『突然の君の訪問。』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
アポ無しで来るなと
何度言っても聞きやしない
悪態をついて追い返すつもりが
いつも飄々とかわされて侵入を許してしまう
駅から徒歩10分風呂トイレ別日当たり良しのワンルーム
私の聖域に通い猫のようにフラリと現れては
嵐を呼び込んでくるトラブルメーカー
洗面台の歯ブラシが2本
コップの中でぶつかり合って
苦笑いみたいな軽やかな音を立てる
私たちの関係に
名前はまだ、無い
◼️突然の君の訪問。
突然の君の訪問。
夜の11時
確かに今日親はいないとは伝えていた
でも、こんな時間に彼がくるとは思ってなかった
何しに来たのか聞くと
泣いてる気がしたから来てみたら、やっぱり泣いてたね
彼にはなんでもお見通しみたい
その日は一緒に寝てくれた
こんな泣き虫なのに愛してくれる彼が大好きです
突然の君の訪問
やあやあ。と言いながら入ってくるこの人は
今日も靴を脱ぎ散らかして無遠慮に狭い部屋を占領する
隠す気もない首元の跡がちらちらと目に痛い
思春期を舐めないでほしい。
ふらふらした足取りが心もとない
かなり酔ってるみたいだからコップに水をついで持っていく
あれ消えた。あぁタバコか。
どうやらベランダに移動したようだ
タバコの煙と共に肺を侵食するのはいつも違う香水
今日は渋めだ
僕ではない誰かの残り香
もう慣れたと思っていたけれど、
風が吹く度、鼻を掠めるそれは僕をひどく淋しくさせる。
この人にとって僕ってなんだろう。時々考えてしまう。
「たまに面倒みてやってる子供」とかかな。
自分でも子供じみてると思う。
この気持ちだって子供が大人に憧れる
思春期特有のあれなんだろう
認めたくないけどきっとそうなんだと思う。
どうせ僕は子供だから難しいことはよくわからないけど、
ただ、タバコを吸うこの人の横顔を許される限りずっと
見ていたいなって僕は思う。
突然の君の訪問。
めっちゃびっくりしたけど嬉しい(⑉︎• •⑉︎)
突然の君の訪問
突然の訪問。誰かと思ってドアを開けてみたら。珍しい事もあるもんだ。こうしてわざわざ放課後、俺の家に来るなんて。
「…何かあった?」
「…ん、ちょっと。…家入っていい?」
「どうぞ」
そう言い、俺の部屋へと連れて行く。部屋に入って暫くの間、お互いに無言だった。
普段はお互い黙っていても何も思わないというか、それが寧ろ心地いいというくらいなのだけれど。…どうにも、今はコイツの事が気になって仕方がない。
「…なぁ、俺の事、好き?」
不意に口を開いた。…と思ったら、随分と突拍子もない事を聞いてきた。
「…急だね。…不安になった?」
「質問に答えろっての。…どうなの」
いつもの自信過剰なコイツからは想像も出来ないくらい、弱々しく、か細い声でそう言う。
「好きに決まってるだろ。…言わせるなよ」
「そう…。…そっか。ありがとう」
そう言い、はにかむ。突然やってきて聞く事がそれか、とも思ったが、…まぁ、コイツが満足ならそれでいいか。と思い直す。
「…キスでもする?」
「…ん。何気使ってくれたの?あんがと」
「それもあるけど。…俺がしたかったの。」
「えぇ?何それ可愛いな…落ち込んだ甲斐あったかも…んじゃ今日は甘々デーって事で」
いつものような笑顔を俺に向けながら、言葉を並べる。こんな顔に俺は弱い。
「…はいはい。…するならしろよ。」
「押し倒していいという事?最高か?」
「…お前もうちょっと落ち込んでた方がよかったんじゃないの?」
「はぁっ!?愛しの彼氏様に言う言葉がそれかよ!」
「嘘だって。ごめん。…大好きだよ」
「…そういうことすんの?お前がその気なら俺も容赦しねぇからな。」
「…好きにしろ」
突然の君からの訪問。驚きはしたが…こういう甘い時を過ごせるなら、まぁ悪くはないのかな、なんて思ってしまった。
…何があったか、俺は聞かないからな。
言いたくなるまで待ってやる。
げ!!髪ボサボサ!変な服着てる!メイクしてない!ムダ毛剃ってない!わああああああ!!(焦)
「 唐突の君の訪問 」
寝落ちしていたのか時刻は9時過ぎ、そんな時家にインターホンが鳴り響く。親は珍しく親は用事で家を外している。
くしゃゞになった髪を手で解かしては
「 はーい 、 今出ます ! 」
と一言。 玄関を開ければ君の姿が目に入った
「 ぇ、りゅーじ 、 !? 」
自分は目を見開きながらそう言う。すると彼は
「 … これ 、 … 渡し損ねたから 、 」
そう言えば今日はバレンタインだ。
2024 . 8/29
先輩はおとこのこ __
蒸されるような暑さの中、ピタリと閉じた網戸を隔て喧しく騒ぐ夏虫の声。
風物詩から逃げるようにイヤホンをし、椅子に座ってほとんど動いてない脳みそで死んだように動画を見ながらSNSを徘徊する
カチカチ、マウスを握りふらつかせていた足に抜けた髪の毛でも当たったような違和感
払いのけようと手を動かすが妙な予感が電流のように頭を駆け巡り一度動きを止める。
ソロリ…。下を覗き違和感のある足へ視線を向けた
切り取られ丸まった洗濯タグの様な細長く白い体の、なにか
ゾワリ。急に動き出したせいかまともに動いてくれない頭が言葉を捻り出す。
いったいどこから―――。
『突然の君の訪問』
君
の
肩
も
た
れ
か
か
っ
て
流
れ
星
彼は用事のある時しか連絡しないタイプだ。
そして業務連絡みたいな敬語の文章。
貴方との写真が映るトーク画面には、おおよそ恋人同士とは言えない様な文字列を浮かべている。
彼は私に用事のある事は絶対に事前に連絡をくれる。
誤解が生まれない様に、丁寧に私との関係を紡いでくれる。
誠実という言葉がよく似合う、真面目な人。
私の中の彼の印象で私と真反対だ。
そんな所が好きになったのかなとも思う。
あぁ、なんだか貴方に会いたくなってきた。
彼が帰ってきたら私が家にいて、貴方に抱きついたらなんていうだろう。
でも貴方が私の突然の行動を結構好いているのは知ってるよ。
「君はいつも予想外で楽しいね」って言うから。
鍵だけ閉めて、前に褒めてたプリンを買って貴方の家へ。
『突然の君の訪問』
ピーンポーン
「はーい」
ドアを開けたらそこには君が満面の笑みで立っていた。
会いたくてきちゃった。と無邪気に話している君を見て嬉しさとビックリを感じながら歓迎した。
丁度私も会いたいと思っていたから気持ちを読まれたみたいで恥ずかしくこそばゆい気持ちに包まれた。
「来るなら言ってよ〜」そう言いながら家の中へ入れて
いつも座る椅子へ案内した。
この人はいつも突然来る。全く困った人だ。でもその予期せぬ行動にドキドキワクワクさせられる私がいるのも事実で。
あぁ、そういうところが好きなの。と噛み締めて一緒にご飯を食べて映画を見て他愛ない話をして幸せだなと思うの。
「来てくれてありがとうね。」
次はいつ来てくれるかな。
寂しくなった夜、君はいつも駆けつけてくれる。
私に連絡もしないで、突然の深夜の訪問。それでも君なら嬉しかった。
ねぇ、最近はなんで来てくれないの?
ねぇ、早く…会いに来てよ。
ねぇ、。
ーなんで、私より先に死んじゃったの?
会いたいよ、ばか。
#突然の君の訪問
たまたま出会っただけ。
テレビ越しに映る貴方があまりに素敵で、気がつけば目を奪われていた。演技の仕方も、貴方自身の話し方も何もかもに惹かれ、気がつけば私の心に住み着いていた。
嬉しかった。近頃、何かに情熱と愛情を注ぐことに疲れて、全部「どうでもいい」で済ませていた中で、人生は楽しいぞと言うように笑う貴方に出会えた。
人生で初めて、コンビニで写真を印刷して壁に貼った。
楽しそうに笑う貴方が、突然私の心に訪問してきてくれて嬉しい。静かにひとりぼっちの部屋で写真を見つめては微笑む。
これから先、どうか幸せに生きてほしいと願いながら、笑う顔の輪郭に指を添えた。
驚いたけど、嬉しさが隠せない。
いつも見ていることがばれてないか心配になるが、うまくにごして、招く。
学校は一緒で彼は他県から来ているから寮生。私は市内で通学。長期休みになると会えなくなり、距離も遠い。片道車で2時間半。
その日はなかなか夜に眠れなかった。
突然の君の訪問
何事も予期せぬ時に起こる。その都度、なんの準備もないままに、選択を迫られる。いま私はどうするべきなのだろうか。
数年ぶりに対峙する、変わらないようでいて確かに違う姿。どこがと問われれば定かには分からないけれど、ここで選択を間違えたらきっと、私は何かを失うことになる。それだけが分かる。それが怖くていつも何も選べないまま、選ぼうとしないまま過ごしてきた気がする。
望んでしまえば、叶わなかった時に辛い。静かにこちらを窺う視線が痛い。言うべきであろう言葉と言いたい言葉、どちらを口にするかを決めあぐねて、いつも私は間に合わなかった。何度も何度も。
今回もまた、そんな私に失望し去る背中を見送るのか?どうせどうしたって、選べなかったことや選ばなかった選択肢を振り返って後悔するのに?
何事も予期せぬ時に起こるが、思わぬ結果になることもある。準備なんかは何も整っていやしないが、整っている時のほうが少ないじゃないか。どうせいつだって間に合ってないんだから、言いたいことを伝えよう。まっすぐ目を合わせて、口を開く。
あまのじゃく な 僕は素直になれず
今日も君を思い夜が耽ける
突然の君の訪問
「会いたかった」
君の目は手はこんなにも温かいのに
僕は今日も素直になれない
突然の黄身の訪問。
成鳥になれなかった怨念かあるいは惣菜
彼らを助ける方法はもはや存在しない
胡瓜のエネルギーだけで動く棒棒鶏のようなものだ
そんな時は親子丼を作るのだ
あまりにも残酷すぎて黄身も殻にこもり
割れ目を接着剤で修復するだろう
突然の君の訪問。
風邪で会社を休んだ日
突然うちに訪ねてきた君
全く予想していなかったから
嬉しさがこみ上げ
かえって熱が上がりそう
君のサプライズは大成功
割と勘の鋭い私には
風邪引いたくらいでなきゃ
多分こんなに驚くことできなかったよ
マンションの前の廊下で、コツコツとヒールの音が響いた。珍しい、ここは一番端の部屋で、住民が通り抜けるようなこともないからだ。外の様子をみようかと玄関へ行くと、鍵穴に鍵が差し込まれる音がしてすぐにドアが開いた。
「サヨリ……」
サヨリ、数ヶ月前に別れて部屋を出ていった彼女がそこにいた。
「合鍵、まだ持ってたんだな。だけどここはもう俺だけの部屋だ。勝手に入ってくるなんてマナーが悪いな」
「……」
サヨリは返事もせずに靴を脱ぐと部屋に上がった。わざとらしく俺と視線を合わせず、部屋のなかをぐるりと見渡している。ふと壁に残った凹みを見つけて撫でた。
「ふふ……私がつけた傷」
そうだ。喧嘩をした時にサヨリが俺のスマホを投げつけたのだ。この女は逆上すると何をしでかすか分からないところがある。ひとまず様子を見守ることにした。やがてピリリと音がして、サヨリは自分のスマホで通話を始めた。
「……うん、大丈夫。一人だよ。……あんな浮気性のクズ、なんとも思ってないから。鍵を管理人さんに返したらすぐに帰るね」
電話の向こうで男の声が聞こえた。今の彼氏だろうか。それにしても堂々と嘘をついて、よく人をクズ呼ばわりできるもんだ。……まぁ、浮気したのは認めるけど。通話を終えて、サヨリは俺に背を向けたままポツリと言う。
「付き合ってるとき、何度殺してやろうと思ったかしれない」
サヨリは手提げから小さな日本酒の瓶を取り出した。あれは……俺の好きな酒だ。何かの記念日に飲んだあと、浮気がバレて投げつけられたことのあるいわく付きの。
振り向きざまにまた投げつけられるのではと身構えた。だがサヨリは瓶をキッチンの調理台に置いて手を合わせた。
「あなたの好きだったお酒買ってきたから飲んでね」
「あ、ありが……」
俺の言葉を最後まで聞かず、サヨリは靴を履いた。
「何しに来たんだよ、気持ち悪いな」
サヨリは勢いよく振り返った。
「ばか……ばか……子供を庇って死んじゃうなんて」
「な……に……!?」
「せいぜい天国で天使サマのお尻でも追いかけるといいわ」
サヨリの頬に落ちたのは涙だったのか。彼女は部屋を出ていく。
後に残された俺は、何ひとつ家具の置かれていない、ガランとした部屋を呆然と見回した。
#18 『突然の君の訪問。』 2024/8/29
やあ。
元気だった?
あれからどう?
後悔はできたかな?
元気なはず無いよね。
大丈夫なはず無いよね。
誰のせいでこうなってるんだっけ。
誰のせいなんだっけ。
また逃げるの?
泣くの?
まだ?
また?
逃げるな。
逃げるな。
逃げるな。
逃げんな。
逃げんな。
逃げんな。
『突然の君の訪問。』