海月 時

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「死にたい。」
呼吸するように、言葉を吐く。疲れたよ。

「何でこんな事も出来ないんだ。」
父が俺に向かって言う。五月蝿いな。不満も反抗の言葉も浮かぶ。しかし、それらを飲み込む。
「出来るように頑張ります。」
怒られた時は、反抗しない方が良い。余計に相手を怒らせてしまうから。これを俺は幼少期に身に着けた。いつだって怒られないように、嫌われないように、逃げてばっかりだ。俺は弱虫な臆病者だ。

「役立たずが。」
会社の上司に言われた。どうやら俺は、どこに行ってもお荷物のようだ。もう慣れたけど。
「役に立てるように頑張ります。」
俺はいつも通り言う。何千回目の、謝罪をする。

「死にたい。」「辛い。」「疲れた。」
この3つが、頭を支配する。時々思う。俺は何のために生きているのだろうか。自分の意志を殺して、嘘をついて、生きる。本当にこれは俺なのか?違う。俺はこんな人間じゃない。じゃあ俺はどんな人間だ?分からない。自分自身も分からないなら、死んだも同じだ。

死にたい俺は、今日も死ねない。どこまでいっても俺は臆病者だ。そんな俺は神頼みしかできない。
「神様どうか、お願いします。」
朝起きたら、辛くなるから。だからどうか、目が覚めるまでに、この世界を終わらせてください。

8/3/2024, 3:43:03 PM