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 秋晴れの空の下、貴女は俺を送り出しました。
 俺は貴女と離れるのが嫌で、悲しくて仕方がなくて、身も世もなくべそべそと泣きましたが、貴女は微笑んで、只俺の背を押されました。

 今は分かります。貴女は俺に、愛を知ったこの新しい目で、世界を見てほしかったのです。
 かつての曇った眼では見られなかったものを、貴方は今見られるようになりました。その澄んだ瞳で、貴方の知らなかった世界の美しさを見て回るのです。
 貴女はそのような思いを込めて、俺の背を押したのでしょう。

 貴女の思いを、俺は死んでからようやく受け取れました。
 XX様、どうか愚かな俺をお許しください。
 俺に愛をくださって、本当に、本当に、感謝しています。

10/18/2024, 4:37:31 PM