久我城ぬいろ

Open App

無色の世界

君が死んだと聞いて、色が消えた。
消えたのは色だけじゃなかったかな。
とにかく、僕が僕としてある根底のものが、気付いたら消えていた。
重要なのはその事実だけ。
国がどうなったかとか、そんなことは関係ない。
……いや、一つだけ、ある。
人は死ぬのだ。国も、世界もおなじ。
君が死んだからといって。
僕が僕でなくなったからといって。
世界が死なない限り、「これ」は変わらない。
白黒は白黒のまま、生き続けてしまうのだ。

「……さて、話の続きをしようか」

────────────────

自創作 硝煙は笑う より
色が消えた人 神崎

4/18/2024, 2:21:16 PM