『私の日記帳』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
#私の日記帳)260(
私は幼稚園年長から小3の頃まで毎日日記を書いていた。だから、日記帳は20冊くらいはある。読み返したことは一度もないけれど、大切に保管していきたいなとは思っている。
それを書いた私は私だけど、今の私とはちょっとずつ違う。
あの頃、小学生になりたいと強く思ったり、男子の方と仲良くしていていっぱいしゃべったり、習い事をびっくりするぐらい極めていた私はもういない。
幼稚園の頃思っていたことでも今でもありありと思い出せるくらいはっきり覚えていることはある。でも、ちょっとずつ消えていく思い出が増えていくのが悲しくて、私が私ではなくなってどんどん変わっていって、みんなも変わっていってしまうのが悲しい。
今までの過去をカプセルに閉じ込めて、何度も何度も繰り返せたらいいのに。辛いこともいっぱいあったけれど、それなりに楽しい日々だった。たぶん、あの頃の日記帳を読んだら私は過去に囚われて、これからの受験や、すごく嫌なことから強く逃げたくなってしまうだろう。
過去は忘れて今だけを精一杯生きろ。なんて言う人もいるけれど、楽しいことはあっという間に終わってしまって辛い日々の方が多くて、それに今の方が過去より楽しいなんて全然思えない。今の私や環境は好きにはなれない。むしろ嫌いだ。
好きな人はついほんの最近までいたけれど、今は好きだと思えない。友達に彼氏ができた話や、みんなの恋愛について聞くうちに、自分の中で、なんだか好きという気持ちが薄れて、もしかして恋に恋していたのかなぁ。だって、片思いの時、つらいけどすごくドキドキしてちょっとしたことで、明日も頑張ろうって思えていた。恋に関しては、人はバカになってしまうらしい。
うーん、私は物事を複雑にぐちゃぐちゃに考えすぎなのかな。思考が絡み合って、バラバラになって、理想と現実も、思っていることと口にすることすらうまく噛み合わない。日記帳を母に言われるまま、毎日書いていた幼い私も悩みはあったけど、こんなに暗い性格じゃなかった気がする。
実を言うと、本当はまた、あの時のように日記を書いてみたい。だって未来の私に読んで欲しいから。でも、なんだか1日1日がどんどんあっという間に過ぎていって書くことも時間もなくて。
結局、先が見えなくて、日記帳を書くためにえんぴつを握っていたあの頃に戻りたい。なんて現実逃避の繰り返し。逃げたい。消えたい。戻りたい。
ああ、考えていること、ぐちゃぐちゃだ。
でも、10年後くらいの私がこの文字の陳列を読み返してくれたらいいなーくらいのことは思える。
私は他人の前では変にキャラを作ったり、失敗ばっかりしちゃってなかなかうまく生きていけてない。だから結局わかってくれるのは、親友でも親でも先生でもネッ友でもなくて、自分ただ1人だけなんだよね。
といっても、このアプリも誰かに、1人だけでもいいから少しだけでも共感してくれる人がいてほしい。なんて自分勝手なこと考えて書いてる。
だから、今はこのアプリが私の日記帳で心の支え。
子どもがお腹にいる時から日記を付けている。日記と言っても、子どもの成長記録と自身の心の揺れなどを簡潔に綴ったものである。
それを見返すと、子どもの成長とともに自身の不安定さが目立ち、脆いな、と思ったりもする。
母になって3年。綴るのは憂鬱なことばかり。
ますます脆くなっていく自分に耐えられるだろうかが心配である。
2015年 8月12日
今日は、君と向日葵畑に行った。
真っ白な服を着た君は、天使のようだった。
君の笑顔が、まだ僕の目の奥に残っている。
あれ、君ってそんなに背、高かったっけ。
3ページしか書いていない日記帳が、複数ある。
生来の3日坊主なのだ。
もうそういう妖怪なのだと思っていただければと思う。
#私の日記帳
7がつ21にち げつようび
きょうはかわでばーべきゅーをした
たのしかった
あしたはいえでしゅくだいをするひだ
7がつ28にち きんようび
きょうはそとでたこあげをした
おとうさんはでんわをしていた
つぎのにつきはどうしよう
8がつ14にち げつようび
ひさしぶりのにつきになってしまった
きのうおかあさんにおこられた
べらんだのそとでまってた
きょうはおこられないようにする
9がつ23にち どようび
につきのそんざいをわすれてた
きょうはおとうさんもおかあさんもいないひ
うれしい
おとうさんはいつもいないけど
11がつ20にち かようび
きょうはすこしだけうでとあしがいたかった
りゆうはおかあさんになぐられたからだ
あさおきるのがこわいな
3がつ20にち 水ようび
きょうはまどのそとでさくらをみたまだつぼみのままのさくらもあった
でもさむかった
おかあさんにそとにだされないようにがんばる
7月2日 火ようび
しばらく日っきをかけなかった。
今日はともだちがあそびにくるはずだったけど、ことわった。
おかあさんにおこられるからだ
10月31日 木ようび
日っきを書くひんどがひくくなってる。
今日はおかあさんにあたまをなぐられた
いたかった しばらくはなおりそうにない
12月18日水ようび
今日はひさびさにおかあさんとそとにでかけた
おかあさんはわらってた でもおとうさんのはなしをすると、いえでおこられた。
ごめんなさい。
2月9日 日曜日
またしばらく日記を書けなかった。
頭のきずは良くなってる。
このまま治ったらいいな。
5月16日 金曜日
お母さんに日記を見られそうになった。
タンスにかくすのをやめて、自分のかぎつきの引き出しにいれるようにする。
6月7日 土曜日
今日お母さんがお父さんと電話をしていた。
びっくりした。ひさびさにお父さんのこえを聞いた。
お父さんはほかの女の人といるらしい。
8月25日 月曜日
お父さんのことが気になってきた。
お母さんにじょうほうを聞くことはできないから自分の手で知ってみせる。
11月13日 木曜日
お父さんの情報が少しわかった。
お母さんと別の女の人と過ごしていて、お母さんとはまだりこんしていないらしい。
お母さんは今日でかけてるからもう少し調べる。
2月1日 日曜日
お父さんとお母さんがまた電話していた。
お母さんの電話を聞く限りもう少しで離婚するらしい。今もお母さんは怒り口調で電話している。
4月7日 火曜日
両親が離婚した。
お母さんは私を引き取ると聞かなくて結局お父さんの顔は見れなかった。
またベランダに出される日々が始まった。
6月3日 水曜日
そろそろ日記をやめようと思う。
6月5日 金曜日
お母さんに日記がバレた
6月6日土曜日
家を出たい
6月6日 土曜日
今ベランダに居る
日記を守りたい
外に日記を落とそうと思う
誰か。お願い、
「たすけて」
"私の日記帳"
ずっと書き続けてきた日記帳。
小さいの頃の文を見返すと昔の頃へタイムスリップした気分になる。
家族で旅行に行った時のこと。
学校の校外学習や修学旅行のこと。
修学旅行というと、女子はやっぱり恋バナのイメージがある。でも、意外と男子だって恋バナで盛り上がる。
かわいい子とか、気になる子とかの話してたっけ。
でも、僕は好きな子がみんなにバレてるから「お前は聞かんくてもわかる」「星乃さんでしょ?」って言われて、困ったな……。
だってそうなんだもん。
僕が「わかりやすい」だけらしいけど、それはきっとお母さん譲り。
でも、その「星乃さん」が隣で寝ている。
ゲームで寝落ちしたところをベッドまで運んだのだ。
小学生の頃と変わらず、誰よりもマイペース。
野良猫という比喩が怖いほど良く似合う。
「今日もおやすみ。夜空ちゃん」
そんな子の横で今日も僕は眠った。
2人で一緒に買い物に行った。
私達はよく絵を描くから画材を買いに行ったり、化粧水とかも買いに行った。
手を繋いで店内を歩いている時、とあるコーナーが目に入った
それを見てた私はこう呟いた
「日記帳…?」
その声に反応したのか、彼はそのコーナーで止まって日記帳を見ることにした
「へぇこんな種類あるんだぁ、これ可愛いね」
と言って淡いピンク色の日記帳を手に取って私に見せる
「これ、海暗にピッタリだと思うなぁ。」
なんて満面の笑みで言うから私は手で顔を覆いつつ
「あ、ありがと…」と聞こえるか聞こえないかのギリギリラインの声で言う
そして私はコーナーに再び目を向ける。
あ、これは君に似合いそうだ。
黒と白を基調とした表紙だけど、金色の星の装飾が派手にならない程度に散らばっている。
それがどこか君に似合っていて私は顔を上げて言う
「これ、貴方にぴったりじゃない?どうかな?」
そういうと嬉そうにこちらを見つめて、
「いいね、ありがと。」と言う。
喜んでくれるのが嬉しくて、私は顔を紅く染める
それをすぐに察知した君はバッグからスマホを取り出して連写する。
「海暗、めっちゃ可愛い」
恥ずかしいからやめて、可愛い可愛い言ってくれるのは嬉しいけど。
私はスマホを持つ手を掴んで恥ずかしくなりつつも言う
「…恥ずかしいからさ、今はもういい?後でまた撮りたければ撮って…いいよ?」
これを承諾したのかスマホを直ぐにしまって、会計に行く。
家に帰ると早速私は今日の事を書く。
うーんと唸ってたり、思い出し笑いをしている所を撮られていたが、まぁさっき許してしまったから
しょうがないか。
今日からこれは、君に選んでもらった、私だけの日記帳だ。
私の日記帳
日記帳なんてもう全然書いてないや。
10、20代のときに日記帳は日頃のストレス発散と楽しかったことを書き留めたくて書いてたけど。今は日記帳というより…、音声配信にあるCAST保存というもので声で楽しかったことととかを録音している。
なんていうのかな?録音日記?違うな?
うーん、声日記!!、そう、声日記だ!
それを僕は日頃からやっている。自己満足
でやってるからね。音声配信だからたくさんの人が僕の日記を聴いてるんだろうけど気にしない。
やりたいようにやっている。
だから僕の日記帳は声日記だ。
書く方はもうやってないよ。声日記が僕はあってるね。書き忘れとかもしなくてすむし、なんもなかったらやらなくていいんだもん。
だから日記帳は必要ない。
声日記が恥ずかしいなら日記帳でいいと思うよ。日記帳って自分のやってきたことを記すだけなんだから。
日記書くことが楽しかったらやればいいし、声日記のほうが楽しかったらそれでいいと僕は思うんだ。
終わり
☆四月二十日(火)☆
今日は友達のジーフくん(フジイくん)が教室にあった花瓶を割った。
先生にこっぴどく叱られた、と泣きついてきた。面白かった。
☆六月六日(?)☆
ジーフくん、最近おかしな言動をするようになった。ずっと「…??しておけば…やっておけば……」とボソボソ呟くだけ。面白かった。
七月二十一日(56
ああああああああああああああああ
ああ や に(←「た」又は「だ」か?)
(ここから下の文章は全て血文字、ところどころに飛んだ血も見受ける)
た
す
け 4(←「■ね」又は「■ぬ」か)
☆九月一日)☆
今日は夏休み明け最■の学校。久しぶり過ぎて■ー■くんとは■のように話せなくなった。
これから前みたいな仲良しになるつもり。面白かった。
アハ笑なにこれ、七月二十一日の日記?
夏休み前最■の学校の日じゃん。
あーそっか。今日のジーフくんの様■がおかし■ったのはそういう…
そうい■ばその日はせん一(←このいちは「せ」と続く字だろうか?)
(下の文章からこの日記帳を書いた者の字、血とは違うものが見られる)
あは あははは あははははは
さよーならー
_2023.8.26「私の日記帳」
ホラーって難しい…。
自分で書いてて怖くなったし(なぜ)
ちなみに先生(男)は七月二十一日に育休をとったと生徒に伝えられました。
そしてもう一つ。私の投稿している中で七月二十一日のものをご覧ください。
今年も夏が終わる。さいごのホラーをお届けします。
☆八月二十六日☆
ツ■の
や ツ
だ ー■
だ ?
私の日記帳
それは誰にも見られたくない特別の書
お気に入りのペンで字を書いて
楽しかったとか辛かったとかを思い出す
死んだら見られるのかと思うと
少し恥ずかしいけれど
あの日記帳だけが私の素直を知っているから
遺品になったら捲って欲しい
例えば自分の為だったとしても
いい人間になろうとすることは良いと思う
例えば自分の利益を求めてだったとしても
いい人間になろうとすることは良いと思う
自分の為に誰かに優しくしたい、とか
自分の運を貯める為に誰かに親切にしたい、とか
そういうのも悪くないと思う
自分の幸せに貪欲なことは
とても大切なことだから
結局誰かを幸せに出来る人って
自分が幸せを持っている人だから
自分が持ってる幸せが零れ落ちて
周りが幸せになっていくと思うから
日記帳があると思っていただきたい。
人様の日記帳だ。
それが無造作にあるわけだ。
人気のない教室で私の机の上での邂逅だ。
なぜ私の机の上に。という疑問があるが人様の物だ。
触れない方が良いのではないか。
という事は、まぁ分かる。
しかし私の机の上にあるのだ、触るなという方が無理があるのではないだろうか。
それとも夕日に照らされ魔が差した。とでも言えば恰好が付くのだろうか。
なんにしろ。
つい、悪戯心に手が出てしまう。
手にして思ったことは、意外と重いという事だ。
300ページはあるだろうか。
いや切の良いところで365ページ。
つまり1年分だろうか。
全てのページが埋まっているのなら、
恐らくはクラスメイトの1年分の思いを綴った記録が、いま、この手の中に、あるわけだ。
そう考えると俄然内容が気になってしまう。
誰の日記なのか。
自分の事は書かれているのか。
書かれているとして、悪くは書かれていないだろうか。
いや逆に好意的に書かれているかもしれない。
流石に中を覗くのは憚れる。
しかし1ページ程、ちらりと見る程度なら構わないのではないだろうか。
いや、しかし、もし見咎められるようなことがあれば責められるのではないだろうか。
だが教室に忘れていく程度の物ならば、笑って許してもらえるのかもしれない。
そもそもとして私の机の上にあったのだ。むしろ読んでほしかったのかもしれない。
いずれにしろ既に手にしてしまっているのだ。
見たと疑われる事は必定であろう。
しかし――
そんな葛藤を十分ほど繰り返していたであろうか。
意を決し、日記帳の中ほどをガバリっと開き内容を検める。
そこには鮮やかな――白紙が広がっていた。
次のページも。
その次のページもだ。
何のことはない、まっさらな日記帳を手に私は葛藤を繰り返していたわけだ。
何とも滑稽な話である。
ぺらぺらとページをめくり最初のページを最後に開くと、そこには見慣れた名前が書かれていた。
「あ、これ私の日記帳だ……」
そういえばちょうど一年前に、日記を書こうと思ったような。
思わなかったような。
自慢げに学校に持ってきたような。
持ってこなかったような。
何のことはない、私は私の日記帳を手に読んでいいのかダメなのか。葛藤を繰り返していたわけだ。
何とも、滑稽な話である。
// 私の日記帳
私の日記帳
私の日記帳は 夢で出来てる
ページを開くたび
日常とは違った気持ちが
溢れてくる思い出の宝物だ
大好きだった人の事や
目指していた仕事の事
読み返していく内に
ドキドキやワクワクが甦ってくる
身体にエネルギーが
満ちる幸せを感じながら
今日もまた 夢を綴っていく
私の日記帳
xxxx年 8月26日
今日は〇〇くんが夜ご飯にオムライスを作ってくれた。
すごく美味しかった。また食べたいな〜。あとでお願いしとこ。
xxxx年 8月27日
今日は〇〇くんが1人でお出かけして色々買ってきてくれた。
私が好きないちごとぬいぐるみを買ってきてくれた。ぬいぐるみは3個買ってきてくれたんだよ。くまのぬいぐるみとうさぎのぬいぐるみ。そして猫のぬいぐるみ。すごく可愛い。
あとは、ネックレスとピアス、あと指輪とハンドクリームも買ってきてくれたの。とても嬉しいな。
「いちご以外のものは全部絶対自分の部屋に置いておいてね。」って言ってたからちゃんと自分の部屋に置いておこ。
xxxx年 8月28日
今日も〇〇くんはお出かけしちゃった。私もお外に出たいなぁ。お外ってどんなところだっけ?もう忘れちゃった。でね、〇〇くんお花を買ってきてくれたんだよ。
黒い薔薇とアイビーとイカリソウを買ってきてくれた。すごく綺麗なお花。部屋に飾っとこ。
_14end_
今回はどうでしたか?お話の意味がわかりましたか?
主人公(私)は〇〇くんに監禁されています。
プレゼントされたものの意味を載せておきますね。
ネックレス→独占したい。
ピアス→束縛したい。
指輪→あなたは私のもの。
ハンドクリーム→あなたの事を大切に思っている。
黒い薔薇→永遠の愛。
アイビー→死んでも離れない。
イカリソウ→君を離さない
私の日記帳
文字にすることで、気持ちを整理する。
溜まったモノを外に吐くことで、
ちゃんと息が吸えるようになる。
日記帳というか、記録帳を作ってる。
日記は続かない。これはもう運命。何十回チャレンジして何十回途切れたか。今年も既に一回途切れた。諦めた。
ロルバーン可愛くて無駄に何冊も買ってしまったので、記録をちまちま書いたり貼ったりしている。
インプットはアウトプットするまでが大事(概略)と聞いたので、それは確かにと思ってなるべくアウトプットするようにしている。嘘。これからしたい。既に映画2本、本1冊分まだアウトプットしていない。
やっぱり鮮度が大事だ。感情が熱い時に出しておかないと、後々もうその鮮度は思い出せないし、正直面倒くさくなる。そう、今もう面倒くさい。ハハッ
これはまた運命の途切れコースか。
夏バテなのか、すべてがだるい……
【私の日記帳】
数ページで途絶えた日記帳
濃くて荒い字
滲んでいて読みにくい文
貴方が残した唯一の物
もうここには居ない
◯月◎日
理髪店や飲み会などで恋に関する所見は数えきれないほど聞かされたが、どうも私は未だにこう、人としてというか恋愛対象として好きということがわからないようだ。少しだけ、当て嵌まる人物がいるか考えてみる。その人の視界を独占したいような、それでいてその人の目に自分がどう映っているのか心底怖くてたまらないような、そんなモヤモヤを果たして好きと名付けてよいのやら。❲ボールペンで激しく塗りつぶされている❳
読み返してみると、私のこの日記は普段の私の姿勢を何と色濃く反映していることか。人物名はおろか出来事すら殆ど書かれず、自身の考えや悩みに終始している。それは、私が上記したような人の自分に対する目を無意識的にしろ忌み、畏れている証拠だろうか。けれど、そんな私がある人物を念頭にこうして自問せざるをえなくなっている。
もし、彼女がちょうど今の私のように内容はどうあれ私の事を日記に書いてくれていたなら。この気持ちは何だろう? 今まで私が人の日記、つまりは内面の歩みに対して関心をもって一度でも想像力を働かさせた事があったろうか。勿論孤独が見せている自意識過剰の幻かもしれない。けれど、彼女の目に映る世界が今日も善きものでありますようにと、心の一部が自分ではない誰かによって確かに占められている事自体がすでに恐ろしくも本当に有難いと思う。そんな気持ちが本当に私にも持ちえるとすれば、また明日をただ生きていけるような気がした。
誰かと共に生きれるように、そんな今の気持ちを忘れないような自分で有りたい。
新品の日記帳。
淡いブルーのギンガムチェック柄のやつ。
これは、アタシの姉から買ってもらったものだ。
アタシの18歳の誕生日プレゼント。
日々の生活で日記をつけることなんて、ない。
せいぜい言えば、夏休みの時くらい。
……せっかく貰ったんだし、つけてみようかな。
アタシなりに。
早速誰もいない二階の部屋に行って、
お気に入りのシャーペン持って、
いざ紙へ。
〜私の日記帳〜
空が綺麗だったから写真を撮る。そうしたら彼女を思い出した。ふらりと何の予兆もなく消えた彼女のことを。
彼女はいつも空を撮っていた。青空、曇り空、夕焼け空…ふと気になって何故空を撮るのか聞いてみたことがある。
「うーん、なんて言えばいいんだろう。これはね、私にとっての日記帳なの。」
そう言いながら彼女はアルバムアプリを立ち上げ空写真を大切そうに眺めていた。
聞いた時は率直に言うと意味が分からなかったが今ならわかる気がする。
―あぁ、本当に最悪の日記帳だよ。おかげで空を見る度に君の事を思い出してしまう。