『秋晴れ』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
秋晴れ
澄み渡る秋の青空は、
哀しい程に、
蒼く高く深く、広がる。
そんな秋晴れの日は、
天にいるアイツが、
いつもより遠く感じられて。
込み上げる涙を、
ぐっと堪える。
手を伸ばしても、
空の彼方にいるアイツには、
決して届かない。
俺の掌は、
虚しく、空を掴むだけ。
アイツに会いたい。
この手で触れたい。
力一杯、抱き締めたい。
語りたい事も山の様にある。
だけど、
まだ、俺には、
やらねばならない事がある。
だから、
この穢れた地上で、
もう少しだけ、
藻掻き続けようと思う。
…悪いな。
もう少しだけ、
待っていてくれ。
『秋晴れ』
10月にしては暑いくらいの天気、道行く人達は日陰を選んで歩いている。よく見ると歩道の影の部分にここに一つ、向こうに一つ、更にその奥に一つとパイプ椅子が置かれている。何故だろう?と横目で見つつ、その場を通り過ぎた。
用事を済ませ、また同じ道を通る。今度はポツポツと人が立っている。何があるのだろう‥と辺りを見回すと、近くの小学校の校庭に赤白帽子を被った子供達が一列に並んでいるのが見えた。
「ピッ!」
大きな笛の合図で一斉に走り出した子供達。グランドを一周してから門を出て、更に校舎周りを懸命に走っている。秋晴れの空のもと行われたマラソン大会。頑張れー!の声援と、走る子供達の足音が響いた。
「きれいだったね、プラネタリウム」
「ほんとだねー、来てよかったねー」
深雪と水無月は手を繋いでプラネタリウムのドアを出た。真昼なのに、さっきまで星空の世界を堪能したせいか、夜の気配を引きずってしまう。
「雫ちゃん、お昼何食べたい?」
深雪が見上げて尋ねる。水無月の会うのは今日で二回目だが、すっかり懐いている。俺と二人で出かける時よりも楽しそうだ。
「深雪ちゃんは何がいい?」
「みゆきはねー、まわるおすし!」
娘は周りの人たちが失笑するほど元気よく答えた。思わず俺は赤面する。
「おい、声が大きいよ」
水無月はあははと笑って、「奇遇だね、私もまわるおすしがいいな」と言う。
「やったー!パパ、まわるおすし行こう」
「行こう行こう」
繋いだ手をぶんぶん振って二人は俺の前をゆく。大小の背中を後ろから俺は眺めた。
深雪を預かってもらったお礼に、今日はプラネタリウムへやって来た。朝からバケツをひっくり返したような土砂降り。待ち合わせ場所に現れた水無月は、申し訳なさそうな顔をした。
「すみません、私、予定を組んで外出するとき、必ずお天気崩れるんです」
「アメフラシのまつえいだから?」
意味がわかっているのかいないのか、深雪が尋ねる。
「こら」
「そうだよ、ごめんね。雨で」
水無月は苦く笑った。深雪のレインコートが雨滴を弾いているのが見えた。
「いいよ、雨はね、雪に変わるんでしょ」
深雪は水無月に言った。
「寒いところだと、雨は雪に変わるんだよって。だから、雫ちゃんが降らした雨は、深雪が雪に変えてあげればいいんだよ。スキーをすべる人とか、喜ぶからってパパが言ってたよ」
あ、おい言わんでいいと深雪を遮ろうとしたけど遅かった。
水無月は揺れる瞳を俺に向けた。
都心で初雪を見るときのような、はっとした表情がよぎった。
「……パパがそんな風に話してくれたの?」
「うん、電車でここにくるとき、窓の外みながらお話ししたー」
「……ありがとう、優しいパパだね、深雪ちゃんのパパは」
ややあって、声を顰めて水無月が言った。
「うん、優しいよ!パパいっつも」
俺は照れ臭くて仕方がなく、わざとらしく「さー、回転寿司、近くにあるかな」と携帯を出して検索するふりをした。
それから俺たちは最寄りの回転寿司で腹を満たした。水無月は安い寿司だったが、嫌な顔をせずたくさん食べてくれた。
楽しいひとときだった。俺は深雪と水無月に感謝した。水無月とふたりきりで出掛けていたら、ぎこちなくなってこんな風に笑えていなかったかもしれない。水無月も、子ども連れの待ち合わせを了承してくれなければ、深雪も寂しい休日を過ごしたかもしれない。
外は台風級の大雨だったけど、俺の心は清々しいほどの秋晴れだった。
ーーそれにしても、深雪にはあんな風に言ったが、アメフラシの末裔説って、ガチなんだろうか? にわかに信憑性が…
#秋晴れ
「通り雨5」
大抵の人にとって心地いいはずの秋晴れの空のは、春の陽光や夏の青空のように確かにあってほしいはずなのに、これがなかなか思い出されない。
冬の曇り空より快適なのに、冬の晴れの日の方が、珍しいと有難く思われてしまうのだ。
夏の焼かれるような熱さの後にきただけで、温度差の慣れなさのせいで、いきなり寒いと文句垂れられる。
【秋晴れ】
前にも見た気がする景色の中で、
何が違うのか、その問いかけの答えを求めるように、
見上げた秋の空は、どこまでも高く抜けていた。
青空を背に色づく草木、シンとする深山にて唯一人
・秋晴れ
秋空に関する諺に「女心と秋の空」(以下「女心」)がありますが、これは「男心と秋の空」(以下「男心」)と言う諺が変化したものらしいです。意味合いとしては若干相違ありますが、どちらも秋の変わりやすい空模様を移ろいやすい人の心になぞらえたものとなっています。
「男心」が江戸時代にできたのに対し「女心」は昭和頃に浸透、広辞苑に掲載されたのも1998年とつい最近とのことです。
似た諺が違う時代で使われ始めたことに、当時どんな世相だったか考えてしまいます。教訓的にはざっくり言えば「男心」は男に、「女心」は女に気をつけろ、または慰めと言った感じでしょうか。
およそ諺には教訓に類するものが含まれていますが、現代に新しい諺を作るとしたらどのようなものになるのでしょう。
様々なものが分類、区別、細分化さらには分断さえもされた時代に普遍的な言葉を残すことが出来るのでしょうか。たとえ出来たとしても、絶え間なく移ろう社会に取り残されはしないだろうか。
オリジナルの諺を作るコンテストもあるようなので、自分で1つ作ってみるのも面白いかもしれませんね。
「秋晴れ」
秋に晴れると嬉しくなるのはなぜだろう。
春晴れとは言わない。夏も言わない。冬は、初冬なら小春日和と呼ぶこともあるかもしれない。でも冬晴れとは言わないだろう。
秋晴れは、空気が澄んで晴れ渡ってる空の様子を指しているらしい。抜けるように青い空。台風が過ぎ去って現れた移動性高気圧の影響らしい。対流も発生しにくいから塵埃も立ちにくく、埃が舞っても雨ですぐ洗い流されるのだという。まるで季節の洗濯だ。
暑い夏の終わり、清々しく過ごしやすい日に移り変わって、人も虫も皆皆揃って外へ出てくる。それから暫くしてから花粉も出てくるだろうから、秋晴れを心から堪能できるのは本当に束の間だ。そしてしんしんと冬がやってくる。
小さな小さな秋が顔を見せてくれるのは、片手に数える程度かもしれない。
だから、秋に晴れると嬉しくなる。今年も。
お題/秋晴れ
秋晴れの空の下、貴女は俺を送り出しました。
俺は貴女と離れるのが嫌で、悲しくて仕方がなくて、身も世もなくべそべそと泣きましたが、貴女は微笑んで、只俺の背を押されました。
今は分かります。貴女は俺に、愛を知ったこの新しい目で、世界を見てほしかったのです。
かつての曇った眼では見られなかったものを、貴方は今見られるようになりました。その澄んだ瞳で、貴方の知らなかった世界の美しさを見て回るのです。
貴女はそのような思いを込めて、俺の背を押したのでしょう。
貴女の思いを、俺は死んでからようやく受け取れました。
XX様、どうか愚かな俺をお許しください。
俺に愛をくださって、本当に、本当に、感謝しています。
秋晴れ
寒くもなく、過ごしやすい天気。
でもどこか儚くつめたい天気。
そうは言っても、最近は雨ばっかりだね。
今の席は窓際だ。どうせなら綺麗な青空が見たいな。
アトラス彗星。
今を逃すと8万年ほど後まで
見られないといわれている彗星。
秋晴れの今日なら見られると空を見上げた私は
急に天気雨が降ってきたことに気づいた。
狐の嫁入り。
こんな彗星が見れる日没に嫁入りとか
ロマンチックでいいなぁと呑気に思っていると、
段々雲が出てきた。
もちろん彗星は見えなかった。
嫁入りも中止だろうか。
スーパームーンも見れなかったんだ。
今日くらい見せてくれよぅ。と
空に向かって叫んだ。
午前1時24分。
ぼーっとしていたら
いつの間にかこんな時間になっていた。
眠いけど寝たくない。
明日が来て欲しいけど夜更かししていたい。
曖昧な感じだった。
足も腕もクタクタだ。
4時間昼寝をしたってのに、
疲れが取れないのは何故だろう。
買った時は毎晩読んでいたのに
忙しくて触れてすらいなかった漫画に
手を伸ばす。
"Good Midnight!"
はい、この言葉大好きでございます。
心の中で何故か敬語で喋っていた。
今日は本当に疲れたな。
彗星はもう見えないかな。
でも、いっか。
また8万年後に見れば。
夢小説すら書いてねぇよ私ほんとにごめんなさい
もうね眠たくてですね秋晴れがなにか分かりませんねあっぱれしかしらん
秋晴れ
良い秋晴れの日だったから、神社を訪れた。
黄金の参道を歩きながら涼しい風を感じる。
遠い空を見上げると、顔に水が落ちてくる。
青い空の中、浄化するような水滴が降り注ぐ。
「雨か…?晴れているのになぜ…」
戸惑っていると、シャン、シャンと音が聞こえてくる。
何か見つかってはいけない気がして傍の木に隠れた。
様子を伺っていると、参進している集団が見えた。
「なんだ、結婚式か。」
そのまま様子を伺っていると、なにか違和感がした。
参進している集団にしっぽが生えている。
驚いて声もでなかった。
「狐の嫁入りか…初めて見たな。」
妙に冷静になってしまった。いつしか雨が止んでいた。
空を見上げて視線を戻すと、もう狐たちはいなかった。
新たな門出を祝う彼らの幸せを、自然に願わずにはいられなかった。
テーマ「秋晴れ」
どうして伝わらないのかな。
紅葉の秋。雨ばっかりだけど
晴れた時ぐらい笑っていたい
秋晴れの日は絶好の旅日和だ。
紅葉のシーズンさえ外していれば、
おそらく1年間で一番快適な気候の中
おトクに旅ができる時期である。
快適な気候といえば春でも構わないのだが、
桜や春の花々が見頃を迎えたり、
新年度における人の移動が盛んだったりと
交通費や宿泊費がやや上がってしまうのが欠点だ。
秋は春よりもそのような旅費高騰の原因が少ない。
強いて言えば、先述の通りに紅葉だけである。
だから、この時期は高速バスや格安航空の
サイトを眺めて、行きたい場所を物色するのが
密かな楽しみである。
近場は行き尽くしてしまったために
遠出で旅の楽しみを得るしかない旅行好きにとって、
秋晴れは天恵なのだ。
秋晴れ。
秋晴れなのが
爽やか。
運動会も
楽しかった。
寒くもなく
暑くもない
秋晴れ。
人は忘れる生き物である。
とある実験で、人は時間が経つほど覚えたことを忘れていくことが証明されている。
一時間後には半分忘れ、一日経つと三分の二は忘れてしまう。
驚異の忘却率である。
だがしかし!
何事も例外はある。
この世界には、忘れたくても忘れられない物がたくさんあるのだ。
それは例えばスマホのロック解除のパスワード。
スマホを触らない日なんてないこの時代に置いて、パスワードを忘れるわけがないのである!
俺はそう思っていた。
今日までは。
話の流れで分かると思うが、俺はスマホのロックのパスワードを忘れた。
ちょっと調べ物をしようとスマホを開いたら、いつも打ち込む四桁の数字がどうしても思い出せないのである
急にスマホのパスワードが、頭から抜け落ちた理由は分からない
酒は飲んでないし、寝不足でもない。
ただ、始めから無かったかのように思い出せないのだ。
だが!
こんなこともあろうかと、ノートにパスワードを書き留めている。
『セキュリティに不安がある』と言われそうだが、部屋には誰も入ってこないので問題ない。
問題があるとすれば一つ。
ノートが行方不明ということだ。
ウチのノートは放浪癖があって困る。
探すが早いか、思い出すのが早いか……
悩みどころである。
うーん、こういう時、みんなどうしているんだろうか?
ツイッター(現X)で聞いてみようか?
俺はスマホのロックを解除して、ツイッターを起動する。
……今ロック解除した?
ていうか手が勝手に動いたぞ!?
たまにネットで『勝手に手が動いた』と聞いたことがるが、絶対に嘘だと思っていた。
まさか自分の身に起こるとはな……
さてロックを解除したついでに、パスワードが書かれたノートも発見した。
座っている座布団の下にあった。
道理で見つからんはずだ。
まあいい
終わりよければすべてヨシ。
ロックも解除出来て、パスワードも分かる。
何も問題はない。
あとはスマホで、何するつもりだったのかを思い出すだけである
『秋』
秋の青空は稀少価値があるのではないかと考えている。秋自体、他の季節に比べて短いというのも関係しているからなのかもしれない。
秋晴れ時の登校は色んな意味で新鮮だ。
夏の暑さがすぎ、少しだけ過ごしやすくなる。けど、同時に肌の寒さを感じたりもする。そんな感覚を覚える。あと数ヶ月もすれば年が変わる。また試験が始まる。様々な期待感を膨らませながら、通りを歩く。そんな思い出だ。
正直、今年は、まだ秋に巡り合っていない。夏が延長券を使っているからだ。もう10月後半です。そろそろ秋を感じさせて欲しいものです。
なので、今から読書の秋を満喫しようと思っている。
読む本は、『小○民シリーズ』、『向日葵の〇〇〇〇夏』、etcです。楽しみだ。
秋になると毎年聴いてしまう曲がある。『5分後の〇〇○ダスト』『斜○』をよく聞きます。
休日にカーディガンを着て、喫茶店で本を読む、帰り道に紅葉や銀杏を見て、『秋だー』と思う。これだけできたら満足なので、そろそろ秋が来て欲しい。
追記
語尾がめちゃくちゃになってますが、少しでも伝えたいことが伝わっていたら嬉しいなと思っています。
秋晴れってどういう意味だったかしら。
きっと言葉通りの意味だと思って、日常で見ても聞いても調べないのね。
予想は当たっていたけれど、良い勉強になりました。
秋の晴れた日の夕方の空気からは儚さを感じる。あの空気には少しだけ冬の匂いが感じられて、それを吸うと秋が一瞬であり、そう長くは続かないことが予感させられる。