『秋恋』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
こうやって少しずつ涼しくなってくると同時に、感傷的な気分になってくる。
暑すぎる夏はそれだけで忙しいのに、気候が快適になれば、物思いにふける暇もできる。
そのせいで、まったくでたらめな思考ばかりが頭を過り、真夜中に流れては消え、瞬いては己を苦しめる。
ただただ暑さに茹だり、寒さに凍えている方が、私の性に合っているのだ。
快適なのが悪なのか。書いて書いて君を想う。もういないのになんて、夏の暑さがあれば思わなかった。
今朝拾ってきた机の上のどんぐり。季節は巡る。君は取り残されたまま、油絵具で描いたような暑さの中、あの笑顔を浮かべたまま。
『秋恋』
秋恋
手繋ぎに
肩寄せに
熱いハグ
夏の間は
おあずけで
秋の涼しさ
感じる頃に
はばかりもなく
ギュッとしよう
秋恋を、君とハグして、季節が変わる
秋恋。それは秋と共にやってきた、
忌々しくて、いじらしい恋。
好きな人に連絡をした
友達と通話しながら返事を待った
何時間だっただろう
既読も返事も来なかった
さすがに次の日には来るだろうと
眠りについた
次の日になっても来なかった
私は不安と心配で頭がおかしくなった
嫌われたのかなそれとも何かあったのかな
私はどうすることも出来ない
ただ待つだけ…
❴秋恋❵
『拝啓◯◯へ
紅葉の色が綺麗に淡くなってくる時季になりました
◯◯はお元気ですか?
私は毎日元気に過ごしております
今度お会いしませんか?久しぶりに昔の話をしたいと
思いまして、、
空いている時間があれば、手紙で送って下さい
お待ちしております
ユキより』
私が最愛の人に送ろうとした手紙、、、
ちょうどこの頃に恋をして、
この頃に書いた手紙
でもそれは、、、
想い人には二度と届かぬ苦い片想いになった、、、
※フィクションです
秋恋、秋に恋する。
私は恋愛にとても疎いので、
相変わらず斜に構えた、求められている内容とは
かなり離れたことを書くだろう。ご了承願いたい。
それでも許されるここの存在はありがたい。
さて、秋のメリットは多種に及ぶ。
やっと灼熱から解放された気候面。
紅葉やコスモス、彼岸花などが見頃となる行楽面。
そして、「食欲の秋」である。
今年はサンマが豊漁と聞く。
ここ数年、「もう漁獲量が戻らないのでは」と
絶望が囁かれるほどだったことを考えれば
とても嬉しいニュースと言えるだろう。
正直なところ、スーパーで従来の2、3倍もの
値段が付いている状況を見るのは辛かった。
言うほど好きな魚ではないのだが、
今年は素直に焼いて楽しみたい気分である。
そう考えている自分を見つけると、
私も無意識に「秋恋」しているのかもしれない。
「指を絡めて 花火」
虫の鳴き声が響く夜。
ドキドキしているのが、バレてしまいそうな距離。
大丈夫。
隣の幼馴染は、花火に夢中で気がついていない。
どこかの神社の例大祭で打ち上げられている花火。
いつまでも暑かった秋は、やっと気温を下げる気になったようで、ここ数日一気に涼しくなった。
だからだろうか。
幼い頃のように、こうしてくっついて座っているのは。
「冷えてきたな」
「そうだね……」
「窓、閉めるか」
立ち上がって、窓を閉めて、また私の隣にくっついて座る。
そうするのが当然だというように。
囃し立てるような虫の鳴き声。
そんなんじゃない。そんなんじゃ、ない。
彼氏彼女の関係ではないはずだ。
それなのに、どうして私たちはどちらからともなく指を絡めるのだろう。
そうするのが、当然だというように。
どういうことなのか、聞きたい。
だけど、聞かなくてもいいような気もしてる。
今さら、言葉で確認するようなことだろうか。
お互いの体温が心地よいことは、わかりきっている。
窓越しの締めの花火。
近づいてくる唇に、瞼を閉じる。
────秋恋
“秋恋”
「最近流行ってるハッシュタグ、知ってる?」
「はっしゅ……なにそれ?」
「そこからかよ」
SNSを眺めながら、向かいに座る友人に話しかける。話題提供の一環だと適当なものをチョイスしたのだが、相手は予想外にデジタル音痴だったらしい。思いもよらぬ返答がきた。
「ハッシュポテトなら知ってっけど」
「サクサクしてて美味いよな! じゃなくて」
かくかくしかじか。ハッシュタグというのがどういうものなのかを簡単に説明するも、ふうん、とわかってるんだかわかっていないんだか微妙な反応。まあいい。本題はここからなので。
「『秋恋』ってやつなんだけど。どういう投稿につけるんだと思う?」
「あき……こい?」
眉間にむむっと皺がよる。なんてことはない、秋の風物詩を撮った写真に使われるのだが、乙女チックな言葉選びのため俺も最初は首を傾げた。
「んー」
あまり興味のない話題だろうに、真面目に考えるのは彼の美点。
「さんさんと照ってる太陽の写真とか?」
「その心は?」
「秋が恋しいなあ、ってときに使うのかなって」
「やるじゃん……!」
本来の使われ方より気に入った。採用! と一人盛り上がって立ち上がる。
「太陽の写真撮りに行ってくる」
「ぶはっ。馬鹿じゃねえの」
愉快そうにその肩が揺れる。
「んじゃ、俺はコンビニ行ってくる」
「ハッシュポテト買いに?」
「おう」
「人のこと言えねー!」
ケラケラとふたり笑い合って席を立った。まるで違うもの同士だけど、似たもの同士。十分後には同じ場所に戻ってきて、またどうでもいい会話に花を咲かすのだ。
秋恋 #12
君と迎える初めての秋。
まだ目が合うと照れてしまう私、きっと今の頬は紅葉のように赤らんでいるのだろう
秋恋
出会いは秋
だけど 風が強い午後で
君が 向こうから歩いてくる姿をみて
「寒そうだね」と僕は声をかけた
「じゃ、温めてもらおうかな」
そう言って僕のジャケットのポケットに
手を入れる君
可愛いすぎて 抱きしめてしまいたい
そんな、、、秋恋 してみてーな。笑
秋恋 2024.9.21
まさしく私は秋恋ガチ勢。
でも今は春夏秋冬がなくなりつつある。
主に夏と冬がメインになってきてる感じがすごく悲しい。
秋って本当すぐ終わっちゃう。
1番好きな季節なのに。
秋になると赤かブラウンのリップをつけて
髪色も黒か赤ぽい感じにトーンダウンさせたくなる。
なんといっても月見バーガーの季節でもある。
暑くも寒くもなく心地よい気温もなお良し。
秋よ早く来て、
そしてお願いだからもう少しだけ長く居てください。
冷えていく秋
温かくなる恋
葉揺れ落ちる秋
心揺れ落ちる恋
少しずつ涼しくなる風と、
暮れる日の短さが秋を感じる。
貴方はそっと私に呟く、
少し肌寒いね。その手寒そう。
そして、そっと私の手を包んだ。
温もりが少し嬉しくて、恥ずかしい。
貴方は私を見て微笑んだ。
私はどんな顔をしてるだろうか。
真っ赤に染まる紅葉と同じ、頬の色だろう。
貴方と共に過ごす日々は長くなるといいな。
九月に入り滝下るように鯉(CARP)失速
「書いて」に没入 気を紛らわす
まるで滝下り落ちるよう秋の鯉(CARP)
幸せだったなひと月前は
相聞歌のひとつも詠めず「恋」を「鯉」
お茶濁すしかない秋淋し
#秋恋
秋恋_____
あの日私はあなたの人間性に憧れた。
惚れた、とも言えるかもしれないけれど、憧れたが正しい。
大事な日の前日に冗談で話しかけたことが、現実になると思わなかった。
大事な本番が終わったあとに、
「昨日言ってたやつ、一緒に食べよ」
なんて明るく言うものだから。
かっこいいな、かわいいな、素敵だなって。
夢に思ってたことが現実になる、正夢ってこういうことなのかもしれない。
またあの日に戻りたいな。
< yu、i、wa>
火曜日
自覚したのは一年前。
あの人が好きなのだと、からかわれて初めて気づいた。
そこからは、彼を眺める日々が続いた。
友達から「__のこと好きなん?w」とか聞かれ、
インスタで相互フォローになり、
ラインを繋げ、
リアル相手から声を掛けられ、
目を合わせ、
その度々に心臓が止まりそうになった。
本当に心臓が足りない。
そんな毎日だった。
今年になって、彼は学校になかなか来なくなった。
もともと自由気ままな人だ。
きっとこれも何かの気まぐれなのだろう。
だから、次の火曜日には顔を見せてね。
秋恋
秋恋
秋の恋
秋の恋人たち…
一緒に焼き芋するのも楽しそう。
勿論紅葉を見にドライブに行くのいいな。
ハロウィンにはちょっとした仮装をして
カボチャのパイとミルクティーで
小さなパーティーを開くのもいい。
秋の果物 ぶどうや林檎でタルトを焼いて
一緒に食べるのもいいな。
公園でどんぐりを拾いに行くのもいい。
松ぼっくりと一緒にリースを作ってもいいね。
今年はどんな秋にしようか
想像するのがまずは、楽しみなのだ。
秋に恋す
君の姿。
遠くを見るような、その瞳
目を細めて笑う君。
何かを懐かしむ、声。
落ち葉に紛れて舞う銀杏の葉に
薄ら影を纏う。
映るのは、遠く染められた山々か
或いは。
秋恋
僕が秋に恋するのはさつまいも。あなたはそれを知ってて秋限定のさつまいもドーナツを買ってきて、僕に何度も恋させるんです。
/秋恋
あしひきの 山鳥の尾の しだり尾の
秋の夜は長い。白い月だけが、空に残っている。
着物の裾から剥き出した足が、大して白くもないのに、暗闇の中で、ぼうっと色白に浮かび上がって見えた。
狭い蚊帳の中で、わざとだらしなく浴衣を着崩す。
四肢を思いっきり、目一杯伸ばす。
まさか泊まることになるとは思っていなかった。
こんな郭町の一店の一部屋で…
生き物というのは、元来の欲には逆らえないらしく、どの町にも茶店や宿屋と同じように、また郭町もあるものだ。
性別や嗜好に関わらず、恋をしたい人に銭と引き換えに、恋の体験を売る。そういう店が立ち並ぶ郭町はもちろん、この地域にもあった。
しかし、もう色恋の適齢期であるというのに、私の人生には全く縁のないところだった。
夜遊びや恋愛を禁じられているわけではなかった。
その類のものに一向に興味が湧かないだけだった。
そこで、私は色恋の話になると、友人のその話の内容に圧倒されるのが常だった。
今日来たのも、いつの間にか通うところが出来た友人に勧められて、半ば強引に同行させられたのだった。
ところが、私は友人が連れてきたこの店でも何もピンと来ず、とりあえず付き合いで一杯飲んでから、友人と別れて、ふらりふらりと客引きをかわしながら、街を歩いていた。
夕日の赤に、青黒い夜が溶け出して、空は紫色に滲んでいた。
一番星がぽつりと空に瞬いていた。
足を止めたのは、そんな夕闇の中の街角に、美しく朗々と紡がれる話を耳にしたから、だった。
そこでは、誰かがたった一人で、物語りをしていた。
着ているものは美しく派手で、袖口や袷から覗く肌は、まるで日を知らぬように真っ白だった。
どうやら、下働きや客引きではなく、商品として店に出ている芸子らしい。
冷静に考えられたのはそこまでだった。
私は、彼の語る物語に引き込まれてしまった。
場所が場所なだけに、物語は艶めいていて、扇情を煽るようなものであったが、しかし艶笑という言葉には止まらない、芸術的な響きと言葉遣いがそこにはあった。
そして何より私を惹きつけたのは、登場人物を演じる彼の、その演技の切迫だった。
物語の中の誰かを降ろした彼に睨まれたその刹那から、私は、影を縫い止められたかのように、じっと動けなかった。
ふっと気がついた時、もう語りはとっくに終わり、目の先には埃の積もった街角があるだけだった。
私の脳裏には、彼が、彼の語り演じるあの様子が、焼き付いて離れなかった。
どんな人間で、どんな生き方をすれば、あんなことができるのだろう。
あんな物語を語れるのだろう。
彼に会ってみたい、語りも演技もしていない、素の彼と話してみたい。
そんな気持ちだけが、胸を焦がしていた。
「あの人はァ、蜻蛉楼のとこの芸子さんだよォ」
振り返ると、節くれだった小柄の婆さんがいた。
「そこで語りやってたァ、あん人やろォ?…蜻蛉楼はもう開いてんやろ、行ってみれば話せるかもしれんの」
「あ、ありがとうございます」
思わずお礼を返す。
婆さんはいうだけ言って、ゆっくり歩き去っていった。
そこから蜻蛉楼なる店に向かった。
ところが、蜻蛉楼についた時、今日はこの町を封鎖する、と告げられた。
…どうやら、郭町の商品が一人行方知れずらしい。
郭町で恋を売る大抵の人間は、借金や借りのカタに働いている場合が多い。
そういう人を、タダで町から逃してしまえば、大きな損失になる。
だから、郭町の“商品”の人が行方不明になれば、町を封鎖して探すことが決まりらしい。
…驚いたのは、その行方知れずが、どうも私の探している芸子のようであった。
「どうも、申し訳ありませんね」
蜻蛉楼の旦那はそう言った。
「うちは曲者揃いなんですが、奴はどうも好き勝手、よく語りをしに出掛けてましてね。恥ずかしながら、誰も制御できんのですわ。その手の才能は、まあかなりのもので、うちもそれに助けられることもあるんですがね…まあ、いつも勝手に抜け出しおってもいつの間にか、勝手に帰ってくるんですけどもね。一応、念のため」
そう言うと、蜻蛉楼の旦那はすっと鍵を私の手に乗せて、続けた。
「…これも何かの縁。それとお詫びも兼ねまして、帰ってくるまで、どうかうちのこの部屋、使うと宜しいですわ。鍵付き、個室の客部屋になりますんで、お寛げると思います…」
こうして、私は今、蜻蛉楼の一部屋の、ご厚意で敷いてもらった蚊帳の中で、寛いで月を眺めているのだった。
個室の客部屋と言っても、普段は芸子が入ったり、複数人で泊まったりするのだろう。部屋は一人にしては大きく、広すぎた。
月だけが白く輝いている。
遠くで物悲しげに虫が鳴いている。
秋恋とはよく言ったものだと思う。
山鳥の、足に引くような長い尾ほど長い、長い秋の夜。
そして、一人ならそのお供は、物悲しげな虫の声と青白い月光だけ。
今、思った。
これは本当に人肌恋しい。
今まで一人はむしろ好きだったし、秋の夜長を切なく思ったことなどなかったが、これは…。
この広い部屋で、涼しい夜風の中、一人。
これはなかなか、寂しかった。
布団に仰向けに寝て、月を見上げる。
自分の四肢と月だけが、青白く浮いて見える。
遠くで、鈴虫が寂しげに鳴いていた。