舞冬

Open App

 ずっと書き続けてきた日記帳。
 小さいの頃の文を見返すと昔の頃へタイムスリップした気分になる。

 家族で旅行に行った時のこと。
 学校の校外学習や修学旅行のこと。

 修学旅行というと、女子はやっぱり恋バナのイメージがある。でも、意外と男子だって恋バナで盛り上がる。

 かわいい子とか、気になる子とかの話してたっけ。
 でも、僕は好きな子がみんなにバレてるから「お前は聞かんくてもわかる」「星乃さんでしょ?」って言われて、困ったな……。

 だってそうなんだもん。
 僕が「わかりやすい」だけらしいけど、それはきっとお母さん譲り。

 でも、その「星乃さん」が隣で寝ている。
 ゲームで寝落ちしたところをベッドまで運んだのだ。

 小学生の頃と変わらず、誰よりもマイペース。
 野良猫という比喩が怖いほど良く似合う。

「今日もおやすみ。夜空ちゃん」

 そんな子の横で今日も僕は眠った。

8/26/2023, 1:43:36 PM