『病室』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
私の世界は小さい頃から
病室の中だけ
外に出たことがない
私は難病にかかって死ぬまで入院と言われた
そんなの初めて聞いたよ
死ぬまで?
私はずっと病室にいなきゃいけないの?
外を見ると楽しそうに話してる人がいる
おしゃれして
メイクして
恋をして
彼氏を作って
友達にからかわれたり
それもちょっぴり嬉しかったり
そんなことができない
周りは高齢者ばかり
子供もいるけど
ほとんど話が通じない
はぁやだな
もう死んだら方がマシだよ
死ぬまで病院にいるのに
ここにいる意味ってあるのかな?
こんなことを毎日考えてる
その時担当の医師から話があると言われた
どんな話だろう
〈病室〉
真っ白な壁に囲まれ毎日を過ごす。
窓から見る景色は羨ましいほど輝いて見える。
自力では動けない。
この病室から出たい。
あの輝く景色に近付きたい。
─病室─
お見舞いにはおすすめの本を持って。
談話室では日常会話。
病気の話になってしまったのなら
治った後にしたいことを話し合う。
面会時間ギリギリまで一緒にいて
病室に戻る後ろ姿を見守る。
今は小さく元気のない後ろ姿に
元気だった時の姿を重ねても、泣かない。
だって、まだ一緒に生きてくれるはずだと
信じているから。
その為に手をつくしてくれる
沢山のプロが病院にはいる。
信じるんだ。ただ、信じる。
それだけしか出来ないなんて思わない。
悲劇のヒロインなんて似合わない。
不幸だなんて思ってたまるか。
そう思っていた5年前。
完治した家族と今日も私は生きている。
#42【病室】
有り難いことに
今のところ入院をしたことがない。
だから、病室は未知の世界だ。
出来ればこれからも
お世話になりたくない。
だって、なんか怖いじゃない?
個室ならまだしも
大部屋だったら、きっと眠れないし
コミュニケーション取れないし
お見舞いに来てくれた人に
無意味に気をつかいそう。
あぁ。考えるだけで病みそう。
やめよう。
なるべくお世話にならない方向で
生きていこう。
うん。それがいい。
病室からもうずっと出ていない。
最後に出たのはいつだったっけ。
でも寂しくはないよ。
毎日君が来てくれるから。
僕は覚えてる限りこの病院の敷地から出たことがない。
そういう子はこの病院にたくさんいるけど、
仲良くはなれなかった。
みんな僕より体が強くて僕よりいろんなことができた。
僕にはできないことがたくさんあったから誰も仲間に入れてくれなかった。
昔から僕を看てくれている看護師さんがいた。
その人はずっと僕の担当だった。
最近はなんだか悲しそう。
僕は病院の子と仲良くなれなかったけど、
君は僕を見つけてからずっと仲良くしてくれてる。
初めて次の日が来るのが楽しみになって
初めてずっと起きていたいと思った。
そのくらい君が大好きだよ。
早く来ないかなぁ~
「おはよ、来たよ」
そうやって笑う君が早く見たくて、
たくさんの管に繋がれた体が今日もそわそわして落ち着かない。
この街ってデカすぎる精神病棟だから
俺もお前もやべー感じになってるから
今度こそ抜け出して見せるから
明日、もし晴れたら
一緒にお散歩にでも行こう
明日、もし雨が降ったら
雨音を聞きながら一緒に読書でもしよう
テーマ:病室 #262
病室から見える景色はいつも変わらない。
小説だとよくあるフレーズ。
でも私はそう思わない。
もちろん、病室から出た景色を知っている人なら、
そう思うのかもしれないが、
全く変わらないなんてことはない。
毎日違う鳥や蝶たちが空を切り飛び回る。
季節が変われば、
生き物の音も
植物の色も
人の声も変わる。
今日はどうやら夏祭りみたい。
私も着物着ていきたいな。
友達と花火を見て、
射的や金魚すくいをする。
りんご飴や焼きそば、かき氷を食べる。
彼氏と肩を寄せ合って、
丘の上の誰も知らない場所で
花火を見る。
そんな青春があることを私は知らない。
今日もまたこの窓から何度目かの花火を見て、
一人で頬を濡らすのだろう。
夢の中の私は看護師。
患者も私。
看護師の私は、病室で眠っている私の首を思いきり締める。患者の私はとても苦しそうで、芋虫のように気持ち悪く動いていた。
それでも私は無我夢中で、更に指に力を込める。
やがて私が動かなくなると、満足して私は私をベットから引きずり下ろし、窓から落とした。
患者の私は、会社の制服を着ていた。
そして看護師の私も、会社の制服を着ていた。
やがて看護師の私は、病室のベットに入り、眠りにつく。
明日もきっと同じ夢を見る。
同じことを繰り返す。
早く仕事を辞めたい。
病室
葛葉「俺は昔から病弱でよく入院していた。治っては発作で入院してのくり返しで友達は愚か知り合いも出来なかった、学校なら少しいる位で生憎友達が多く作れるコミュは持ってない。そんな中、こいつに会ってからつまらない病院生活に色が付いた、そして俺にトラウマを作った」
叶「ねぇ君名前なんて言うの?」
葛葉「(なんだこいつ?俺が言うのもなんだがいきなり話しかけてきてタメ口とか礼儀がない。)」
叶「僕は叶、今日から同室よろしくね!」
葛葉「俺は…葛葉、よろしく」
叶「葛葉はさーいつからいるの?」
葛葉「ちょっと前」
叶「そっかー」
と、たあいもない話をしてたら意外と仲が良くなった。だが俺はいつも短い入院だからすぐ退院する事になった。
葛葉「叶、じゃあまたな」
叶「うん!元気になって良かった!またね」
葛葉「見舞いに来てやる」
叶「偉そうなのなんなん?ww」
次の日
葛葉「よっ叶ー来たぞー」
叶「葛葉!来てくれてありがとう」
葛葉「調子はどうだよ」
叶「んーあんまり良くないみたい」
葛葉「そっか…まぁ元気になるまで来てやるよ」
叶「ありがと!」
次の日
葛葉「叶ー来た…って大丈夫か!?顔真っ青だぞ」
叶「葛葉大っきい声出さないでうるさい」
葛葉「ごめん…」
叶「言葉がキツかったねごめん」
葛葉「調子は…良いわけないよな」
叶「うん…悪化しちゃった」
葛葉「また明日来る…」
次の日
葛葉「あの178号室の叶と面会をしたいんですが」
看護師「あ…申し訳ありません178号室の叶様は容態が悪化してしまい面会不可となっております」
葛葉「そうですか…ありがとうございます」
次の日
看護師「叶様と面会出来ますよ」
葛葉「…!ありがとうございます!」
葛葉「叶!」
叶「く…ずは」
葛葉「あ…酸素マスク」
叶「よかっ…た会えてハァ」
葛葉「無理すんな…」
撫で…
叶「子供扱いす…んなよ」
葛葉「ww」
叶「ねぇ葛葉、死んでも友達だよ」
葛葉「仕方ねぇ奴だな」
ピーーーーーー
葛葉「叶なんの音…」
叶の目を見た時に気がついた目に光がない
これは叶の心音が切れた音だ
葛葉「叶?かなえ?かなえ!!!」
周りの人が気づいたのか医者が急いで入ってきた
医者「あ、8月2日20時49分ご臨終です。看護師さんご家族に電話を」
葛葉「か“な“え“ぇ…ヒグなんで死んだんだよぉ元気になって俺ん家でゲームするんじゃなかったのかよ」
それから俺は入院するたび俺の腕の中で死んでいった叶を思い出す
葛葉「ウッヒグ叶ぇ…会いたい…」
叶『そんな泣くなよ相棒!死んでも友達だって言ったろ!』
葛葉「叶?」
病室───
病室から見る、人、犬、猫、鳥、花。
とても美しく、醜い。
私は、この美しく、醜いものを見る。
自分もいつかこの苦しみから解放され
あそこを歩きたかった。
私はもう亡き、亡霊───
#病室
周りを見渡し、最悪だ!と顔を覆った
だって横にも前にも知らない人が寝ていたから。
カーテンを閉めても音も声も聞こえてくる。
今まで部屋に篭りがちだった自分に
相部屋はキツい!
事故に遭い骨折、完治1カ月。
だけど
そんな気持ちはどんどん薄れていった
横の患者はある日の会話で共通の趣味が見つかった
前の患者は学生時代大好きだった堀北真希に似てた
たまに自分を違う環境に置くといい
そんなこと誰かが言ってたな
気付けばよく笑う日々
人生捨てたもんじゃない
最高ー!
て叫んだと同時に
目が覚めた
いつもの天井…
あたしびょういんのおへやがきらい。
だっておじいちゃんおばあちゃんはくさったおにくみたいなにおいがするし、
だいきらいなちゅうしゃがいつもまってるから。
病室
そこで目が醒めた。
近くにある窓からは自分が最期に見た空とは違い、
輝く煌めきで満たされていた。
その煌めきに照らされるのは、そこらじゅうに散らばる
瓦礫と硝子たち。
とても美しく見えた。
だが、踏んで仕舞えば傷がついてしまう。
何しろ、今の自分は何故か裸足なのだから。
だけれど、「ずっとここにいても飽きてしまうだろう」
冷静にそう考えて、怪我をする覚悟で足を動かした。
こんな異常事態で、なにもパニックを起こさず冷静でいられる自分を不思議に思いながら。
足の痛みを我慢しながらも、暫くのあいだ歩いた。
幸い、そこまで広い病院ではないみたいで、
思っていた以上にすぐ出口らしき扉を見つけた。
扉のまわりにも矢張り、瓦礫や硝子が散らばっていた。
だけれど、そんなのお構い無しに、扉に手を伸ばした。
扉を開けた瞬間、とても眩しい光に包まれて、思わず目を瞑った。
暫くして目を開いた先にあったのは、
花だった。
余り見ない花が咲いていたものだから驚いたけど、
それよりも驚くことが起こった。
あの人がいたんだ。
足の痛みですら忘れ、思わず走った。
また会えたことの嬉しさで、泣いてしまった自分を優しく彼の人は包んでくれた。
とても幸せだ
あんな処よりも
ずっと ずっと。
あの人の後を追って、良かったぁ。
「病室」の窓から見る景色はどうだい。
窓の外にある大きな木に座っている少年が尋ねてきた。
「最悪だよ。特にその木、大きすぎて邪魔。」
と答えた。すると少年は少し笑った。
"酷いなぁ。僕はこの木、結構好きなのに。"
だからそんなところにいるんだ、と思った。
"ねぇ、知ってる?この木、桜なんだよ。"
気づかなかった。今はすっかり緑に染まっていたから。
「そうなんだ。」
僕は俯きながらそう言った。
"知らなかったなんて残念。次の春までお預けだね。"
と少年ははにかんだ。
「次の春」か。待ち遠しいね。
そして病室には、無機質な音が鳴り響いた。
花瓶の水を差し替えて、造花の脚を濡らす。
今日も今日とて瞼の裏の世界から戻ってこない彼を見つめながら。
「あなたがどうしても起きないから、もうこの子も枯れてしまった。なんてね」
病室に、私の声が響く。花の色が幽かに白い壁を染める。
僅かに開け放された窓から、鳥のさえずりが迷い込む。
日に日に彼が白と同化していく。
ちょっぴり賑やかなお土産をそこに。まるでお供物のように。
今日も今日とてあの世から戻ってこない彼を想いながら。
「あなたがいつまでも帰ってこないから、もうあの子も巣立ってしまった。ホントよ」
霊園に、私の声が響く。線香の煙が、思い出の風化を早める。
乾いてしまった墓石に、蜘蛛が一匹。白い糸を伸ばして。
日に日に彼の遺した温もりが、白く儚く錆びていく。
入院し始めて、どのくらい経っただろうか。退院した時に社会に馴染めるかとても不安だ。まぁ、いつ退院できるか、まだわからないけど。仲のいい友達はどうしているかな。だいぶ時が経ったから、きっと友達もたくさん増えて楽しく過ごせているだろう。でも、それは困るかもしれない。友達が遠くに行ってしまって、自分のことを忘れるかもしれない。もしそうだったら、嫌だな。
嗚呼、病室(ここ)から抜け出せたら___
病室の窓から見える景色は、春から夏に移り変わっていた。
春には見事に咲き誇っていた桜も、すっかり花が散り緑色の葉っぱになっている。
私の命は長くないそうだ。お酒の味も知らないまま、尽きてしまうだろう。
それでも私は、窓から見える桜が咲き誇り、儚く散り、緑の息吹を見せてくれることを楽しみにしている。
桜の花は散ってしまうけど、また新しい葉が芽吹き、次の花を咲かせる。
それは私に「次の人生」への希望を抱かせてくれる。
私が死んでも、魂はきっと生きている。
そして、あの桜の花のように、いずれまたこの世界に還って来られるだろう。
そんな儚い希望に縋りながら、それでも私は今日もまだ生きている。
日差しが眩しくて気がつくとあなたが隣で微笑んでいた
そこは真っ白な壁に囲まれていて軋むベッドに横になっていました
"病室"
緩々と瞼を持ち上げる。カーテンを見ると、窓の外の太陽の光を吸い込んで柔らかく光を乱反射していた。
──今何時だ…?
すると扉の外から、コンコンコンと小気味良いノック音と飛彩の「失礼します。」という声が聞こえ、数瞬後控えめな音を立てながら少し開けてベッドの上に横たわる俺を見た。俺は「…んお。」と声を上げる。俺が目を覚ましているのを確認すると大きく扉を開けて入ってきた。
「やはり早いな。」
応えようと酸素マスクに右手を伸ばすと、手首をを捕まれ制止させられた。
「何度言わせる。そんな事せずとも、貴方の声は聞こえるし一言一句逃さぬようしっかり聞いている。」
そう言われ、捕まれた右手の力を抜く。力を抜いたのが伝わったのか、飛彩も俺の手首を捕んでいた手を離す。
「まぁな。年取ると目覚めが早ぇんだよ。」
などと揶揄すると飛彩が顔を顰め、言い返してきた。
「5歳しか違わないだろ。それに先の声、『ついさっき起きたばかりです』と言いたげな声色だったぞ。」
「う…。…随分と言うようになったじゃねぇか。」
意外な返しをされた。その上図星を突かれた。人の事をよく見て聞いていやがる。
「当然だ。そうでなければ貴方の恋人は名乗れないからな。」
──こいつやっぱり食えねぇヤツだ。
恋人になる前から分かっていたが、ここまで食えないヤツとは思っておらずさっきの様なやり取りをする度に驚く。
「そんな事は置いて、体温計。あと人差し指出せ。」
そう言って机の上に置いてあった体温計の中身を取り出し俺に差し出してきた。受け取るとポケットから酸素飽和度測定器を取り出す。左人差し指を差し出して酸素飽和度を測定する。体温より早く酸素飽和度が出た。挟んでいた指を離し、液晶に表示されたパーセントを見る。
「99%だ、もう外していいぞ。」
「はぁ、やっと外せた…。」
そう言いながら酸素マスクを外して飛彩に手渡すと今度は体温計が鳴った。
「どうだ?」
「…心配せずとも、平熱ですよ。」
わざとらしい敬語で返しながら体温計を手渡す。液晶の数字を見て僅かに肩を落とした。
「この分なら近々…、早くても昼頃には病室移動できるな。」
「そうか。」
と、一言だけ返すと不意に顔を近づけてきて、唇を奪われた。
「おはよう。」
おはようのキスのつもりだったのか、離れると柔らかい声色でそう言われた。驚いて一瞬反応が遅れたが
「…おはよう。」
と挨拶を返す。
──こんな恥ずかしい事を平気な顔でしてきやがって、やっぱり食えないヤツ…。まさか入院している間、毎朝こんな事されるのか?
と、恥ずかしがりながらそんな事を考えているとカーテンが大きな音を立てて開かれる。一瞬眩しさに目を細めるがすぐに慣れて、窓の外を見る。綺麗な青空が広がっていて、あまりの綺麗さに見蕩れてしまう。
「そろそろ行く。…ではまた後で。」
ハッと我に返り、扉の前に立つ飛彩を見て言葉を返す。
「あ、あぁ。…"行ってらっしゃい"。」
さっきのお返し、と俺も恋人らしい振る舞いをする。目を見開き驚いたが、すぐに柔らかな笑みを浮かべて
「あぁ、"行ってきます"。」
そう言って部屋から出て扉を閉めた。扉が閉められた後、思わず「はぁ〜っ」と大きな溜息を吐いた。サラリとされた言動の、あまりの恥ずかしさに早く退院したくなった自分と、恋人の様な事が出来てあまりの嬉しさにこんな時間がずっと続けばいいのに、と思う自分がいて、心の中が相反する感情でグチャグチャになり、
「あぁーっ!!」
と、声を荒らげながら頭を掻き乱す。