車窓とは
まるで映画のワンシーンかのよう
アニメの盛り上がりシーンかのよう
ワクワクの画面であった
4DXなんて目じゃない
窓を開ければ
風・水・香り全てを感じられる
自然の体感アトラクションであった
今は当たり前になってしまった
窓辺の景色...
嗚呼、懐かしい
あの頃の思ひ出
窓辺に見えているのは...
窓越しに見えるのは通勤中のサラリーマン。お金と時間をただ交換してるんだろうか。
木の枝の雀が
陽が登ったよー と鳴いて教えてくれる
よく晴れた空
眩しい太陽
カーテン越しの陽光が眩しい
あと少し・・・
無意識に布団を頭まで被る
10秒も経たないうちにアラームが鳴る
仕方ない と身体を起こすと
窓際へと進む
カーテンを開けると
そこは真っ白い壁
開けた瞬間に今日のスケジュールが
映し出される
・・・もう外の世界は何も無い
「自然」と言われる映像で
少しでも人間らしさをと
目覚ましにセットしてあるだけだ
ーこんな世界にならぬ様にしたいものだー
「窓越しに見えるのは」