かたいなか

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「雨のお題はこれで5回目なんよ……」
過去の雨ネタで何書いたかは、8月27日投稿「雨に佇む」のお題冒頭でまとめてあるから、気になったら確認してくれや。某所在住物書きは今日も頭を抱え、重複ネタにどう立ち向かうか思考を巡らせた。

ここで折れてはいられない。きっと、あと2〜3回は対峙することになる「雨」である。
筆投げて、「もう雨は書けません」して、ではいずれ来るであろう次の雨を、どう乗り切るのか。
「……つっても思いつかねぇものは思いつかねぇわ」
秋雨、氷雨、通り雨に豪雨。まだ書いていない「雨」はどこだろう。物書きは思いつく限り、泣く空を表す言葉を挙げ続けた。

――――――

3連休2日目。東京は晴れて相変わらず気温が高い。
太陽が無駄にニッコリご機嫌で、9月中旬って何だっけって暑さをしてる。
もうちょっと落ち着いてくれて良いのよ(懇願)

ただ、ずっとずっと西の方、九州の一部では、空がギャン泣き、大雨が降ってるらしくて、
職場の先輩がスマホの防災アプリで、該当地域の情報をチェックしてる。
先輩がちょこちょこ淹れて飲んでる緑茶、その産地のひとつが朝、ギャン泣きの空の下だったんだって。

「これが、その産地の茶っ葉だ」
先輩が住むアパートの一室。
先輩が食材仕入れて、料理して、私が食費とガス代を半分現金で出すっていう、節約術としてのシェアランチの後。
食後のお茶タイムで、カラリ、氷とお茶の入った白いカップを出してくれた。
「今日は暑いし、冷茶……アイスティーにしてみた」
ちなみに今日はクラッシュタイプのオートミールでとろみをつけた、辛さ控えめの麻婆豆腐だった。
片栗粉使うより、こっちの方が糖質は少ないらしい。覚えた。

「明るい若草色してる」
「私が普段飲んでいる黄色い方より、確実に渋みが少ない。味も優しいから、飲みやすいと思う」

「先輩はどっち好き?黄色い方?」
「お前は、どっちが好きなんだ」
「『両方好きだから答えられない』ね。おけ把握」

お茶飲んで、先輩からお茶菓子としてのチョコチップクッキー貰って、ぱくり。
ペットボトルのお茶とは少し違う、鼻に抜けるお茶の甘さと、爽やかさが、クッキーのチョコに混じる。
「……生クリームどら焼き食べたくなってきた」
このお茶っ葉作ってるところが、今、大変なんだ。
今まさに、空が泣いて、大降りになってる最中だろう地域のあたりを思いながら、私はもうひとくち、お茶を含んだ。

「生クリームどら焼き?」
「どら焼きのあんこの甘さをね、お茶のサッパリがサッパリにしてくれるの。で、お茶のサッパリを生クリームがラテにしてくれるの」
「はぁ、……うん、想像は、できた。同意する」

「ちょっと買ってくる」
「は?」
「生クリームとチョコと、栗と苺あたり買ってくる。先輩お茶、リットルで淹れといて」
「待て。確実に糖質過多だ。ひとつにしておけ。
おい、待てと言ってる、待、おい……

……『お茶、リットルで』……?」

9/17/2023, 4:37:28 AM