『無色の世界』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
「無色の世界 」
無色とは、色彩学上では無彩色の白、灰、黒色を表す。化学の世界では、無色透明なものを細かく砕くと白になるように、白は無色のものによる乱反射を見ているため無色である。
目に見えるあらゆるものが無色となった時、色によるものの判別が出来なくなり、今見えている世界が大きく異なるものとなるだろう。
例えば、広告のデザインの色、個性を表すメイク、髪色、服の色、学校帰りに風情を感じる空の色など、毎日に変化が感じられず味気のないものになってしまうのではないだろうか。
また、色は生活を送るために大事な情報源でもある。標識を認識し危険を察知する際にも文字と比べ遠目からでも認識しやすい色が役立っている。私達は食べるアイスを選ぶ時には色という判断材料によって味を推測し、判断を行っているが、色がなければ味の推測は困難となる。
この事から、この世界は多くのものが選べるように作られていることがわかる。
一方で、無色の世界では自分で好きな味を選んで食べるよりも食べてみないと分からないワクワク感を引き出し、食べた時には驚きがあるだろう。
このように、色は日常世界に深く関わっておりこの世界を豊かにする。無色の世界では普段と違った視点で物事が見え、生活自体も大きく変化するだろうと考えられる。
#無色の世界
「無色の世界」って聞くと私は「白」で塗りたくられた世界を想像する。
でも、よく考えてみるとそれは「白色の世界」とも捉えられて、「無色」じゃない気がしてきた…
無色の世界
無色なら何も見えない?
でも光は溢れているだろう。
姿や形ではなく
その人の本質が見えるかもしれない。
思考や言葉や行動や
そういうもので人を見る。
そして見られる。
良い世界なのか
でも少し怖い世界。
お題:無色の世界
誰かは、退屈と言うでしょう。
ソファに腰かけ、ぼんやりと空間を見つめていた。ああ、今日も穏やかな一日だった。
掃除、洗濯、お料理、ただ息を吸って吐くような、そんな日々を繰り返すだけの、何の変哲もない日常。義務を果たし、良いも悪いも、好きも嫌いもない、穏やかな世界。揺らぐ心もない、平らかな世界。なにも変わらない世界。
誰かは、退屈と言うでしょう。けれど、私にとっては、何にも代えがたい幸せな世界。
「無色の世界」
何も無い。
"無色の世界"
モノクロの世界。
ずっとつまらなかった。
でも、君は雨粒の音と共に
僕の世界に彩りを与えてくれて。
2人の世界を色を染めて。
君となら何処までだって行ける気がして。
僕らだけの色とメロディで。
"無色の世界"が、
"彩りの世界"に。
ずっと隣にあなたがいるものだと思っていた。
あなたが隣に居るほうが不幸だったとしても。
それでもこんな無色の世界で生きるくらいなら、わたしは幸せじゃなくていい。不幸でいいからあなたと人生を共にしたい。
あなたが自分にかけた13年前の呪いが、いつか解けたとき、わたしのことを迎えに来てくれますか。
『無色の世界』
もし時間に色を着けるとしたら何色でしょうか?
日本では、6月10日が「時の記念日」です。
これは、1920年に生活改善同盟会により制定されました。「天智天皇がグレゴリオ暦671年6月10日に、漏刻(水時計)を新しい台に設置した」と日本書紀にあり、その日付を由来にしたそうです。
なので、時間に色を着けるとしたら、水時計にまつわる色が浮かびました。
それは、きっと、清らかな無色の世界であることでしょう。
「変わる世界」
あいつらが見ている世界と俺が見ている世界はたぶん違うのだろう。
目標に向かって努力しているあいつらには、きっと世界はキラキラと輝いているように見えている。
それに対して、何の目標もなく夢もやりたいことも見つけられていない俺。
「それって、まだこれからどうとでもなるってことじゃない?」
彼女はそう言って笑った。
意味がわからず、首を傾げる俺。
「これからいくらでもやりたいこと探し放題ってことだよ」
「どうやって探すんだよ、やりたいことって」
「本当に無いの?」
「……ああ。無い」
「じゃあ、あたしと付き合ってみる?」
「なにを言って……」
「あたし、多趣味だからさ。きっと世界広がるよ」
悪戯っ子のように笑う彼女から、目を逸らすことができない。
色鮮やかな世界への扉が開かれたような気がした。
────無色の世界
そして嵐が過ぎ去った朝
皆がベッドから飛び起きると
世界から色が無くなっていたのでした
<無色の世界>
むかしむかし、まだ私が生まれる何千前も昔の話、そこには小さなシャボン玉みたいな空間がありました。
そのシャボン玉のような空間は、色がなくて、少し寂しいところでした。
けれど、ある日そのシャボン玉のような空間に、1人の女の子がやってきました。
「ここは悲しいな」
色もないし、透き通ってるし、花の入ってない花瓶みたいで、きっと、誰もがあの空間を見れば「寂しいな」と思うでしょう。
そこで、その女の子は、寂しい空間に色をつけ始めました。すると、みるみるにぎやかになって、季節のようなものが出来上がりました。
けど、その季節は、本当の世界の春夏秋冬ではなく、色々な花が一斉に咲くこともあったし、オーロラだって、夏に見えることもありました。
その世界はなんでもありで、その世界を見つけた人が自由に、自分だけの世界か作れました。
その世界は、みんなとは別の色で、私の心にもありました。
そして、あなたの心にも、私とはまた違う色の世界が、心の中に出来上がるのでした。
無色の世界
君が死んだと聞いて、色が消えた。
消えたのは色だけじゃなかったかな。
とにかく、僕が僕としてある根底のものが、気付いたら消えていた。
重要なのはその事実だけ。
国がどうなったかとか、そんなことは関係ない。
……いや、一つだけ、ある。
人は死ぬのだ。国も、世界もおなじ。
君が死んだからといって。
僕が僕でなくなったからといって。
世界が死なない限り、「これ」は変わらない。
白黒は白黒のまま、生き続けてしまうのだ。
「……さて、話の続きをしようか」
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自創作 硝煙は笑う より
色が消えた人 神崎
なんにもない世界
食べ物も人も建物なんかもない世界
そんなものを体験したいとは思わないけれど、
少しだけ気分が落ち込んだ時は何にもない世界に行きたいと思ってしまう。なんて都合のいい世界なんだろう
そう思うのが無色の世界だと私は思う
【3日目】無色の世界
白も黒も色のひとつであるなら
無色とは透明であること?
自分の周りが全て透明ってことは
そこに私の肉体だけが存在する
なーんにもない
なーんにも感じられない
私はおそらく退化していく
最後は自分自身の肉体の色も失われて
完全なる透明人間になって消えるのかな
無色の世界を見続けていた
私には、色がない
色なんてなくていい
けど....君と出会って私に色がついた
私が知らない色を君は、たくさん知っている
無色の世界は、儚さを詰め込んで出来たみたいだ
色をもっと知りたい、教えて欲しいと初めて思った
“無色の世界“
【265,お題:無色の世界】
色がないからこそ落ち着く、刺激を極限まで減らした防空壕のような場所
空っぽになるにはこの世界が一番ちょうどいい
カラフルの方が世界は綺麗に見えるかもしれない
でも僕は一色で描かれた何気ない路地の風景に惹かれるものなんだ
景色が
見えてるはずなのに
ぼーっとしていて
何も、
分からない。
さっきの
衝撃が
強すぎて。
でも、
やるべきこと
あんなに
やりたかったことが
もう
目の前に
迫っている。
やりたくない
やりたくない
やりたくない
やりたくない
やりたくない。
やらなければ
絶対に
後悔する。
なのに、
あぁ!
もう!
やりたくない!
やりたくない!
やりたくない!
やりたくない!
やりたくない!!!
―――どうして
この世界は
わたしに
冷たいの?
#無色の世界
無色透明の世界
どんな色も受け入れ
どんな色にも染まらない
きっと
穏やかで
個性豊かな世界なんだろうなぁ
「アリスがいなくなって俺の世界から色が消えた」
いつものバーにて、いつものイカレ帽子屋と──言いたいところだが、今はイカレ帽子屋ではなくキチ…失礼。頭のおかしい先生が彼の体に宿っているらしい。
さっきから口を開く度にアリス、アリスと嘆いて煩い。
イカレ帽子屋も大概アリス、アリスと五月蝿いが先生程ではない…と思う。多分。
「ハイハイ、無色ね」
適当な返事を返すと、帽子屋の姿をした先生が大げさな身振りで俺を指さした。
「何だそのやる気の無い返事は!この万年アル中ネズミ!色の無い世界に生きる俺に同情の一つくれたらどうだ!」
アル中ネズミとは、何という悪口を言うのだろうか、このクソ先生様は。
俺は眠りネズミだぞ?
まぁ、アル中は認めるけど。
勝手に役割を押し付けられた俺の身にもなってみやがれってんだ。
まあ、言った所で先生様には何も通じないだろうけど。
同情の余地もねえお人だよ、アンタは。
「無色とは透明を指すこともあるが、無彩色で白黒を指すこともある。白と黒の間には、百鼠の層がある。然るにアンタは、灰色の色彩の中で生きているのさ。良かったじゃねぇか、豊かな百鼠に恵まれて」
「オマエが、百人いるとか地獄の世界じゃねえか」
「実際灰色の数は百じゃあ済まねえんだけどな。そんなに嫌なら、色のある世界に戻ったら如何?」
「アリスが戻ったら俺の世界にも色が戻るのさ」
あー、やっぱり。こうなるよな。
そのせいで、不思議の国がいつまでも閉じられた世界になっているというのに…。
先生様とは、やっぱり話にならない。
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Are you Alice?より
眠りネズミと先生
無色の世界 ...
灰色ってのも、また黒ってのも、無色ってのとはちがうんだよな。
色即是空 空即是色
無色ってのはまんま無在ってことにされがちなんだけど ... 感触があるとポジティブな疑義が生まれて ... そしてそれは気温や風の感触を掌や身体の様々な部位で触れたり掴んだりするような感覚に近しい気がする。
痛みの父は心で、
やさしさってのが親友で、
裏切りや卑怯ってのが悪友なんだろうけど。
そういうの諸々ひっくるめてここまで歩いて辿って来て漸く無事この世界のすべてを嫌いになることが出来ました。
"無色の世界"
色が無い。
判断材料は何となくだけど分かる形と、黒の濃淡の二つだけ。
たまに見える色は、見ていて不快な極彩色。
ずっとそんな世界を生きてた。
そんな世界で光など、ただの0《ゼロ》でしかない。ただノイズを消してくれるだけ。それ以上でも以下でもない。
そんな中で俺はずっと、手を伸ばしてた気がする。
もしかしたら、《色》を探していたのかもしれない。
それは《色自体》か、それとも……。
かつて見えていた《色のある世界》をもう一度見る為に。
無くしてしまった《色》を取り戻す為に。
新たな《色》を見つける為に。
《色》をくれる《何か》と出会う為に。