『澄んだ瞳』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
あの子の目は左右色が違うからってみんな仲間はずれにする。
大人も気味が悪いと言って近寄らない。
でもぼくはあの子の目がすごく好きだ。
左目はぼくたちと同じ色で
右目は真っ白で何ものにも染まらない孤高で澄んだ瞳をしている。
すごく、綺麗だなあ。
#澄んだ瞳
『澄んだ瞳』
君の、その澄んだ瞳には何が見える?
絵に書いたような世界か、あるいは、正義を謳う英雄が
世間という名の偽善者に潰される世界か。
嵐が来ようとも
「嵐が来ようとも絶対俺はずっと、りいの隣にいるから。
世界中のみんながりいの敵だとしても俺はずっとお前の味方だ。愛してる。だから俺を信じて付き合わないか?」
高校2年の夏、彼氏に振られて1人で泣いていた私に彼は真剣な顔をしてそう言った。
そんな告白が今の弱ってる心には痛いほどに響いた。
私は必死に涙をぬぐいながら笑顔を作って
「ありがとう。」
そういって、彼の言葉に頷き彼の手をとった。
ーそれから3年後ー
「あゆくん!大丈夫!?
怪我して救急車で運ばれてびっくりしたよ。
痛いところない?多分入院だよね!
なんでも言ってね。なんでも持ってくるし今度は私があゆくんを支えるからね?ていうか、ほんと無事で良かったよ〜」
3年前あゆくんは傷ついた私に『ずっとお前の味方だ。愛してる。』と言ってくれた。今までずっと一緒にいてくれたあゆくんには感謝の気持ちでいっぱいだ。
今はお互い大学生で、大学を卒業したらしたら結婚してくれとも言われていた。
だから今度は私だ。あゆくんが怪我で辛くてもわたしが支えるんだ。
そう言う気持ちであゆくんに笑いかけた。
するとあゆくんは
「はっ?誰あんた?」
っ!?
あ、ゆくん?
あゆくんどうしたの?
あゆくんは学生の時私に告白してくれる前のような冷たい他人を見るような目つきをしていた。
「あ、ゆくん?誰あんたってりいだよ?
今までずっと一緒だったりいだよ?どうしたの?」
あゆくんの変わりように恐怖を抑えながら聞くと、
「あぁ、小川さん来てらっしゃったんですか。
今から大事な話をします。
ひとまずこちらへ。」
あゆくんから返事が来る前にお医者さんが来た。
「はい・・・・・・・・・・」
どういうこと?
あゆくんのあの目、私に学生の時告白してくれた前のようだった。あゆくんは私に告白してくれる前、中学生の時に女関係で酷い目にあったらしくて女嫌いだった。
ただただ混乱しているとお医者さん言いにくそうに話し出す。
「小川さん。
落ち着いて聞いてください。
松原あゆとさんは事故の際、頭を強く強打し、人間関係の家族以外のことの記憶を失くしてしまいました。日常生活には支障はありませんが、高校生になってからの交友関係などの記憶をなくしています。
しかし、中学生になるまでのことは覚えているようです。松原さんの頭の中ではおそらく自分が忘れてしまった人物は消え、自分の中で成り立つようになっていると思います。
脳に良くないため、無理に思いただせることは絶対に避けてください。」
う、そでしょ?
信じられない。あゆくんが私のことを忘れているなんて・・・・・・・・・・
そこからの先生の話は上手く頭に入ってこなかった。
話が終わりあゆくんのいる病室に向かう。
どんな顔してあゆくんと会えばいい?
あゆくんは私の出会ったことも高校生の時告白してくれたことも全部忘れてしまっているんだ。
あゆくんにもう一度あの敵意を込められた目で見られるなんて想像するだけでも辛かった。
行きたくない。
でも行かないと。
どんなに酷く接されたって私はあゆくんが好き。大好き。その思いはずっとこれからも変わらないんだ。
よし。行こう。どんなこと言われてもあゆくんと一緒にいるんだ。支えるんだ。
覚悟を決めて笑顔でノックをして中に入る。
「ちっ、女かよ。
入ってくんな。俺は女が大っ嫌いなんだ。
りいだかなんだか知らないけど出ていってくれ。
空間に女がいるだけでも迷惑なんだよ。」
っ!
入ってすぐ鋭く強い言葉の刃が飛んできた。
でも、ここであゆくんのいうことに従う訳には行かないんだ。
負けない。どんなことを言われても。
「ごめんね。私、小川りいっていうんだ。よろしくね。」
笑顔で言う。
「よろしくなんてしねえし。出てけよ」
睨みながらあゆくんは言ってきた。
やっぱり辛い。
「ごめんね。それはできない。私はあゆくんの側にいるからずっと。
見て!今日は天気だね!あゆくん退院したらまた走りに行けるね!」
あゆくんはすごく走るのが速くて走るのが好きなんだ。
だからいつも夕方は走るのが日課なの。
「っ!なんてお前がそれを知ってるんだよ。
てか、はやくか」
「好き、大好き」
あゆくんがおそらく「はやく帰れよ」と言おうとしたのを遮って言う。
あゆくんが私と少し打ち解けてきたらもう一度今のあゆくんに気持ちを伝えようと思ってたけど、どうしても気持ちが抑えきれなかった。
私に冷たいあゆくんを見てもその姿を見るだけで愛しいと言う気持ちが溢れるんだ。
「はっ?俺のことよく知らないくせに告白とかなんだよ。どうせお前も俺のこと外見だけ見て告ってんだろ?
女ってみんなそんなもんだもんな。
って、何泣いてんだよ。きもっ」
泣いて、る?
慌てて目元に手をやると涙で濡れていた。
あれっ?泣くつもりなかったんだけどな〜。
涙を頑張ってぬぐいながら必死に笑顔を作ってもう一度言う。
「ご、ごめん!
でもね。本当に好きなんだあゆくんのこと」
どんなに嫌いでも好きになってもらう。
それが私にできることなんだ。
あゆくんは私の顔を見て何を考えるような仕草をして荒い息を吐きながら頭を抑えた。
「はぁ、はぁ、痛い。」
「大丈夫!?」
そう言って背中をさすろうとした。
「触んなっ!」
あゆくんは顔をしかめながらもそう叫んだ。
「ほんとに1人にしてくれ!」
そう、だよね。
ごめんね。
「分かった。」
そう返事して病室を出た。
sideあゆと
「はぁー。
なんかドット疲れたな。何だよあの女」
まだ直らない頭の痛みを感じながら俺はため息をついた。
買い物行ってたらバイクにひかれて、病院送りきなるし、起きたら知らない女がいるし、その女は急に現れて告ってきて、しまいには泣いて帰って行った。
まだ出会って一日も経ってないのに告白なんて。どうせ、外見だけを見ての告白だろう。
うんざりだ。
俺は中学の時、女から裏切られて散々な目にあった。だから女なんて大っ嫌いだ。
しかも、女なんてやっぱりすぐ泣くしうざい。
なのに、りいって子のあの泣きながら無理して笑ってるような笑顔を見たら心が痛むのと同時に、頭が痛くなる。
なんかすごく悪いことをしたような。
あの子を傷つけてはいけないような。
そんな気がする。
今まで女に対して傷つけないようにとか考えたことなかったのに。
何でだよ。
ていうか、俺何を買いに買い物に行ったんだっけ?誰かに頼まれたような気がする。誰だ?
まぁ、いっか。
あの女のことなんて忘れよ。
sideりい
あんなに面と向かって拒否されたら流石にしんどい。
でも、仕方ないよね。あゆくんは私と過ごしたことすべて忘れてるんだもん。
こんぐらいで落ち込んでちゃダメだよね!
自分に気合いを入れて家への道のりを急いだ。
次の日
私はあゆくんの入院するための着替えなどを持って行きに病室に持って行こうとあゆくんの元へ向かっていた。
1ヶ月前にあゆくんとは同居し始めたんだ。
だからあゆくんの荷物は全部うちにある。
あゆくんは私と暮らしていたことも忘れているからびっくりして嫌がられなければいいな。
そう考えているとあゆくんの病室の前まで来ていた。
よしっ!今日も頑張るぞ!
コンコン
ノックするけど返事がない。
寝てるのかな?
でも荷物置かないといけないし。
どうしよ。まあ、さっと置くだけならいいか。
「失礼しまぁーす。」
恐る恐る中に入るとやっぱりあゆくんはねていた。
ふふ。
やっぱり可愛い寝顔。
あゆくんが記憶をなくす前は朝早く起きてこっそり寝顔を見てたな。
少しだけ寝顔に見惚れてしまう。
でも、すぐ我に返った。
いけない!早く荷物を整理しないと。
棚に荷物を整理していると
「りい。愛してる。」
えっ?
あゆくん思い出した?
慌ててあゆくんを見るけどあゆくんは目をつぶったままだった。
寝言か。
でも、やっぱり寝言でもあゆくんに名前を呼んでくれるなんて嬉しいな。
るんるん気分で整理を続けて5分が経った時
「ううーん。」
そんな声が聞こえてあゆくんの方を向くと
あゆくんは目を開けていた。
「わっ!?」
突然のことにびっくりして思わず小さく声が出てしまった。
「またお前かよ。人が寝てる間に。
次は何だよ!てか、俺の荷物勝手に触んな。」
昨日の冷たい目で見られて怖気づく。
「あぁ、ごめんなさい。体調大丈夫?」
昨日事故に遭ったばかりだからどっか痛いところないかな?
「別に。なぁ、お前は何で昨日も今日もここに来る?何で俺のことを知っている?」
それは・・・・・・・・・・・
言えない。言えないよ。
今のあゆくんには。
女嫌いなあなたに、私とあなたは付き合ってたんだよ。高校の時告白してくれて救われたんだよ。
なんて。
言えない。
だからただ私は愛を伝える事しかできないの。
「好き・・・だからだよ。愛してるから。」
目を真っ直ぐに見て言うと
「っ!何なんだよ!好き、愛してるって。
お前と会ったことも話した事もねーだろ!
俺の、俺の何を知ってんだよ!
どうせ、外見しか見てないんだろ?
お前も他のみんなと同じで!
俺は嫌いだ。あんたなんか知らねー」
あゆくんはそう吐き捨てて外を見る。
「だよねっ。あゆくんは何で急にって感じだよね。でもね、でも、外見なんかじゃないの!
本当に心の底から愛してるの。
あゆくんの中身が好きっ!
女嫌いで女の子には冷たいけど、優しさだってあることを知ってる。
友達思いのことも家族思いなことも全部知ってるの!私はその優しさに救われたの。あなたに救われた!だから私を信じて、私を知ってそれで私のことをあゆくんが好きになれたら付き合ってほしい。私はいつでも何日でもあゆくんの側にいる!だから、信じてっ!?」
堪えきれず涙が溢れた。
それを見てあゆくんはびっくりしたようにそれでいて泣きそうなりながらこっちを見て言った。
「分か、った。まだ何も知らないくせに嫌いなんて言って悪かった。
俺がお前に何をしてやって、こんなに思ってくれているのかはわからないけど、信じる。お前の名前を教えてくれ。」
っ!あゆくん・・・・・・・・・
嬉しい。やっぱりあゆくんはあゆくんだ。
記憶を失っても優しいあゆくんだ。
「私の名前は小川りい。
あゆくんと同じ大学生だよ?よろしくね!」
これからがスタートだ。
もう一度あゆくんと・・・・・・・・
sideあゆと
俺はりいがいなくなった病室で1人さっきのことを考えていた。
気持ちよく寝ていた時になんか音がして誰かいるのかと目を開けたらそこには昨日の女がいた。
またこいつかよ。今度は何をしにきたんだよ。
人の荷物触って。
そんなふうに思い睨むと女は慌てたように言った。
「あぁ、ごめんなさい。体調大丈夫?」
俺の体調を気遣うように聞いてきた。
別にお前から心配されたくねぇし。
勝手に人の部屋入って、来んなって言ったのに今日もまたきている俺の嫌がることをする女する女にはな。
昨日からこいつはなんで俺に構うんだ?
ガキの頃会ったりしたのか?
でも、だったら覚えているはずだし。
何でだよ。
「別に。なぁ、お前は何で昨日も今日もここに来る?何で俺のことを知っている?」
そう聞くと女は躊躇したように間を開けて答えた。
「好き・・・だからだよ。愛してるから。」
はぁ?またそれかよ。好きって、愛してるって俺達会った事ねえのになんてそんな薄っぺらい告白してくんだよ。
怒りがピークに達して怒りに身を任せて言葉を投げつける。
「っ!何なんだよ!好き、愛してるって。
お前と会ったことも話した事もねーだろ!
俺の、俺の何を知ってんだよ!
どうせ、外見しか見てないんだろ?
お前も他のみんなと同じで!
俺は嫌いだ。あんたなんか知らねー」
もう、ほんとにお前なんか大っ嫌いだ。
てかこんなに言ったらどうせ女は泣くんだろ?
酷いとか勝手に言って泣くんだろ?
でもそんなこと知ったこっちゃねー
最悪、女が泣き叫ぶのを覚悟しながら外を見ていると
「だよねっ。あゆくんは何で急にって感じだよね。でもね、でも、外見なんかじゃないの!
本当に心をあゆくんの心の中から愛してるの。
女嫌いで女の子には冷たいけど、優しさだってあることを知ってる。
友達思いのことも家族思いなことも全部知ってるの!私は優しさに救われたの。あなたに救われた!だから私を信じて、私を知ってそれで私のことをあゆくんが好きになれたら付き合ってほしい。私はいつでも何日でもあゆくんの側にいる!だから、信じてっ!?」
その女は泣かなかった。
今にも泣きそうになりながらも強く訴えてきた。それで俺は悟った。
こいつは別に外見で好きになってきた訳じゃないんだ。ただ、何で俺を好きなのかはわからないけど、ちゃんと俺の心を見てくれる。
じゃあ、俺は昨日と今日彼女を平然と傷つけていた。ただ純粋に俺を好きだと言う女の子に。
俺は最悪だった。
「分か、った。まだ何も知らないくせに嫌いなんて言って悪かった。
俺がお前に何をしてやって、こんなに思ってくれているのかはわからないけど、信じる。お前の名前を教えてくれ。」
この子を信じたいと思った。
俺に酷いことを言われてもただ本気で気持ちを伝えてくれる強くて真っ直ぐな子を。
「私の名前は小川りい。
あゆくんと同じ大学生だよ?よろしくね!」
りい・・・か。
なんか知ってる。
なんだ?この違和感。
初めてじゃない。この子の名前は。
知ってる。ずっと前から知ってる。
何だ?思い出せない。
りい?
君は俺と会ったことがあるのか?
その謎に包まれる答えは、りいがいなくなってしまったこの部屋ではどうしようもなかった。
sideりい
そしてあゆくんは無事退院し、それからはあゆくんと一緒に住んでいた家には一旦住むのをやめてお互い実家に戻った。
お母さんに今のあゆくんの現状を話したら心配されたけど、笑顔で受け入れてくれて実家に。そして、今は毎日あゆくんと会っている。
「あゆくん!お待たせ!」
今日もカフェで会う約束をしていた。
あゆくんは最初はぎこちなかったけどだんだん会っていると前のあゆくんに戻ってきた。
でもまだ完全に記憶をなくす前のあゆくんでは当たり前にない。
私と今のあゆくんの関係はまだ友達だから。
でも、少しずつでいいんだ。
少しずつ好きになってもらえればそれで幸せ。
「りい!来たか!りいの好きなカフェラテ頼んで置いたぞ?」
「うん。ありがとう!」
私はどんなあゆくんでも好きなんだ。
2人で何気ない話をして盛り上がる。
大学の先輩の愚痴とか、その日嬉しかったこととか。
そんなことを話していると、急にあゆくんが真剣な顔をして言ってきた。
「りい。今日一日空いてるか?
空いてたらちょっと出かけないか?」
どうしたんだろう?
「うん。空いてるよ?どこに行きたいの?」
「まぁ、ちょっとな。」
聞いてもあゆくんは答えを教えてくれなかった。
それからカフェをでて、あゆくんに連れられるままに足を運んだ。
連れてきてもらった先は海だった。
青い空に綺麗に澄んだ海。
綺麗・・・・・・・・・
海に見惚れていると
「りい。」
あゆくんが呼んだ。
ん?
「どうしたのあゆくん?」
「りい。りいのことを好きになった。
今まで待たせて悪かった。俺と付き合って欲しい。」
うそっ!?ゆ・・・めっ?
「ほんとに?」
信じられないと思いながらあゆくんに聞く。
「ああ、ほんとだ。
りいが好きだ。」
嬉しいっ!
あゆくんの2度目でも両思いになれたんだ。
「はぃ!ぜひお願いします!」
そう返事して微笑んだ。
そして2人で海を満喫してから帰り道を手を繋いで歩いた。
そして、あゆくんが信号を渡ろうとするところで突然止まった。
「った!痛い!はぁ、はぁ、はぁ、りいっ!」
えっ?あゆくん?
突然あゆくんが倒れた。
何で突然?
あ!ここ、あゆくんが事故に遭ったところだ!
だからこの場所を見て混乱したのかもしれない。
とにかくあゆくんを病院に連れて行かないと。
私は急いでタクシーを拾い病院に向かった。
緊急であゆくんことを事故の時見てくれた先生にしてもらえた。
「あの!あゆくんは大丈夫でしょうか。」
また、あゆくんに何かあったらどうしよう。
「大丈夫ですよ。体に異常はありません。
ただ、倒れた場所が事故の場所だったので何か記憶が重なり合って混乱してしまったのかもしれません。今日は泊まっていってください。
明日もう一度確認して、何も異常がなかったら
明日には帰れるでしょう。」
良かった〜。
その日私は安心してあゆくんの手を握りしめて眠りに堕ちた。
「ん。」
私は朝の5時頃に目が覚めてしまった。
あゆくんはまだ起きていなかった。
あゆくんが起きた時誰もいなかったら寂しいよね。
手を握ってあゆくんが起きるのを待っていると
「りい。」
あゆくんが目を覚ました。
「あゆくん。どう?体痛いとこない?」
水を渡しながらそう聞くと
「りい。俺、全部思い出した。」
えっ!思い出した?
全部?うそっ!
「ほんと?私と一緒に住んでたことも?
高校の時告白してくれたことも?全部?」
あゆくんは頷いた。
「うん、思い出した。
あの、あの、ごめん!りい!
俺、記憶をなくしてりいに会った時、酷いこと言ったよな。ほんとごめん。きもいとか帰れとか迷惑だとか。すごい最悪なこと言った!
ほんとごめん!
りいを守るって言ったのにりいの側にいるって言ったのに・・・・・・・・最低だ。」
あゆくんは泣きながら謝った。
違う、違うよ。あゆくん。
「違うよ。あれはあゆくんのせいじゃないもん!あゆくんは記憶をなくしても、私を好きになってくれたんだよ?私が信じて?って言ったら、信じるって言ってくれた。
だからあゆくんは記憶をなくしてもどんなあゆくんでも私の味方をしてくれるし、私が愛してる、大好きなあゆくんだったんだよ!」
だから自分を責めないで?
そんな気持ちであゆくんを見ると涙で澄んだ瞳をして笑ってくれた。
「ありがとう。
りいが諦めないでくれたおかげで、りいが信じてって言ってくれておかげで今がある。
これからもよろしくな。
今度こそどんなことがあっても離さないし、味方だから。りい。愛してる。もう1度言う。
大学卒業したら結婚してくれ。」
嬉しいっ!
やっぱり諦めずにあの時あゆくんへの気持ちを忘れないで真っ直ぐ伝えて良かった。
「はいっ!喜んで!これからもよろしくね!」
愛しい人に向かって微笑んだ。
1度、記憶を失くしてしまったあゆくん。
でも、愛を伝えることで1番大切な人、
あゆくんは私のもとへ帰ってきた。
これから先、何があっても私達は永遠に一緒だ。どんな嵐が来ようとも2人で守り抜いていす。
最愛の人の隣で。
完
完結しました!
今まで読んでくれた方ありがとうございました。
#澄んだ瞳
彼は、いつも周りから”鉄仮面を付けているようだ"と言われることが多い。
まぁ確かに、皆の前では彼は基本的に無表情だし、感情をあまり表に出そうとしない。
だけど、僕は知っている。
「わぁ〜!!見てみろよ!!すっごい綺麗だぞ…!!」
彼が本当は、表情豊かなことを。
空を見上げる時も、地面に咲いているお花を見る時も、彼の瞳はキラキラと輝き、子供のような反応を見せるのだ。
いつもの大人のように冷製でしっかり者の彼も好きだけど、子供のようにはしゃいでる彼も、僕は大好きだ。
ねぇ。なんで私があんたたちの機嫌取りなんかしなきゃいけないの?
なんで私にだけ冷たいの?
あぁ、やっぱり私はまだ、勘違いしているんだ。
“もしかしたら。まだ愛してくれるかも”って。
無駄なのに。
なんで、親は普通に子どもとかに向かって思ってるのに子どもは少し怒ったりしただけで「喧嘩売ってんの?」って。
なんで私にだけ?兄貴も怒ってる時同じようにして?
…そういうこと。
私がやっぱり嫌いなんだね。
存在自体、要らないんだね。
そうなら言ってくれればいいのに。
自殺するから。
だってそうしたらマイナスなことなんてないでしょう?
誰も悲しむ人のいない。そして私が死んだらたぶんだけどお金入ってくるし給付金のお金私の残ってるって言ってたよね?
それで遊んで暮らせるじゃん。
家族みんなが大好きな兄貴の欲しいゲーム、本、なんでも買ってあげたら?
私にしてこなかった分だけ。
ふふっ
ほんとうにここの家族全員大嫌いで、とても腹が立つ
もし、私という主人公の物語があっても、なにも面白味もない、バッドエンドにしようかしら。
…こんな気持ち綴ってるだけのものなんて見てて面白くないかもしれない。でもね、私の存在を知って欲しいの。家ではろくに褒められない。ただ道具として見られてるだけだから。私はほんとうに本当に寂しいの。ずっと虚しいの。
こういうとこでしか存在できないの。
誰も見てくれないから。
だから許して。
澄んだ瞳
拡がる波紋
空が浮かび虹を宿す月明かり
揺れては虚空に沈む
その水面の先に
君は何を映すのだろう
夢の様な此処ではない何処かに
なにが浮かび、なにを語る
こんなのはただの独り言に過ぎない
問いかけとはつまるところ
そこにある答えを映す明かりなのかもね
『澄んだ瞳』
小さな子供の瞳が、とても澄んでいて綺麗な理由は、外的刺激がまだ少ないからなのだそうです。
大人になってしまうと、白目が大気や色素沈着などで汚れてしまうのだとか…。
美意識の高い方は、白目の美白も気にするようです。
確かに、年は素敵に取りたいですもんね。
他に何も浮かばないので、詩の創作します。
『澄んだ瞳』
目を閉じると 黒い世界
透けた瞼の 赤い世界
目を閉じても 見える世界
彼女の光なき澄んだ瞳は
どんな世界を見ているのか
目を閉じても 見えない世界
ときおり瞳の中に
悲しみをたくわえて
黒々とした湖を持つ人に会う
心ない人がいたずらに石をなげ入れ
水面が波立とうと
濁ることのない 深い湖
どうかそこにすまう
魚にはならないで
心のかよう生き物でいてほしい
けれど
砂漠に隠された井戸のような
それを美しいとも思った
無理に枯らさなくて
いいんじゃないかな
その水でしか
潤わない渇きがあるのなら
『澄んだ瞳』
「コクリコ坂から」という映画を観たことがあるかな。
僕はスタジオジブリの作品が好きでね、この映画はかなり上位に入る好きな作品だ。
とても古臭いが、懐かしい感じもする青春映画だ。
その中で出てくる詩がある、好きなので記しておく。
少女よ君は旗をあげる
なぜ
朝風に想いをたくして
よびかける彼方
気まぐれなカラスたちを相手に
少女よ今日も紅と白の
紺に囲まれた色の
旗は翻る
―風―
こんな風に愛を語りたい。
澄んだ瞳
それは、子猫や子犬の瞳かな。
疑うことのないその瞳。
子猫か子犬、飼えたら良いな。澄んだ瞳で見つめられたら、最高ね!
自分の歳考えて、最後まで面倒見れる自信ないから辞めときます。
逢いたくても
逢えない寂しさは
果てしなく広がり
熱い想いは
徐々に
諦めに苛まれて行く
恋しいと
呟いた言葉は
土砂降りの雨音に
かき消され
行き場を失くす
深い溜め息
孤独感
夜の闇の中で
息を潜めて
ただ一人
夜明けまでの
時を
虚しく数える
☆ 長い夜 (228)
テーマ:澄んだ瞳 #259
澄んだ瞳で見つめられた。
いや、正確には僕を見ていたのかわからない。
でも美女が見ていたんだ。
体育の授業の時間、
不意に校舎を見たら視線があった。
こんな浮かない俺だけど見ている人がいた。
それも美女。
2階……ということは、同い年か?
同級でこんなに綺麗な子がいるなんて……。
「ねぇ、貴方。さっきの……」
昼休み面倒くさい図書館の
当番の日だということを思い出し、
カウンターで頬杖をつき、
さっき見た美女のことを思い出してぼーっとしていると
聞こえてきた凛とした声。
俺が声のする方を見るとそこには、
あの澄んだ目をした美女がいた。
『澄んだ瞳』
穢れを知らない澄んだ瞳が
何か責めるように
こちらを見つめる
心臓の鼓動は聞こえない
痩せ細った身体も動かない
いったい いつから
ここに置き去りにされていたのか
わずか
数年 数ヶ月 数週間 数日 数時間
この世に産まれた
記憶も記録さえもないまま
誰にも気づかれず
小さな命の灯火は
静かに終わりを迎えていた
自分で選びたかったのさ。リュートを背負った青年は杖をくるりと回した。不便だろ、と問うと、まあね――と彼は椅子に収まり、水出しはありますか、とウェイターに訊いて、数度のやり取りの末にじゃあそれで、と話を締めた。
だからって自分で潰すことはないだろう、と言うと、そうだったかもね、となんてことのないように彼は応えた。ただ、おかげでつまらないことを訊かれないし、好き勝手言ってもあんまり怒られないよ、今は昔より歩きやすいしね、と続けた。それにしたって、と思う。あまりにつり合わないじゃないか。
まあ観念的というか、得手勝手な言い草だろ、澄みきった瞳って。だから潰したのさ、俺は。それにさ。そう言って彼はサングラスを外す。初めて見たわけじゃないけど、やっぱり怖い。
――本当は見える、って言ったら君はどうする?
「指令だ…行くぞ」
「了解」
俺たちは殺し屋と呼ばれる職に就いている
ほぼ毎晩依頼が入り、依頼のあった人を殺すのが
俺たちの仕事だ
「今日は誰だ?」
「…幼い子供さ」
…胸糞悪ぃ。しかも依頼は親からときた
依頼の通りに動くしかない俺たちだが
殺しが好きなやつはいない
心が荒んで辞めていく奴もいる
「…はぁ」
「…やりたくねぇな」
今日は特に気が乗らない
これまでも子供を殺すよう依頼されることはあった
みんな殺したい訳では無い…人の心はあるのだから
だが依頼が来てしまえばやるしかない
疑うことも知らない幼い子供を殺すのは些か胸が痛む
「…あそこだ」
「子供は…あの部屋か?」
依頼の場所に着いた俺たちはターゲットを探す
親は出かけているのだろうか
ぽつりと明かりのついた部屋がひとつ
近づいてみて驚くと同時に、俺たちは顔を歪めた
子供はベランダにいた
……ボロボロの服を着て、やせ細った状態で…
「…こんな依頼出してくるような親だ
まともな奴なわけねぇよな」
「…あぁ…そうだな」
長くペアを組んできた相棒だが
こんな顔は見た事がない
俺たちは殺す前にターゲットと対話する
無意味なことかもしれないが欠かしたことは無かった
「…よう、チビ」
「…お兄ちゃんたち、だぁれ?」
「…狐と、狼だ」
「どうぶつさんなの?どうしてここにきたの?」
「お前を見つけたからさ」
「ぼくを…?へんなお兄ちゃん」
隅で膝を抱えて小さくなっていた子供は
俺たちが姿を現すとびっくりしたように立ち上がった
まだ5歳ほどだろうか
話すのが久しぶりなのか少し声が掠れている
「へんだけど、うれしいなぁ。
ぼく、ずっとだれかとおはなししたかったの」
「…親は、話してくれねぇのか」
「…ママはね…ぼくが、いいこじゃなかったから、
ぼくのこと、きらいなの…
ぼくのせいで、ママはいつもおこってるの」
「…そうか」
普通は親に虐待されている子供は
目にあまり光がない
なのにコイツは自分のせいだと疑っていないせいか
澄んだ綺麗な瞳をもっていた
俺は、コイツに引き金を引くことが出来るのだろうか
「だけどね、きょうはすこしだけにこにこしてた!
いつもはなにもいってくれないけど、きょうはバイバイってあいさつしてくれたの!」
…あぁ、きっとその「バイバイ」は
お前の言う挨拶なんかじゃない
永遠にサヨナラをする
二度と会う事の無いお前への、別れの言葉だ
「…どうしたの?お兄ちゃん
どこかいたいの、?」
「…痛くはねぇよ」
「…じゃあ、どうしてないてるの?」
「……」
お前が、あまりにも澄んだ瞳をしてるから
やるせない
俺たちはやるしかないのに
相棒も顔を逸らして泣いていた
きっともう俺たちではコイツを殺せない
「…なぁ、チビ」
「俺たちと一緒に来るか」
「…お兄ちゃんたちと…?」
「あぁ」
「………」
もう、辞めよう
真っ当に生きたい
コイツを生かしてやりたい
コイツが俺たちを選んでくれればの話だが
「…………く……」
「…いく………いきたい」
「いっしょに、つれてって……!」
「…!」
気づけばコイツも泣いていた
やはり限界だったのだろう
俺たちにしがみついて必死に声を殺しながら
ぼろぼろ涙を流していた
「…行くぞ」
「しっかり捕まれよ」
「…ゔん…!」
首に回された手は、暖かかった
2人の男と1人の小さな子供は
そのまま夜の闇に消えていった
澄んだ瞳には
全てを見透かされそうな気がする
瞳はなにも語らず
ただ見つめ返すだけなのに
水面を覗き込むように
自分がそのまま映し出されるからか
人からどう見られるか
人に見透かされるのがこわいのではない
ありのままの自分を直視することに
自分自身の姿にヒヤリとざわつくんだ
#180
「澄んだ瞳」
「澄んだ瞳」
汚れをしらない君よ、
どうか私が死ぬ時に
貴方のその美しい澄んだ瞳を見て息を止めたいんだ
最後に見るのは
好いとうあなたと、澄んだ瞳
鼓動の消えた私の抜け殻を感じ、
私のために大粒の美しい涙の雨を
貴方が降らせてくれますように
そうやって今日も手を合わせ祈るんだ。
まっすぐと言うか、なんと言うか。
一体どこを見ているんだろうかと不思議になるし、気にもなる。
真面目で、不真面目で、厳しいくせに、甘くて。
本当に、中間者と言う表現が合いそうな人で。
それも、たぶん、違うんだろうなぁ。
あの人はただ、正直なだけなんだろう。
どこまでも”澄んだ瞳”に映るセカイは。
きっと僕らとは、違うのかもしれない。
澄んだ瞳
澄んだ瞳
綺麗で繊細なあなたの
澄んだ瞳で見つめられると…
胸の鼓動が早くなるの…
ときめいて…
澄んだ瞳に映ったのは醜い私の顔でした。
それでも愛してくれるあなたが大好き