六月の帰路

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使い捨てカメラに 君とのツーショット
瞳孔が6つに増えたみたいなあたし
いつも魚のフォルム思い浮かべて
水に溶かして 色をつけて
その前に一眠りして また夢で魚が溺れる

私の隣 もうすぐ樹になるよ
影を隠してくれる あの日と同じ風が吹く
君は手紙をたくさん届けている
離れないの ほっぺたの赤みたい
風に吹かれて 手紙が届く
返事はずっと待っていて きっと来年は

乾いた心みたいにしなしなになっていても
ずっと本の栞の代わりをしてくれる

赤い辞書で見たの みんなあなたが好きだって
じゃあ もうあなたに会いにいってはダメだろうかな
でもさ、君はまた今年も手紙をくれたよさ

私もうすぐ返事をするよ 届くかな
四角い箱に 贈り物を詰めるよ
君みたいに綺麗じゃないけれど
少し欠けていて 色付いて 上手く詰めれないけれど
その方が覚えていてくれるかな

蓋を閉めた時、風鈴は鳴いた
君みたいになりたかったよ なんて






1/21/2023, 12:15:26 PM