『理想郷』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
理想郷。想像上の理想的な世界、ということらしい。
理想…痛みも苦しみも辛さもなく、ただただ穏やかで安らぎのある世界。戦争も病気もなく、それこそ「人類みな兄弟」が普通になっている世界。
そんなの、あるわけないか。プラスもあればマイナスもある、そんな世界で私達は生きている。
ついさっきも、立てこもり事件のニュースを見たばかりだ。当人にも動機はあるのだろうが、せめて事件なんか起こさない、そんな世界を願っている。
「理想郷」
少しボロけた、一冊のノート。
開いてみれば、そこには沢山の絵が、文章が溢れていた。
自分の思いを書き出し、具現化したノート。
さぁ、今日も夢の続きを描こうか。
---二作目---
理想郷なんて、ないと思っていた。
これから先も、ずっと比較されて、ずっと独りぼっちの
苦しい未来しか想像できなかった。
でも
「久しぶりにケーキを焼いてみたんだが、一緒に食べるか?」
あの時、俺をあの場所から引きあげてくれた。
俺を個人としてみてくれた、そんなあいつがいたから。
「...お前が焼いたケーキを食べない選択肢なんてねぇよ...!!という事で、俺飲み物用意するな♪」
「...そう言って貰えるのは嬉しいものだな。...あぁ、よろしく頼む」
今は、そんな日常が続く、幸せな未来を描きたいと思えるんだ。
#理想郷
106作目
お題「行かないで」「奇跡をもう一度だけ」
ハロウィンの奇跡というものがある。
死んだ者が、たった一夜だけ蘇る奇跡。
だからハロウィンの夜、大切な人を失った多くの人々は、とある墓場へと向かう。
その墓場は一見すると広々とした公園のように見えるけれど、中に入れば西洋墓地に似た光景が広がっている。
名前の刻まれていない墓標が並ぶその場所に、今年も多くの人が訪れる。
「また来ちゃったの?」
今、男性に肩を叩かれて振り返った彼女も、ある年から毎年のハロウィンにこの場所を訪れている一人だ。
最初の年こそ戸惑いながら中に入り、突然背後から肩を叩かれたことに驚いたが、今ではもう慣れてしまった。
一年に一回でも、毎年のこととなればそれなりに回数も重なる。
だから今年も、ずっと変わらない男性の姿を目にして、彼女は微笑んだ。
「一年に一回だけだよ」
「そりゃそうだよ。ハロウィンの奇跡なんだから」
対する男性は少しだけ困ったように笑いながらそう言って、墓地の外を指差した。
「今年はさ、ちょっと散歩でもしようよ」
「うん、いいよ」
二人は並んで歩き始める。
歩きながら、色々な話をした。昨日のこと、今日のこと。こういうことがあった。こう思った。良いこと、悪いこと。嬉しいこと、悲しいこと。変わったこと、変わらないこと。本当に、色々。
「最近はどう?楽しいこととかあった?」
「楽しいことかぁ……友達と旅行には行ったよ」
「いいね。どこ行ったの?」
「京都。紅茶のマルシェがあったから」
「紅茶好きなの、変わらないんだね」
「うん。そっちは?」
「変わりようがないよ、僕は」
何でもないことのように、男性は笑う。
もう生きてはいない彼の嗜好は、どうあっても変わるわけがない。
分かっている筈なのに、こうして隣を歩いているとつい、昔に戻った気になってしまう。
「……そうだよね」
けれど、そんなことはないのだと、彼の言葉で改めて実感する。
これはハロウィンの奇跡。死んだ者が、たった一夜だけ蘇る。だから今、こうして二人並んで話をすることができているのだ。
「好きな人はいるの?」
「ううん」
何となく上がってきた歩道橋。その途中で立ち止まって、見慣れ始めた町並みを眺める。
二人はこの町の出身ではない。
ハロウィンの奇跡という都市伝説の存在を知って、半信半疑ながらも引っ越しを決めた。
お骨も何も必要なく、ただ10月31日の夜に指定の公園を訪れるだけ。それだけで本当に、死んでしまった大切な人に会うことができる。
よく考えれば引っ越しまでする必要はなかったとも思うが、この町はハロウィンの奇跡を信じる人ばかりなので居心地もいい。
だからもう何年も、この町に留まっている。
「よっ!と」
「え、ちょっと……危ないよ」
しばらく黙って景色を眺めていた男性が、突然手摺を乗り越えて向こう側に立つ。
誰もがハロウィンの奇跡の為にあの公園を訪れている今夜、車道の車通りはほぼない。とは言っても、それなりに高さがあるので、手摺の向こうに立つのは危険な行動だった。
だから彼女は止めているのに、振り向いた本人は穏やかな笑顔を浮かべていた。
「覚えてる?最初のハロウィンの奇跡に僕が言ったこと。もう何年も前だけど」
「覚えてるよ、ちゃんと」
戸惑いながら、あの公園に足を踏み入れた夜。後ろから肩を叩かれて、会いたかった大切な人と再会した。その時に言われたことは、今でもしっかり覚えている。
――もし、ちゃんと忘れられそうな日が来たら、もうここへは来ちゃダメだよ。
「なのに、毎年来ちゃうんだから」
「だって、会いたいんだもの。あそこに行けば、会えるから……」
「そうだね。ハロウィンの奇跡が絶対だからいけない」
手摺の向こう側とこちら側。安全な場所と、そうでない場所に立ちながら、互いの表情は反対だった。
危険な場所に立っているのに、男性は笑顔を崩さない。状況にそぐわない穏やかさで、優しく女性を見守っている。
「君には、明日の命をずっと生きて欲しいから。僕はもう行くね」
そのまま、何でもないことのように男性は言って、手摺から手を離す。
「待って、行かないで!」
「来ないで」
ゆっくりと向こう側に倒れていく男性に伸ばした手は、あっさりと振り払われた。
最後まで笑顔を見せて、それすらも夜に呑まれていく。
すぐに手摺越し、精一杯に下を覗き込むけれど、もう姿は見えない。同時に、空が白み始めたことに気付く。
今年のハロウィンの奇跡が終わったのだ。
これからまた一年、次のハロウィンの奇跡まで、ただ毎日を消化していく。
けれど彼女の奇跡は、もう起きない。
夜明けまでに公園に帰るべき人が、あの日、歩道橋から夜に消えたから。
それでも、ハロウィンの奇跡をせめてもう一度だけでもと次の年も公園を訪れたが、どれだけ待っても肩を叩く人は現れなかった。
だからやっと、踏ん切りが着いた。
「本当に行くの?」
「はい」
「大丈夫?」
「もう大丈夫です」
奇跡が起こらなかったハロウィンから少しして、彼女はこの町を出ることを決めた。
近所の人たちは心配をしたが、本当にもう大丈夫だと思えていた。
彼女にはもうハロウィンの奇跡は起きないし、必要ない。だから、ハロウィンの奇跡を信じるこの人たちと一緒にはいられない。
「行ってきます」
――もう、戻ってきたらダメだよ。
追い風に混じって聞こえた声に背中を押されて、ようやく明日へ行ける気がした。
そう。ここは、時が止まった町。
大切な人がいた時間から動けない人の為の町。
動き出した人たちは彼女のように、自然と町を離れていく。
あれだけ彼女を心配した人たちも、去ってしまえば何事もなかったように日常に戻る。
そうしてまた一年、ただ日々を消化して。たった一夜だけの奇跡のために、今日を生きていく。
ーENDー
理想郷
端的に言えば、戦争のない、誰一人飢えた人がいない世界。
現実には、また大規模な戦闘が始まってたくさんの人が犠牲になってます。
理想郷は遥か彼方です。
人間の愚かさにウンザリします。
君と一緒に居れるなら、どんな場所でも僕の理想郷になる
なんて誰が聞いても、甘ったるいセリフになるだろう。
だけどそれは、君にだから言った言葉であって、他人にも当てはまるようにな訳では無い。
だからお願い。これからもずっと一緒にいて欲しい。
年老いてしわしわになっても、今と変わらず笑い合いながら穏やかに暮らせれば、それで僕は構わない。
それが..それが僕の、理想郷だから...
いつもとは逆の電車に乗ってみた
会社への通勤中なのだが…
まぁ、1日くらいいいだろう
毎日頑張ってる自分に対するご褒美
そう、ご褒美
一応、このままだと無断欠勤になるので会社に連絡をしようとスマホを見たが、急にげんなりしてしまったので、やめた
いいや、明日なんとかしよう
人が居ない、毎日ぎゅうぎゅうに人が詰められた駅や電車にいたお陰でとても静かに感じる
窓を見るといつもとは逆に景色が流れていく
ついに知らない景色が見えるようになった
コンクリートジャングルから
赤の紅葉が素晴らしい林が並び、間には湖がある
…きっと、この景色の先
電車の向かう先に、もっと素晴らしい景色があるはずだ
是非見てみたいものだ
僕がいるあの世界
誰もいない街で自由に歩き、雲ひとつない青空を見る
邪魔なものなんてひとつもなくて、僕は自由だった
僕がいるあの世界
大好きだったあの子を抱きしめる
一緒にただ時間を感じる、懐かしくも悲しい世界
僕がいるあの世界
友達と笑い合い、くだらない話を延々とするのだ
今では覚えていないけど、楽しかったあの思い出を
僕がいるあの世界
真っ暗で何も見えない、感じない
でも何も考えなくて済む気楽な世界
僕は自由で才能に溢れ、常に笑顔だった
そんな僕を追い求めながら目を覚ます
走ることが出来なくても幸せな僕はどこにもいない
不自由で才能のない僕はこの世界でただ走り続けるのだ
理想郷 🔶💧
⚠注意⚠(自分の好きなゲームの推しCPの小説です。下手くそです。小説初心者なので暖かい目で見ていただけると幸いです。キャラ崩壊も一応。)
💧「理想郷かぁ…沢山戦えるとこがいいな。」
🔶「……相変わらずだな。」
💧「仕方ないだろ?だって先生手合わせしてくれないんだもん。」
🔶「仕方ないことだ。俺が本気を出して💧殿に倒れられたら俺も困る。」
💧「はぁ?!俺を子供扱いしてんの?!」
🔶「まず子供手合わせしねぇだろ。」
💧「するやつもいるだろ。」
💧「はぁ……てか,本気出してくれたらいいのに随分舐められたもんだねぇ?」
🔶「事実を言ったまでだ。」
💧「今日からもう先生ん家行かん」
🔶「よし、手合わせしようか。」
💧「チョロw」
🔶「うっせ〇ッチ」
💧「さようなら🔶さん。」
🔶「すまん俺が悪かったから"さん"付けやめてくれ……心に刺さる。」
💧「お前のせいだよ。」
🔶「すまん。」
💧「まぁいいや。それより手合わせ早くしよ!」
🔶「あぁわかった。(愛しいな)」
2人は手合わせした後,夜まで運動したとか。
❦ℯꫛᎴ❧
……下手くそですね。ここまで見てくれてありがとうございました!小説書いたのはまぁ久しぶりと言うべきですかね。会話しかなくてすみません。間の文章何書けばいいのか分からなくて💦誰か教えてくれる神様いたら教えてください🙏
理想郷╱10月31日 火曜日
私は、よく理想郷を創り上げてしまう。
その世界は、私とあなたの二人きりで。
周りに邪魔してくる人もいない。
不安も嫉妬もなく、2人仲良くしてる。
幸せで楽しくて、現実になったらなって思う。
でも、もしその世界が現実になったとしたら、きっとお互いに飽きてしまう。
そう考えると、今のままでもいいなって思う。
理想郷は所詮想像上のものだから。
現実に向き合えるようになりたい。
理想郷。
私にとっての
理想郷は
大阪の近くに
住みたい。
理想郷みたいに
近くにも来てくれるのが
嬉しい。
でも本当は今日も
逢いたかった。
#25『理想郷』
夏に古典の先生が話してたっけ、桃源郷。川を上ったその先に、美しい景色に桃の香りが漂い、争いのない平和な世界が待っていたら、どれだけ素敵だろう。
現代といえば、目まぐるしい社会の変化に抗いようのない自然の猛威。個人の日常1つとっても、中毒みたいにスマホが手放せず、膨大な情報を脳が受け取り続けている。
忙しいって心が亡くなるってことなんでしょ?そんな日々、少しぐらい抜け出してもいいんじゃないかな。ゆっくり本読んだり、ぼーっとしたり、何にもしないのって究極の贅沢だから。
待ってるだけで望んだ世界が現れるわけがない。自分から何かしなくっちゃ。だから皆のために動く前に、まずは自分から救わなきゃね。
【95,お題:理想郷】
理想郷、理想的で完全な社会。
しかしこれには、省いた説明がある
「ライア~!これ見てよ!新作のゲーム、無料で配られるって!」
「んぇ...、...!えっマジ!やった~」
均一な青い空の下、スキップしながら駆けてくる友達
明るい太陽に照らされ、うつらうつらと船を漕いでいるところだった僕の意識は
その言葉に急速に覚醒した
「いやぁ、にしても今日はホントに天気が良いね」
「わかる、太陽も眩しすぎないし、ほどよく暖かくて涼しいし丁度良いわ」
今日の天気は晴れ、気持ちが良いほどの快晴だ
暑すぎず寒すぎず、薄着でもなんなく外でで過ごせる程の心地よさ
それに加え
「てか、学校がなくなったのマジ神だと思う!」
「それなぁぁぁ!?」
「義務教育とか意味わからんよ、金かかるしさ!勉強なん家で出来るだろ」
つい最近、学校が義務教育ではなくなった
理由は知らないが、学校に行く行かないの選択権が子供に委ねられることとなったのだ
その他にも、改正されたものはたくさん存在する
「子供権限とかさ、神機能だよな」
「わかるわぁ、子供なら菓子もゲームも無料って、考えた奴褒めちぎるわ」
この国はだいぶ変わった、”ここ数週間の間に”
「なあ、なんか変だと思わないか」
「なにがだよ」
「俺さ、毎日日記書いてんだ、それで...変なんだよ」
「”日付が動いてねえんだ”」
ぐにゃり、と空が歪んだ
ビキキッ、不快な音を立てて背景にヒビが入る
「”あの日”から、なあ...お前なんか知ってんだろ」
「ぁあ、...あ”あぁあ...!」
理想郷、”想像上の”理想的で完全な社会。
なにもいらない。
あなたしかいらない。
あなたがいれば、そこが私の理想郷。
【理想郷】
#理想郷
くらい…ここはどこ、?
_____ココはアナタのリソウキョウだよ
と聞こえた気がした
#あとがき
こんばんワンこそバラモンキング(?
最近、徹夜気味で情緒がおかしい人です(??
眠いです((
理想郷って何なんだろう…?って思ったら
私もよく分からないものが出来てしまった!(笑)
では、おつ!、!!!
~ 108 もっと読みたい! ありがとうございます ~
(2023/10/31 20:48:46)
「ユートピアがあったらなあ」
彼女はそうつぶやいた。
彼女は不登校の劣等生。
少しだけ宿題をしていたところ、ふと
ユートピアのことが頭にうかんだ。
(ユートピアだったら...
幸せな学校生活も送れるのかな……)
彼女は涙目になりながら思った。
1人友達がいて、学校が終わり、
メッセージが届いた。
「今日数学少し進んだよ〜
教える?分かんなかったら言ってね」
その子は明るくてしっかり者。そして優等生だ。
「あ…り…が…とうっと。送信っ」
彼女は言った。
休日のこと。
彼女はユートピアのことを知りたくて優等生の友達
なら分かるかなと思い、聞いてみた。
「ねえ。ユートピアってあるの?」
「うーん…分かんないけど、どうしてそんなこと
考えてるの?」
彼女は驚いたような顔をした。
「なんか悩み、あるんじゃないの?
ユートピアはね、理想の世界って感じでね、
幸せなんだよ。ユートピアに行くことは出来ない。
でもね、ユートピアみたいに
幸せになることはできるよ!」
その子の声は明るくてまるで輝いているようだった。
いつの間にか彼女の目から涙がこぼれ落ちていた。
「理想郷」
今日はハロウィンですね!
まあすることないケド
アプリ開いてなんかするとか(?)
理想郷=ユートピア=ドラえもんの映画
だと思いました。
ドラえもん大好きです笑
仲間いないかな〜..
「理想郷」
300字小説
俺の理想郷
そこは我々にとっての理想郷だと言う。夏は涼しく、冬は暖かく、適度に遊べるおもちゃがあり、美味い飯がある。それらを従順な下僕が全て用意してくれるという。
「……まあ、そんな理想郷で暮らせるのは血統の良い美猫だけだろうけど……」
寒風の中、うずくまる。ああ……これはもう目覚めないだろうな……と思いつつも俺は目を閉じた。
「へ~。これがその道端で拾った猫なんだ」
「そう。拾ったときはボロボロだったけど、すっかり毛並みも良くなって安心した」
「にゃあ」
「ダメ。ご飯は後で」
柔らかな手が俺の頭を撫でて、抱き上げる。
「にゃあ」
あの寒風の夜から三ヶ月。飯は望みどおりにはならないが、どうやら、ここが俺の理想郷らしい。
お題「理想郷」
"理想郷"
《理想郷》?
俺にはそんなもん無い。はい以上。
……けど、強いて言うんなら……お化けとか幽霊とかがいないところ。あと《ホラー》って概念が無いところ。
『こんな歳になってまだホラーが怖いとか、ガキかよ』って思うけど、けど怖いもんは怖いんだから、しょうがねぇだろ。
『非科学的だ』って勿論分かってる。頭では分かってる。けど、実際に科学で証明できない《何か》のせいとしか思えない事柄が幾つかあるし、非科学的だからって《信じない》理由にはならない。
ホラー番組は効果音やカメラワークとかで恐怖心を煽ってるけども、話自体が怖いから余計怖くて無理。
お化け屋敷だって、外観がもう怖いし中も十分すぎるくらい怖いのに光や音で怖がらせに来るから余計に無理。
『何も知らずにテレビつけたりチャンネル変えたりしたらホラー番組だった』って事が何度もある。その度に『心臓が幾つあっても足りない』ってくらいに驚いてテレビを消したりチャンネルを変えたりして、小一時間バクバクと煩い心臓を落ち着かせるのに費やしてる。
勿論、番組表をチェックして気を付けてる。夏は特に。けどたまに、気を付けようとしていた時間帯とかチャンネルが頭から抜け落ちてしまって、盛大にやらかす。
だから、そういうのが好きな人には悪いけど、幽霊とかお化けとか《ホラー》とか、消えて欲しい……。
なんて読むか分かりません。
なのでここでの秘密の話をしたいと思います。
実はTikTokとYouTubeやってます。
お題 理想郷
「私のユートピアはね、死ぬことだよ。」
「…..そっか。」
「だって夢とか理想郷がさ、全部ほんとになっても、幸せかどうかは分からないでしょ?例えば、友達を頑張って作ったけどいじめられた———-とかさ。」
「うん……。そうだね。」
「だから私、もういきたくないんだ。その〝例えば〟が現実になちゃったから。
「……帰ろっか。」
「うん、そーだね。」
ユートピアについて、話した日。
最期のS O Sが親友から発せられた日。
親友は死んだ。
クラスの真ん中にいる人たちにいじめられて、それに耐えられずに。
いじめられていることも全部知ってた。
でも、親友からのS O Sを無視してた。
自分にいじめが回ってくるのが怖くて。
私が殺したも同然だ。
「……..ごめんね…..。」
罪悪感と悲しみで、泣いた。
それはきっと、別次元。
あったかもしれない、もしもの世界。
何かがズレていたら、何かが噛み合っていたら。
もしかしたらあり得たかもしれない世界。
”理想郷”はきっと、紙一重の世界。
それでも、こちらの世界でよかったと思う自分は、どこまで行っても凡人なんだろう。
理想郷