『狭い部屋』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
やっと扉を開けて私を苦しめた狭い部屋から出ると
また私を閉じ込める一回り大きな部屋
生きている限りそれがなくなることはない
何か試練にぶつかってそれを乗り越える度
私は大きくなって
部屋も大きくなっていく
だから結局ずっと私は狭い部屋の中にいるのだ
いつかはこの狭い部屋から完全に抜け出して
青い空を見ることはできるのだろうか
まあ抜け出せなくてもいいか
あなたといられるのなら
悩みの尽きない人生、
そう思える人々に出会うまで
私はめげずに何度も扉を開けよう
『狭い部屋』
「……え」
家に着いた俺は、思わず目を疑った
誰もいないはずのリビングに灯りが灯っていたからだ
泥棒か……?
恐る恐る玄関の扉を開けた瞬間
《おかえりー!!!!!》
勢いよく娘が飛びついてきた。
「うわぁぁ!!!!」
驚いた俺は尻餅をついた
「え……何で……」
〈おかえり、あなた〉
「………ただいま……」
久しぶりに妻と娘に会えた。
ああ…リビングが狭くなったな……。
………。
2人が居ないと…寂しいな。
ー狭い部屋ー
子供のころは
とても広くて走り回っていた
隠れる場所もたくさんあった
何年かぶりで訪れたら
家は小さく
部屋は狭くなっていた
あれ?もっと広くなかったっけ?
そりゃあ、自分が大きくなったんじゃ
と笑いながら言うおばあちゃんも
ひと回り小さくなっていて
あの眩しかった夏の日々から
わたしはもう
はみ出してしまったのか
「狭い部屋」
#125
狭い部屋 広い部屋
私は狭い部屋 妹は広い部屋
少量の服 大量の服
少量のご飯 普通のご飯
少ない友達 沢山の友達
少ない90点 沢山の100点
なんで姉妹でこんなにも違うのだろう
63テーマ【狭い部屋】
狭い部屋
どのくらいの狭さなんだろう
片手サイズなのに無数な部屋もある
その外には無数に部屋はあるわけだけど
変化していけるなら足りるから
狭さにはよるけども
広いだけの何もない部屋より
狭いなら工夫するだけ
必要なものは実に少ない
それに広すぎて把握が出来ないよりは
都合がよいんじゃないかとも思う
本当は必要なものは
必死に忘れようとされてさえいる
忘れられはしないよ
閉ざされてなどいない
いつもそこにある狭い部屋
隣の部屋からエロい声が聞こえて堪らないので、
早くアパートから引っ越したいです。
狭い。私は天井を見上げてそんな当たり前のことを思った。
狭い。寝転がれる場所なんてベッドくらいしかないし、調子に乗って人をダメにするソファなんて買ったらもう足を踏み入れられる場所が無くなったし。
気づいてはいたが、改めて見るとこんなに狭いとは。まるで天から人を見下ろす神様になったつもりで私は他人事のように思った。
あの人の物がほとんど無くなって私だけの物になった、この部屋。あの人の物はもう無くなったのに、まだ足の踏み入れられる場所は狭苦しい。
どんだけこの部屋は狭いんだ。テーブルに置かれたひとつのコップを見ながら私はそう自嘲した。
朝日が、私を照らしている。
あの人はもういない。
あいつはもういない。
"彼"はもういない。
朝日が、うざったるい。
過ぎ去った事象に思いを馳せる気など無かったが、ものがなくなっても尚狭いこの部屋を見続けると自然と思い出してしまっていた。
...ああ。
あいつがいた時、この部屋を狭い、だなんて思ったことあったっけ。
人が1人いるだけで狭いこの部屋なんて、2人なんていれば狭い所の話では無いはずだ。
床に座れないなら、ベッドに座って。テーブルに物が置けないのならキッチンに置いて。
ご飯も、ベッドの上で食べて。
そして、夜はベッドで一緒に眠って。
ベッドで笑って、ベッドで泣いて。そしてベッドで慰めあって。
ほとんどの時間をベッドで過ごしていた。そこしか、まともに座れる場所が無かったからだ。
あまりにも不便で、心もとなかった。だけれども、それでも、この部屋が『狭い』だなんて感じなかった。
なんでだろう___
...ああ。
そして私は目を見開いた。
そうか、この部屋を『狭い』だなんて感じなかったのは
『安心』があったからなんだ。
部屋が気になるのは安心がないから。
安心があれば、部屋なんて気にもならないから。
狭いと感じるのは、『安心』が無いから。
私は、静かに泣いた。
朝日が目にかかって眩しいから、を自分の言い訳にして。
一つだけのコップが鈍く此方を睨みつけていた。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
お題『狭い部屋』
「いつもと違う部屋。
前みたいに怖い人は、居ない。
とっても安心する。
けど少しだけ狭いな」
そう、思っていた時
外から、パトカーの音がする。
「また、戻るのか」
(フィクション) 狭い部屋
狭い部屋
ずっと、閉じ込められていたんです。
わたし以外は誰もいない空間。空っぽの箱みたいなところに。
わたしのかたちが折れ曲がって、ぐちゃぐちゃになって境目も見えない、ただわたしという存在だけがそこにある。
もともとのかたちはよく覚えていないけれど、箱の唯一開くところがずっと気になっていた、ような。
いつから? ええと、初めから、でしょうか。
たまに箱が開くときは、ただなにかが投げ捨てられて。...ええ。捨てられていたの、あの子たち。
わたしのなかにいるあの子たち、この何も無い世界で唯一の「わたしでないもの」。
わたしでは、なかったもの。
あの子たちがわたしと混ざりあっても、あの子たちのことはわたしには分からなかった。
わたし以外のだれかとお話できるなんて、これが夢というものなのかしら。
いつだってあなたたちはわたしの世界を眺めるばっかりで、誰もお相手して下さらなくて。
だから、ほんとうに嬉しいの。
こうして、外の世界に触れられたこと。わたしでないものとお話できること。ずっと、あなたたちとお話をして、触れ合ってみたかったの。
あなたたちはいろいろな色でできているけれど、中をひらけばみんな、おんなじ色なのね。
わたしも、あなたたちみたいになりたいわ。
そうすれば、もっといっしょになれるでしょう。
実家は借家だったので、子供部屋は姉と一緒だった。勉強机を二つ置けば、ほとんどスペースはなかった。私はあまり感じなかったが、思春期の姉は嫌だったに違いない。しかし姉は不満を言わなかった。部活で夜遅く帰ってくるからという理由もあったろう。だが、お陰で私は姉の聴く音楽を聴かされたし、テレビも居間に一台だったので姉の見るトレンディドラマなるものも見させられた。姉が県外就職で家を出ると、私一人の部屋になった。私はラジオが好きで、伊集院光氏のラジオリスナーとなった。深夜ラジオはテープに録音して、何度も聞いた。就職すると、次第にラジオは聴かなくなり、部屋に入るのは寝る時ぐらいになった。
思えば、あの実家の狭い部屋でラジオを一人で聞いていたあの頃がいまだに楽しかった気がする。新しい音楽を聴けた時の感動は、今のように動画などで見つけた時とは、一味違った。
そう考えると、あの狭い部屋も悪くなかったよだろう。
狭い部屋だけど
わたしと
わたしの猫の部屋だった
いつでも猫が出入りできるように
ドアストッパーで少し開けてある
先に寝ていると
トイレやなんかをすませた猫が走ってきて
本棚の上の寝床や
寒ければわたしの枕元に
寝に来るの
いつものこと
それが日常だった
あの日までは
狭い部屋だけど
わたしはひとり
でもわたしの猫の部屋でもある
あの足音はもう聞こえないけれど
いつでも来られるように
ドアは今日も少し開けてある
馬鹿な人。
私は馬鹿だからいつまでも窮屈な生活をしている
誰も知らない秘密を抱えて生きている
誰も知らない 知らない 知る由もない
貴女は知らない。私の秘密
暗くてジメジメした影で暮らしている
狭いの、助けて、ねえ
もう無理だから耳を塞いだ。
壊れてゆく私の、私の、私の心
お題
『狭い部屋』
「寒い…寒い、寒いよぉ…っ」
「開けてっ…開けて、お母さんっ」
【反省するまでそこに入ってなさい。】
「やだっ…開けてっ」
静まり返る和室に私は閉じ込められた。
薄暗く狭い。今にもなにか出てきそうだ。
そんな時
『大丈夫…?』
「あ、おにいちゃ…」
【何やってるのっ!】
『お母さんっ……』
【あんたもここに入っておきなさい!】
ばたんっ
「おにいちゃんっ…!」
『えへへ…怒られちゃった。』
『でももう、おにいちゃんがいるから』
『安心しな……』
狭い部屋
薄暗くても
あたたかい
狭い部屋
畳の床
薄暗い蛍光灯
ふかふかの布団
綺麗な虫たちの合唱
こんな田舎みたいな暮らしっていいよね
次の休み実家帰ろうかなー
〈狭い部屋〉
狭い部屋
私は狭い部屋が好きだ。これといって理由は無いが、しいて言うなら落ち着く。ただそれだけ。
【狭い部屋】
思えば古くて狭い安アパートの一室で身を寄せ合っていた頃が、一番幸せだったような気がする。シンガーソングライター志望の僕と、画家志望の君。高校卒業と同時に田舎くさい故郷を飛び出して、縁もゆかりもない大都会の片隅でアルバイトと創作活動に無我夢中で打ち込んだ。
運が良いことに僕も君もそれなりに世間で評価されて、今では高層マンションの広い部屋をそれぞれに持てている。バイトなんてしなくても、本業の生活だけで普通に生きていけるようになった。だけど。
ソファにだらしなく身を預けて、小さく溜息をこぼした。だだっ広いリビングが妙に寂しい。産み出した歌が目まぐるしく消費されていく世界に、いまだに慣れなかった。むしゃくしゃした気持ちのままにワイングラスを勢いよく煽れば、遊びに来ていた君がさすがに目を丸くした。
「飲み過ぎじゃない?」
「なんか、無性に飲みたくて」
「……まあ、気持ちはわかるけど」
はあ、と君も大きく息を吐く。画家というのは以外とコミュニケーションも大切らしい。初対面の相手との会話が苦手な君が四苦八苦していることは、僕も以前聞いて知っていた。
肺の奥深くまで息を吸い込んだ。これから言おうとしていることを思うと、妙に緊張する。早鐘を打つ心臓を、無理矢理に抑えつけた。
「あのさ。また、一緒に住まない?」
少しだけ声がうわずってしまった。ぱちりと君の目が一度瞬く。そうして君はくすりと、安心したように微笑んだ。
「最初の時みたいな、狭い部屋が良いな」
「同じこと言おうと思ってた!」
真ん中にパーテーションを置いただけの、二人暮らしには明らかに狭い部屋。互いの寝息も聴こえてくる、プライバシーも何もあったもんじゃない環境。……僕は一人じゃないんだって、そう実感できた幸福な日々。君も同じように感じてくれていたんだと思うと、その事実が何よりも嬉しかった。
どちらからともなく、そっと手を握り合う。伝わってくる君の温度に、ひどく安心した。
幼い頃、机の下に入ることが好きだった。自分1人だけの狭い空間。そこで自分に話しかけたり、自分だけの友達と遊んだりしていた。机の下という狭い空間は、私と空気だけの世界なのだ。
「クライシス」 作詞作曲 私
途端に聞こえるトタンの音 あぁ今 始まりの合図
キラキラ光る君に出会って
思わず数えた 畳の数を (1!2!1!2!)
2畳だったね何度見たって(縦横両方イチキューイチ)
パッと見て 君に聞いたね (なんか狭いね)
はぁ? 文句があるならはっきり言え
(キツイキツイ コワイコワイ辛辣)
だってこんなのじゃ寝られないじゃん
(キツイ配置 アチィ硬いルーム)
犬小屋のが整ってる
(サインコサインタンジェントシータ)
対角線は求められるのに
君の気持ちわからないの クライシスルーム
オリコン 圏外
お題『狭い部屋』
狭い部屋は苦手だ。
心拍数が上がって呼吸も苦しくなる。
その話を世間話のついでで主様にお話したことがある。
ある日の午後、書庫で本を読み解いていると背後から「わっ!」と声が上がった。驚いて振り返ろうとすれば、声の主はそのまま背中にぴとっとくっついてきて俺の頭を撫で始めた。
「主様? これは……?」
「ノックしたけどへんじがなかったから、フェネスどうしたのかなー? って」
そう言いながら主様はわしわし俺の頭を撫で続ける。
「すみません、集中していて気づきませんでした」
「ううん。フェネスが元気ならいいの」
ぱっと俺の前に回り込むと顔を覗き込んでこうおっしゃった。
「せまいところがにがてって言ってたでしょ。だから私がたすけにきたの」
そしてそのままぐいぐいと俺の腕を引っ張る。
「フェネスとお茶、飲んであげる。おいしいクッキーをもらってきたから紅茶はフェネスが淹れてね」
「……分かりました。それではお部屋に戻りましょう」
俺は主様の小さな手を引きながら、手狭な書庫であっても本の世界の広さに救われていることに気づいたのだった。
お題 狭い部屋
狭い部屋にこぼれた
小さな想い出たちが
愛し合った事想い出させる
愛を確かめ合って
辿り着くのは遠い別れだから
この身を任せて行ける人に
着いて行きたいな