秋晴れ
良い秋晴れの日だったから、神社を訪れた。
黄金の参道を歩きながら涼しい風を感じる。
遠い空を見上げると、顔に水が落ちてくる。
青い空の中、浄化するような水滴が降り注ぐ。
「雨か…?晴れているのになぜ…」
戸惑っていると、シャン、シャンと音が聞こえてくる。
何か見つかってはいけない気がして傍の木に隠れた。
様子を伺っていると、参進している集団が見えた。
「なんだ、結婚式か。」
そのまま様子を伺っていると、なにか違和感がした。
参進している集団にしっぽが生えている。
驚いて声もでなかった。
「狐の嫁入りか…初めて見たな。」
妙に冷静になってしまった。いつしか雨が止んでいた。
空を見上げて視線を戻すと、もう狐たちはいなかった。
新たな門出を祝う彼らの幸せを、自然に願わずにはいられなかった。
10/18/2024, 4:16:47 PM