『秋風』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
秋風に吹かれ
身体を縮める
温かい物が
食べたくなる
暖かい部屋が
恋しくなる
冬の足音が
近付いている
秋風
秋風がわたしのもとに遊びに来た。
「最近どう?」
「わたしもあなたみたいに、自由に飛び回れた
らいいなって思う毎日だよ」
「ふーん。
そんなに束縛されてるの?」
「いや、ただ単に、逃げたいっていうか」
「人間は気楽でいいね。
僕ら秋風は秋限定の風なんだよ。
だから存在できるうちに、沢山吹いておくん
だ。人間も同じでしょ?」
確かにそうかもしれないね…
とわたしが答える前に、秋風は去っていった。
秋風が頬を滑る。
枯れた涙もそのままでただ朝陽を見つめた。
君はいつだって僕の先をいくんだ。
風がひゅうって吹いた。
湖の水面が揺れる。
ふと目をやると、
水面が光を反射して、キラキラしていた。
今日は晴れていて、太陽がくれた光は、優しく湖を輝かせている。
ほとりにある木は紅葉していて、
風に吹かれてさわさわと揺れている。
赤い葉と水面がまぶしくて、思わず、
きれい、と呟いた。
歩いてきてみてよかった。まるで宝箱みたいにキラリと光る景色。
今日は気持ちのいい秋晴れ。秋風はさわやかに吹いていて、心地いい。
風からは少し冷ややかさを感じる。
もうすぐ冬になるのね。
秋風
冷たい秋風が私の頬を鋭く突いてくる。
「もう甘い事は言ってられない。現実を見なさい。」 と。
でも、私は諦めない。
春風が私の頬を優しく撫でてくれるまで。
秋風
それは第二次世界大戦で活躍した駆逐艦、、、
私は9月の末の生まれだ。
誕生日ごろになると、夜風に涼しさが混じりはじめ、ちょっとした散歩に出かけたくなる。
近所のコンビニでアイスコーヒーを買い、のんびりと飲みながら街灯の下を選んで適当に歩いていく。
脇道に入って堤防に向かいたい気もするし、その方が気持ちいいだろうとは思うものの、街灯もまばらな暗い道を一人で歩く勇気はない。
店の照明と忙しなく行き過ぎる車のライトを浴びながら夜を歩くのは贅沢なことだと思う。
夏の夜風は昼間の火照りをはらんでいるような、生ぬるい風だが、9月も終わろうとする頃には少し鋭くて、これから熱は失われて、おちおち散歩もできなくなるんだから、せいぜい短い今を楽しみなさいと言われているかのようだ。
私は春や秋の橋渡しのような季節が好きだ。どちらも短くて、前の季節と次の季節をはらんでいる。
その割合が変わっていくのを日々感じるのが好きだ。
夏が減って、冬が増えていく。
もうそろそろ、秋の橋を渡りきって冬に変わるだろう。
そうしたら、夜の散歩は次の春までお預けだ。
秋風
秋風漂う我が夫婦関係。
でも、別れない。
なんでたろね。
子どもがいるから、面倒臭いから、お金を取られるから…
だから別れられない人、たくさんいるよね。
そんな人がたくさんいるから世の中うまく行っている。
これからもそんな人がたくさんいる世の中でありますように。
『秋風さん』
秋風さん 秋風さん
何処に行ってしまったの?
気温は寒くはないけれど
朝の自転車通学路
氷が肌を撫でるよう
木枯らしびゅうびゅう吹き荒れる
本当に秋に吹く風が
この世界にあるのならば
紅葉の雨を連れてきて
きっと綺麗なことでしょう
夏が来て 冬が来て
秋が見えない昨今です
秋風さん 秋風さん
今年も冬が来ちゃったね
来年こそは会えるといいな
強い風が木々を揺らす。
「さむっ」
思わず女は声に出す。
ついこの前まで生暖かい風が吹いていたというのに。
再び冷たい風が彼女の肌を刺す。
「あーあっ、もう本当に寒いなっ」
彼女はやけくそになって大きな声を出す。
先日、付き合っていた相手から唐突に別れを告げられ、訳も解らぬまま振られてしまったのだ。
彼女が寒いのは体だけはでなく、心もだった。
――一人でいるのは寒いな。
彼女はそれまでの二人の温かい思い出を振り返っていた。
――だめだめ、せっかく落ち着いてきたのに、今思い出したら辛くなる。
そんな折、先程よりも一層強い風が吹く。
「あぁっ」
風が彼女の帽子を吹き飛ばした。
彼女は帽子を追いかる。
帽子は長身の男のもとに飛んで行った。
「大丈夫でしたか?風強かったですね」
そう言って男は笑顔で彼女に帽子を渡す。
彼女はその男の笑顔に見惚れ、ぽっかり口を開けている。
そう一目惚れだった。
秋の風、冷たい風の事を指すが、同時に男女の心の移ろいやすさも表す。
『秋風』
『秋風』
書きたくないことを
書くくらいなら
筆を置いてしまえばいい
秋風が紙をめくる
はたはたと誘うように
そのうちに
気持ちも変わっていくだろう
秋風が立つ
関係に嫌気がさしてひびがはいる
秋風索漠
秋風に吹かれるような寂しい心地
なんともさみしい
寂しさが埋められずますますさみしくなる
寂しい女は太ると言ったのは誰だったっけ
天高く馬肥ゆる秋
空気清々しく食欲が増す
私は元気です
秋風は寒い・・・と想像しかけたが、それでは冬と変わらない。思えば近年、急激に寒くなって急激に暑くなることばかりな気がする。秋とはどんなものだったか。
何をするにもちょうど良い気温と聞くが、趣味が室内で完結する私にはあまり関係がない。エアコンひとつでちょうど良くできるからだ。
ああでも、紅葉が風で散っていく光景は綺麗だ。桜とはまた違う風情がある。これなら秋風で間違いないだろう。
風自体は冷えて体に障るので好ましいとは感じないが、私は視覚的に綺麗と感じられるものは好む。自然の中でないと見られない景色を求めて出かけるのも悪くなさそうだ。これ以上寒くなる前に、秋風に吹かれておこう。
お題 秋風
秋風国立音楽学院の学園祭に、冬将軍がやってきた。強くなる北風に学生たちは身を屈める。いよいよこの学園祭も終わりのときか、と誰もが思っていたとき、どこからか軽快なリズムがやってきた。
北風のなか、ド派手な薄着の衣装でやってくるのは、夏空芸術大学サンバサークルのみなさんだ。
冬将軍は怯んだ。そしてサンバを踊りだした。
しばらくしてサンバサークルは過ぎ去って、冬将軍が息を吹き返した。冷たい北風が銀杏の葉を舞い落としている。
そこにやってきたのは、春色美術大学マーチングバンド部のみなさんだ。
冬将軍は再び怯んで、マーチングバンドの行進と一緒に行ってしまった。
学園祭はそうして終わりを迎えた。
ゆっくりゆっくりとやってくる冬の音楽が、遠くから微かに聞こえている。
どことない虚しさと寂しさを運んでゆく
私の気持ちもそのまま 一緒に乗って吹かれて
#秋風
【秋風】
なんでだろう。
イライラする。
食べながら話をするのは、いいけど
箸でくるくる円を描くようにしないで。
相変わらず、最後に嫌いなトマト残さないで。
ごちそうさまって
食器そのままで、リビングに行かないで。
なんでだろう。
今日はなんだか特にイライラする。
ふぅ。
こういうときは、気分転換。
窓を開けて、空気を入れ替えよう。
秋風が冷やすのは、高まった感情か、この恋か。
題 秋風
いつものように、風を切って行く
でも、今日から風は、残酷になる
植物、生物。見境なく斬りつける辻斬りに変わる
赤くて、紅くて、朱くて、緋い林檎がいっぱい
テーマ:秋風 #2
「もうすぐ冬ね」
公園に座っていた私にそう声をかけたのは、隣りに座ったおばあさんだった。私は少し間があけてから
「そうですね」
そう答えた。おばあさんは優しく微笑んだ。
「私にはね、あなたくらいの孫がいるの」
おばあさんは遠くに見える山を見ていった。山の木々は紅葉していて綺麗だった。
「その孫が可愛くて仕方がない」
そう言って私に微笑むおばあさん。
「でもね」
おばあさんはシワシワになっている手を絡ませた。
「私は孫の顔が思い出せないの」
寂しげな顔をしたおばあさんを見て、私は何も言えなくなった。
「もうすぐで孫が帰ってくるの。しっかり顔を見て、おかえりって言ってあげたいんだけど…」
おばあさんの表情は曇っていく。
「大丈夫ですよ。きっと」
私はそう言っておばあさんを見た。
「そうかしら。もうだいぶボケてきちゃったからねぇ…」
おばあさんは苦笑いをする。
「話を聞いていれば分かります。どれだけお孫さんのことを愛しているのか」
私はおばあさんに視線を真っ直ぐ向ける。
「あらあら…ありがとうね」
おばあさんは優しい笑顔を向けて私を見た。
「ごめんなさいね。私のことを話してしまって」
立ち上がるおばあさん。
「いえいえ、いい話を聞けて私も嬉しいです」
私は去りゆくおばあさんの背中を見て涙をこぼした。
悲しくないはずなのに出た一粒の涙。その涙を冷たい秋風がさらっていく。
ーー孫が可愛くて仕方がない、か。
おばあちゃんが私を愛してくれているように。
私もおばあちゃんの事、大好きなんだよ。
私の顔は忘れてしまっていても、
そう思ってくれていることが聞けてよかった。
すっかり寒くなった秋風の中、心だけは温かくなった。
※この語り手はおばあさんの孫。覚えていないおばあちゃんに自分が孫ということを語り手は言わなかった。
おばあちゃんの本当の思いを聞けると思ったのかもしれない。
「私があなたの孫なんだよ」そんな言葉を秋風にのせて言えたなら。
秋風
切なくも悲しい季節…
さみしさで身体も
心も凍える…
そんな秋風を感じながら
…
あなたは今頃
どうしているの…
優しいあなたの
後ろ姿…
思い出す…
今日は、天気がいいのに風が強かった。お題にピッタリか?は、おいといて・・・まぁ、昨日はあめだったから、葉っぱが落ちてるなと、思ってたけど、今日は風でさらに落ち葉が舞っていた。あー、また掃除が大変だよな。そのうち宮そうじがあるらしいけどね