"無色の世界"
色が無い。
判断材料は何となくだけど分かる形と、黒の濃淡の二つだけ。
たまに見える色は、見ていて不快な極彩色。
ずっとそんな世界を生きてた。
そんな世界で光など、ただの0《ゼロ》でしかない。ただノイズを消してくれるだけ。それ以上でも以下でもない。
そんな中で俺はずっと、手を伸ばしてた気がする。
もしかしたら、《色》を探していたのかもしれない。
それは《色自体》か、それとも……。
かつて見えていた《色のある世界》をもう一度見る為に。
無くしてしまった《色》を取り戻す為に。
新たな《色》を見つける為に。
《色》をくれる《何か》と出会う為に。
4/18/2024, 2:01:50 PM