『澄んだ瞳』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
僕は猫の目ってすごくきれいだと思うな
瞳孔の大きさ云々とか虹彩の色とかじゃなくて、透明なところがね、ビー玉みたいですごくきれいで、ついじっとのぞき込んじゃう
猫ってあんまりまばたきしないんだよ
犬もそうかな
まばたきが多いのは人間だけかも
動物より目を酷使してるからかな
そこの君、スマホ見すぎじゃない?
「澄んだ瞳」
私の周りの人達はどこかしらに芯がある人が多い。自分を偽らずに振舞っているというのだろうか。いずれにせよ、好感とともにどこか劣等感を感じてしまう自分がいる。その澄んだ瞳で見つめられると。
「ちゃんと目ぇ見て話せよ」
怪訝そうに眉をひそめるきみ。
そんな澄んだ瞳で見つめられると僕の汚い腹の中が全て見透かされてるような気がして、変に気恥ずかしく、申し訳なくなってしまう。
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澄んだ瞳
そんなイノセントな目で見るな!
僕はある女の子に恋をしている。
その女の子は明るく、元気で、いつも真剣だ。
僕はその女の子の真剣な眼差しに恋をしたのかもしれない。
その目を見ていると飲み込まれていくような輝きがある。
しかし、辛いことがあるとその目の輝きが失ってしまう。
僕はその女の子の輝きが失われないように支えていきたいと心から思う。
#39【澄んだ瞳】
澄んだ瞳で見ないで
やっぱりこのまま逸らさないで
そんな繰り返し
それが私たちの関係
「いやッ やめてくれェッ 許してくださいィィッッ う゛ ウアァァァァッッッ」
清楚系が好きなヘンタイおじさんには、澄んだ瞳でイチコロよ。
曇りなき眼とか言うけど、曇りきった瞳でも人は騙せるんだなぁ。
あーあ、この仕事も飽きてきた。
*澄んだ瞳*
いやいやいや、サイコパス???澄んだ瞳でなんでコレができるんですか。
あと、叫び声下手すぎますって。なんかJK ぐらいの子が暗殺やってるイメージなのに……最近の子(?)はイチコロなんぞ使うのか??オチも適当すぎますって。もうちょい頑張れ、自分。突っ込みどころ満載だね☆
お題:澄んだ瞳
君の瞳は夜空に広がる満天な星空見たいに澄んだ瞳だった。
その瞳はとてつもなく綺麗で
とてつもなく輝いていた
私はその瞳から目が離せなかった
だから私は君の瞳を奪った
奪ったって言い方は悪いけど…ね
君は最期やめてくれと泣き喚いていた
君の瞳からも邪心のない綺麗な涙が溢れ出ていた
早く私だけのものにしたくて
君を殺し、満天な星空の下で
丁寧に丁重にその瞳を取り出した
光の無い瞳は少し綺麗ではなくなったけれど
それもまた良かった
「これで25個目」
これからも私は邪心のない澄んだ瞳を手に入れていく。
純粋で澄んだその瞳の中に、わたしがいる。
初めて顔合わせた時の喜びは一生忘れないし、出会えたことも私にとっても大切な思い出。
甥姪たちからは「どうして、耳が聞こえないの?」
そんな疑問がわくようになった頃には、何度も何度もそうして聞かれた。
昔から会ってる子には「ねぇねぇ、子どもはいないの?」と聞かれた時は、その子の母親と目を合わせては苦笑した。
「この子がそんなこと言うの初めてで、私もビックリしたわ…」
もし、この場に私の子どもがいたなら、きっと遊び相手になってくれただろう。
どの子も、目を合わせるたびに、私の大好きな気持ちが相手に伝わっているといいな。
あなたは愛されている。みんなにも愛されている。
「自分は愛されている」ということに揺るがない、その澄んだ瞳が私は大好きだ。
私の大好きな子ども達の人生が、これから先も幸多く充実としたものでありますように。
あわよくば、澄んだその瞳もいつまでも忘れないでいて欲しいと願う。
色々な事を体験し、たくさんのことを吸収して、そしてどのような人間に育つのか。
これからが楽しみだ。
澄んだ瞳で、貴方は、急に話し出す…「なぁ、俺ら、だいぶ長いし、そろそろ結婚しないか?」と、夜景の綺麗なレストランで、貴方は、私にそう告げる。少し急な話に、戸惑う私…すると、貴方は、ポケットから何かを取り出した…まるで、私が信じてないのを悟ったように、貴方は、結婚指輪を膝まづいて、渡して来た。「もし、良かったら俺と結婚して下さい!」と。私は、嬉し過ぎて、死にそうだった…貴方のいつもなら、真っ直ぐな瞳が、それに足して、澄んだ瞳だったから…もちろん、私の答えは…「はい!喜んで!」なーんて…貴方との未来をよく想像する様になった私…それは、きっと、生まれて初めて、未来まで、描けたからだね💕︎そして、永遠に貴方が私の隣にいてくれるって言う安心感を覚えたからだね。今日で付き合って半年💕今日も、貴方への好きが増し、貴方への好きが溢れた一日だったよ♡ 今日の川越デートも、凄く楽しかったよ♡いつもありがとう♡改めてこれからも末永く宜しくね💕︎
長らくこの仕事をやっていると
毎日が何も変わらないように感じてくる。
スンダヒトミノコ がはいってきた。
頭脳明晰容姿端麗にして、周りの雰囲気を変えた
バイト1日目のことだった。
嫌いなものはいない、惚れない者はいなかった。
スンダヒトミハマリョクヲヒメテイル。
純潔と美しさと鋭さそして不思議なその宝石は
どんな能力をもち何を秘めているのか。
アヤシサヲトジコメタスンダヒトミノコ。
『澄んだ瞳』
人の目を、見れなくなったのは
「見透かされてるみたい。」
「カラコン?」
と、言われ
「なんで、いつもヘラヘラしてるの?」
と…
「なんで、睨むの?」
が…
どっち?…
だから、人の靴と、話す声、空気感で分かる様に
なり。
鏡で、自分の瞳を見ると
茶色い。
片目だけが、茶色い、瞳。
幼い我が子の瞳は
美しく
陽射しにあたると、ピュアな美しさが輝いている。
両目ともに、美しい
澄んだ瞳だ。
澄んだ瞳
叶「君(葛葉)のその真っ赤な澄んだ瞳からはどんな世界が見えてるのかな?とってもきれい?全部が眩しく見える?汚いものは見えてる?僕ね君の濡れてる澄んだ瞳が大好きなんだぁ♡君の瞳ならどんな瞳でもいい、けど特にその瞳が好き
潤んでてどの宝石より輝いてる!
汚したらどうなるんだろう見える世界は変わるのかな?真っ黒になって戻れなくなって澄んでいた頃は忘れてしまい僕と一緒に堕ちていく♡」
叶「あっ葛葉ー!」
澄んだ瞳。
いつもクソ長いけどよく読むなぁ、と思ったり。あとどうしても地の文から人物から男性ばかりなのでそこが課題。無意識。頑張ろうぜ本当に。
こういうお題大好きの助太郎(16)
「綺麗な目」
「いやそりゃカラコン入れてるから」
なんと的外れな。
そうじゃない、と言いかけてやっぱりやめた。今そう言ったこちらが悪い。きっと、いつか分かる。
シャワシャワと鳴く何か、ミンミンと命を削るセミたち。夏真っ盛りの真昼間。家を出る際に天気予報士は記録的な猛暑なのだと、聞き飽きたことを言っていた。
たまたま置いてあった自販機で買ったアイスもすぐに垂れて原型を留めなくなってくる。それなりのお値段なのになんて勿体ないと思うが、最早丸呑みするしかお値段通りに平らげる方法は無い。大きく一口、それを見た彼も躊躇無く残りを口に入れた。いつもの光景だった。
「やっぱ何か着けた方が」
「いいよ金の無駄。それよか誕プレに振った方がいいって」
「そう、いいならいいんだけど」
こっちが困るんだけどなぁと思いつつ、徐にスマホを取り出して時間を確認した。趣のあるお土産屋の通りにあーでもないこーでもないと難色を示すもう一人が言っていた通り、もうすっかり昼時を過ぎている。早めの昼ごはんをお互い済ましてきたので腹具合的には申し分ないが、観光地と名高いここにしては、この時間帯だと人が少ないように感じる。
「だって今日祭りやってんだもん。そっちに人吸われること見越して今日だから」
「……なるほど?」
やけに落ち着いている彼は良いお店を見つけたのかそちらに吸い寄せられていく。何も言わず。なんとなくいつも姿を追っているのですぐ俺も着いて行った。
硝子。とんぼ玉。切り絵。そういうお店。
ははぁと声を出す俺に彼は睨みを利かせ、冷房の効いた店内へと足を運んだ。今日は夏生まれの共通の友人への贈り物を探しに遠出していた。彼女は女性だから何を贈ればいいかも分からず、この前三人でここに来た際店内を見て回っていたことを思い出したのだろう。伝統だかなんだか知らないが、彼女は性格によらず綺麗なものが好きだった。
好き勝手見て回る彼に着いていく理由もそこまで無い。何か良い物が見つかるかもと思い俺も歩いてみる。
硝子細工にとんぼ玉で作ったパターナイフ、栞、ブローチ。切り絵になると今で言うタペストリーのような物からまた栞、ブローチまで様々だった。だがそうなると折角重くしてきた財布も軽くなりそうな恐ろしい値段になってくる。バイトはしているとはいえ一学生には到底手の届かぬ値段ばかりだ。
何かお探しですか? と女性の店員さんが声をかけてきたので軽く応対しつつ、全て見回った後またとんぼ玉のコーナーに戻った。
ふと、目に留まる物が一つ。
やけに安い商品が並んでいる。
その理由は一目瞭然で、他のとんぼ玉より色が分かりにくく小さく、そして金属製の指輪にひっそりと埋まっていた。他のとんぼ玉に比べれば小さいというだけであり、俺からすれば充分大きい指輪だ。隣にもうひとつあったようだが既に誰かに買われたのか空間しかない。それを手に取り、日向へと持っていて光に当ててみると綺麗な青がそこにあった。
何処が粗末品なのか、心を奪われるくらいには澄んでいるのに。
普段滅多にアクセサリーは着けない人間ではあるものの、なんだかとても好いてしまっては自分の物にしてしまうことにした。
連れの方を見やると丁度会計をしているところだった。急いでサッともう一周し、結局誕生日プレゼントには深い橙色のコップを買うことにした。きちんと硝子できちんとそれなりにする。彼がレジを済ませて店から出た後、俺もレジに並ぶ。
会計を担当してくれた人が突然笑みを零したものなので途中俺が首を捻ると、彼女はこんなことを言った。
「あぁ、ごめんなさい。さっきの青い目の方、お友達ですよね。仲が良いなと思いまして」
「……どうしてです?」
「実はこの指輪の他にもう一つ、黒いとんぼ玉の指輪があったんです。……まぁただの偶然だとは思うんですが。きっと戯言なんでお気になさらず」
ごめんなさいね、ともう一度謝った後、丁寧に梱包された物が入った袋を手渡してくれた。礼を言い外に出る。その意味は分からなかったけれど、仲が良いと言われ悪い気はしなかった。
「ごめん待った?」
「結構待った」
「ごめんて」
二人で軽く笑いつつ近くで飲み物を買い、二人で帰路に着いた。
何を買ったかはお互い言わなかった。俺にとっては指輪を買ったことがバレないので好都合だった。ミルクティーで喉を潤し定期を使う。軽快な音と共に改札を通り、彼のことを待った。彼はいつも電車を使わないので毎度お金を払わなければいけない。
彼の瞳は澄んでいる。わざわざカラーコンタクトなど使わずとも、ずっと綺麗だ。
恋愛感情など持っていないのだけれど、誕生日プレゼントを贈るもう一人も含めてかなり距離が近いのでそんな気持ち悪いことを思っても許される節はある。それに救われている。元々彼の裸眼は色彩が薄いのかして光には弱いが、その分周りのものを綺麗に映し出していた。
俺が青が好きなのは瞳に映る空が堪らなく綺麗だからで、夏が好きなのは空が綺麗だからだ。後輩たちや大人数でわちゃわちゃ遊ぶ際は人もそこに映る。分かりやすく楽しんでいるからこちらまで楽しく感じる。表現こそ気持ち悪いけれど、それだけの話だった。
また軽快な音が鳴る。
やっとかと言わんばかりに小走りに近づく彼に俺は苦笑しつつ後ろを指さした。
「すまん待たせた」
「俺はいいけど後ろの人待たせちゃ迷惑だよ」
派手な音を鳴らす改札機から飛び出た乗車券と、こちらを見て同じく苦笑する駅員さん。「あ」と声を出してまた駆けていく彼を横目に、保護者らしく駅員さんに軽く頭を下げた。後ろに待っていた老夫婦にも、一礼。
顔を赤らめて戻ってくる彼にまた笑みが零れる。
「おかえり。らしくないね」
俺の乗る電車と彼の乗る電車は違う。彼の乗る電車は一時間に二本走れば良い方だから、きっと焦ったのかもしれない。一番線乗り場はここで、俺の乗る路線はそれなりに本数はあるから待っているのに、彼は酷く安堵した様子だった。
瞳の奥には変に色付いた彼の親友。
「アイツに言ったら殺す」
「それ言っちゃあ言ってくれって言ってるようなもんだよ」
一番線乗り場に列車がやってきます。黄色い線の内側に……とアナウンス。
途端彼が焦ったように今日買った袋の中身を漁り始めた。なるほど何か渡したい物があるのかと近くまで近づいて待つ。
「これ」
案の定手渡されたソレは、何処か見覚えのある、見覚えしかない物だった。正確には初めましてだけれどそんなこと最早どうでもいい。息が漏れる。
「誕プレ」
電車がうるさくホームに停止し、聴き慣れた音と共に重いドアが開く。
「お前の好きな青もあったけどこっちの方が似合ってるから」
それじゃあ、と電車に乗る人々に紛れようとした彼を大声で止め、大急ぎで袋の中から取り出した小さいソレを思いっきり投げる。
落とす直前にソレを受け取った彼は一瞬戸惑ったものの、再度響いたアナウンスに気を取られ電車に乗り込んだ。その瞬間ドアが閉まって、ゆっくりと唸りをあげ始める。
仕方ない。照れ隠しにくれてやろう。
名目が無くても貰ってあげたものなのだけれど。冬生まれなのに誕プレだなんて、これまた弄りがいがある。
電車が見えなくなるまでぼおっと見送った後、四番線乗り場まで移動して俺も電車に乗り込んだ。
適当な場所に腰掛けてその透けた袋の中身を取り出してみる。
黒いとんぼ玉の指輪。
レジの人が言った意味が何となく分かってしまった気がした。
後輩に言えばきっと悪気無く煽るだろうけど、それは可哀想なのでやめておくとして。というかそれはこちらにもダメージが来るので。
これとは別に後輩を含めた六人分適当に何か見繕うかと考えつつ、そっと人差し指にその指輪をはめてみた。
本人とは大違いに、びっくりするくらいにこれは澄んでいる。綺麗だ。
お互い安いとはいえ衝動買いするくらいには大切なのだろうか、とふと考え、嬉しくなる。関係が続こうが続かまいが、モノさえあれば思い出は遺る。それを狙っていたこちらからすれば不幸中の幸いだった。
めでたい彼女には伝えてあるが、間抜けな彼にはまだ、というか伝える気は微塵も無かったから。
暫くして俺が乗っている電車もアナウンスと同時にがたんと揺れが襲い、やがて駅を抜け出した。
澄んで汚れてなどいないから怒るんだろうな。
外から鯨の咆哮が聞こえ、びゅうと突風が吹く。
指輪を今一度優しく撫でた後、静かに目を伏せた。
【澄んだ瞳】
夜空を眺めながら散歩をするのが、俺の今の日課になりつつある。
用がある訳でもなければ、夜遊びにも興味はない。ただひんやりとした夜気が、勉強漬けの頭をスッキリさせてくれるのが好きだった。ベランダや庭に出るのではなく、歩かないと駄目だ。
最近は自宅から県立高校までのコースが気に入っていて、雨の日以外は毎日の様に歩いている。
特に高校の裏手にある小さな公園が良い。
夜桜ならぬ夜藤とでも表現すべきか、闇に浮かぶ透ける様な薄紫色が綺麗で、丁度今が盛りだった。
今夜も俺は公園へ向かう。この日は満月で、月の光を浴びて藤の花もより綺麗だろうと、気分が良かった。公園に着き、藤棚の下にあるベンチへ行こうとした俺の視界の隅で、動く人影があった。
何となく息を潜めて見守っていると、藤棚の前で影が止まる。
どうやら女のようだ。
年は恐らく俺と同じ高校生位。藤の花をずっと見詰めている。
人影はふと俺の方を振り返り―――眼が、合った。
降り注ぐ月光に、色素の薄い外国人女優の様な美しく繊細な顔が照らし出されている。彼女のその顔に軽い驚きの表情が浮かび、瞬く間にそれは含みのある微笑みに変わった。
俺は引き寄せられる様にゆっくりと、彼女の方へと歩いて行く。
彼女もまた、この藤に誘われて来たのかも知れないと、不思議な仲間意識の様な感情が湧いてきていた。
「夜ここに来るのは初めてだけど……綺麗ね」
「ああ」
表情には出さないが、基本的に女子と話をする事が苦手だった俺は、一言だけで短く同意した。
しばらくは二人して無言で花を見上げていたが、少ししてまた彼女は俺に話し掛けてくる。
「偶然?」
「……何が」
「こうして夜、ここの藤を見る事よ。私みたいに偶然見付けたの? それとも、いつも来てるの?」
「最近は良く来てるけど」
あまり話し掛けられるとボロが出る。動揺がバレるのは嫌だった。
「花が終わるまでの少しの間、私も来ようかなぁ……構わない?」
「別に俺の藤じゃないし、好きにすればいい」
「じゃ、そうする。貴方も来るでしょ?」
「さあな」
素っ気なく言うと、彼女は口許だけで笑った。
「――もうすぐ日付が変わるぜ。帰った方が良いんじゃねえの」
一瞬、彼女が淋し気な表情をしたように見えたが、気のせいだったらしい。彼女はすぐに頷き、小さく呟いた。
「うん。じゃあね」
「お休み」
この日から、俺の中で彼女は特別な存在になった。だがこの時点で恋心を抱いていたのかと言われると、少し違う気もする。
翌日もその翌日も、22時前に彼女は現れた。
示し合わせていた訳でもないので、会う確率はそう高くないと思っていた。
けど俺は、自分が心の奥で彼女を待っているのを自覚していたし、このデートめいた深夜の散歩が楽しく心地良い時間だったのだ。
「……また来たのか」
「来たよ」
お互いの姿を見付けると、俺達は軽口をたたき合い笑った。
「アンタ、高校生?」
「うん。一応ね」
何年生なのか、彼女は自分からは言おうとしなかった。大人びて見えるから、3年生だろうか。
「俺2年だけど、アンタは?」
「え! 2年なの? 先輩だったんだ」
「1年!?」
「うん」
まさか年下だったとは、俺も考えなかった。
大人びて見えるのは、表情や纏う空気が虚ろで淋し気だからだと気付いた。多分そのうっすらとした翳りに、俺は惹かれていた気がする。
「……もうすぐ、花も終わっちゃうね」
「そうだな」
事実、もう半分以上藤の花は散っていた。
花が終われば、俺と彼女はまた別々の日常へ戻って行く。それで良いような、淋しいような不思議な気分だ。
彼女もそう思っているのか、ただ一言、忘れないでと呟いた。
「そのうち、バッタリ会うかもな」
いつの間にか、彼女の眼にはうっすらと涙がゆらめいていた。
「そっか……じゃあ、さよならは言わない事にしようか」
そう言うと、彼女は何か振っ切れたような、澄んだ瞳で俺を見詰めた。
「元気でね」
「アンタも」
俺は彼女に背を向けて歩き出す。
そのまま振り向かない方が格好良いよな、と思いつつ結局俺はすぐに振り向いてしまった。
「な……!?」
走り去った気配も無かったのに、彼女は跡形も無く消えている。
いくら何でも不自然な早さで消えたのだ。
急にこの数日間が、全て夢か幻だったかの様な、奇妙な不安に苛まれた。
「何だ……何なんだアイツ」
その後数日して、一度だけ昼間にあの公園の前を通る機会があった。
夜に来ていた頃は気付かなかったけれど、事故でもあったのか、入口に花束やらマスコットやら、後はかなり色褪せたぬいぐるみも置いてある。
ふとその枯れかけた花束の中の一つにメッセージカードが付いているのに気付いた。
そして、そのメッセージを囲うように大量に貼られていたプリクラに眼を見張る。そこに写る全てに彼女の姿があった。
「これは……」
後ろから頭を殴られたような、なんて比喩表現があるけれど。
俺は今正に、それを身を以て体験したのだ。
「嘘だろ……じゃあ、俺と会っていたアイツは―――」
幽霊だったとでも言うのか。
忘れないで、と呟いた声が脳裏に蘇る。
俺は幽霊とか、オカルトとか信じてる訳じゃない。それでもあの日々や、彼女の事は否定したくない。
けれど空を仰いでも、公園を覗いても、もう彼女の気配はない。
存在した証さえ、俺にはもう見出だせないのだ。
老人の笛の音が空に響き渡ると
龍が現れた
大地に降り立った龍の大きさに
びっくりしたものの
私を捉えたその瞳は
私の心に静けさをもたらした
〜澄んだ瞳〜
龍というのは
エネルギー体だと聞いた
富士山にいる龍
この存在には
縁を感じる
感じる
なんだかそう思う
その感覚は
僕たちの羅針盤
澄んだ瞳。
実家の猫。
散歩をしている犬。
近所の公園で遊ぶ子供たち。
推しの話をしている時の友人。
大好きなモータースポーツを見ている時のあなた。
大好きなアーティストのライブを聴いて感激するわたし。
濁った瞳。
仕事のトラブルに忙殺されてやるべき仕事も出来ず
ミスを連発し、毎日会社に行くのが憂鬱だった時のわたし。
…………。
感情の違いはあまりにも明確。
ずっと澄んだ瞳のままでいたい。
たるんだ皮膚に濃いクマ。
やつれたその顔ににごった瞳が2つ。
そこには天国が映っていた。天使は可愛らしく微笑み
雲はふわふわと誰かを待ち望んでいた。
かと思えば、そこには地獄が映っていた。
閻魔はニタリと気味悪く笑い、グツグツと音を立てたマグマの鍋はそれもまた、誰かを待ち望んでいた。
散らかった部屋に君と2人。
狭くて汚くておまけに雨漏りも酷い。
そんな部屋が澄んだ瞳に映っていた。
澄んだ瞳
自然と出た涙はそのまま流してしまえばいい
そうすれば雨上がりの空みたいに、心から澄んだ綺麗な瞳になるだろう