『特別な夜』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
気づけば星の数が減っていた
気のせいかと思われたが確かだった
手も使わず数えられたものが今 消える
さよなら最後の-等星
特別な夜
特別な夜
今日は数十年に一度の特別な日だ。
空が明るくなり、電気をつけずに生活できる時間が訪れる。
この惑星には昔、朝と夜という区別があったと以前何かの資料に記録されていたのを思い出した。今は昔で言うところの「夜」が1日の全てを支配していて、その概念はもうとっくに消滅している。
僕の家族は祖父母も含めて明るい日を迎えるのは初めてだからか、今日起きてからはソワソワとどこか落ち着きがない。
街中もお祭り騒ぎでビルの大きなビジョンも朝の訪れを報道するニュース番組を流している。
僕も授業が頭に入らず、いつ空が明るくなるのかと窓の外ばかり盗み見ていた。
時刻は12時。結局、今日一日空が明るくなることはなく、もう就寝の時間がきてしまった。
予測が外れることもあるだろう。
また明日来るかもしれない。
そうがっかりしながら布団に潜ろうとした時だった。
空がわずかに明るくなっている。
カーテンの隙間から漏れ出す光が潜り込んだ布団を照らしているのをもう一度見て、急いでカーテンと窓を開け放つ。
徐々に照らされていく街が光輝いて見えた。
その眩しさに目を瞬かせ、大きく息を吸うと
「あさだよ!!!」
家中に響く声で家族を叩き起こした。
寝ぼけ眼のみんなはなんのことかわからなかったのかもしれないけれど、僕はこの光景を家族で見れたことがとても嬉しい。
一生に一度見れるかどうかの光景だ。
街に出ると寝てしまうのが勿体無いほどに非日常に包まれている。まるで別世界に来たかのようで、本当は寝る時間だったのに興奮してそのまま一睡もせずに次の日を迎えた。僕はこんなことが初めてで、今日一日中あくびが止まらなかったが、思い出に残る素晴らしいひとときだった。
こんな日が毎日続けばいいのになんて思ってしまうけれど、きっとたまにあるから特別なんだろう。
そう言い聞かせながら僕は次の 特別な夜 に期待を込めて眠りについた。
他人に、一切興味がないと
言い切る人が。
わたしを、仲間であり
家族と同じだと言った。
【家族】という、言葉に過敏で
拒否反応すら抱いてしまう わたしは
その言葉には
嫌悪感を、抱かなかった。
ただ、あの人なりの
優しい嘘かもしれないけれど。
わたしは、ただ素直に
ありがとう と伝えたのだ。
嬉しかったから。
【お題:.特別な夜】
空は毎日新しい
自分も毎日変わる
毎日 特別な日
毎夜 特別な夜
この星に生まれた日
この場所を選んだ君
生まれたかったんだ
出逢いたかったんだ
経験したかったんだ
祝福の光りを浴びて
ご加護があるように
祈りの中に成長して
今此処に立っている
奇跡の中生きている
意識ひとつで変わる
描く所に向かってる
どんな未来がいい?
どんな自分がいい?
『特別な夜』
ただ日付が同じというだけだけど
あの日を思い出すにはいい機会だから
少し窮屈になった服と
年に一度だけの宝物を身に付けて
毎年同じ日
同じ夜
同じ時間に
同じ店で食事して
同じ空の下
同じ道を歩く
同じ場所まで
間違い探しのような夜
間違いを探し続けている夜
『特別な夜』2024/01/2214
特別ってなんだろう。
きっとそれは
日常の一番はじめのページのこと。
今夜の特別は明日からのプロローグ。
特別な夜
くたびれた人間が1人。
よろよろと荷物をベッドに放り投げる。
結局今日の飲みの席では早々に酔い潰れてしまい、まともに食事を取れなかった。
日付が変わる前に帰れたのは幸運か…。
うわ言のように呟いて酔い醒ましになるものを探す。
「…あ、」
いつぞやに貰った餅。まだ食べてなかったっけか。
賞味期限も大丈夫な様で、早速準備に取り掛かる。
とは言っても醤油をかけてレンジで温めるだけ。
疲れてるんだ。質素な食事でもいいだろう。
正月でもないのに、餅を食べるとなんだか不思議な気分になるのは自分だけなのだろうか。
なんでもない日なのに。
見つけた吾のこころに染むきみのやさしい匂い夜に満ちて
〈特別な夜〉
夜を特別にする方法はいくらか思いつくものの、皆に等しく訪れる物に元より特別な物など無く、だがしかし強いて挙げるとすれば、流れ星の見えた夜。
【特別な夜】
「愛斗が恋人でよかった
君はオレの良いお嫁さんになるはずだ。」
そんなことをよく言わていた。
あの男も、
あの男も、
あの男も…
気持ち悪かった。
そんな言葉にオレは静かに微笑むだけだった。
どんな男もオレの若さと体と顔しか見てないから。
誰もがオレの本当の醜い所を認めてくれなかった。
オレもそれを見せるのが怖かった。
そして必ずオレを裏切った。
そんなこと最初からわかっていたはずだったのに
裏切られるのがとても悲しかった。
オレも気持ちを裏切っていたのに、
その男にどこかしら密かに恋をしていたことが
自分でも悔しくて認められなかった。
『誰もが羨む』『恋をする』
そんな自分の姿を恨みながら愛していた。
『誰もが騙され』『脳を化かす』
オレの姿は仮面のように自分の心さえも化かすので
都合がよく便利だった。
顔を刻めばブスになる。
残念ながら弱いオレには顔を傷つける勇気がなかった。
この美しい顔があるから成り立っているのがわかっているから。
揃った顔、可愛い声、細い体、際立つ性格…
化かして 騙して 上手くやる。
そんなこと8歳の頃から達成済みだ。
あのイカれた母親から嫌になるほど教えてもらった。
こっちは伊達に生きてるワケじゃない。
嫌になったら霧のように消えるだけ。
相手には甘い白昼夢を見せて消えるのが良い。
そうすれば相手はなおさらオレを忘れることが出来ず
心の奥底からオレを求め探すのだから。
今日もどこかで『特別な夜』を過ごす。
『デート』という名の『ショー』を
見せましょう。
さあ、オレを追いかけてみて。
オレは絶対に 誰のモノにもならない。
夜の澄み切った空気が好きだ
街の喧騒から離れた静かな道
お気に入りの曲を聴きながら
帰路につく
突然何者かに後ろから抱きしめられた
そのまま暗闇へと引きずりこまれる
震える身体に覆いかぶさり
何者かが耳元で囁いた
一目見た時からずっと想っていた
好きになってくれなくてもいい
君にとって忘れられない
特別な夜になれば
それから長い年月が経った
大好きだった曲はあの日以降聴けなくなった
私は今でもあの夜が忘れられない
お題「特別な夜」
特別な夜
今日は、一年で一番特別な夜
君が、1日だけ俺に会いに来てくれる日
でも、毎年来てくれていた君は、時間になっても来んかった
「…なんでっ、なんで来てくれへんの、」
毎年来てくれると思ってた。
それが、当たり前やと思っとった
ずっと海外で頑張ってる君が、俺のために
この日だけは会おうって、約束してくれたのに
「…っ、もう片想いも終わらせんとあかんの、?
好きって、言えばよかった、」
ずっと我慢してた気持ちも、
会えなくなる前に言えばよかったのかな、そう思っとった時やった
『…ねぇ、それどういうこと?』
俺の大好きな声がして、振り向いたら
大きな荷物を持ったしょおがおった
「…しょおっ、遅い、来んかと思ったやんっ、」
『…ごめん、遅れた。
てか、さっきの何、片想いって』
「…なんも、ないで。」
その場しのぎの嘘なんて、すぐばれるだけやった
『…嘘。ほんとのこといってよ』
なんて、見つめられたら
嘘なんてもうつけなくて
「……俺が、しょおのこと好きなだけ。
気持ち悪いやろ?こんなん。
でも、ええよ。振って?もうええから。
会いにこんくてもええよ、今年で最後にするから。」
なんて、言ってしまえばもう後戻りは出来ん
やから、さっさと振ってや、しょお…
『…勝手に終わらせようとしないで』
不意に抱き締められる
「……へ?」
『…俺だって、れんのこと好きだよ
会えなくて、寂しかったんだから
会いに来るのも、れんだけだよ。』
頭が追い付かん
「…な、そんな冗談いらんねん……」
『冗談なんかじゃない。
俺は、キスとか、そういうことがしたい好きだよ。
れんは違った?』
どうやら本当やったみたいや
「…うそ、ほんま、?しょお、
俺もしょおのこと大好きやで、」
なんて恥ずかしかったけど、
今伝えんと絶対後悔するんやから
『…ふふ、れんかわいい//…俺も大好きだよ
…ねぇ、来年は会いに来るんじゃないから。
ずっと、ここにいるからね?』
ずっと、ここにおるって…
「…え?!てことは、毎日過ごせるん、?」
『…そうだよ、これで毎日れんと過ごせるから。
…改めて、俺と付き合ってくれますか?』
「もちろん!これからもよろしくな、しょお」
そっと、唇にキスをした
テーマ/特別な夜
タイトル《星降る鼓動》
娘が4歳だった頃だから2001年のことだ。
11月18日、日曜日。夕方の空は曇っていたので、
星は見えないかもしれないと諦めていた。
そしたら娘が
「大丈夫。絶対に晴れるから連れてって」
と自信満々に云う。その自信は何処からくるのか……
意外と無垢な子供の直感というのは当たったりする
ものかもしれない。そう思って、弥彦山のほうまで
クルマを走らせた。
妻は「バカらしい。明日、仕事だしムリ」と言って
一緒には来なかった。娘と私は暖かい格好をして
絶対に見てやる!と気合いを入れて出掛けた。
夜20時あたりから、星空のどの方向をみても
流れ星が1分にいくつも見えはじめて……
まるで線香花火の火玉がポツンと落ちるみたいに
見えたりもしていた。
きっと、もう二度とこんな流星の雨をみることは
ないのではないかと思えるほどの光景だった。
「お父さん、わたし、今日のこの夜のこと……
絶対に忘れないと思う。星たちがすごくドキドキ
ワクワクしてるみたいだね!心臓の音が聞こえそう」
「……心臓の音?……って、誰の?(笑)」
「んーとね、この空ってゆーか、星たちの心臓。
星たちがドキン!ドキン!って鳴ってるみたい」
娘は星々が鼓動しているみたいだって言いたい
のかもしれない。
でも確かに、星々の音が聴こえてきそうなくらい
たくさんの星々が降ってるように見える夜だった。
娘の直感を信じて良かった。
そんな娘は8月のしし座の生まれだ。
しし座流星群だけに、
娘は何かを感じ、信じていたのかもしれないなあ。
娘と私にとって、
この日の夜は特別なもののように思えた。
抱えきれないほどの重圧と明日への不安を感じながら布団の中にいる特別な夜。
重圧から解き放たれているだろう明日の夜もまた、特別な夜。
特別な夜は家族と一緒に
特別な夜は想い人と一緒に
特別な夜はペットと一緒に
特別な夜な大切な人と一緒に
朝日を待つ
いつもは星だけが一緒だけど今日は違う
今日は星と、そばにあなたがいてる。
特別だからこそ、この夜が愛おしい
特別だからこそ、さみしくなる
この愛おしい時間が続けばいいのにと願う
今日は特別な夜だから
お題 特別な夜
いつも通りの日常じゃ飽きちゃう。
だから、
喜んでくれるあなたに、
今夜も手作りスイーツを。
それが日常になることを願う。
#特別な夜
遠くから聞こえる祭囃子。煌々と辺りを照らす提灯。
とっぷりと日は暮れて、夕闇が僕らを包み込む。
ああ、つまんないなって、もう帰ろうかって、引き返そうとした時。
すれ違い様、
君と、
僕の、
視線があった。
夜の帳の中を、慣れない下駄で駆け抜ける。
真夏の魔物に惑わされ、僕はみっともなく汗を滲ませながら、走っていく。
やっと見つけた。
「遅くなってごめん。迎えにきたよ」
夜空をバックに、再会の光が宙を舞う。
こっくりとした濃紺のキャンバスに、色とりどりの華が煌めいた。
僕らの、一夜限りの特別な恋。
今回、&TEAM の「FIREWORK 」という楽曲をもとに制作してみました。ご興味ある方は是非、楽曲も合わせてお楽しみくださいませ。
物音を立てるな。
口をつぐめ。
目立つな。
海に聴こえないように。
戸を閉じろ。
窓を閉じろ。
女子供は家の奥に、
男は扉の前にいろ。
海に気づかれないように。
家畜が嘶いても、
ヒトが悲鳴をあげても、
ヒトの笑い声が聞こえても、
決して興味を持つな。
見に行くな。
海に魅入られないように。
海に魅入られたものがいたら、
黙って送り出してやれ。
海に興味を持たれないように。
−ある海沿いの街で、
その年初めての気嵐の日に唄われる詩−
無惨に食い荒らされた家畜を丁寧に布に包んで、飼い主である街人の父娘は、地下洞窟の祭壇の下にある水路に、それを投げ入れた。
娘は、普段立ち入りを禁じられているそこに入るのは初めてで、一度は入ってみたいと思っていたが、大切にしていた家畜の死の哀しみで、全く嬉しいとは感じなかった。
ばちゃんという音と共に水飛沫をあげ、沈んでいく。
左に進むと海に出るというが、ここからは見ることはできない。
しばらく水面を眺めていると、涙で視界が滲んだ。
「行くぞ」
と言って、父が彼女の手を取る。その声には焦りとも畏れともつかない感情がある。
彼女は取られたのと逆の手で涙を拭い、父と帰路に着くべく踵を返す。
(きゃはは…)
洞窟内に微かな嬌声が響いた気がした。
父の手にぐっと力が込められて、足早になる。
娘は突然歩きの速度が上がったことの転びそうになったが、なんとか持ち直して、若干の駆け足で父の歩幅に合わせた。
(きゃはは…)
娘の耳にその嬌声がへばりつき、消えることはなかった。