『特別な夜』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
特別な夜?
同じくらいの背をした君と、キラキラと輝く街を歩いた。ヒールの低いパンプスは君への心配り。
辺りは暗くて少し寒い。
温かな色の光に目を奪われて、カメラのシャッターを切り続ける。想えば、君のことをよく見ていなかったのかもしれない。
僕はまだ、子供だった。
改札で鞄に潜めていた、売り物のクッキーを君に差し出して、「またね」と言って改札を通った。
君が引き留めたから、もう一度改札を通って戻った。
「何かプレゼントを…」と君は言ったけど、お店はもう閉まっていた。次に会う約束をして、また同じ改札を通った。
求めるものが同じだったふたりは、改札を隔てて別れていった。満たされない想いを抱えたまま、真っ暗な田舎道を電車は走って行く。
僕はまだ、子供のままで居たかったのかもしれない。
遠くなっていく駅の灯りが、「さよなら」と言っていた。
「遺書」
ふと、ノートを走らせているペンを止め
何を思ったかそこにパスワードを書いた
××××
毎日スマホに打ち込む、あの人の誕生日
そしてそのまま何かを探す
探しているものが何か、分かっているのに
他人事みたいに無知である気もした
首を吊ろうと持ち出すのは、
いつだってイヤホンだった
途中で切れるくらい細いのに
首の皮は繋がってしまったけど
カーテンの外は深い闇に覆われていた
1.21.特別な夜
使い捨てカメラに 君とのツーショット
瞳孔が6つに増えたみたいなあたし
いつも魚のフォルム思い浮かべて
水に溶かして 色をつけて
その前に一眠りして また夢で魚が溺れる
私の隣 もうすぐ樹になるよ
影を隠してくれる あの日と同じ風が吹く
君は手紙をたくさん届けている
離れないの ほっぺたの赤みたい
風に吹かれて 手紙が届く
返事はずっと待っていて きっと来年は
乾いた心みたいにしなしなになっていても
ずっと本の栞の代わりをしてくれる
赤い辞書で見たの みんなあなたが好きだって
じゃあ もうあなたに会いにいってはダメだろうかな
でもさ、君はまた今年も手紙をくれたよさ
私もうすぐ返事をするよ 届くかな
四角い箱に 贈り物を詰めるよ
君みたいに綺麗じゃないけれど
少し欠けていて 色付いて 上手く詰めれないけれど
その方が覚えていてくれるかな
蓋を閉めた時、風鈴は鳴いた
君みたいになりたかったよ なんて
サンタクロースを待ち侘びて中々眠れなかった夜
従姉妹が集まり特別に夜更かしが許された盆の夜
幼い頃はそんな夜こそが
『特別』と呼ぶに相応しいと思っていた
けれど
当たり前のように君と毎日
今日あった面白い事や嫌だった事を
丁寧に切り分けては口に運んで
感想を言い合うような温い(ぬるい)夜も
同じように『特別』と呼ぶに相応しいと
今の僕は知っている
いつか終わるこの夜が
少しでも長く続きますようにと
幼い頃と同じ願いを
密かに胸に抱き続けたまま
僕は君と笑っていたい
特別な夜
私にとっては普通の夜。まだ特別な夜に出会ってない
いつか特別な夜と思ったら
それは、一歩大人になれたってことのかな?
もし、明日死ぬと分かったら。
君は何をするんだろう。
君と過ごした最後の夜。
僕の記憶には
美しい海にふたりの影が光っている。
貴方と過ごす私にとって特別な夜
多分一生忘れることの無い特別な夜
私はこの夜は大切に過ごしたいと思ってるけど
貴方にとってこの夜は特別?笑
貴女と二人、歩く路
貴女と二人、歩く海辺
貴女と二人、寝ころぶ草原
貴女と二人、見つめ合う夜
貴女と二人、特別な夜
何一つ、、、叶うことのない
ぼくの夢。。。
貴女と過ごす特別な夜は、、、ぼくには
来ない。。。
ただ貴女を想うだけの夜が
唯一、、、特別な夜かもしれない。。。
『虚しさ』という名の苦しみを
呑み込みながら。。。
特別な夜には
そっと一息ついて
そっと優しい手に包まれたい
誕生日じゃなく
結婚記念日でも入籍した日でもないけど
日頃の君の温かい心配りにありがとうが言えた
そんな今日の特別な夜
窓からは輝く街並み
隣では甘いあなたの香り
白い雪のような肌に触れる自分の手
今夜だけ、いや今夜だけでいい
この「特別な夜」でこの身を満たしてくれ
ー特別な夜ー
すごく自信があるわけではない
周りの人と比べちゃったりもする
けど
髪を巻いて
大きめのピアスをつけて
黒いタイトな服にスカート
ライダースなんか着ちゃったりして
そこにヒールなんか履いたら
ねぇ?
なんだかかっこいい女になったみたい
夜の街に紛れる私は
いい女でしょう?
Any night is special as long as I can be with you.
「特別な夜」
時計の針は午前2時をさしていた。
やっと終わったな…
明日までの締切をなんとか
終わらせたところだ。
これから寝ても数時間しか
眠れないし…
もうダメな日かな…
街灯に照らされた窓を見て
ハッとする。
そういえば、洗濯物を入れてなかった!
本当に今日はダメな日だ…!
洗濯物を急いで取り込みに行く。
あ……
まっしろな息と共に零れた声。
夜空に星が流れた。
一瞬だったけれどたしかに見えた流れ星。
洗濯物を抱え寒さを忘れて空を見た。
ひとつ、ふたつ…みっつと
流れ星をとらえた。
こんな時間まで頑張らなければ、
洗濯物を取り込み忘れなければ
この流れ星を見ることは
なかったかもしれない。
そう思うときっとこの夜は
__特別な夜
「特別な夜」
葬儀屋の方がお通夜やお葬式は非日常です
とおっしゃっていました。大人になってか
ら聞いたお言葉ですが、今日のタイトルを
見て、真っ先に頭に浮かんできました。
その全てが夜とは限らないですが、夜通し
ろうそくの火を絶やさないで皆で番をする
行動はまさに非日常な特別な夜。何度か経
験しましたが、どれも同じでは無く、とて
も静かな、不思議と心地よく、ピンと張り
つめた空気感でした。
なき人物との最後のお別れ。
大切な時間です。
ふたりの指先に
様々な想いをぶら下げて
執拗に
絡まっていた糸は
あなたが最後に見せた
その瞳の水たまりに
緩やかに
解けていく
今夜
わたしたちは
無言で
再び
ふたつに
戻る
# 特別な夜 (13)
今日はなんだか特別な夜だなー。
あ、今、変なこと考えたでしょ?
違うよー。今日は久々に家族や親戚の顔を見れたなーって思って。
ほぼ一家離散状態だったのに、年の離れて上京していった兄さんや、まだ幼い弟、お母さんはパート掛け持ちでほぼ家にいないし、お父さんも単身赴任で家にいない。
そんな家族なのに、今全員、私の方をみている。
年の近いいとこたちや、家が近い親戚のおじさんおばさんまでいる。
みんなこんなにうちに集まってどうしたの?
今日は何かお祭りでもあったっけ?
そう思っていたら、かわるがわる一人ずつ私の顔を覗いていく。中には涙を流す者もいた。
なんだか皆に見つめられちゃって恥ずかしいな。
あんなにちょっと前まで重苦しいメンタルだったのに、今はとっても心が軽い。ほら、頬がほころんじゃう。
なんだかとてもいい香りがする、お線香のような。
なんだかずっと明るい、ろうそくの明かりかな。
私だけがいい気持ちなのに、家族親戚一同はまるでお通夜みたい。
今日は、とっても特別な夜だと思うんだけどなー。
【特別な夜】
※【夢を見てたい】の続き
この特別に美しくどこか寂しい夜に
君の名前を呼び
君に名前を呼ばれて
君に身を委ねて重ねて過ごしたいの
貴方はとても 優しいから
どんなに愚かな者も 許せてしまう
こんな私にも 貴方は優しすぎて
私は泣いてしまう
そんな悲しい 優しさで
誰のために 生きるの?
貴方の心が 少しずつ
死んでゆくのに 早く気付いて
傷んだ翼を 温め合おう
もうひとりぼっちじゃない
誰かのために 傷ついたら
傷んだ貴方の 心はもたない
優しい貴方じゃ 全てを吸い取って
しまうから もうそろそろ
自分のために泣いてみるの
だからせめて 守りたい
貴方をこの手で
誰だって 全てのモノを
守れるわけじゃない
それならたった一つ、大切なものを…
それだけでいい
全てを背負うなんてもう
しなくていいから
貴方がしてくれたように
今度は私が守るから…
誰のために 生きるの?
貴方の心が 少しずつ
死んでゆくのに 早く気付いて
傷んだ翼を 温め合おう
もうひとりぼっちじゃない
何度も乗り越えた
自分の弱さとの戦い
それはかけがえのない宝物となり
自分の自信となり
時間となった