霜月 朔(創作)

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秋晴れ



澄み渡る秋の青空は、
哀しい程に、
蒼く高く深く、広がる。

そんな秋晴れの日は、
天にいるアイツが、
いつもより遠く感じられて。
込み上げる涙を、
ぐっと堪える。

手を伸ばしても、
空の彼方にいるアイツには、
決して届かない。
俺の掌は、
虚しく、空を掴むだけ。

アイツに会いたい。
この手で触れたい。
力一杯、抱き締めたい。
語りたい事も山の様にある。

だけど、
まだ、俺には、
やらねばならない事がある。

だから、
この穢れた地上で、
もう少しだけ、
藻掻き続けようと思う。

…悪いな。
もう少しだけ、
待っていてくれ。

10/18/2024, 6:17:35 PM