『相合傘』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
突然の雨
どうしよう…と悩んでいると
「一緒に帰ろう」
振り返ると君がいた
少し照れながら歩いた帰り道
“雨もそんなに悪くないかな”
なんて、思いながら
「降ってきましたね」
そう言って傘を差し出すと、相手は綺麗な瞳を数度瞬かせた。
「男二人では少し狭いですが、どうぞ」
「あ·····、ああ」
言葉の意味を理解するのに若干のタイムラグがあったらしく、それがなんだかおかしくてクスリと笑う。
彼は少しバツが悪そうに唇を尖らせると、
「用意がいいんだな」
と呟いた。
「天気予報で言ってましたよ。〝五時以降に帰宅する方は傘をお忘れなく〟って」
「そうだったか? 覚えてないな」
傘の中で聞く彼の声は、いつもよりよく響く。
雨の日に傘の中で聞く声が、人間の声の中で一番綺麗に聞こえるらしい。共鳴がどうの、という理由だったが彼の声は普段から綺麗だと私は思う。
「相合傘なんて初めてだよ」
私を見上げる、少しはにかんだ美しい眼差し。
鼓動が跳ねる。彼が私を見上げるたび、背が伸びたことを嬉しく思う。
「私もです」
「嘘だ。一人くらい傘を差してあげた子がいただろう?」
「それはこっちの台詞ですよ。昨日も経理の子に話しかけられてたでしょう?」
「ただの世間話だよ」
「それでも嬉しいんですよ。現に私がそうだから」
「君がそういう事を言うなんて、ちょっと意外だな」
彫りの深い横顔が僅かに戸惑っている。
雨は徐々に激しくなる。傘からはみ出した互いの肩はもうびしょ濡れだ。信号が赤になった。横断歩道で止まったのは私達だけ。
「ちょっといいシチュエーションですよね」
「なにが」
「雨の夜、傘の中で告白なんて」
「――」
少し屈んで、耳元で囁く。私の声も彼の耳に美しく響けばいい。この日が来るのをずっと願っていた。
「好きです」
信号が青になっても、私達は歩き出せずにいた。
END
「相合傘」
どんなふうに傘を差し出すかで、
それをどう受け入れるかで、
図らずとも相手との距離感がわかってしまう。
生じる機微をお互いに悟られぬよう、そっと息を潜める。
二人には狭い、ひとつの傘の中で。
雨の音で目が覚めた。
いつの間にか帰りのホームルームが終わっていた。
誰も居ない教室に、1人…。
「早く帰ろう。」
誰も居ない階段を降りていく。
下駄箱で上履きから靴に履き替え、カバンの中から折りたたみ傘を出す。
空を見上げて歩き出した瞬間、後ろから風が吹いた。
「途中まで、入れて!」時間が止まる。
沢山の雨粒、音のない世界。
びっくりして横を向く私。焦って走って来た君の横顔。
雨音と心音がリンクする…。時間が動き始める。
君と初めての相合傘。
相合傘
とある三兄弟のお話。
三男より。
ぽつり、と頭に何か当たった感触がして、下を向いていた首を持ち上げる。今の今まで気付いていなかったが、随分と黒く染まった雲が眼前の空を埋め尽くしている。やっと今日のノルマを終え、後は事務所に戻り報告して仕事を終えるだけだったはずが、このままではその報告すらも危ういかもしれない。
さっきまでとは打って変わり少し小走りに道を急ぐ。しかし降っているかどうかも怪しかった先程とうって変わって目に見えて雨足が強くなっていくのが分かってしまう。どこかでやり過ごすべきだろうか。そう思い悩んでいたところで、ふと自分を呼ぶ声が聞こえた気がした。
後ろを振り返ると、通り過ぎたばかり建物から兄の一人、下の方の兄が出てくるのが見えた。『傘、ないだろ。』眼鏡に降ってきた水滴がつくのを不愉快そうに睨みながら、その右手に持っている物を掲げる。『ないけど...。』見えるそれは彼の手にあるその一つのみ。『...一緒にってこと?』それがなんだと言わんばかりに、目を眇め、首をすいっと降る。どうすべきか悩んでいると、早くしろとばかり睨みつけてくる兄にどうすべきか悩み、ひとつ嘆息を吐き兄の方へ歩を進める。
洒落っ気のない黒い傘を広げた兄の懐に入り、兄が歩き始めるのに合わせて自分も歩き始める。兄とは身長差が酷くあるのだが、それでも遅れたりしないのはいつもの彼なりの気遣いだ。自分は濡れていないのに、兄の傘を持っていない方の袖口は少し湿り始めている。これだから相合傘は嫌なのだ。自分が役に立つ事ができないから。彼が気を遣ってくれるから。そう思いながら、彼の優しさを今日も享受している。
#相合傘
学校の授業が終わったので
家に帰ろうと正面玄関を出た時、
雨が降っている事に気がついた。
「どうしたの?」
声を掛けられ、後ろを振り向くと
片思いの相手がいて。
『え、あ、傘、忘れちゃって』
好きな人を前に緊張しオドオドする私。
「あー、じゃあ、送って行こうか?俺傘あるし」
『え、いいの!?』
「ん、入りなよ」
好きな人との帰り道。
いつも通っているはずの道が違う世界に見えて。
好きな人と相合傘をするなんて夢のまた夢で、
もしかしたらこれ夢なんじゃない?と頭の中で考える。
「じゃあ、また明日ね」
『あっ、うん!』
気づいたら家についていた。
好きな人と過ごす時間はあっという間で名残惜しいな。
そんな事を考えながら、家のドアを開けようとした時
視界の端で見えた好きな人は肩が濡れていた。
どこかで聞いた事がある。
[相合傘をした時、濡れている方が惚れている]
……まさかね、気使ってくれただけだって。誰にでも優しいし。
ただそういう言葉があるだけで、本当にそうなのかなんて分からないんだから。
自分の中でそう思いながら家の中に入った。
スクールバッグの中に入っている折り畳み傘に
知らないフリをしている私はとっくに彼に惚れ込んでいるのだろう。
「っあー……緊張した……俺変な事言わなかったかな…」
私を家に送ってくれた後、こんな事を呟いている彼の思いを知るのはまた別の話。
君が右側で、僕が左側
いつの間にかそうなって
じゃないと落ち着かなくなった
町を歩くと
僕らは恋人同士のように見え
そこに運よく雨が降れば
僕らは相合傘になる
君が右側で僕が左側
いつの間にかそうなった
相合傘
轟焦凍と相合傘をしたい
わたしは、轟焦凍に好かれていると最近思う
今日も、ガチャポンをやって、
轟焦凍が出た
カプセルラバーマスコットガチャでも、轟焦凍が出て
一番くじでも轟焦凍が2〜3回当たった。
嬉しい限り
1ヶ月前ぐらいに、違う店でヒロアカヴィランおねむたんガチャをして轟焦凍の兄、荼毘が出てコレクション
として飾っている。轟兄弟が揃った。
今日は、運が付いている。
ドトールでも最近のドリンクが出てて、
あと一つしかないデザート[モンブラン]を
頼めれた。
今日は、とても運が良い日。
努力してきて良かった。
・相合傘
『すごい雨だね
傘忘れちゃった
「俺は傘持ってきてたよ
でもこんなに降ると思わなかった
『私さ、好きな人と相合傘するの夢なんだよね
「じゃあ俺とちょっとやってみる?
『いいの?
「うん
一緒に帰ろ
『ねぇ
「ん?
『今夢叶っちゃった
「…!
「俺もおんなじ気持ちだよ
《相合傘》
「はぁ…また雨降ってる…」
「え?!今日の予報雨って言ってたっけ?」
「なんか急に降るかもみたいな予報だったよ」
「うわ〜最悪。傘持ってないよ…」
学校を出ようとした時、私たちは突然の雨に…帰る道を阻まれてしまった。かなり降ってるし、どことなく梅雨を感じさせる。
「どうする?ちょっと雨宿りする?」
「う〜ん、私は傘持ってないけどさ、そっちで実は持ってました〜ってのはない?」
「どうだろ…」
私はガサガサとカバンを漁る。…すると少し小さめだが傘が出てきた。
「あ、あった」
「ナイス!じゃあ一緒に帰ろ!相合傘で」
「小さいから多分どっちも濡れちゃうけど…いい?」
「そう言われるとそうかぁ…」
などと雨が弱まるのを待つかどうかと喋っていたら下駄箱からある男の子が出てきた。途端に彼に目を奪われた。なぜなら…彼は私の好きな人だ。よく見ると傘を持ってなさそうだ。そして手元には傘がある。チャンスではないか?彼と身体的にも精神的にも近づけるのではないか?どうしよう。考えてる内に彼はカバンを頭の上に掲げてダッシュで帰ろうとしている。もう決心しなければならない。よし、声をかけよう…!
「う〜ん、よし!やっぱ相合傘で帰ろ!今度なんか奢るから!」
「………」
「お〜い!」
「…え?あっ…そぅぃぇ…」
「ん?なんか言った?」
「な、な、何でもない!よし、帰ろう!」
…そうだった。私は彼女との相合傘が半ば決まっていた。周りを見ずに突っ走らなくてよかった。危うく友情に亀裂を入れる所だった。
そうして私は恋ではなく友情を取って相合傘で帰った。
No.3 今日のお題:相合傘
これは学生時代の時。
私の彼はとても優しい。雨が降ると必ず傘に入れてくれる。それが嬉しくてつい傘を持っていくのを忘れたり、雨の日がちょっと嬉しい。いわゆる相合傘と言うやつだ。彼と相合傘をするとだいたい彼の肩が濡れる。そんな優しい彼が私は好き。そして彼は私に決まって言うことがある。それは、「風邪ひかないようにね〜」これが彼の口癖だ。そんな彼は今、子供たちに「風邪ひかないようにね〜」と私の手を握りながら隣で言っている。お揃いの結婚指輪をはめて。
相合傘
雨の中
2人で共同な傘に入ること
簡素で密室的な共同空間
最近やった中だと
ワガママハイスペックかな
ギャルゲーだと
漫画なら
ヲタクに恋は難しい
実際の経験的からだと
特に何も思わない
私には人ほどの
パーソナルスペースがない
ほぼ意識しない
そう多分、意識の問題
特別なのは
恋人未満友達以上なら
嫌でも意識するんじゃない
気がつくと触れられて
なんでも無い相手でも
ビックリはするね
記憶にあるのだと
入院中とアルバイト中
ビックリってか身体を離す
如何にも
恋愛的に描かれてそうなお題
普段は中々ない距離感
意識しないほうが可笑しい
んー、何も浮かばない
浮かばないのだけど
悪くはないと思っておく
悪い印象はないし
今日は色々と無理な日だった
相合傘
濡れるから、もう少しこっちに来い!
普段は恥ずかしがって、少し離れて歩く二人ですが、雨の日だけは昔に戻って、くっついて歩幅を合わせて、ゆっくり歩いてくれる。
照れくさいけれど、ほんとはとっても幸せな気分になれる
30年目の夫婦です。
相合傘
今日の天気予報は午後から雨…
いつもの折りたたみ傘持ってきているはずなのに鞄に入っていない。
「おかしいな…」と思いつつ学校の昇降口で雨宿り
友達の傘に入れてもらおうかと思ったけど
私と逆方向の帰り道
「仕方ない」校門に向かって走っていった
しばらくすると誰かについてくる気配に気づく。後ろから傘を差し出され振り返ると
彼がいた事にびっくりする。
「急に現れないでよ」と少しキレ気味に言うと
「この雨で声がかき消されて何度も名前呼んだけど、追いかけてた…ごめん…あと君の傘を隠したの俺なんだ。その相合傘したかったから」
すでに私はびしょ濡れでしばし沈黙…
「あなたが隠したの?馬鹿なの?
相合傘したかったら子供みたいなことしないで直接言って」
少し不機嫌な私だったが彼の子供っぽいところが好きだったりする。
雨が止む気配はないけど不器用な彼の優しさにドキッとしたのは言うまでもない。
相合傘
青春は二度と取り戻せない
だから、今ある瞬間を思いっきり
楽しめ!!
相合傘は、相合傘をする二人の関係性が
だだ漏れてしまうから…
世のカップル、コンビは全員相合傘をしてください。
相合傘…
人生で一度だけ、黒板に相合傘を書かれたことがある。
どうしても意見がぶつかる人がいて、その人の名前と私の名前が並んでいた。
小学生の頃の話だ。
その人とは、ただの友達で、それ以上にはならなかった。
なつかしいなあ…
そういえば、高校卒業したあと、その人を含めた数人で、鯛の活き造りを食べた。
今ごろどうしているかなんて、お互い知るよしもなし。
私達は今も、チョークの線で隔てられたままだ。
「相合傘」
このワードを見て浮かんだのが
誰かと相合傘をした記憶ではなくて
カップルとかが相合傘をしている所を眺めている自分の姿だった。
無意識のうちに自分にとって無縁のもの、憧れはあるけど隣にいてくれる人はいないって刷り込まれてる。
相合傘
あの子はいつも放課後に1人で黒板を使う。細くて白い指はマメだらけで、爪も少し黒くなっている。毎日何時間もシャーペンを握りノートの上を滑る手。この子はあまり目立たない子だから僕に触れるのは毎日この時間だけ。いつも書くのは西日が差し込んで少し色の変わったところ。そっと親指と人差し指と中指が添えられる。7画。7画。一息ついて、控えめに1画。割れないように気をつけてくれる。そういう子。どんな顔して書いてるんだろうな。僕は何度でも君の傘になるけど君を守れはしないから、いつか君が右肩を濡らせますように。
相合傘が本物になりますように。出来れば僕が消えちゃう前にね。
相合傘
雨に濡れないための傘だけど
あなたに傘を傾ける
バレないようにそーっと
自分が濡れても構わない
片方だけ肩が冷えるけどまぁいいか