蒸されるような暑さの中、ピタリと閉じた網戸を隔て喧しく騒ぐ夏虫の声。
風物詩から逃げるようにイヤホンをし、椅子に座ってほとんど動いてない脳みそで死んだように動画を見ながらSNSを徘徊する
カチカチ、マウスを握りふらつかせていた足に抜けた髪の毛でも当たったような違和感
払いのけようと手を動かすが妙な予感が電流のように頭を駆け巡り一度動きを止める。
ソロリ…。下を覗き違和感のある足へ視線を向けた
切り取られ丸まった洗濯タグの様な細長く白い体の、なにか
ゾワリ。急に動き出したせいかまともに動いてくれない頭が言葉を捻り出す。
いったいどこから―――。
『突然の君の訪問』
8/28/2024, 4:12:47 PM