窓から見える景色が嫌いだった。
一面の緑、もう飽き飽きしていた。
闇に浮かぶネオンやライトアップの美しさ、
そんなものはスマホの中でしか見たことがなかったけど
惚れ惚れして、心にも灯が点るみたいだった。
夜になると真っ暗になる田舎道
その闇に紛れて、自分がいる意味なんて
いくら探しても見えなかった。
あの頃の俺に教えてやりたい
それでよかったのだと。
窓から見える景色は一面の光
ネオンが光り続けるためには、
灯し続ける人々がいることを知った。
都市を輝かせる、その生贄となるために
自分でも気がつかないうちに燃え尽きる人々。
俺は自分がいる意味のなさに気がついてしまった。
窓を開けると、俺の部屋にも
あの場所と同じ日が差し風が吹く。
それだけで涙が出そうになるだなんて、
俺もそんなことを思うようになれた。
9/25/2024, 3:08:40 PM