『私の名前』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
……と呼んで、……と呼んで、で終わらせてしまうひとつになるはずの夏
私の名前
私の名前は、私がこの世からいなくなっても残っているのだろうか。歴史の教科書に載るような大きな功績は残せないだろうし、テレビの有名人のようにもなれない。私の名前は、生きた証は、周りのほんの少しの人にしか覚えて貰えていないかもしれない。そして時が経つにつれてどんどん私の名前は忘れ去られ消えていくのかもしれない。なんだかとても悔しい。その日その日を頑張って生きてきたのに。それだけで本当に偉いはずなのに。悔しい。悔しい。私の生きた証を刻みつけたい。認められたい。だから、私は今日も書いている。あなたは私の名前覚えていてくれますか?
私の名前
暗い暗い闇の中に、
私は独りでいました。
余りに暗いので、最早上や下さえも解らず、
私は途方に暮れていました。
見渡そうにも何も見えず、
歩こうにも前が分からず、
叫ぼうにも声が出ず、
私は立ち尽くすしか出来ません。
闇の中に、黒い霧が立ち込め、
私の身体を覆っていきます。
真っ暗な闇の中で、
黒い霧が体の表面だけでなく、
内側へと入り込んできました。
不思議と苦しくはありませんでした。
このまま闇と同化してしまえば、
孤独に怯えることからも、
為すべきことが分からない焦りからも、
解放される、と思いました。
ふと、
何処からか、声がしました。
それは知らない言語を聞いているかのような、
聞き覚えのない文字列に感じました。
何度も繰り返し聞こえる謎の言葉。
繰り返し繰り返し。
闇に閉ざされた場所にいる私に、
響いてくる言葉。
ああ。あれは、
私の名前なのだ。
そう気付いた時、
闇の中に一筋の光が見えた気がしました。
職場では「佐藤さん」近寄り難い、怖いという印象を持たれやすい。楽なのでそのキャラで生きている。
ネットでは「cloud」雲のように害の無い存在でいたい。いつでも消える。
数少ない友人からは「あんた」私の短所も知っている人。隠す事は何も無い。
あなたは「ゆうか」
呪縛のように、私の名を呼ぶあなたの声が耳から離れない。誰にも見せない顔を知っているのは、あなただけだった。
そしてあなたも、私にだけ見せる顔があった。
私達は、私達しか知らない顔を持っていた。
名も同じ。
あなたが呼ぶ私の名前は、私にとって特別だった。
題:私の名前
もう大人の人なのに○○ちゃんと呼んでしまう
子供の頃からの安心感
手放しなくない暖かさ
笑いながら触れる優しさが続くように
届かない想いが暗闇の中で涙になる
私の名前は雲膜(うんも)
お母さんは私を産んで一ヶ月後くも膜下出血で死んだ
その時名前は決まってなくて
お父さんが、「お母さんが死んだのはお前のせいだから責任を背負って生きてゆけ」
ということで雲膜という名前になった
くそみたいな理由だよね
出産で死んだわけでもないのに
なんで私のせい?バカなんじゃないの
現実を見れてないだけじゃん
人に責任押し付けて、少しでも心を軽くしようとしてるだけじゃん
学校で自分名前の由来を調べる授業の時
本当のことを言ったらみんなに人殺しって言われるようになったんだよ?
ねぇ聞いてる?
お父さん
そんなお父さんでも私にとってはかけがえのない家族だったんだよ?
もうこれ以上、この名前に罪を重ねないで?
お医者さんは言った「お父さんはね天国に行ったんだよ」
そう、くも膜下出血のせいでね。私のせいだよね
私が家族を殺した
「私の名前」は、その日から、いやずっと前から「罪」だった。
私の名前は『恋』
親に名前の由来を聞いたら、
『つけたかったから』ってだけ。
由来が無いのは少し素っ気ない気持ちになる。
周りの友達は、明るく育ちますように、で、『あかり』
だったり、姉妹や兄弟と
文字数が同じで統一感があったり。
でも、気に入ってるよ。この名前。
漢字で書けば女の子っぽい、
でも言葉にすると男の子っぽい。
『れん』って名前好きだよ。
『皆さんの名前の由来はなんですか?』
【私の名前】Another Side
目を開けば、真っ白な視界と鼻の奥を刺す消毒の匂い。
どこか柔らかい場所、おそらく病院のベッドだろうか。
そこで仰向けになっているのだと理解した。
なぜこんな場所に。焦る心と対照に体は動かない。
次いで感じる、左手にじんわりと広がる温もり。
おもむろに顔を向けると、目を伏せる誰かが見える。
私の指がぴくりと反応し、弾かれたように顔を上げた彼。
見慣れない、いや、どこかで見たような男性。
誰だろうと記憶を辿る。と、ふいに鮮明に浮かんだ。
半年ほど前から交流のある取引先の営業さんだ。
「お久しぶりです」決して愛想笑いではなかった。
繋がれた手に嫌悪感もない。ただ、違和感は拭えない。
明らかな非日常のなかで、祈るように包まれた手。
受け入れられない、信じがたい様子で固まった表情。
「……先生、呼んでくるね」親密な口調。下がった眉。
その全てが印象的で、異様さを自覚するには十分だった。
あの男性が先生を連れて戻り、遅れて父と母が来た。
それから複数枚の写真を見せられ、先生の問いに答える。
自分や家族の名前、仕事。今日の日付、最近の出来事。
彼についてもしっかりわかるのに、その顔は暗いまま。
先生の判断は、しばしの経過観察で問題なければ退院。
一人きりの病室は退屈で、考え事ばかりが捗る。
よく考えるのは、不思議と両親が気を許す彼のこと。
取引先の男性、だけではないのかもしれない。
珍しく間を空けて見舞いに来た彼は顔色が悪い。
思い詰めた様子で強く目をつむり、私を見据えた。
「僕の存在が嫌になったら、名前を書いて渡してほしい」
委ねられた離婚届は、突然すぎて、現実味がない。
『私だけ』
皆の話についていけなかったとき
皆が楽しんでいるのに楽しめなかったとき
皆が笑っているとき
皆が盛り上がっているとき
皆が自分と違うとき
ふと、自分だけが取り残されているような気がして
自分だけが余っている気がして
何度か不安になって、ちょっぴり悲しくなる
『私の名前』
私と同じ名前、世界にたくさんいるんだろうな。
紛らわしくて分かりづらい。
文字数が少なくてアレンジもできないから、皆同じ呼び方。
何でその名前にしたかって言うとね、最初に見たときに「白い」って印象が強かったからなんだって。
この名前は世界でたくさん使われているけど、あの人に名付けてもらったのは私だけなの。
だからすごく気に入ってるんだ。
「シロ!」
あ、呼ばれたみたい。は〜い、今行くよ!
「ニャァ〜」
このアプリ、投稿者さんの名前押したら
その方の過去投稿見れるんですね
便利なのか不便なのか
再編集できるし大丈夫なのかな
初めて知った機能
誰も呼んでくれなかった
俺の名前を
あなたが読んでくれたから
宝物になったんだ
_私の名前
『私の名前』
愛馬のディアブロに跨り森の中を駆けていた
悪役令嬢は、見慣れぬ場所を発見しました。
「む、こんな所にトンネルがありますわ」
馬を近くに待機させて奥へ進んでいくと、
目の前に広がっていたのは
赤提灯が揺らめく謎の街。
色々あって彼女は、この世界の湯屋で
働くことを余儀なくされます。
「ここで働かせてくださいまし!」
湯屋を取り仕切る魔女のもとへ向かい、
働かせてほしいと頼む悪役令嬢。
魔女は彼女に契約書を渡し、
名前を書くよう命じました。
メアリー・スー・バラシー・ドラコニア
「贅沢な名前だねえ。お前は今日からメだよ。
さあ、しっかり働きな、メ!」
(メ?ただのメ?あまりにも短すぎますわ!)
それからというもの、メは朝から晩まで
休む間もなく働かされました。
雑巾がけ、配膳、巨大な風呂釜の掃除と、
慣れない仕事の連続。
「新入り、ちゃっちゃと働きな!」
(はあはあ、きちいですわ!)
贅沢な暮らしを謳歌してきた彼女にとって、
ここでの日々は過酷そのもの。
ヒヨコや角の生えた客、カエルやナメクジの
見た目をした従業員が行き交う摩訶不思議な
湯屋で、メは銀髪に金色の瞳を持つ
チャンという少年と出会います。
チャンはメに優しく接してくれる唯一の存在
で、彼女にとって大きな慰めとなったのです。
「チャンはなぜここで働いているのですか?」
ある日、湯屋の所有する畑でチャンがくれた
塩おむすびを頬張りながら、メは尋ねました。
「俺には、記憶がないんだ。自分が何者で、
どこから来たのかも分からない」
チャンの金色の瞳が遠くを見つめます。
メは驚きました。彼もまた、魔女に名前を
奪われ、この世界に閉じ込められた
存在だったのです。
「でもきっと俺たちには本当の名前がある。
そして、帰るべき場所が……」
「ええ、そうですわね」
二人は誓います。記憶を取り戻し、
この世界から脱出する方法を見つけ出すことを。
しかし、彼らの前には数々の試練が
待ち受けていました。
果たして二人は魔女の監視の目をくぐり抜け、
真の名前と自由を取り戻すことが
できるのでしょうか。
私の名前
覚えてますか
私はまだ
君の名前を
忘れてないよ
君と過ごした時間は
幻のように
あっという間だったから
顔も声も
少しずつ
消えていくけど
名前くらいは
覚えていても
罪ではないよね
私の名前、言ってもいいですか?
こういうとこで言うもんですか?
なんなら、連絡先も言いましょうか?
聞いたら、LINE交換したら、
連絡くれますか?
友達になってくれますか?
からかってるだけでしょう?
名前聞いて、連絡先聞いて、
悪いこと考えてる人達じやないですか?
TIKTOKフォローして、スパム来たりしませんか?
名前言うのも、心配だよね、
心配症だね。
昨日は書きながらねおちしました!
〈お題:私の名前〉ー評価:凡作
道草。枯れ木。赤く点滅する信号機。
映像に捉えた日常に、我は存在しない。
撮っているのも、我の両親である。
我は常に両親の撮る映像を眺めている。
外に出たいと願う事はあっても、それを許してくれる両親ではなかった。
なにより我が自由を望む事を許さない。
両親はしょっちゅう授業を映像に収めては我に勉強すべしと言い付ける。
我は勉強が嫌で、故に反抗するが両親はとても弱い。心身共に弱い。とても簡単に引き下がってくれる。
外に出なければ、大抵のわがままを許してくれた。昔は外に出てよく遊んでいたのに。
昔は、我が映像の主役だった。
今はもう、映像を傍観するだけである。
日常をひたすらに見せられる。
飽き飽きしていても、両親は嬉々として映像を撮る。我には少し退屈なシーンが続くのに、両親は楽しそうである。
我は不貞腐れるのにも飽きているから、「あーだこーだ」言いながら視聴するしかない。
両親の身体はとても弱い。心身共に弱い。
だから、両親が疲弊して寝込んでいる時には外に出て遊ぶ事ができる。
外の人たちは両親と仲が良いから、外で遊んでいるのがバレたら両親にチクるやつばっかりである。堂々と外出出来ないのが辛い。
だから、我は両親が疲弊して寝込んでいる時や、疲れて眠り転けている時に隠れて遊ぶ事が得意になった。両親から奪ってしまった非日常を持ち腐れさせるわけにはいかない。
我は、両親から非日常を奪ってしまった悪い子なので、両親に苦労はかけたくない。
今日も疲れが溜まっているのか、深く寝ている。いつものように外に出ると、両親の目の届かないところで我は叫ぶのだ!
「非常に解放されよ!」
非日常はとても賑やかで、日常では見向きもされなかった両親は更に疲れて床に臥せてしまったらしい。
非日常は素晴らしいことがよく起こる。
なんと私の名前がテレビや新聞に掲載された。
私の名前を呼んでくれるのは今週で最後かもしれない。
来週から違う所へ行くからもうあなたの声で私の名前を聞くことはないと思う。
またこの街に帰ってくるまで出来たら覚えてて欲しいな。
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theme 私の名前 2024-07-20
「だれかわたしの名前をしりませんか?
どこかに落としたのかもしれません。」
「おとしもの?おとしものならこうばんにいくといいよ。」
「ありがとう。」
「こんにちは、おまわりさん。
わたしの名前をしりませんか?
どこかに落としたかもしれません。」
「そんなとどけはでていないねえ。
ところできみはなんていうの。」
「…………。」
「だれかわたしの名前をしりませんか?
どこかに落としたかもしれません。」
「私の名前」
私の名前を親は名付けてくれた。
だけど私は、そんな自分の名前を好きではない。
だからといって嫌いというわけでもなかった
その理由は、自分の性格にある。
自身の性格は、自分の名前に何もあてはまっているとはいえなかったから。
そんな状況に罪悪感を覚える反面、名前なんてそんなものだと感じることもある。
今はマイナスな感情が強い分、罪悪感が強い。
だがその内、マイナスな感情を忘れては、
「どうしてこんな事で悩んでいたんだろう」
とさえ考えてしまう。
良く言えば日々成長している、
悪く言えば日々退化している。
矛盾した感情の数々も、自分自身の名前も、
最後は全て忘れてしまうのだろうか。
君に名前を呼ばれるだけで胸が高鳴って、その名前を特別に思えた。
君が名前を呼んでくれるから、私は自分の名前を好きになれたし、1日を頑張る元気をもらえてたんだよ。
なのにさ…
ねぇ、最後に私を名前で呼んだのいつだっけ?
口を開けば、「お前」だの「おい」だの。
目さえも合わせてくれなくなって。
君が呼んでくれるから、特別になった私の名前。
君が呼んでくれなきゃ、自分の名前に価値なんてないんだよ。
だからちゃんと私を見て、私の名前を呼んで。
『私の名前』
私の名前
ぼくは村田ゆう。お道具箱にもそう書いてある。教えてもらった。
お母さんはよく「おい」とか「お前」とかぼくを呼ぶ。あまり分からないけど、多分これもぼくの名前。
クラスの人はぼくを「ゲジゲジ」と呼ぶ。何かは知らないけど、これもぼくの名前。
今日は算数のテストがある。先生が名前を忘れずに書くようにと言っている。名前を書こうとした。書こうとした。
どの名前を書けばいいんだろう。分からない。どうやって書くんだろう。分からない。どうしたらいいんだろう。分からなかった。