『目が覚めるまでに』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
目が覚めるまでに
その寝顔を覗き込み
幸せを噛みしめる
ふと気付くと
微笑んでいる自分がいる
「目が覚めるまでに」
まだ夢の中。
まだ、君と手を繋いでいられる。
今日こそは目が覚めるまでに、君の名前を呼びたい。
そんな僕の願望を知ってか、君の輪郭が次第にぼやける。
ぼやける君に続くように、目覚まし時計が僕を呼ぶ。
起き上がり、君を反芻する。
夢の中で繋いだ手の感触や君の柔らかい笑顔を、細部まで覚えていられるように思い出す。
──我ながらキモイなぁ。
現実では、話したこともないただのクラスメイトの君と僕。
君は僕の名前を知ってくれているだろうか。
僕は君の夢を見てしまう程、君に夢中だ。
君の夢を見ているなんて、知られたら気持ち悪がられるに決まっている。
現実と夢とのギャップが辛い。
あわよくば、君が話しかけてくれたりしないだろうかと、
君が読んでいた本を僕も読んだ。
前髪をあげたセットが好きだと、偶然聞いてしまった友達との会話。聞いたその日には、髪の毛のセットを練習した。
だが、成果はまるで得られない。
ひよっている自分が情けない。
──今日こそは絶対に話しかける!
と意気込んだのも、もう何回目か分からない。
だが、その意気込みは今日、裏返った声の挨拶となって君に届いたのだった。
『目が覚めるまでに』
この世界で見る君は
優しくて、綺麗で、どことなく抜けていて
いつも楽しそうにしている
今日僕はキミに告白する。
夢で出会った君に。
「うう……」
耐えよう、耐えようと堪えた嗚咽は、悲しみに溢れた声に変わってしまっていた。我が子の頬へと落ちる水の雫は決して綺麗なものではなく、色は透明であるが、実質はドブ川のように荒んだものであった。
「ごめんね…」
頭の中は情景を映さず、ただただグレーな靄がかかっているのに、我が子の愛らしい寝顔を見る度に胸がずきずきと痛くなる。どうしてこの子は私の元で産まれて来てしまったのだろう。蔑ろにするわけではないが、今日に至るまでに何十日とそう思った。きっと、私以外のお腹に宿れば、きっと幸せな女の子になったのだろう。大好きな服や、靴、夜ご飯、お出かけ。あなたがやりたいこと全部叶えてくれるお母さんの元に出会ったのならば、どれほどあなたは幸せだっただろう。どれほどあなたは素敵な五歳の歳を迎えたのだろう。
苦しくなるだけの未来の想像を何度もしながら、震える手のひらで少し茶色の我が子の頭を撫でる。
「ごめんね、ママの元で産まれてきてしまって、ごめんね」
私の懺悔を、何もなかったように。ぴゅう、と網戸から強い風が差し込み、古びたカーテンがすうっと揺れた。茶色い我が子の髪も、無邪気に、一緒になって揺れる。
今日は快晴だ。とても。腹が立つくらいに。雲一つない、私たちを何も助けてくれない晴れやかな空。
「……ママ?」
空に送っていた視線を我が子に向けると、眠たそうに目を擦りながら、我が子は私の顔を見上げていた。
あれ、ママなんで泣いてるの。そんなふうに今日もまた言われないように、さっと下を向いて目尻の水を拭って、さん、はい。
「しおり、おはよう」
あなたの目に映る母は、優しいママでありたい。
/目が覚めるまでに
恋は盲目
相手に理想を被せて良いところだけを見てるの
だから
目が覚めた時の落差がある
相手は好きになった頃と
何も変わっていないのにね
理想が崩されると
相手が悪いみたいに見えるけど
本質を見ていなかった
自分の方がもっと悪かったりして
理想を求めるのは程々に
現実を見て
相手を変えるのではなく
自分が変われるかを考えないと
目が覚めるまでに君は料理を作って掃除をして洗濯機を回す。
僕の目が覚めたあと、君は眠る。
君の目が覚めるまでに僕は洗濯物を干してゴミを捨てて君と食べるためのごはんを作る。
僕はずっと君の寝顔しか見れないし、君もずっと僕の寝顔を見ている。
明朝。瞼の裏に微かな光が眼球を刺激する。
実際カーテンの隙間からは朝の光がサンサンと入って来ており瞼だけではなく身体を両断する様に一筋の光が頭から足元まで伸びていた。もう朝だ。
目が覚めるまで私は恋をしていた。
全く見覚えのないごく普通そうな男性だった。
知ってる人が夢に出てくるなら分かるけれど
全く知らない人が私の脳の中でちゃんと"人間の顔"を構成しているのが不思議。
だから思ってしまう。もしかしたら将来あなたに会うのでは無いかと。そんな期待をしてしまう。
目が覚めてしまえばもう顔も何もかも覚えてないのに。
今は無理矢理塗りつぶして一緒にいる関係。でも、コイツの目が覚めるまでに、もう取り返しのつかない関係になってしまえばいいんだ。うえからぬってしまえば、もう見えないのだから…、
目が覚めるまでに
昨日の辛さや悲しみが
脳が休んでいる間に
目を閉じている間に流れ落ちて
今日は軽くなっているといいな。
そうだといいな。
明日を楽しみにできるといいな。
姉弟で一線を越える話は漫画でよくあるが、現実でもあるのか
友人にそう問われ、息を呑んだ
俺は義理の姉と一線を越えているから
リビングの扉を開けると対面キッチンにいる瑠奈姉が「おかえりー」と声をかけてくる
それに素っ気なく「ただいま」と返すとさっさと自分の部屋に行く
勉強机にリュックを置くとネクタイを解いてリュックの上に投げるとベッドにダイブする
汗で張り付いたワイシャツも暑苦しいスラックスも今すぐ脱ぎ捨てたいが、そんな事をする余力はない
「琉生」
ノックもなく勝手に入ってくる瑠奈姉
それを注意するのもめんどくさい
「何?」
投げやりに聞くが瑠奈姉は気にしない
ドアを静かに閉めるとベッドまで歩いてくる
「ご飯にする?
お風呂にする?
それとも…」
俺の頭の傍に手を着くとそのまま顔を近付けてくる
「わ・た・し?」
甘く聞いてくる瑠奈姉は女の顔をしている
「確実に食べられるのは俺だと思うけど」
「酷いなー」
言い方は拗ねているがくすくすと楽しそうに笑う瑠奈姉はホントに魅力的だ
俺は軽く頭を上げ、触れるだけのキスをする
「母さんは?」
「寝てるよ」
触れるだけのキスだけでは足りなくて、だんだん舌を絡める深いキスになる
それと同時に身体が熱くなる
(欲しくてたまらない…)
この渇望感と身体のほてりは収まる事を知らず暴れまわる
それを知ってか瑠奈姉は俺を煽ってくる
母さんの目が覚めるまでに姉弟に戻らなければならない
そんな制限さえ今は俺達を焚き付ける材料にしかならない
「死にたい。」
呼吸するように、言葉を吐く。疲れたよ。
「何でこんな事も出来ないんだ。」
父が俺に向かって言う。五月蝿いな。不満も反抗の言葉も浮かぶ。しかし、それらを飲み込む。
「出来るように頑張ります。」
怒られた時は、反抗しない方が良い。余計に相手を怒らせてしまうから。これを俺は幼少期に身に着けた。いつだって怒られないように、嫌われないように、逃げてばっかりだ。俺は弱虫な臆病者だ。
「役立たずが。」
会社の上司に言われた。どうやら俺は、どこに行ってもお荷物のようだ。もう慣れたけど。
「役に立てるように頑張ります。」
俺はいつも通り言う。何千回目の、謝罪をする。
「死にたい。」「辛い。」「疲れた。」
この3つが、頭を支配する。時々思う。俺は何のために生きているのだろうか。自分の意志を殺して、嘘をついて、生きる。本当にこれは俺なのか?違う。俺はこんな人間じゃない。じゃあ俺はどんな人間だ?分からない。自分自身も分からないなら、死んだも同じだ。
死にたい俺は、今日も死ねない。どこまでいっても俺は臆病者だ。そんな俺は神頼みしかできない。
「神様どうか、お願いします。」
朝起きたら、辛くなるから。だからどうか、目が覚めるまでに、この世界を終わらせてください。
それはそれは甘い、夢を見ていた。
あぁ、目が覚めるまでに、この記憶をひとつ残らず心のアルバムに閉じ込めてしまいたい。
現実が苦しくなった時、たとえ幻想でも満たされた記憶があれば、どうにか前を向けるから。
目が覚めるまでにゆっくり体調整えて体の疲れをスッキリしたい!
「昨夜のことは、すべて私のせいだから」
夜が明けるまでに、この部屋を出ていかなくてはならない。
昨夜の出来事が夢だったと貴方に思わせるために。
あの夢のような時間は、夢でいい。
貴方と私は「そういう関係」には、なれないのだから。
すうすう……規則正しい寝息をたてている貴方。
そっとベッドから降りる。
手早く身支度して、昨晩の痕跡をひとつひとつ消していく。
消せないのは、私の記憶だけでいい。
ずっと、ずっと好きだったから、昨晩のことは夢だったことにしたい。
これからも、この関係を維持するために。
貴方が罪悪感を抱かないために。
貴方はまだ夢のなか。
そのままずっと、夢を見ていて。
そうすれば、私もずっと夢を見ていられるのだから。
────目が覚めるまでに
目が覚めるまえに
目が覚めるまえに何回「消えたい」と思ったのだろうか。
目が覚めるまえに何回「 嫌だ 」と思ったのだろうか。
どうせそんなこと考えたって現実は変わらないのに…
【目覚めるまえに】
「これは明晰夢ってやつか」
僕は突然夢の中で夢だと気がついた。
しかし僕の知ってる明晰夢とは少し違っていた
僕が知ってる明晰夢ではこれは夢だって気がついたら
夢の中で自由に動けるはず。
なのにこの夢はまるで
知らない街で過ごす知らない誰かの人生
という映画を見ているようだった。
ただそれにちっとも不満を抱かないくらい
その街は綺麗でこの人は幸せそうだった。
「僕の人生もこうだったら良いのに」
そう思うと僕は急にある衝動に駆られた。
『僕もこうなりたい』
という。
さっきまでは理想論だったのに急に行動的になった。
「目覚めるまえに…この夢を忘れないようにしっかりと脳に書き込もう」
そんなこんなで目覚めた僕は
退屈な日常から抜け出して
文字どうり夢を叶えるための一歩を踏み出した。
目覚めるまえのあの場所に行くために。
「目が覚めるまでに」
あの時はどうやって眠っただろう。
友人が死んだ時、私は何をどう思ってただろう。
心と体がよくわからなくて、あの時はどうやって眠ってただろう。どうやって目を覚ましたんだ。
葬式と告別式の時は覚えている。
でもその前後が、全部が前が覚えていない。
私はちゃんと寝たのかな。
今もこうして生きて、文字を書いているのだから 生きてはいる。
そして皮肉なことに歯の痛みが、私が生きている証になる。
お題:目が覚めるまでに
目が覚めるまでにいい夢見られたらいいな。
20年そこそこ生きていまだに自分の人生を他人事のようにみている節がある。
いつか、どうにもならない現実の壁というものを知って、人生に絶望する日がくるのだろうか。
それなりに辛い時間を過ごしたつもりの時期もあるといえばあるし、夢見がちなわけではないが、どことなく、まだ、自分は色々と甘い、と思われていそうな気がしてならないのだ。
いつか目が覚めるまでに強くなるしかない、なんて言いつつ、今できることなんて、とりあえず楽しく生きていくことしかないと毎日おもう。
【目が覚めるまでに】