真夜中-。
2人の人影が、大きく踵からのびている。
深夜1時。
少女達は、旧校舎の屋上に手を繋ぎあい
フェンス越しに立って何か話をしていた。
-私たち、悪い子だね。
こんな夜に逃げ出して来ちゃって笑-
-そうかしら。今までよく頑張ってきたじゃない。だから、皆優しい顔で許してくれるわよ。-
向かい合って、額を合わせながら
ぽつり、ぽつりと語っていた。
-私、もっと違う所で生まれていたら、
貴方と幸せに暮らしていたのかしらね。-
-うん。きっと、きっとそうだよ。-
声が少し震えていた。お互いに慰めあっているかのように見えた。
夜の爽やかな風が、2人の影を揺らす。
-さぁ、行こうか。
もういい時間でしょう?
,,私、貴方といる時間が話す時間が1番好きだった。本当にありがとう。-
-うん。 私も、1番幸せを感じられて、
1番好きだった。-
そして、月明かりだけを残して2人は、
いつか来る幸せを願い、暗闇へと溶けていった。
5/17/2023, 1:06:28 PM