『真夜中』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
目を閉じたら広がる暗闇。けれど意識はなかなか落ちてくれない。チクタクと聞こえる時計の音が延々、延々続いている。
目を開く。閉じたカーテンの隙間からうっすら漏れた街灯の光。時折ごおっと聞こえてくるのは国道を走る車の音。こんな時間に一体どこへ走るのだろう。考えてまた目を閉じる。
微睡みかけた意識の中でリフレインする嗤い声。にやけた瞼のその奥の瞳の、ゾッとするような冷たさ。
振り払うように寝返りを打って、身体をぎゅっと縮こめる。あの頃になんて戻れないのに。子宮で揺蕩う胎児のようだ。
眠れない。眠りたいのに、その先に待つ明日が怖い。
きっと大丈夫。明日になれば何事もなく、またいつもの日常。私はいつもの顔で、いつものように溶け込めばいい。
少し失敗してしまったけど。なあに、気にすることはない。私はうまくやれる。大丈夫、取り繕える。
目を瞑る。居ても立っても居られない口腔の渇き。起き上がって蛇口を捻って。再びまた布団にくるまる。
静けさが心を揺さぶる。誰とも分かち合えない痛みと向き合う孤独な戦い。逃げ出したい。もう眠りたい。楽になりたい。
真夜中には居たくない。けれど、明日にも行きたくない。光のないトンネルの中で、ずっと出口を探している。
私は一体、どこへ向かえばいいのだろう。
考えて、やがて、朝日が昇る。
【真夜中】
眠れない。けれど眠い、けど寝たくない。
真夜中
真夜中
午前三時の静寂は僕の相棒だ。
【真夜中】
暗闇と静寂。
穏やかに、緩やかに流れる
独特な時間が好きだ。
その空間が自分だけのモノの様に感じてしまうほど。
夜闇に身を投じ、たった一人を満喫する様に。
真夜中は私の為の時間だ。
何にも囚われず、誰にも邪魔されず。
朝や昼が嫌いなわけではない。
けれど、少しだけ夜が明けるのが
惜しいと思う。
それはいつでも隣にあるんだろうね。
どんな状態でも、あっさり飲み込んで、誰も彼もが動けなくなるセカイ。
解ってて飛び込む人もいるし、気づいたら取り込まれてた人もいる。
それなのに、魅了される人もいるんだから、本当に解らないよねぇ。
取り込まれた人は、戻ってこれるのかな?
多分、出来る人と出来ない人がいるんだろう。
自分はきっと、後者で。
甘く見て、取り込まれて、後悔して。
それでも、解らないままなんだろうなって思うんだ。
”真夜中”は、そう言うセカイ。
朝日がのぼるのか、深淵に飲み込まれるのか。
どちらになるかは、自分次第なんだろう。
真夜中
『真夜中』
真夜中に たったひとりの わたしたち
光る画面に 繋がりを見る
-
太陽が 燃える毎日 も真夜中
があるからこそ 耐えてゆける
-
明日がさ 笑顔でくるよ 手を振って
また集まろう 明日の夜に
【真夜中】10
夜が好き
静かで自分の世界で過ごせるから。
私の敵は誰もいない。
スマホを開く。
通知がたくさん。
どの人も私の味方。
似たような言葉ばかりだけど
それでも嬉しい。
太陽が昇ると味方は消える。
その代わりみんな敵になるんだ。
朝が来るのが怖い。
このまま夜が続けばいいのに。
時を止められたらいいのに。
窓を開けベランダに出る。
あー星がきれい。風も気持ちいいな。
ひとも車もいない点滅信号の交差点
うるさすぎる心がやっと静かになった
まだ眠っちゃだめだよ。
【真夜中】
真夜中に僕は街へ出た。
いつもは騒がしい街も今は静まり返っていた。
僕は、静かな街の音が好きだ。
自然に溢れたこの街の音が大好きだ。
でも、この音は数時間も経てばなくなってしまう。
自然の音で溢れた街が消え
人から出る音で溢れた騒音の街になる。
今はその騒音なんてものはひとつもなく、
昼間と比べて、まるで別世界のようだ。
僕は真夜中が好きだ。
真夜中に起きていると、まるで
この世界に僕だけが取り残されてしまったようで
僕にとって真夜中はすごく素敵な時間なんだ。
真夜中-。
2人の人影が、大きく踵からのびている。
深夜1時。
少女達は、旧校舎の屋上に手を繋ぎあい
フェンス越しに立って何か話をしていた。
-私たち、悪い子だね。
こんな夜に逃げ出して来ちゃって笑-
-そうかしら。今までよく頑張ってきたじゃない。だから、皆優しい顔で許してくれるわよ。-
向かい合って、額を合わせながら
ぽつり、ぽつりと語っていた。
-私、もっと違う所で生まれていたら、
貴方と幸せに暮らしていたのかしらね。-
-うん。きっと、きっとそうだよ。-
声が少し震えていた。お互いに慰めあっているかのように見えた。
夜の爽やかな風が、2人の影を揺らす。
-さぁ、行こうか。
もういい時間でしょう?
,,私、貴方といる時間が話す時間が1番好きだった。本当にありがとう。-
-うん。 私も、1番幸せを感じられて、
1番好きだった。-
そして、月明かりだけを残して2人は、
いつか来る幸せを願い、暗闇へと溶けていった。
真夜中は一体何時からなのか。
それは人によって様々だ。
私にとって真夜中は午前2時を過ぎたあたりからだろうか。SNSにも人が少なくなる時間。
そうすると、普段は話さないような内容のつぶやきをしがちである。
昔の辛かった思い出や、自分の生い立ちなどをぽつぽつと話し始める人と、それをうんうんと聞く人。
会話をするわけではないが、静かに話す人と静かに聞く人がまるで焚き火を囲んでいるかのようだ。
朝がくればまたいつもの賑やかな街に戻っていくのだけれど、その時間に居合わせた人のことを、すこしだけ今までよりも近く感じるようになる。そんな真夜中の時間が私は好きだ。
【真夜中】
君と真夜中を抜け出してきた日の星空は
今までにないぐらい綺麗だった。
きっとこれはいつになっても忘れないだろう。
な、お前もそう思うだろ?
今は亡き親友へ_。
真夜中
暗闇に包まれそばには誰もいない
なんど包み込んでくれる人を求めただろうか
暗くなるとなぜか寂しくなる
心が閉ざされたように
さぁ、よる夜明けよ
そしてまた朝日を照らしておくれ
闇があるか光の偉大さを知る
真夜中
夜空の星が綺麗だ。
割と高いマンションの屋上からは恐ろしいほど綺麗な夜景が見えた。自分がこの町を手にした感じがするからだろう。「もっと欲しい」そういった感情が原因か、夜景に惹き込まれる。気付いたら、星がない夜空が見えた。
綺麗と言うより、不可解な夜空だ。あとは、身体が重い
でもそんなのどうでも良くなるくらい眠い。
その後、ゆっくりと、必然的に目を閉じた。
学生の頃は、深夜ラジオをよく聴いていて、
夜更かしは特別に感じでいた。
日付が変わっても友達と遊んで、
親に叱られたこともあった。
遠い昔のことだ。
今はもう、真夜中は眠り込んている時間だ。
遅くても、日付が変わるまでには
ベッドに入っている。
それでももし、起きていることがあったとしたら、
久しぶりに特別な時間になるんだろうな。
「真夜中」
朝 家を出ると生け垣の隙間から
猫どもが私をみてニャアオと笑う
昼になると 遠くの梢の影から
カラスどもが私を見つけ騒ぎたてる
夕方は柿の木に気配を消した
コウモリどもが羽を広げ我に気付けという
夜はなんとかギュッと目を閉じ
むりやり眠りにつくと
まどろみ始めた頃 フクロウが一羽
私の窓辺にやってきて
コツコツと私の部屋の窓を叩く
大きな目で私を射抜き
フクロウは真理を説く
まだおまえはそうやって
眠ったふりをしているのか。
なにもしようとしないのか?
過去も未来も 宇宙も含め
全てはお前の中にあるというのに。
全てがお前に 語りかけているというのに
目を背け続けて そうしていったい
いつ 目覚めるつもりだ
時の魔女よ と。
私に魔法のような言葉が紡げるものか。
朝を迎えたとて なんになる。
自嘲してやつに応える
それが真夜中
「真夜中」
[真夜中]
暑さを冷やそうとベランダに出る。今日みたいな日には夜の風は心地良い。の、だけれど夜も更けた静寂の中で帰宅する酔っ払いの話し声がやたらと耳につく。
(うっるさ……)
良い気分だったのに耳に付く奴らの話し声に段々と気分が悪くなり溜息が溢れる。ビールを一口飲みながらさっき別れた君を思い出す。
「もう会いたくなるなんて……」
真夜中はどうにも人が恋しくなる。
人肌の温もりや、声が。
スマホを取り出してLINEの通話ボタンを押す直前で指が止まる。
(深夜の1時に、迷惑だよなぁ……)
ふ、と画面を閉じようとした瞬間、通知が鳴る。
君からのメッセージじゃない。見覚えのある番号からのSMS。
『会いたい』
「………………」
1年前に別れた元カノからの一言だけのメッセージ。彼女は別れた後も時々こうして俺にメッセージを送ってくる。頼る人が俺以外の誰も居ない孤独な女性だった。優しさを愛と勘違いして縋りついてくる弱い女性だった。可哀想な女性だった。
「……どうして俺は君を、見捨てられないんだろうな」
いつものように『大丈夫か』と返信すると、少しして通知が鳴る。
『ごめん』
『気にするな』
それ以降彼女からのメッセージが来ることはない。彼女が出来たと伝えて以来彼女とはこういったやりとりしかしてない。君は「優しくしてあげて」と言ってくれたが、君に不誠実なことはしたくなかった。
恋人に不誠実なことはしたくないのに、家族も友人もいない彼女を、別れてしまっても俺しかいない彼女を、どうしても見限ることなんて出来ない。中途半端な俺の優しさがどちらも傷付けているのにも気付いてる。
「はぁぁ……んっ」
ビールを飲み干して満点の空を見上げると、一際星が綺麗に見える。美しさに見惚れるとまたスマホが鳴る。今度はLINEの通話の通知。
「どうした?」
『眠れなくて。何してた?』
「……君のこと考えてた」
『なにそれ』
楽しそうな君の笑い声。いつの間にか酔っ払いの声は聞こえなくなって静寂の中で君の声だけが聞こえる。あれだけ静寂を切り裂く声に苛立っていたのに君の声はこんなにも心地良い。
真夜中は否応無く人の弱さを引き出していく。
きっと、誰の心も平等に。
この街にはとある噂がある
〈真夜中に起きていてはダメ〉
未だによくわかんないけど怖いから10時に寝ている
だけど昨日夜更かししちゃって夜中の3時に寝た
でも何も起こらなかったので所詮噂だと思い過ごした
今日は早く寝よ…
帰り道に友達と噂について話した…
「真夜中に起きてたらダメってなに?」
「お前引越しして間もないからな〜」
「気になるだろ?」
「早く寝ないと魔物が来るんだよ」
「は?魔物?」
「夢想歌って歌があるんだけど」
「なにその変な歌」
「夜更かしした後にこれを歌わないと魔物が来るんだよ」
「そっか」
わかんないよ…噂だし…
その日珍しく夢を見た
なんとも言えない生き物が自分に向かって襲いかかって来る夢だった…
目が覚めると…自分は…血の海に寝そべっていた…
泣きわめいく母を見て…声も出なかった…
今は
真夜中
あの人は帰ってこない
何時まで
俺は
一人なんだ
孤独にしないで
こんなの
二度としたくなかったのに
真夜中
一人出歩いた夜の道
月のある日は楽しく歩けて
月のない日はとてもこわかった
今は、手元にスマホがあって
光源はすぐに手に入る
不便だったあの日々が、たまに恋しくなる