『窓から見える景色』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
朝から雨だ。バスに揺られて最寄り駅へ近づく。Twitterを見ていたら気持ち悪くなってきた。𝕏になってしまったからではなく車酔いだ。スマホをしまって外を見る。
窓から見える景色には、引きがない。
大きめの通りを面白味なくまっすぐ進む。
駅に近づくと渋滞してきた。
あぁ、スクロールしたい。
せめて進んでくれ。
あぁ、スワイプしたい。
もっと面白い道もあるはずだ。
乗り換え時刻ギリギリに駅に着き、見送ると遅刻なので仕方なく乗車する。吊革を弄んでいるうちに、平気な気がしてきて𝕏を開く。いや、ダメだ、気持ち悪くなってきた。スマホをしまって外を見る。
さっきより速いスクロールに目眩がする。
しかし見慣れた面白くない景色。
何故か吐き気は悪化していく。
あぁ、タスクキルしたい。
体が重い。
あぁ、スリープしたい。
寝不足が原因なのか。
あぁ、シャットダウンしたい。
何も考えたくない。
景色に焦点を合わせられなくなった頃、終点に着いた。
乗り換えは……あと2回。
私はその場で電源を切った。
あなたの描く絵の窓から見える景色。
絵がそれほど上手という訳でもないはずなのに、
それはまるで世界がまたそこにあるようで、
壮大で綺麗だった。
あなたの世界は、よくこの世界に似ているようで、
結構違う。
あなたの書く文の窓から見える景色。
それは私には見えないけど、あなたには見えているのだろうか。羨ましく思って、あなたに聞いてみたい、と。
あなたの創る物にはすべて
わたしはいない。
わたしの創る物にはすべて
あなたがいるのに。
邪な願望が頭に浮かんで、
消えたくなる。
あなたにはあなたしか見えていない。
わたしはあなたしか見えていないのに。
それがあなたで、私を認識してしまったら、
それは私の好きなあなたではないから。
あなたの視界に移る窓から見える景色。
きっと僕はいない。
それでもきっと、
って期待してしまうのが僕なんだろうなぁ。
そんな事を思いながら今日も、
君を描く。
君を書く。
君を見る。
窓 か ら 見 え る 景 色
木洩れ日の
幾すじ柔に
風に揺れ
「窓から見える景色」
個人の都合、友達の都合、地球の都合で
もう一度見たくても、見られない景色がある。
新しい窓から見える景色。
それを友達に、あの世で会えたら教えてあげよう。
ただそれは当分先になるから、もう少し待ってておくれ。
なるべく話せる内容を、沢山ストックしておくから。
思い出したかのようにノックされる
最上階の部屋の窓
『春夏秋冬、行、帰、僕』
※長いですが是非読んで頂きたいです…!
9月下旬、夏の残り香が廊下を歩く度にふわりと漂う。
猛暑と見られた今年の夏はもう終わりを迎えているようだ。
放課後のこの時間、図書委員の僕はいつも図書室へと向かう。僕の学校の図書室は少し特殊で、本校舎の外に設置されている。なので外へ行く時、毎回外に出ている廊下を歩く。この廊下を歩いている時、最初は特に何も思いはしなかった。
だけれど、毎日その廊下の窓から見える景色を眺めていると季節の移ろい、青春の部活、そして窓に映る自分が見えるのだ。
廊下は短く、足の長い人が渡ればものの5秒で図書室に着くであろう距離。しかし、どうしても僕は1分掛けて渡りたい。春には桜が芽吹くところから、散るところまで。夏では夏休みの部活動に勤しむ生徒たちから、文化祭の後夜祭まで。しっかりと必ずこの廊下から見届けたいのだ。
植物であれば、自分がまるで親になったような気分で眺めることができる。一つの花が芽吹き、花開くまでの様は見ていて何か誇らしい気持ちになれる。だがその分、枯れてしまうといっそう悲しい。
感情の忙しい人だと思われるだろう。でも、人気のない廊下、あまりにもエモーショナルな風景、それにかさなる季節の風情となれば小さな生命ですら見逃せずにはいられない。植物の葉につたう虫にさえも情けをかけてしまうほどなのだ。
また、この学生時代でしか味わえない学校の校舎、放課後というのが更にエモい雰囲気を醸し出している。
上の階から聞こえる吹奏楽部の音色、グラウンドから聞こえる野球部のバットにボールが当たる音。廊下を談笑し渡る女子生徒…全て、学生時代にしか聞こえぬ声。
しかも時刻は夕時であるから、晴れの日には夕日がいい感じに当たって、もっともっと心躍らせる雰囲気になる。
今年は少々足早に来た秋には近くの木の紅葉が見れるだろうし、落ち葉で焼き芋を焼く生徒たちも見えるだろう。自分も混ざりたいな〜と思うことはないでも無いが、この図書委員。自分が混ざるよりも眺める方が実は好きだったりする。自ら本を読まずとも自動でページを捲ってくれるなんとも優しいこの世界は、少し視野を広げるだけで全てが物語になる。もちろんこの僕の思想も、文章にしたらきっと物語になるのだろう。
窓から見える景色はいつも色褪せることがない。見れば鮮やか、聞けば爽やか。触れればふと夢から覚める。
そう、パッと。
自分が干渉しない程度に真近で感じることのできる最大限の空気を肺に吸い込み、やっとのことで図書室に入る。自分がいつも座る椅子からは外の景色は見えない。しかし、先程の景色を脳内で咀嚼することはできる。
あぁ、本を読みたいのにと思いながら、また今日も景色に刺激され物語を綴ってしまう。
そして、気づいたら外も暗くなっている。
行きですらこんなに多くの感情を抱えてしまうのに、帰りまで渡ってしまったらもう僕はどうなるのだろう…などと他人にとってはつまらないことを思いながら、また今日も一歩踏み出す。
物語の、光の中へ。
お題『窓から見える景色』
私は帰省する時によくJRの在来線を使う。
新幹線を使う場合よりも所要時間は倍になるが、
お値段は半額くらいで済む。
そして何より、窓から見える景色が格段に美しい。
在来線には騒音対策のための壁が設置されていない。
そのため、富士山も壁に遮られることなく、
その雄大な姿を余す所なく見せてくれる。
熱海から伊豆の方向へトンネルを抜けると、
そこには太平洋の水平線が輝いている。
これらを目にした時の感動は
新幹線では味わえない興奮だ。
とはいえ、景色が次々と流れて行く
新幹線のトップスピードを感じられるあの車窓も
文明の進化を体感できて、
それはそれで楽しかったりもする。
どちらが良いかは好みが分かれるだろうが、
まだ見ぬ景色を求めて交通手段に変化をつけるのは、
新しい発見をもたらしてくれると思うのである。
「窓から見える景色」
私の部屋の窓からはいつも向かいの家の部屋の窓が見える。
カーテンは閉めっぱでいつも不思議に思っていた。
そんなある日カーテンが開いた窓の先には私と同い年くらいの男の子が居た。
それから私達は窓越しの恋をした。
割とクトゥルフ神話が好物なので、
「窓から見える景色」
↓
「ああ!窓に!窓に!」
...と連想してしまう。
寝る前に窓から外を眺める時、名状しがたき光景が広がっているわけもなく、それを期待しているわけでもなく、まぁ、いつも通りの夜。
今私が背もたれにしている壁は元々出窓があった。
我が家は増築工事で新しい部屋ができたり元々ある部屋を拡大したりして、元の面影を残しながら昔より住みやすい家になった。
帰省するたびにアルバムを母は持ってくる。
幼少期に撮られた写真は昔の姿の家を背景に撮られていて、懐かしさに胸を締め付けられる。
特に、ここにあったはずの出窓には思い入れがあった。
出窓には姉妹お揃いのキティちゃんの貯金箱が並べられていた。
小学生になる頃にはおばあちゃんがこっそり入れてくれていた小銭でキティちゃんは重たくなっていた。
小学生になってからはお小遣い制度が導入されて自分たちで貯金をするようになったが、お菓子などを買って戻ってきたお釣りばかりいれていたので10円玉や1円玉ばかりだった。
実はぬいぐるみサイズである程度の大きさだったのだが、お陰様でりんご3個分では収まらない重さになっていて持ち上げる機会が減り、日に焼けて色褪せしていた。
わたしたちは誕生日や母の日父の日などイベントがあるたびにここからお金を出してプレゼントをしていた。
妹と貯金箱からお金を床に広げて数えて、プレゼントの作戦をたてたものだ。
しばらくして同じタイプのドラえもんの貯金箱を弟がで窓に並べるようになり、作戦会議は3人で行うようになっていった。
サンタさんとのやりとりもこの出窓だった。
サンタさんへの手紙はここにおいたし、プレゼントもここにどどいていた。
出窓があった頃は身長が足りず外の景色を見るのは一苦労。
たまに貯金箱を退けて、父が出窓に私たちをのせて外の景色を見せてくれたが母にバレると怒られた。
小学5年生の頃にここはベランダを増築したので出入りが可能なサイズの窓になり、景色は背伸びせずともよく見えるようになった。
あの出窓はもうない。
あの出窓があれば額に入れられた絵のように観ることもできたのだろう。きっとこの景色がもっと特別に見えた。
景色をみるために登る必要もない。
きっとここに肘をついてコーヒーでも飲んだんだろう。
【窓から見える景色】2024/09/26
どうにも雷が苦手で、
と、言うかでかい音が怖くて
必死に耳を塞いでいたのだけれど
君が手を握ってくれたから
1歩前に歩むことが出来た。
雨上がり、8月下旬
音が心臓に脳に響き
身体が強ばってしまったが
君がそっと手を差し伸べてくれた。
目を開き窓の外を見つめると
空に広がる花はとても綺麗で
少しだけ、少しだけ
音が好きになっていた
窓から射し込む月明かりは、窓枠の影で私を十字に割く。
あと何度夜を迎えればここから出れるの?
十字架のように私を割く影は何を意味するの?
空しか見えない窓の先に何を求めているの?
窓から飛び立ちあの景色の、空の、月の向こうへ。
(窓から見える景色)
窓から見える景色
ときどき見る夢がある。
ここは都会から遥か離れた海辺の小さな湾か入り江なのだろう。
そこに建つ木造で組まれた舟屋のような場所に私はいる。
いつも一人だ。
元々お客を泊めるためのものではないため、至って粗末な造りだが、どこか人間の隠れ屋らしい風情も漂っている。
外は風雨が激しく、窓から見える景色はいつも鈍色だ。
私はどうやらこの場所に足止めを食らっているらしい。
舟屋にいるということは、移動手段は船ということになる。
心情としては、特に不便を感じることもなく、不安に思うこともない。
ただただ窓の外を見ては、相変わらずの天候の悪さを憂いている。
それだけの夢だ。
余りにも繰り返しこの夢を見るので、気になって調べてみたことがある。
それによると、日本各地には風雨が激しくなった時に船が避難するための小さな湾や入り江が多くあり、
これを「風待ち港」と呼ぶらしい。
そうか、なるほど。
私はここで風が止むのを待っているのだな。
だとしたら、いつかはこの場所から旅立つときが来るはずだ。
ならばそのときは、天候が回復したあとの穏やかで美しい入り江の景色をしっかりとこの目に焼き付けてから出航するとしよう。
お題
窓から見える景色
我が家の雌猫16歳が体調を崩し通院する事になった。
多頭飼いをしていたので100回以上は猫を助手席に乗せ通った風景だ。
残念ながら獣医さんに行くのだから楽しいわけではない…
安堵して「お家帰ろうね」と猫に話かけながら見る世界と、「がんばったね…みんなまってるよ」と、フロントガラス越しの世界を滲む目で見つめる日もあった。
幸い今回は「明日も来てね」とは言われたものの大事には至らなかった。
猫と何十年も暮らしてその子達と通った道。
嬉しさも悲しさも大事な猫達とこの風景を見れたのは、何も誇れる事の無い私にとって 唯一 「私しか出来ないんだからね」と思いながら見る風景なのです。
窓から見える景色、それはカメラのフィルムみたいにコロコロ変わっていく。決して、1つも同じ景色がうつる時はないと思う。授業中に暇な時に窓をよく見ている。晴れてる、いつもより暗い、鳥が飛んでるとか、気にもならないかもだけど、見てみて欲しい。晴れてる日だけでも、澄んでたり、何故か暗かったり、涼しげだったり、色々ある。嫌なことがある。そういう時こそ見て欲しい。気持ちの切り替えスイッチみたいな。どん底に落ちたとしても大丈夫。空を見上げて。どうにもならないように感じるかもだけど、いつかきっと大丈夫になる日が来る。ふとした時に見てみて。きっとあなたに何かを与えてくれる。
大きな絵画である。
自然美しい、天然の絵画である。
四季で絵は変わり、気温でエフェクトがかかってしまう。そんな絵画である。
不思議なことに、この絵画は基本どんな建物にも、額縁に納められ立てかけられている。
そうして、この絵画は持ち運ぶことができず、ここにあることしかできない。
そんなものであり、この絵画の複製品なども存在できないのである。
この絵画は、我ら人間と同じく、唯一無二なのである。
窓の中
真っ暗と共に
膝を抱えた人
四角く区切れた向こう側は
相変わらずここに無いものばっかで
そんな景色を眺めて出会った
名付けようのない感情
窓から見える景色。
皆、見えてる景色は違うのに、それがさも美しいかの様な勘違いをする。枠組みとは、そんな魔法。
私の家には、ベランダに続く窓と小窓がある。外がよく見えるのは大きい方で、簾なんかオシャレなものを垂らしている。
僕がお風呂から覗く窓は小さく、蒸気で曇っている。この何となく漂う雰囲気が好きで、ついつい長風呂をしてしまう。
きっと、よくみえてない だけなんだ。景色より、隣に居る人や温度、匂いや音に風なんかの取り巻く空気感みたいなモノに浸って、酔っ払っている。
ああ、美しい。
とても綺麗で、物憂げで、儚げで、静かだ。
画面を見ず、人と話さず、身体の動作を極限まで払い 佇む。
深呼吸をするほどに、落ち着きを持つ。
手元の写真と同じ 画角に明暗で、違う景色。
これが、見える景色。
大切にしろよ。と、なげ掛ける自分は 誰だ。
窓から見える景色が嫌いだった。
一面の緑、もう飽き飽きしていた。
闇に浮かぶネオンやライトアップの美しさ、
そんなものはスマホの中でしか見たことがなかったけど
惚れ惚れして、心にも灯が点るみたいだった。
夜になると真っ暗になる田舎道
その闇に紛れて、自分がいる意味なんて
いくら探しても見えなかった。
あの頃の俺に教えてやりたい
それでよかったのだと。
窓から見える景色は一面の光
ネオンが光り続けるためには、
灯し続ける人々がいることを知った。
都市を輝かせる、その生贄となるために
自分でも気がつかないうちに燃え尽きる人々。
俺は自分がいる意味のなさに気がついてしまった。
窓を開けると、俺の部屋にも
あの場所と同じ日が差し風が吹く。
それだけで涙が出そうになるだなんて、
俺もそんなことを思うようになれた。
通りすぎてく最終便…
今夜も言えなかった
君の笑顔が見たくて僕は…
朝から駆けずり回り
ふと時計を見上げて
今日も終ろうとしていて
会いたい…
会えない…
ねぇ…
元気なの?
君が愛しいよ
切なくて切なくて…
ねぇ…
愛しい君よ…
あいしています…