『病室』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
箪笥の角にぃ!
足の小指ぶつけてぇ!
骨折もしてないのにぃ!
病室?
入院とか、おーげさかよ!
みんな お見舞いよろしくー!
騒がしい教室の中よりはよっぽど、
煩いくらいに静寂な病室の方がよかった。
この病室は
思い出が詰まってるね。
毎日毎日、2人で
話をしたり、笑いあったり
時には、2人で神様を慰めに行ったよね。
そしたら神様が
「2人は、私の元に居てくれるのですね」
って。
病室
何度目か分からない真っ白な天井。
でも、もう次なんてない気がした。
体は思うように動かせず、窓の外には壁があるだけ。
ただ眠ることしか出来ない環境が無力感を煽った。
来世は自由に暮らせるか、なんて夢も見てられなくて、
諦めてまた目を閉じた。もう覚めなくてもいいかなぁ。
〖 病室 〗
外に出たい。
でも私は外に出れない、
友達と遊びたい。
病室には「ぴっぴっ」と言う
規則正しい音しか聞こえない。
消毒の匂いがする。
病室に来てくれるのは家族だけ。
病室
快適で
病気のことを忘れさせてくれるなら
喜んで入室しようと思う
病室
地元にある古い病院には奇妙な噂があった。
入院すると絶対に退院できない
そんな曰く付きの部屋があるという。
そして運の悪い事に、今俺が入院してるのが
その部屋らしい。
昔からの友人に、そんな情報を聞いて、
ただでさえ憂鬱な入院生活に陰りが見えた夜
俺は恐ろしい体験をした。
俺が入った病室は、
入口から左手にトイレ、奥にベッドがある
普通の個室で、入口のドアには廊下から
中の様子が覗える小さな窓が付いている。
夜になると廊下の非常灯の緑色が薄っすらと射し
ベッドの横にあるはめ殺しの窓の外は、
打ちっぱなしの壁ばかりで
非常灯の明かるさから
室内が反射して見える。
時折、看護師か誰かの足音が聴こえる以外
何も無い静かな環境が不気味に思えたが、
なんとか眠りにつく事が出来た。
夜中にふと目覚めた俺は、友人から聞いた話を
思い出し、年甲斐もなくビクビクしていた。
自分の鼓動ですら聴こえてきそうな、
そんな環境もあって気付く。
微かに聴こえる、自分以外の呼吸音。
隣の部屋からか?と思い耳を澄ます。
ひゅー、ごぽぽぽ、こっ。
ひゅー、ごぽぽぽ、こっ。
コレは大丈夫なんだろうか?
明らかに普通ではない息遣いで
例えるなら、水責めされているような‥‥
俺は悩んだ末、ナースコールを押すことにしたが
確かにあったはずのボタンは
どこにも見当たらなかった。
しばらく探していると、呼吸音は
どんどん大きくなっていった。
ひゅっごぼぼぼっ、ひゅこぼっ。
ひゅっごぼぼぼっ、ひゅこぼっ。
これは、絶対に不味い
早いとこ看護師を呼ばなければ、
焦るばかりだったが、呼吸音に紛れて
足音がする。
一瞬、看護師の見回りだ、
良かった、と思ったが
呼吸音と足音が
一緒に大きくなっている事に気付いた。
背中にヒヤリとしたものを感じ
咄嗟に布団を被り、
窓の方に身体を向けた。
窓の反射で入口のドアを
薄目で見ていたが
やがて、何もないまま
呼吸音と足音は止んでいた。
窓にも何も映らず
音も消えた事で、難を逃れた、
と寝返りをうつと
ひゅ、おこぼぼぼひゅっ、ごぽっ
全身びしょ濡れで、頭や手足が緑色に
異常に肥大した看護師らしき女が
こちらを見下ろし、立っていた。
その後
どうやら気絶してた俺は、
逃げるように退院した。
あの夜の事はまだ話せてなかったが
友人は、結局噂は噂だったな、と
笑っていた。
それはどうだろうな
最近、喉が腫れて
身体が浮腫んできた
何より、暗い部屋にいると
あの呼吸音が自分からする事に気付く
そして。
誰かの視線を感じるんだ。
お前の後ろから。
「貴方は、病室って、好き?」
珍しく彼女から話しかけられる。
「好き、といえばそうだし、嫌い、といえばそうだよね。どちらも、かな。」
職業柄どうしてもね、と苦笑しながら答える。
「………そう。」
彼女から聞いてきたのにあまり興味がなさそうだ。
「君は好き?病室。」
「嫌い。………あの場所に、似てるから。無機質な感じが。」
彼女の目にははっきり恐怖が浮かんでいた。
彼女を安心させるように頭を撫でた。
『病室』🧡
退屈な日々。
外を見れば
太陽が世界を照らしてる。
いつ息をひきとるか
わからないまま
毎日を過ごしてる。
こんな事になるなら
もっと人生を
楽しんどけばよかったな。
無機質な空気を吸い込んだ瞬間に
切れる寸前まで張り詰めた糸のように
私の心は限界だったのだと知った。
ポロリポロリと
大粒の雫を零し続ける私に
おおげさだなぁと
少しうれしそうにあなたは笑った。
【病室】8月2日
【病室】
今、この病室は静かで何も無い
先週まではうるさくて、荷物が散らかっていたのに
先週までは毎日のように来ていたのに
今ではここに来ると辛くて涙が溢れてしまう
空を見上げると君が居る気がする
いつまでも見守っていてね
ぐにゃりとした脳内の印象が、少しずつ正常に戻っていく。その中で見上げると、ゆらゆらと小さな光が揺れ動いた。
ここはどこだろう。
水の中に見えるけれど息ができるのは、なんで?
温かい何かが手に触れたような気がする。
俺はそれが何か確認しようとしたけれど、身体が動かなかった。
ピッ、ピッ、ピッ、ピッ……。
とても遠くに聞こえる無機質な電子音が、突然脳裏に響く。
視界に広がる光景と、無機質な音というアンバランスな世界に首を傾げつつ、底を蹴った。
光は少しずつ近づいて眩い光に包まれる。
それと同時に、無機質な電子音が明確に耳に入ってきた。
ゆっくりとまぶたを開く。
見慣れたようで、見慣れていない天井が、そこにあった。
ああ、俺、さっきまで意識がなかったんだ。
てか、どうしたんだっけ……?
「目が覚めたね!」
俺を覗き込むのは、職場の先輩だった。
「おれ……」
「無理に喋らなくていいぞ。こっちが説明するな」
ぼんやりとした中で、上手く首を動かすことができない俺は、瞬きをひとつする。
「連絡が入って、救助に向かった時に、事故に巻き込まれたんだよ」
そう言えば、そんなことがあったような気がする。
ぼんやりしつつも、記憶を巡らせるが、靄がかかったように上手く働かない。
「無理しない方がいい。まずはゆっくり休むんだ」
先輩の言葉を聞いて安心した俺は、もう一度意識を手放した。
それから数日かけて、状況の把握と記憶を掘り起こす。
先輩の言ったように、俺は救助に向かい、救助者をヘリに乗せた直後、事故に巻き込まれた。
幸い、救助した人は救助ヘリに乗せた後だったので、その事故に巻き込まれたのは俺だけだった。
中々派手に巻き込まれたため、意識不明の重体までいったらしい。
意識が戻ってから、少しずつ元気になった俺は、恋人が心配しているのではないかと焦りを覚える。
先輩に聞いてみると、それはそれは心配しているようだと言われてしまった。
それからしばらくして、面会謝絶が取れると、やっと面会出来るようになった。
その事を、先輩は俺より先に恋人に告げていてくれたらしい。
その日の面会可能時間になった瞬間、彼女が俺の病室に飛び込んでくる。
速攻抱き締められるかと思ったのに、彼女はそれを躊躇い、一歩後ろに引く。
そして、大きな瞳からぽろぽろと涙を零した。
「良かった……無事で……」
「心配させて、ごめん」
彼女は涙を拭いながら、首を横に振る。
彼女に手を伸ばす。
上手く動かせない俺の手をしっかり取って、俺の手に彼女が口を寄せた。
「無事で良かったです。本当に……」
溢れる涙を拭わないで俺の手に顔を寄せるから、彼女の涙も手に零れる。
とても温かい彼女の涙が、とめどなく溢れ落ちた。
「ごめん、こっち向いて」
俺がそう告げると、そのままじっと俺を見つめてくれる。
心配したんだよと、その瞳は確かに訴える。
それでも、その奥に見える俺が無事なことに安心する色。
早く治して、この病室から出なきゃ。
おわり
お題:病室
テーマ「病室」
【 蝉の声 この病室 響いてる 】
今日は俳句にしてみました。
この場所から見た景色はちっぽけなものでした。ひとつの四角い穴から見える景色だけが暇つぶしの道具であり身動きが取れない。それは本当に生きていて幸せなのか。まだ天国に逝った方が幸せなのではないかとも考える。白い壁。見慣れてしまった天井。心拍音。心配そうな人の声。聞くのが嫌になったので私は眠ろうと思う。もしこれが最後だとしても悔いは沢山あるが抵抗する方が疲れてしまったのだ。
微妙に寝心地のいいベットも、真っ白な天井も
健康しか意識されてない食事も、静か過ぎる空間も
もう、うんざりだった
硬い床に敷いた布団でいい、少し汚れた天井でいい
食べ物なんて、食べられれば何でもいいから
早く、好きな時にあいつに会える所に戻してくれ
静かすぎるこの空間は、俺には少し辛いから
---二作目---
窓際のベットに座る、貴方
何処か遠くを見つめる、貴方
何時もの覇気が抜け落ちて、消えてしまいそうな貴方
そんな貴方に、僕は優しくチョップを入れた
漸く僕の存在に気がついたのか、多分チョップされた事に起こったのか
「何だ急に!」って、わちゃわちゃと騒ぎ始めた
そう、貴方はそれでいいんです
煩いくらいに、騒いでいればいいんです
あんな、消え逝ってしまいそうな顔
お願いだから、しないで下さい
#病室
376作目
もし死ぬような
そんな事があって
目が覚めたら
水槽の中の脳で
今までの世界が
仮想世界ならどう思う?
自己嫌悪が止まらない。
自分の言動に常に後悔してる。
ずっと、心の中で謝り続けてる。
気持ちがぐちゃぐちゃになってよく分からない。
泣きたい。疲れた。苦しい。
心が壊れてく感覚がある。
もう限界だって、心のどこかで分かってるのに。
「まだ大丈夫。」
「私より辛い人なんてたくさんいる。」
「この辛さの原因は自分にあるから。」
って、自分に何度も言い聞かせる。
涙が出るのを我慢する。
泣けなくなる。
でも、最近は涙が出てきて、止まらない。
すぐイライラする。
もう、何もかもが嫌だ。
もう、疲れたよ。
君がいた病室は、荷物も全部片付けられて
無機質な暗い病室になってしまった。
君がいた時は暖かな明るい部屋だったのに。
お題「病室」
紙に連ねた、したいこと全部君は叶えてくれるという
1つ1つを噛み締めるように綴った思い出のフィルム
夜中抜け出して学校へ行った
何気ないこの時間が大切で、涙を堪えてた
紙に連ねた、したいこと全部 君が付き合ってくれたから
悲しい知らせも受け止められた
君に託すよ、思い出のフィルム
命かけて人助けして ずぶ濡れになって笑った
やり遂げた瞬間を自慢して、夢を語ったね
短い蛍の命
消えるまでその光を楽しんでよ
美しい蛍の命
消えるまで精一杯 夏を照らしてよ
ありがとう
病室
懐かしい響き…
白い綺麗なシーツに
ボーっと横たわる
窓から見る景色
を眺めながら…
狭い病室で…色んな病気の
患者さんと共に暮らす
馴染めない日々
看護師さんの優しさに
救われながら…