【目覚めるまえに】
「これは明晰夢ってやつか」
僕は突然夢の中で夢だと気がついた。
しかし僕の知ってる明晰夢とは少し違っていた
僕が知ってる明晰夢ではこれは夢だって気がついたら
夢の中で自由に動けるはず。
なのにこの夢はまるで
知らない街で過ごす知らない誰かの人生
という映画を見ているようだった。
ただそれにちっとも不満を抱かないくらい
その街は綺麗でこの人は幸せそうだった。
「僕の人生もこうだったら良いのに」
そう思うと僕は急にある衝動に駆られた。
『僕もこうなりたい』
という。
さっきまでは理想論だったのに急に行動的になった。
「目覚めるまえに…この夢を忘れないようにしっかりと脳に書き込もう」
そんなこんなで目覚めた僕は
退屈な日常から抜け出して
文字どうり夢を叶えるための一歩を踏み出した。
目覚めるまえのあの場所に行くために。
8/3/2024, 3:32:33 PM