『空が泣く』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
【空が泣く】
神様のところで雨を降らすのが、今の仕事。その前のことはよく分からない。気づいたら雲の上にいた。
「雨、降らしてみる?」
神様に聞かれて、ジョウロを渡された。
(これでまけばいいの?)
雲の上からは色んなものが見えた。
「いい人がいたら、教えてね」
神様はそう言ったけど、それ以上は教えてくれない。だからどうやって探すのか、「いい人」がどんな人なのか、探してどうするのか分かんなかった。でもどうも、「いい人」が見つかったら、雲の上にはいられなくなるらしかった。
(ずっとこのままじゃダメかな)
神様のお手伝いで、雨を降らせる。気楽で、結構自分向きかもと思っていたのに、さよならしなきゃならないのは、残念だった。だから、そんなに熱心に探してたわけじゃない。でも、「いい人」は見つかった。ずっと呼ばれていたような、不思議な感じだった。
「神様、いい人、見つけた」
報告すると神様は、「ああ、よかったね」と、にっこり笑った。
「そうだ。ジョウロ、持っていってもいい?」
「まだまだ使うからね、置いていって」
「また、誰かが来るの?」
頷いた神様がじっとこちらを見る。
「行ってらっしゃい」
赤い星のクリスマスツリー
僕がコネチカットの住宅街で生まれた年、一つの超大国が15の共和国に分裂して、崩壊した。クリスマスは悲しい日だったのさ。だけど、家族のみんなはクリスマスの日、つまりキリストの誕生日に生まれた僕を『神聖な子ども』としてそれはもう素敵な名前をつけてくれたよ。
「もう共産主義は終わりだ!」とゴルバチョフが嘆いて、ソ連最高会議幹部所を立ち去ったかどうかは定かじゃない。でも、ほとんどのアメリカ人や自由主義経済の国民は「ああ、ようやく冷戦が終わったんだな」と胸を撫で下ろして、クリスマスを祝ったことだろう。
だけど、僕が10歳になった九月のことさ。コネチカットのすぐ近くのニューヨークで、二つのビルにハイジャックされた飛行機が突っ込んだ。父さんも母さんも「パールハーバーだ、世界戦争だ」とブラウン管テレビの画面の中で炎上する二つのビルを観て叫んでいた。
それから、今度はテロとの戦いの時代が始まったことは、言うまでもない。アメリカには、常に『敵』がいて、なんだかんだ常に戦争してる。それで僕はどうしたかって。大学を中退した後海兵隊に入隊してイラクへ向かった。そこでタリバンと戦ったよ。フロリダ出身のマイクとは戦友になった。彼、いいヤツだった。だけど、胸に赤い星のバッジをつけたタリバン兵士にAKライフルで射殺されてしまった。
そんなことがあって、僕はもう赤い星がトラウマになっちまった。帰国の許可が降りたので、またコネチカットの自宅に戻ったけど、戦争後遺症というヤツさ。夜中に叫んだりして家族を困らせたから、ニューヨークに独り暮らしすることになった。
ああ、そうだ。赤い星についてだけど、あれ、共産主義のシンボルなんだってさ。ニューヨークの昔ながらの住宅街はクリスマスの飾り付けで忙しそうにしてたけど、そういや僕が借りている家の近所のクリスマスツリーのてっぺんの星が赤色だったな。
なんで金や黄じゃなくて赤にしたんだろうな。ソ連崩壊を皮肉ったのかもしれないし、飾り付けたヤツがただ無神経なだけだったのかもしれない。
僕はそのクリスマスツリーが不愉快で仕方ない。
消えない傷がある。
心を抉ったいくつもの言葉がある。
帰る家がある。
普通の生活がある。
ないものねだりである。
取り戻せない過去がある。
後悔してももう遅い。
ズタズタになった家族の絆はもうもとには戻らない。
目の前で、幸せそうに話す父子。
うちの父親は、こんなふうには言わないのに。
……というのを母親に言ったら、また罵られるのだろうな。
もし何かが違っていたら。
こんな未来もあったんじゃないか?
空から降り注ぐ土砂降りの雨は、今朝からずっと止まないままだ。
悲しみをずっと内に抱えながら、とうとう耐えきれずに泣き出してしまったかのような、その激しく打ち付ける雨粒を、僕は窓辺からそっと眺めていた。
僕の代わりに泣いてくれているのだろうか。
そう思ってしまうほどに強く耳に響く雨音に、僕は何だかつられて泣いてしまいそうだった。
【空が泣く】
晴れているのが一番
けれど
曇り 土砂降り 嵐 雷 吹雪
どんなに荒れていたとしても
心を閉ざすより 見せて欲しい
貴方がくれた言葉
※数日間書いてなかったので、色々短めアラカルトをお楽しみ下さい。
カレンダーをめくる度に楽しみになる。
もうすぐお父さんが帰ってくる。
年に1度、この1週間だけ帰ってくるんだ。
早く会いたいなぁ。
そう思っていた、あの日。
僕は純粋だったんだ。
大人の事情も知らないで。
自分勝手なことばかり思って。
そんな僕もいつか家庭を持つのだろうか。
ふと見た夕焼けが目に染みた。
■テーマ:カレンダー
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あの日の初恋なんかと比べ物にならなかった。
こんなに激しい恋があるなんて。
あぁ、貴方が既婚者でなければ、なんて。
こんなこと思うなんて思ってもなかった。
あぁ、貴方を攫いたい、なんて。
そんなこと思うなんて思ってもなかった。
今日も私の葛藤が脳裏で行われる。
どの道でも報われない恋とは知りながら。
■テーマ:本気の恋
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僕はこの町で1番高い場所に行った。
公園の上の方。
実は僕は家出をした。
両親がうざくて。将来が嫌すぎて。
今思えば、とても子どもだった。
でもこの家出は良い経験になったかもしれない。
夜明け前の青っぽいオレンジっぽい空の下。
僕は確かに生きているんだ。
■テーマ:夜明け前
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命が燃え尽きるまで、やりたいことをやる。
だから、私は今の職業よりも
楽しくて自由な職に就く!
そして、趣味を存分に楽しむ!!
1度きりの人生なんだから!!!
■テーマ:命が燃え尽きるまで
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君からのLINEを待ってる。
ずっと未読スルーだけど。
でもいつか来てくれるって信じている。
誰に何を言われようが。
例え、目の前に君の遺影が飾っていても。
僕はずっと、君からのLINEを待ってる。
■テーマ:君からのLINE
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空は透き通っているのに、空が泣いた。
空が泣いたのはほんの一瞬だった。
そのあとの虹のかかった空は綺麗だった。
■テーマ:空が泣く
空が泣く…?
あまり聞いたことない
空が泣くってことは
天気が悪く曇りになるのか
雨が降るのか
雷が鳴るのか
意味的にいっぱいと考えちゃう
他になんかあるのかな?
空が泣く
空が泣く
今にも雨が降ってきそうな空。
空が泣きそう。
そんなある時、毎日の気分は空模様に左右されることが多いと気づきました。最近、年齢と共にますますそうだと思います。
そして、自分で不機嫌な顔をしているのは、周りまで陰気にしていて、辞めたいと思うようになりました。
空が泣いてても、それに左右されない自分を目指したいと思うこの頃です!
〜空が泣く〜
空が泣いていた
ふと視線を落とすと私が泣いていた
空は私の鏡のように映していく
ある時空が暗かった
空が心を閉ざしていて
私の心はばらばらだった
今は青く輝いている
ありがとう空
ありがとう私
常識を生きている。
みんなが思い浮かべるような、常識を。
会話も、行動も、常識を。
それを毎日繰り返す。
そうやって生きてきた。
だから、今日も
『常識の1日』
のはずなのに。
常識から外れそうな心は涙のひとつさえこぼさなくて。
ああ、でも
空は泣いている。
【空が泣く】
心の繋がり消えることなく、愛の歌も虹色に輝いていた。尽きることのない命の営みに、憐憫の思い重なる時、空がそっと涙を流す。歌声が聞こえる。誰もが、絶え間なく何かに思いを馳せるように。空もまた見ているのだろう。
「お父さん、助けて…。私、殺しちゃったの…」 深夜の2時過ぎ。震える声の娘から電話がかかってきた今年の春から、大学生になったばかりの一人娘からだ。大学は、自宅から通える距離にあったが、 「大学生なんだから、独り立ちしたい」と懇願されて、自宅から車で10分ほどのマンションで一人暮らしすることを許した。電話の向こうで、娘が泣きながら説明を続ける。「暑かったから、ちょっとだけ窓を開けて寝ていたの…。そしたら、あいつが入ってきて…。私、逃げたのにあいつが追いかけてきて…。お父さん、助けて…私、あの虫けらを殺してしまったの…」 俺は、娘を落ち着かせ、車で娘のマンションに向かった俺は、娘のマンションにつくと、墨汁の入った水鉄砲で、監視カメラのレンズを黒くふさいだ。そして、娘の部屋のドアを小さくノックし、部屋に入る。室内は、争いの激しさを物語るように散乱していた。ーこういうリスクは、想定しておかなければいけなかった。やはり、娘の一人暮らしは、認めてはいけなかったのだ。俺は、床に転がる虫けらを、どのように始末するか考えた。心臓がバクバクするのが、自分でもわかる。しかし娘が泣いているのを放っておくことはできない。そしてゴム手袋をはめ、虫けらをティッシュでくるんだ。このままトイレに流してしまうのが一番だろう。何重かにした袋にくるんでも、ゴミ箱にこいつがいたら、娘は、安心できないだろうから。トイレがつまってしまうのは怖いが、仕方ない。俺は、あえて、にらむような表情で娘に言った。「虫けら」って、文字通りの「虫けら」なのか?ゴキブリの死骸も自分で始末できないなら、一人暮らしなんて、やめてくれよこんなことで、真夜中に、いちいちパパを呼び出さないでくれ!」
空が泣くのってどんなとき?
単純に考えたら雨が降ってる時。
涙みたいに思えるから。
最近は色んなことを我慢して我慢して
いっぱいいっぱいになって
堰を切ったように泣くよね。
本当は溜め込まずに泣きたい時にほろり一筋涙を流せばいいのにね。
空と現代を生きる私たちは同じように我慢強くて無理しちゃう不器用さんなんだろうか。
なんちゃって。
空が泣く
空の神様は泣き虫だ
春のやさしさが恋しくて泣き
夏のかがやきが眩しくて泣く
秋のいろどりが淋しくて泣き
冬のつめたさが欲しくて泣く
空の神様は大地を愛している
だから
命が歌い
風が励まし
日が語りかけ
虹が涙を拭いてくれる
「待ちなさい!」
「い、や」
「あッ、こら!」
ウィーン…、目の前でエレベーターのドアが閉まった。箱の中にその生物だけを閉じ込めて、エレベーターはさっさと昇ってゆく。
内心舌打ちをした。
二機しかないエレベーター。あれが乗っていない方は上階を下っている。エントランスに着いて私が乗ってからあれを追ったとしても、あれはすでに家の中だ。
まさか、あれの細腕に押し退けられるなんて。
機嫌が悪いのは態度に表れていた。現場に居合わせていたわけでも、今日一日の様子をすべて知っているわけでもない私に、その理由は分からない。
だが、あまりいい気はしなかった。
身体を動かしていないと焦りで押し潰されてしまう。それくらいにはこころが安寧を失っている。
愚断だとは分かっていたが、階段を使った。
……本当に、本当に、愚断だった。
玄関に着いたときは皮膚が湿っていたし、首筋は濡れて痒い。ここ最近、あまり走る機会のなかった身体はギシリと関節に熱が溜まって。
脱ぎ捨てられた靴は隅と隅に打ち捨てられていた。なぜそうなる。
かかとを揃えてやる。
廊下のはずれから雨のような音がしていた。
「…お前、何をしているんです」
「……おふろに、はいってる。あのねそれだけ」
「うそおっしゃい。着衣のままシャワーにも当たらないのに」
「あのね、うるさいだけならどっかいって」
バスルームの真ん中でうずくまるこれ。服はすっかりお湯を吸っていた。膝にひたいをつけて。
片手で持っているシャワーのノズルは天井を向いている。勢いのまま天井を濡らして、楕円形の水滴に集まりぼたぼたと降ってゆく。
雨にしては太っている水滴。
それを静かに被るその生物はくるりと私を見上げてきた。
いつものスマイルはない。
「ばかだね。エレベーターのほうがはやいに決まってる。後悔した?」
「いまのお前に言う必要はありません」
「……ばかだね。あのね、透けてるんだよ」
「馬鹿なのはお前のほうです」
「ばかなうえに口まである。あのね、きて。こないとだめ。いますぐ。となり。きて」
水はけのいい床だから、水溜まりはすぐに排水溝に吸われて消えてゆく。バスルームのドアを閉めたから部屋の熱気とともに湿気がぐんと上がった。
湿度でこの生物の輪郭がぼけている。
その身体はどこもかしこも薄っぺらいし、濡れているから余計にだ。
となりで同じように膝を曲げる。
持って。とシャワーを押しつけられて雨製造機にされた。大粒の水滴が当たる感触は割と重たい。台風の刺すような鋭さはなく、けれど普段の雨にしては随分質量がある。
降ってくる間にお湯は冷めて。
なんだかこの生物の体温のようだ。
人工的な空を定期的に掃除していてよかったと心底思う。
「あのね、水が目に入った。いたい」
「やめて浴室から出ればいいんです」
「…あのね、めずらしくいいこと言うね。でも、もうちょっとなんだよ」
くしくしと目をこする。力を入れて皮膚を引っ掻くから、そこに傷がついてゆく。
辞めさせようとも思ったが、いまだけは好きにさせることにした。
#空が泣く
空がなく
私の感情が表している空。
なぜこんなに青いのだろうか。
「雨のお題はこれで5回目なんよ……」
過去の雨ネタで何書いたかは、8月27日投稿「雨に佇む」のお題冒頭でまとめてあるから、気になったら確認してくれや。某所在住物書きは今日も頭を抱え、重複ネタにどう立ち向かうか思考を巡らせた。
ここで折れてはいられない。きっと、あと2〜3回は対峙することになる「雨」である。
筆投げて、「もう雨は書けません」して、ではいずれ来るであろう次の雨を、どう乗り切るのか。
「……つっても思いつかねぇものは思いつかねぇわ」
秋雨、氷雨、通り雨に豪雨。まだ書いていない「雨」はどこだろう。物書きは思いつく限り、泣く空を表す言葉を挙げ続けた。
――――――
3連休2日目。東京は晴れて相変わらず気温が高い。
太陽が無駄にニッコリご機嫌で、9月中旬って何だっけって暑さをしてる。
もうちょっと落ち着いてくれて良いのよ(懇願)
ただ、ずっとずっと西の方、九州の一部では、空がギャン泣き、大雨が降ってるらしくて、
職場の先輩がスマホの防災アプリで、該当地域の情報をチェックしてる。
先輩がちょこちょこ淹れて飲んでる緑茶、その産地のひとつが朝、ギャン泣きの空の下だったんだって。
「これが、その産地の茶っ葉だ」
先輩が住むアパートの一室。
先輩が食材仕入れて、料理して、私が食費とガス代を半分現金で出すっていう、節約術としてのシェアランチの後。
食後のお茶タイムで、カラリ、氷とお茶の入った白いカップを出してくれた。
「今日は暑いし、冷茶……アイスティーにしてみた」
ちなみに今日はクラッシュタイプのオートミールでとろみをつけた、辛さ控えめの麻婆豆腐だった。
片栗粉使うより、こっちの方が糖質は少ないらしい。覚えた。
「明るい若草色してる」
「私が普段飲んでいる黄色い方より、確実に渋みが少ない。味も優しいから、飲みやすいと思う」
「先輩はどっち好き?黄色い方?」
「お前は、どっちが好きなんだ」
「『両方好きだから答えられない』ね。おけ把握」
お茶飲んで、先輩からお茶菓子としてのチョコチップクッキー貰って、ぱくり。
ペットボトルのお茶とは少し違う、鼻に抜けるお茶の甘さと、爽やかさが、クッキーのチョコに混じる。
「……生クリームどら焼き食べたくなってきた」
このお茶っ葉作ってるところが、今、大変なんだ。
今まさに、空が泣いて、大降りになってる最中だろう地域のあたりを思いながら、私はもうひとくち、お茶を含んだ。
「生クリームどら焼き?」
「どら焼きのあんこの甘さをね、お茶のサッパリがサッパリにしてくれるの。で、お茶のサッパリを生クリームがラテにしてくれるの」
「はぁ、……うん、想像は、できた。同意する」
「ちょっと買ってくる」
「は?」
「生クリームとチョコと、栗と苺あたり買ってくる。先輩お茶、リットルで淹れといて」
「待て。確実に糖質過多だ。ひとつにしておけ。
おい、待てと言ってる、待、おい……
……『お茶、リットルで』……?」
空が泣く、私も泣く。
雨に紛れて涙が見えなくなるから、ちょうどいい。
悲しい空はまるで私の心を映し出す。
空にいるキミと、私の涙雨。
いかにも泣きそうな空だ。
そんな空を見つめながら、遠くに住んでいる彼女のことを思う。
今、彼女は、笑っているだろうか? 楽しい時間を過ごしているだろうか? 哀しんでは、いないだろうか?
今、遠くに住んでいる私には、思うことしかできない。
よくて話しを聞くことしかできない。
昔のようには、毎日そばにいて、バカバカしい話しいして、笑って過ごして過ごすことはできない。
大人になったということだと思うだろう。
それでも、変わらない〈友情〉は変わらずにいたいと思う友人がいることは、幸せなのだろうと、泣きそう空を見上げて思った。
#泣きそうな空#
ソフィア
空が泣く。
空にいる龍が泣いているのだろうか。
そこに雷様が来たら大変な事になる気がする。
龍は水の神。
水の如く繊細。
だから、あまり泣かされては困るよ。