『眠れないほど』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
貴方が好きだ、貴方が好きだ、貴方が好きだ
私の好きな時間は朝、貴方の好きな時間は夜。
私は肉は食べないが、貴方は食べる。
私が知らない花の名を、貴方は知っている。
愛も罪も、正義も、情熱も、何もかもが違う貴方に、私は眠れないほど恋焦がれている。
お前が嫌いだ、お前が嫌いだ、お前が大嫌いだ。
私は夜が落ち着く。お前は夜の色を纏っている。
私は人が嫌いだ。お前は人の愛を信じている。
私が踏みにじった花を、お前は拾いあげる。
愛も罪も、正義も、冷徹も、何もかもが相容れないお前を、私は眠れないほど憎悪している。
「同じ〝眠れない夜〟を過ごしているのに、こうも違うものかねえ」
星明かりの下、楽しそうに男は笑った。
END
「眠れないほど」
眠れないほど
これから経験してみたいこと
眠れないほど夢中になる趣味に出会うこと
眠れないほど想いを募らせる人に出会うこと
眠れないほど一生懸命人生について考えてみること
眠れないほど思いを巡らせ悩んでみること
眠れないほど考えたことが良い結果を生み嬉しい気分に浸ること
眠れないほどびっくりする額の大金を手にすること
眠れないほど自分の可能性が開花して感動すること
眠れないほど感謝の気持ちで満たされること
まだまだ可能性はあるよね?
心臓が飛び出るかと思った
学校を卒業してから
一度も会っていなくて
連絡先も知らなくて
いつまでも君との思い出が
美しくて色褪せないよう
しまっておくはずだったのに
前触れなくきた連絡の差出人に
君の名前が写っていて
ドキリと強く胸が痛んだ
その日から
毎晩君のことを思い続けている
【眠れないほど】
眠れないほど 君思う
明けない夜はないのだから
今日ぐらいは 朝まで待とう
朝日と共に鳴く鳥の声を
夜になっても月はまだ見えないのか。空気はひんやりとして、コンクリートで擦りむいた手のひらは皮が剥けて凍えて痛んだ。
暴力的な罵声は、ゴミを見下す嘲笑へと変わりながら
飽きもせずこちらに向かって口の汚さを露呈する。鈍い痛みを頼りに睨み返ことだけが、今の自分に出来る唯一だった。
「ねぇ、怪我をしてるの?」
見知らぬ男は薄く笑う。軽く屈むと耳にかかった髪の毛がさらりと垂れた。手のひらを差し伸べる深い海のような瞳は焼き付けるような視線でじっと覗き込んでくる。
通りすがりの人間だろうか。不審に思って声をかけてくれたのかもしれない。だとしたらきっと親切な人なのだろう。それに対して自分は取り繕いながら「気にしないで下さい」と笑えばいい。そう分かっているのに、凪いだ双眸に映し出された自分の姿は一番見られたくない瞬間を切り取っている。
惨めさに消えてしまいたい、目の前の男を強く呪ってしまった。
やめろ、見るな。早く立ち去ってくれ。喉の奥まで焼き付く心の叫びに、心臓がバクバクと鳴り続ける。その指先を力任せに払い除けてしまいたい。
ただそれをする気力も残ってはいなかった。通りすがりのこの男にすら、この脆い虚勢を見抜かれて、嘲笑を浮かべられたら。きっと立ち直れない。身を切るような深い痛みが胸の内側に広がって消えたくなる。
「……っ、あんたには関係ないだろ」
手負いの獣が威嚇しながら身体を縮める。精一杯の虚勢だったはずなのに、そんな弱々しい動作しかできない。吠えた声は喉の奥が狭まって泣き出す寸前の引き攣った震えが混じっていた。
男は一瞬瞳を伏せると静かに立ち上がった。凛とした佇まいは受けた印象とは対照的で声を奪われてしまったような異質さが広がる。一気に空気がひりついたのを肌で感じると、激しく感情を顕にしていた声も既に止んでいた。
瞬きを三回ほどした静けさだった。ゆらりと目を惹きつける指先は矛先を見つけたのか真っ直ぐに指を差した。
「話の腰を折って悪いんだけど。後ろの彼、泣いちゃってますよ」
あまりにも間延びした、脳天気な姿勢だった。通りすがりに「こんばんわ」と告げるくらいの気軽さ。無意識に張り詰めた緊張が解けていく。怒りと困惑を綯い交ぜにこちらを見つめていた鋭い眼光と威圧感は、服の裾に縋り付いていたもう一人に向かって意識が霧散していくようだった。
「よし、今のうちに行こっか」
一瞬の隙を狙った色白い指先。それは夜闇への導きのように目の前に差し出される。ふわりと鼻を掠めた夜を濡らす百合の香り。雲の切れ間からうっすらと月の光が梯子のように伸びていく。黒髪の下の静寂を感じさせる瞳は海面に溶けていく月を想わせる。射抜かれて身動きすることを躊躇われる美しい光景がそこにあった。
男は躊躇なく手首を引き寄せるとバランスを崩しそうな体制から、すかさず背中に手を添えた。そのまま駆け出すための足は自然に前へと踏み出した。
「……尚久ッ!」
背後から唸るような怒声で名前を呼ばれて、反応するより先により一層手を握られる力が強まる。
この男のことがまるで分からない。名前すら知らない。ただ一瞬振り返って、楽しそうに目を細めて男は笑った。
尚久は対照的に大きく目を見開いて、途端息がしやすくなる。植え付けられた怒りも、傷を負ったような苦しさも遠ざかって。煩わしい感情は男の手のひらの中で飼い慣らされたように大人しくなった。
呼吸は荒いまま、暗い夜へと向かう足はどこか軽やかだった。
この緩やかな足取りに行く宛はあるのか、それとも全くないのだろうか。そんな尚久の杞憂も暗がりの中でぼんやりと明るいコンビニに辿り着くなり呆気なく解かれた手のひらのほうへと頭が支配された。
「朝ご飯選ぶけど、きみも買いたいのある?」
床の見えない部屋、次いで足りない日用品が一瞬頭に浮かんで、それも濁流のように押し流される。頭が重たい。尚久は買い出しの時、念入りな計算と取捨選択を慎重に重ねて吟味している。煩わしさを吐き出す煙草は迷いなく手に取るが、それはそれだ。
必要なものを選びとる、そのための頭を働かせるが今はひどく億劫だ。握りしめたボールペン程の軽い商品すら落としてしまう気がした。夜風の下で休みたくて、首を力なく横に振った。
男は「まってて」と嬉しそうに言い残すと店内に入ってしまう。
ぽつんと残されて何故だか無性に落ち着かない。外側に設置してあるゴミ箱の隣に力なくしゃがみ込むと、手に残る温もりに物足りなさを感じていることに「うわ」と小さく呻いた。良くわからない羞恥心に駆られて手のひらから視線を逸すように反射的に瞳を閉じる。
「情けねぇな俺……」
自分の中の濁りを吐き出すように夜の澄み切った空気の中で深呼吸をする。
今は何時くらいだろうか。ポシェットからスマホを取り出すと何件も通知が来ている。相手を確認して、すぐに電源を落とす。凍えたコンクリートに叩きつけてくれた──幼馴染からだった。
「俺たちに二度と関わるな。……ね」
ぐらりと頭が揺れる吐き気。勢いで胸ぐらを掴まれて用済みのゴミに吐き捨てるように告げられた言葉だ。
なんてことはない。男三人の幼馴染み、縺れた三角関係の結果は当て馬という恋の着火剤にされてしまっただけだった。
上手く笑えず吐息だけが漏れる。尚久にとってこの数時間の出来事は目まぐるしく激しい感情が動いて、今も胸の奥で火種のように燻り続けている。
コンビニのじんわりとした光に虫が引き寄せられて羽音がバチりと弾ける。
通りすがりの何も知らないあの男にとっても明白なほどの拗らせた人間関係だったはず。幼馴染みは人目が気にならない場所もあってか、荒々しい態度を隠してはいなかった。尚久自身も掴み合いには負けたが、鋭い剣幕で睨み返していた。
関わる必要なんてない。あの状況で手を差し伸べるのは余程のお人好しくらいだ。だがあの男はそれとは違う気がする。あれはむしろ喜んで火の中に飛び込もうとする虫のような危うさ。皮肉げで、眺めながら、試すような。
「っ、もう何も考えたくねぇ。……消えたい」
「じゃあ何も考えないで楽もうよ」
思考に水を差す柔らかな声。急に生々しい気配を感じて慌てて横へと飛び退いた。
「うわぁ!?」
「あははっ、なぁに。俺のこと考えてたの」
「っ、べ、別にそういうわけじゃ、ないです」
「そう?悩みが増えちゃったのかと思ったけど」
それならそれで楽しそうなのにと最後に言葉が付け足されてもおかしくない、揶揄う声色。にっこりとした瞳は狐のように目尻がつり上がっている。どのタイミングから見ていたか定かではないが、やはり人助けを喜んでするようなお人好しではないなと尚久は内心苦く思った。
男はがさりとビニール袋を揺らしながら立ち上がると「それじゃあ、またせてごめん。行こうか」と鷹揚に笑う。また手を繋ぐことになんの躊躇いもなくなっていた。
スーツ姿で歩く自分と、がさりとビニール袋を大きく揺らしながら歩く背中。平坦だったコンクリートはなだらかな斜面の方へと続いていく。鼓動のように明滅していた外灯もしばらく進むと役目を終えたものが点々と暗闇の中に佇んでいた。
聞こえる口笛は白い吐息になって風に攫われている。先程から音程は行ったり来たりと外れているような気がする。男は細い音を途切れさせながらご機嫌そうにビニール袋を揺らしている。
「どう?毎晩練習したんだよこの曲。結構好きなんだよね」
「えっ。即興じゃないんですか」
「違うよ。きみも聞いたことない?」
「いや……たぶん初めて」
「……あれ?さっきのコンビニ、入店したときに流れてたよね」
「……流れてないです、たぶん」
男は不思議そうに小首を傾げた。子どもでも覚えられるポップな親しみやすい曲は、独創性に屈する形で変貌を遂げたのだろう。手負いの鳥の血走った眼光
、その最期の一声くらいには歪で儚い曲調にされている。
「ここ足元気をつけてね。転んだら共倒れだから」
夜の雑木林に紛れる石段があった。続く段差には枯れ草が伸び切ったまま草臥れている。闇の底から感じる虫たちの息遣い。なにか大きな生物に圧倒される重苦しさがあった。
男は繋ぎ合っている手のひらを、尚久に見せつけるように翳す。楽しければそれでいい、きっとそう思っている。肩越しに振り向いた男はやはり目を細めて笑っていた。
何か仕掛けられている、きっと。幼い好奇心がこれから起きる予兆に期待と不安を抱かせた。男は先導するように尚久の手を引き寄せて、最初の一段に登らせようとした。糸を手繰り寄せて人形を思うがままに動かす。その動作はやけに手馴れていて、冷たさがあった。
革靴の先が石段に触れた、その瞬間だった。
「はっ……?」
波紋のように揺蕩う淡い光。それは足元を灯しながら、ゆらゆらと月の光を纏うさざ波のようだった。行く先まで先導する道標。暗闇の中を囁きながら広がっていく光。それは次第に色濃い、瞼の裏側にも焼きつく黄金の階段となって輝きを主張し始める。暗闇を覗いた先にある光、それはまるで───。
「天国への階段」
はっと魅入られた意識が男の方へと注視する。喉元まででかかった言葉を吐息ごと攫われてしまったような。きっと同じ美しいものを見つめて、共感しただけ。
だが男は心を覗き込んで、観察して、安堵する何かを見つけたように朗らかに微笑む。
「綺麗だよね、俺のとっておき」
尚久に視線を向けると男はくつくつと喉の奥で笑った。影に隠れた黒い笑顔に恐怖が背筋を走る。
繊細な硝子を渡された気がした。脆くて、鋭利な破片。触れれば指先からぷつりと音がして、血で濡れる。そんな映像が脳裏を過った。
チカチカとした高揚感は、頭が痛くなるほどの危険信号へと変わる。言葉を詰まらせながら小さく頷くことしか出来ない。
「苔が光ってるんだよ。虫を誘き寄せて、胞子を乗せて繁殖し続けてる。これを綺麗だと思った俺もきみも虫と同じ」
男は屈んで星を掬うように地面の光を柔く撫でた。指先にこびり着いた光を受けた瞳は星を浮かべた湖面のように美しく透き通っている。
「きみ死にたそうにしてたから。天国まで道連れにしたくなったんだ」
「道連れって……、なにいって」
「なにってそのままの意味だけど。ひとりは寂しかったからきみを拾えて丁度よかったなって」
「っ、俺は死にたいなんて思ってない。ただ」
「息苦しくて消えたかったんでしょ。でもきみ、俺が天国って言ったとき少し嬉しそうだった」
前髪で隠れた瞳を覗き込むように男は見上げてくる。微笑む姿は蠱惑的で、まるで甘い蜜だ。
濃縮された甘美な色香。あまりに官能的で、劣情を煽り立てる空気。ざり、と砂を噛む靴音の重たさに理性がそれを拒絶していると気付いた。
混乱している頭でも分かる。この男は異常だ。死を想わせて、背を押される恐怖。立ち竦んでいる腕を掴んで、死という波間に触れさせようとする。
病的な中毒性を感じた。お前は虫なのだとその瞳は告げている。喉仏が上下して口が渇く。
どうしていいのか分からずに狼狽えると、男はなんてことなさそうに光を追って前を歩いた。
光の向こう側には風の吹き抜ける丘があった。寒さは違う原因で身体が震える。
夜の血脈のような街の灯りは潤沢で、暗がりの中で感じる人の気配は美しく輝いていていた。
「ほら、綺麗だよね」
じわりと胸の奥に暖かなものが溢れる。目を見張って漏らす吐息は、恐怖ごと攫って溶けてしまった。
朽ちかけた東屋のベンチに並んで腰を下ろす。垂れた汗に身体に下からに舞い上がるひんやりとした夜風は心地よかった。だが前髪を乱す勢いのある突風が吹くと「わっ……!」と隣に座る男が目を細めて慌てふためく。ボサボサに毛並みの乱れた犬。それを連想してしまった。堪えきれず笑うと男は情けなく髪に触れる。
「言っておくけどきみも酷い髪してるからね」
異様な空気は何だったのか。人間くさくて、どこか間抜けで。肩の力が抜けて、笑うたびに安心できた。その瞬間を目に焼き付けて瞬きを忘れてしまう。
頭上にはきらきらと輝く青い星。風に乗って勢いよく舞い散る冬の空を彷徨よう綿毛が泳いでいた。
星を掬うように伸ばした手のひらにふわふわと綿毛が足場を見つけたように乗った。若干動いているような気がした。毛先はひんやりと冷たい。
「……これ、生きてる」
「へぇ、毛先が少し長いし新種かな。かわいい」
手のひらの熱が移ったのか、綿毛はほんのりと暖かくなっていた。微睡むように擦り寄って、細い毛先がくすぐったい。そのまま風の中を歩むように空へとまた舞い上がる仄かな白い光。
「……あの。道連れってやつ」
「ん、なに」
「俺が消えたいって顔してたから。だから俺を拾ったって言ってましたよね」
「うん言ったねぇ」
「……あれ、適当言いましたよね」
「んー。あはは、雰囲気はでてたでしょ?それに目があったし……あ、あとは疑似天国を味わってほしかったのと、気分が良くってさ。すっごく」
ふわっとした適当な答え。未だに理由を見繕おうとして、視線は忙しなく彷徨わせて焦りの色を浮かべた。それ以上の理由は本当になさそうだ。尚久は唇の片端に乾いた笑みを浮かべた。
男は綿毛を興味深そうに見上げている。その横顔がさまになっていて、見惚れてしまう前に空へと視線を逸らす。
天国のような美しい階段の先は、縋り付きたくなるほど心地よい風と、胸の奥が痛いくらいの優しい光に包まれている。
ふと、幼馴染の吐き捨てた言葉を思い出した。拒絶された一瞬で彩度が落ちていく、そう錯覚してしまうくらいに心から惹かれていた。幼馴染との関係は、幼稚な憧れが詰まった宝箱だった。「一生」や「特別」という言葉を抱きしめて、酔いしれて、溺れる。それは時間を経て霞むどころか歪曲して、脳を焦がし続けていた。見返りのない愛情。誰でもいいから無条件に愛してほしい。けれど自分はいつだって端役だ。そんな分かりきったこと、今さら気付いてどうなるっていうんだ。胸の内を探りながら言葉を紡ぐ。
「……やっぱり、俺にこの天国は早い気がします」
「ふぅん。どうして?」
「綺麗すぎて、俺がこの場所を最期に選ぶのはなんだか、分不相応な気がして」
「ははっ、そんなこと気にする?ふんわり溶けてく光とかさ。ずっと見ながら俺も消えられたらって考えるの気楽になれるのに。綿毛たちもいて、きっと寂しくないよ」
遮るもののない空に鮮やかな青い星が散っている。穏やかな夜の海を小さな生き物たちは星を愛おしむように漂っている。静寂の中に溶けてしまいそうな時間。一人ではない証明のような冬の吐息が頼りなく流れてきて、尚久もまた息を吐き出した。
波打つ夜に
「眠れないほど」
あなたがいると
眠れないほど幸せで
あなたがいないと
眠れないほど寂しいの
眠れないほど君が好き。
君に恋をしてからは、寝つきがどうも悪くなってしまった。…ようやく眠れても、夢の中で君と出会ってしまう。。君の笑顔が愛おしくて、夢の中でもその満面の笑みを浮かべている。
夢の中では僕は君の彼氏でいられた。
学校でたくさん喋ったり、一緒に出かけたり、君としたいことが夢の中で叶えられる。そんな夢が素晴らしかった。
…僕はある日そんな想い続けていた彼女に想いを告げた。自分が彼女に抱いている気持ちを素直に伝えた。、
、……、結果はまぁー、分かりきっていたけど、
分かりきっていたけど…やっぱり悲しかった。
その日の夜は特に寝付けなかった。というか寝るのが怖かったんだ。今日彼女への想いが実らなかった
このまま寝たら、夢の中でまた偽りの君と偽りの恋人になる。そんな夢を見たくなかった。偽りが虚しくなるから、明日朝起きた時、自分がどんな顔をしているか見るのが怖かったから、、
もう偽りの君とは会いたくない。会えないよ、…
眠れないほど
眠れないほどスマホを見ている。深夜まで。依存症かというくらいずっと。いや、既にスマホ依存、ネット依存の域に達していると思う。
スマホで次から次へと情報が目に入ると脳内麻薬ドーパミンがどばどば分泌されて、分泌されなくなるともっと欲しくなる、この繰り返しらしい。
だから切り上げ時が分からず眠れなくなる。
自分の容量の少ない頭は日ごろからスマホ経由の情報が過多で、他が入る隙がないためまず本を読まなくなった。
なんとかすべく『スマホ脳』という本を買ったはいいけれど、まだ表紙すら開いていない有り様。
インプットばかりしていると、頭の中で情報の交通整理が追いつかず渋滞する。
情報はたくさん入る、しかし理解はしていない状態が続いて、睡眠不足と加齢もあって頭がどんどん衰えていくのを感じる。
というわけで、心身のためにもアウトプットをしようと書く習慣を始めたが、確かに頭を久しぶりに使っている感覚がある。もう息が上がるほど。
しかしスマホで打っているので、結局スマホの使用時間はそんなに変わっていない……。
『眠れないほど』
眠れないほどのことなんて
無い
そういうことにして
眠りたくないだけ
(眠れないほど)
-あなたのことを考えすぎて眠れない。
あなたからの返信がないのはなぜなんだろう。
あなたに嫌なことしちゃったかな。
あなたの声が聞きたい。
あなたに会いたい。
私があなたの心をのぞけるのなら、こんなに思い悩むこともないのに。
#眠れないほど
曇り空
気持ちは晴れ間
六義園
一年越しに
会えた紅葉
好きな人が結婚する。
「……おめでとう」
どうにか不自然にならないくらいの間でそう言えた。
電話の向こうの君ははにかむ。
そこからどんな会話をしていつ電話を切ったか覚えていない。
その日の夜、一人の部屋で思い切り泣いた。
毎日ぐるぐる思考がこんがらかる。
今日までずいぶん悩んだ。
君との思い出で頭がいっぱいになって、眠れないほどだ。
明日は結婚式。
君と、君の好きな男の結婚式。
「絶対来てね。親友のあなたに見てほしいの。私のドレス姿」
そう言って幸せそうに笑った君さえもかわいいと思ってしまったのだから、そうとう重症みたいだ。
とうとう眠れないまま朝になってしまった。
冷たいシャワーを浴びる。
風邪でもひけたら欠席できるのになあと思ったり。
頭では行けない理由をありったけあげつらっているのに、手は機械的にシャツのボタンを留める。
最後に、君が誕生日にくれたピアスを未練がましく着けた。
鏡に映る自分に言い聞かせる。
大丈夫、ちゃんとやれる。
真っ白なウエディングドレスに身を包む君は、今まででいちばん美しい。
きっとこの先何度も夢に見るだろう。
君が幸せならそれでいいなんて言える善人じゃないけど、君の幸せが嬉しいのは本当だ。
何も知らない君は残酷に、友人代表のスピーチの役目をくれた。
少しだけ本音を混ぜた、完璧な「友人」の祝辞を述べる。
わたしの親友をこれから独占する新郎さんに少し嫉妬しています。
新郎は照れたように笑っている。
君もくすくすと控えめな笑い声を立てる。
ちらりと視線を二人に向け、わたしも微笑んだ。
これで終わり。
わたしの叶わない初恋。
最期まで君を想いながら、いつかわたしは死ぬのだろう。
そのとき君はきっと泣いてくれる。
それで、それだけで、十分だ。
#眠れないほど
夜、眠る前に君を想う。
今、君は何をしているか。
考え始めると眠れなくなる事もあるけれど、最後君が明日も幸せであるようにと祈りながら目を瞑る。
明日の君の笑顔が見たい。
「眠れないほど」
私は本が大好きな子供だった。
いわゆる本の虫というやつだ。
好みの本が見つかると時間を忘れて夢中になり、
飽きずに同じ本を何度も何度も繰り返し読み込んだ。
新しい物語を読み始めると、途中で止められない質で、
途中で止められると寝付けないほどだった。
主人公はこんなとき、どんなことを言うんだろう?
ラストのその先はどんなかな?
物語のその先にワクワクして、眠れないほど、
本の中の人物、世界、その全てに魅了された。
いつか、私も書きたい。
眠れないほど面白い物語を。
そして最後まで読んで、何かを感じてもらえたら…
願わくば、幸せな気持ちになってもらえたら、なんて。
まだまだ遠い夢の話。
眠れないほど
眠れないほどあなたに恋してる。
…なんて。
可愛いこと言えたらいいんだけどな。
何だか私、あなたに恋してから快眠すぎるんですけど!
(幸せすぎて睡眠の質が上がった話)
「眠れないほど」
眠れない。
明日が不安。不安になればなるほど眠れない。
明日何て来なければいいのに…
眠れないほど夜が好きになる。夜に包まれていく。
もう三時になってしまった。
十一時に布団に入り睡魔どころか眠気すら現れない。
時おり寝返りをうてども効果がない。ようやく眠気が訪れたかと思えばすぐに覚醒してしまった。
思い切ってスマホをみて後悔をする。
まさか自分が思っているよりショックだったらしい。ご飯もしっかり食べ仕事でミスもしていない。
だから、なんともないと思っていた。
そして、思っていただけだった。
ショックを受けている自分へのショック。悲しいと思うくらいにはあれに愛着があったのかという安心感。
二つの間で揺れ動いていた。
実家の犬が死に五年。
犬小屋の処分がされる。
それも明日。
不意に思い出す犬の姿。
できれば、壊してほしく無い。死んだことを認めたく無い、唯一の抵抗が、犬小屋だった。
じわりと目頭が熱くなる。
私は心を押し殺す様に布団の中で丸くなった。
眠れないほど
距離の続き
眠れないほど
「あ~あ明日どうしよう~」
私は、枕を抱えて
さっきから ベッドの上をぐるぐる
寝転んでいた。
外は、もう真っ暗だ
星々も輝いていて
街は、眠りに付こうとしている。
いい加減 私も寝ないと
明日に支障を来す。
しかし明日の事を考えると
頬が 火照って眠れない
でも 寝不足で目の下に隈でも
出来たら大変だし...
隣の席の 橘斎(たちばな.いつき)君
入学式で新入生代表の挨拶が静かで
丁寧で その時から 引き付けられて
目が離せなくて... 多分これが 恋と
言うものだと 初めて知った。...
あの時 初めて 話し掛けた。
「あの 一緒に 本の話しをしませんか?」
まさか向こうも おなじ台詞を
返してくれるとは、思わなかったけど...
それから ラインを交換して
そして 明日 一緒に図書館に
行く事になった。
「なのに~もう~眠れない...」
私は、両足をバタバタさせて悶える。
「どうしよう~」私は、無理矢理
目を閉じた。
「はぁ~ どうしよう~」
僕は、何回目かの ため息を吐いた。
どうして こんな事になった。
全くの 想定外だった。
でも、頭が行動を理解する前に
口から言葉が 飛び出ていた。
一瞬 自分の言葉が反響して
聞こえた。
どうやら なんの 偶然か
彼女も 僕の言葉に 被せる様に
同じ台詞を言ったと気付く
「一緒に 本の話しをしない?」
隣の席の 井上帆乃香(いのうえ.ほのか)さん
入学式の日 新入生代表の挨拶を
控えて居た僕は、酷く緊張していた。
口下手な僕は、何回も読む原稿の文字を
口の中で、繰り返し 噛まない様に練習をしていた。
原稿の文字に視線が 集中していた僕は、
他の事が 注意散漫となり 誰かと
ぶつかってしまった。
ドンッ 「すいません」
すぐに 顔を上げ 謝ろうとしたけれど...
その前に 僕の視線の先に さっき
読んでいた 原稿用紙が 丁寧に
折り畳まれて 差し出された。
「あの...これ...」おずおずと差し出された
原稿用紙を受け取り 僕は、顔を上げた。
「ありがとう!」僕が お礼を言うと
その子は、控えめな 笑顔を浮かべ
お辞儀をして 友達の声に振り返り
僕に背中を向けて去って行った。
僕は、初めて 第一印象で見た笑顔を
可愛いと思えた。
その子とは、あまり目が合わなかったので
多分 向こうは、僕の顔を覚えては、
居ないだろう。
でも 僕の方は、あの 控えめな
笑顔が忘れられなかった。
あの 笑顔を思い出すたび
頭の中で 可愛いと言うワードが
ループした。
入学式を終え 自分のクラスに行くと
あの子が 僕の隣の席だった。
びっくりしたけど 僕は、
話し掛けは、しなかった。
向こうは、僕の事を 覚えて居ないと
思ったから...
そうして...僕が この気持ちが 恋だと
気づくのは 入学式が終わった後の事
自己紹介で 彼女の名前が井上帆乃香さん
だと言う事を知った。
入学式から 随分立っても 僕は、
彼女に 話し掛けられずに居た。
だから 明日 彼女と出掛けられるのが
夢みたいで 未だに 実感が湧かない...
「はぁ~どうしよう~」
そうして、僕は、また 何度目かの
ため息を吐いた。
外は、暗い そろそろ眠りに
付かないと 明日 大変な事になる事は
分かっているけれど...
明日 寝不足で 遅刻なんかしたら
彼女に 迷惑を掛けてしまう...
僕は、最後の手段として 頭の中で
羊を数えてみる。
しかし 途中から 彼女の
笑顔に 変わってしまい
また ため息を吐く事になる。
「あ~あ もう」僕は、両手で自分の顔を
覆った。
今夜は、眠れる気がしない...
何度 眠りを 誘ってみても
頭の中で彼女の笑顔がチラついて...
眠れないほど彼女が好きだと
自覚するだけだった。...
【眠れないほど】
「……眠れない?」
優しい声にドキリとする。
背中合わせに寝てるのに、なんで気がつくの?
モゾモゾと寝返って、君の胸に額を擦り付けると、柔らかく頭を撫でてくれる。
「なんか、ドキドキして眠れない」
「明日が楽しみ過ぎて?」
「うん」
「遠足前の小学生かよ」
からかうように言って、君はふふふと笑う。
「ホントは俺も楽しみ過ぎて眠れない」
2人とも眠れないほど明日が楽しみだなんて。
明日が来れば2人で──。
クローゼットの奥にしまったビロードの小箱は静かに明日の出番を待っている。
#眠れないほど
眠れないほど
夜が明ける
今日を願う度
明日が来る
眠れないほど
恐い夜はないでしょう?