『澄んだ瞳』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
澄んだ瞳のことであることはないよ。
でもなんでないの?
そりゃあ分かんないでしょ。
じゃあ、それにしよっと。
でもアイスクリームバンがないよ。
なんでないの?
地球中一周ずーっとまわってるからだよ。
なんちゃって〜。
夏色が光る蒼く澄んだ瞳
茶髪に染まったショートボブ
白い帽子に黄色いリボン
白と青のチェックワンピース
雪のように焼けていない白い肌
優しそうで健気に笑う素敵な微笑み
ひまわり畑に浮かぶ妖精みたいで
僕だけの天使だった
たまに瞳に吸い込まれそうになって
自分が無くなるような気がした
でも君はそんな子じゃないだろうから
無視して気にせぬようにしていたんだ
あの夏が来るまでは………
186テーマ【澄んだ瞳】
小さな子供の澄んだ瞳
見つめられると心が締め付けられる
一体自分はいつこの瞳を失ったのだろうか
幼い頃は持っていたはずなのに
濁った瞳は経験の証なのだろうか
経験を積み重ねてきた者にしか得られないものなのだろうか
もっと濁れ、派手に濁れ
どんな色も全て混ぜていけば黒になるんだから
『澄んだ瞳』
「おや、またやらかしてしまいました」
目の前の白い子犬を見つめる魔術師。
子犬の正体はなんと
執事のセバスチャンだった。
「魔術師!一体どういうことですの?」
「変身魔法を試していたのですが、どうやら
力の加減を誤ってしまったようです」
悪役令嬢は小さくなった
セバスチャンを優しく抱き上げた。
「セバスチャン、大丈夫ですか?」悪役令嬢が
心配そうに尋ねると、セバスチャンは
小さな尻尾を振って「くぅん」と鳴く。
「効果は半日から長くても三日ほど続くと思わ
れます。その間、彼の面倒をお願いしますね」
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穏やかな昼下がり、蝶やミツバチが飛び交う
庭園で悪役令嬢と仔狼セバスチャンは
追いかけっこや水遊びをして戯れていた。
「子どもの頃は今と瞳の色が違うのですね」
ダークブルーの澄んだ瞳を持つあどけない子犬
が、金色の瞳をした立派な狼に成長するの
だから実に不思議なものだ。
悪役令嬢が「あおーん!」と遠吠えをすると、
彼女に続いて小さなセバスチャンも口の形を
Aにして「アオーン!アオーン!」と鳴いた。
(嗚呼、なんて愛らしいのでしょう……)
「お嬢様、その子はどうしたのですか?」
「知人から預かって欲しいと頼まれましたの。
名前は……セバ太郎ですわ」
「なるほど!セバ太郎さん、
お腹は空いていませんか?」
ベッキーは小さな茶碗にミルクを注ぎ、
子犬の前に置いた。すると上品に、
しかし少し不器用にミルクを飲み始める。
「あ、飲んでます!かわいい……」
「あら、口の周りが汚れてますわね」
子犬の可愛さにうっとりするベッキーと、
ハンカチで子犬の口元を拭う悪役令嬢。
夜になり、悪役令嬢は自室のベッドに
セバスチャンを招き入れた。
「今宵は特別ですわ。一緒に寝ましょう」
悪役令嬢はセバスチャンを抱き上げ、寝具に
潜り込む。小さくなったセバスチャンは、
彼女の胸元に収まるようにして丸くなった。
「おやすみなさい、セバスチャン」
セバスチャンは小さく「くぅん」と鳴き、
彼女の手を舐める。その仕草に悪役令嬢は
微笑み、彼を抱きしめたまま眠りについた。
翌朝、悪役令嬢が目を覚ますと、
ベッドの上には元の姿に戻った
セバスチャンが横たわっていた。
「おはようございます、主」
「まあ、セバスチャン。元に戻れたのですね」
ホッとする反面、もう少しだけ子犬の
セバスチャンと過ごしたかった悪役令嬢。
何はともあれ、子犬騒動は無事
収束したのであった。
澄んだ瞳
この街を歩けば不意に思い出す
瞳が澄んでいた頃のこと
思い出す無邪気に笑う君の顔
僕とは違う澄んだ瞳で
君のその澄んだ瞳の危うさが
懐かしくって濁らせたくて
『澄んだ瞳』
僕は、君の目を見た
なんとなく、空を見上げた。
なんとなく、海を見つめた。
なんとなく、太陽を見た。
なんとなく、地面を見た。
そしてなんとなく、正面を見つめた。
そこにあるはずのものが無かった。
空みたいな、海みたいな。
太陽みたいな、地面みたいな。
そんな美しい世界みたいな、
君の、瞳。
何よりも澄んだ瞳。
君の、綺麗な二つの眼。
その目に映る、すべてのものは
いついかなるときも美しく。
君自身を映し出している様で。
澄んだ瞳
この世の悪や穢れを何も知らず
ただ懸命に生き
こちらを見つめる
生まれたばかりの宝物
その瞳がいつまでも澄んでいることを
ただただ願う
澄んだ瞳
人間の瞳って本当に綺麗だ。
陽の光が入る窓辺で、鏡の中の自分を覗いたとき、
気づいた。
普段瞳に注目してじっくり観察するなんてこと
ないんだけど、その日はパーソナルカラー診断をしていたから、瞳の色の判別をするために観察していた。
瞳をよーく見てみると、真ん中は真っ黒だけど、その周りは茶色だった。
茶色の部分には黒いところを中心として、
花火が飛び散るときのように焦げ茶の模様がたくさんあった。
点というには長くて、線と言うには短い模様がたくさんあった。
人間の瞳ってガラス玉みたいだけど、ガラス玉とはまた違う。
でも、透き通っていて、綺麗なのは変わらない。
日の光が瞳を透き通らせている。
本当に綺麗だ。
人間の瞳って、本当に綺麗だ。
透き通っていて、思わず吸い込まれるような、
不思議な魅力がある。
普通に生活してて自分の瞳をじっくり見てみることなんてほとんどないだろうから、
皆一度自分の瞳を覗いてみてほしい。
きっとすごく綺麗だから。
たぶん、
誰もが
初めは『澄んだ瞳』
なのだろう
それが、
いつの間にか、自然と
大人の階段を昇るにつれ
そうでなくなってくる
車のヘッドライトの様に
生活の中でくすんで
くるのだ
単純に悪いことではない
が、せめて、
子供たちの
『澄んだ瞳』の価値を
理解できる
大人でいたい
まー
飼い犬のムギの散歩時間になったので、ぽつぽつと家がある田舎町を散歩しているとたまたま公園前を通れば、公園の中から犬の姿を見た男の子が走ってきた。
「え、」
「ねえ!この子名前なんて言うの?!すごい可愛いなあ」
おまえ、おまえは 「なんでおまえ、なんで」
「? どうしたの?」
駆けてきた少年は10年前、交通事故により命を落とした幼なじみの姿だった。他人の空似なんかじゃ済まないぐらい、消えた記憶から声すら思い出し、酷似しすぎている目の前の少年に嬉しさよりも恐怖を感じた。
少年は、特に何気もなく、純粋な瞳で笑みを浮かべている。
まだ蒸し暑い夏の夕方にも関わらず、全身から汗が止まらずリードを持つ手が震える。
足元に座り込んだムギが、動かないことを不思議に思ったのか僕の顔を澄んだ瞳で見ていた。
死んだ音の転調を取る幻。生き死にを誤認した目、死んだという錯視と生きているオカルトの幻を未詳のものに加工して冷や汗を流し泥を啜る。鼓膜を破る過呼吸と性感が全身を痙攣させ血液が滞留する。手指の痺れと目の霞は引き返さない。嘔吐と怒声は凝固する。瀉血を吐瀉に変化し未詳細へ化学反応させる。球状の四角形をした球形は中心点の無形の正形、天頂は全方十字の交差点に取り、矛盾しない矛盾をまとめて濾過しようと試みる。シミュレーションの透過すべきが澄んでいるならば瞳の姿は必要ないと信奉する。
澄んだ瞳
あの日、初めて会った君は、
とても澄んだ瞳をしていた。
人に裏切られて、騙されて、
社会から弾き出され、
誰かを頼る事も出来ず、
独りで生きてきた君。
人間としての最低限度の生活さえ、
出来ていなかったのだろう。
痩せ細り汚れ切った身体に、ボロボロの衣服。
君は、目を覆いたくなる程に、
見窄らしい姿をしていた。
それでも。
君の瞳の奥は…何処までも澄んでいたんだ。
こんな私が、
君にしてあげられる事は、
僅かかも知れない。
それでも。
こんなにも穢れ切って、
余りに醜い世の中で、
その澄んだ瞳が、汚れない様に。
その澄んだ瞳が、傷付かない様に。
その澄んだ瞳が、涙を零し続けない様に。
…そして、その澄んだ瞳を、
自らの意思で、
永遠に閉じてしまわない様に。
私が、君を護るよ。
まっすぐと僕を捉えた澄んだ瞳(め)に
居心地悪くなったのが嫌
ラムネのビー玉をかざす。
地球がぐるっと映る。
空とか、海とか、草木とか、あらゆる生き物とか
そんな風にわたしの目も地球を取り込んでいるだろう。
あなたからこのほしはどう見えていますか?
あなたの水晶体を貸してください。
言葉がきっとそれになるから。
「澄んだ瞳」
失恋をした時、
悔しかったり、恥ずかしかったりした時、
飼っていたハムスターが死んだ時、
初めての一人だけの夜が寂しかった時、
いろんな場面で私は泣いた。
真っ赤な空がやけに綺麗な帰り道で、
孤独を求めて迷い込んだ路地裏で、
空の冷たいケースをギュッと抱いた墓の前で、
静寂が耳元で叫んでいた真っ黒な部屋で、
いろんな場所で私は泣いた。
泣いたあと、瞳に映る景色はいつも以上に綺麗で、
いつも以上に悲しくて、だから優しさに気付けて。
ああ、これがそうなのかなって。
ふわふわのかみのけ
まっしろのはだ
ないて ないて
わらって わらって
私が守るよ
その【澄んだ瞳】にこれから映る全て
彼女の澄んだ瞳の奥には、
眩い光が私には見えた。
負けないという気持ちや諦めない気持ちがその瞳に宿っていた。
ガラス張りの檻の向こうには、青空が見えている。
虎やライオンがいる、ここ猛獣コーナーはこの動物園の人気スポットで、平日でも人が絶えない。
まぁ、オレには平日も休日も無いのだが。
「かわいい〜」
組んだ足の先を見ていたオレは顔を上げ、声がした方に視線を向ける。
あぁ、あいつか。
注目を集めているのは、つい最近この動物園に来たばかりのホワイトタイガーだった。
ホワイトタイガーはガラスの前に張り付いて、前足でガラスを掻いている。
「かわいい〜」
「肉球触りた〜い」
はっ。
思わず失笑が漏れた。
どんなに可愛く見えたって、ホワイトタイガーは肉食で、お前らみたいな細腕でねじ伏せられる猫とは違うんだよ。
「ずっとこっち見てるよ」
「目が綺麗だね〜」
目が綺麗ねぇ。
それは、まだ動物園に入ったばかりだからだ。
2〜3ヶ月もすれば野生を忘れ、餌を与えられることが当たり前になるだろう。
そうなったらもう、瞳が輝くことは無い。
澄んだ瞳で見つめるのは、お前らを獲物として認識している証拠だよ。
「見て!ライオンさんだよ」
ホワイトタイガーに向けていた目を正面に向けた。
こちとらとっくに野生を忘れ、濁り切っているであろう目を。
「あ!ほら、こっち見てるよ。バイバーイってしてあげて」
母親らしき人間が、まだ言葉も話さないような子供の腕を取って振っている。
左右に揺れる子供の腕は、白くて柔らかそうで実に美味そうだ。
子供はじっとこちらを見ている。
その瞳の、何と澄んでいることか。
もしや、オレを獲物と認識して…?
思わず、ソワソワと前足を組み替える。
ゴクリ、と喉が鳴った。
終わり
澄んだ瞳のその先には
夢のような美しく、素晴らしい世界が広がっていた。
まるで、理想郷(ユートピア)のように
青空みたいな、綺麗に澄んでるあんたの瞳。
その目が好きだった。
_澄んだ瞳