『涙の理由』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
それはもう正しくまあるい月でした好きと言えずに泣けるくらいに
題-涙の理由
『涙の理由』
死にたい。
そう思っている少女の前に死神は現れた。
「貴方は誰?」
少女は問うた。不思議そうに、されど、果敢に。
「私は、死神」
死神、と名乗った男――いや、男ではないのかもしれないが――は、端的に返した。
「名前は?」
少女はなおも勇敢に質問した。ベッドからずいと身を乗り出す。
「……私に名前など無いが」
死神は懇切に答える。彼に、表情は垣間見えなかった。
「そう」
少女は呟くように、そしてそれに合わせるように下を向く。様子は暗い。否、笑っているようにも見えた。
「なら、私を、殺して。お願い」
そう言って、少女は胸の前に両手を合わせる。まるで祈るようだった。
「……了解した。だが……友人や、家族に別れを告げなくても、良いのか?」
死神は問う。過去、そういった願いをした人間は数多にいた。『死にたくない』と懇願する者も。
しかし、全て切り捨てた。手紙の猶予などは与えたが、最後には全て。
「私に……友達は、いない。……家族にも、愛されてなんて……いないわ」
悲しそうに、苦しそうに、絞り出しながらと言葉を紡ぐ。まるで痛みに耐えるかのように。
「……すまないな。……ならば今から、お前の体と魂を切り離そう。用意はいいな」
そう言って、死神は片手に持っていた鎌を少女へ向ける。鎌の刃が少女の首に当たる寸前、彼女は叫ぶようにして遮った。
「……ちょっとだけ、待って」
死神は瞬時、鎌を下ろす。何でもない、戯言ではあったが、束の間、聞きたくなった。
「私が死んだ後は、どうなるの? 天国や、地獄へ行くの? それとも……消えて、無くなるの?」
ふと浮かんだ、しかしながら切実的な問いだった。分からない。きっと、誰にも。
でも、死神なら。その希望がそこにあるような気がして。
「死んだ後は……」
死神は答えそうになって、寸前のところで堪える。
「……自分で考えろ」
死神は、鎌を持ち上げて。
そして。
「さようなら」
死神は、鎌を勢いよく振り下げた。
鎌は少女の胴体を通り、しかし体を傷つけるのと無く、少女の魂だけを。
「あっ」
彼は少女の躊躇いを聞くこと無く……今日も一人の少女に死を与えた。
誰も『人』が居なくなった部屋で、死神は一人呟いた。
「……さあ、次の仕事だ」
瞬間、一つの余念が、彼の頭を巡った。
少女に、伝えるべきだったのか、と。
『言ってはいけない』
暗黙の了解ではあった。だから、別に伝えることもできた。ましてや、死ぬ間際の幼げな少女に。
だが、どうしてだか、彼女に伝えてはならない、と直感が働いた。
胸の奥が渦巻く。
そして、彼は、少女の。もう動かない体に視線を向けて。
もう二度と動くことのない身体には、一筋の涙が流れていた。
「死んだ後は、何もかもが、消えて無くなる。なにも、そう、全てが」
まるで、誰かに話しかけるかのように。
やがて、彼は忘れるかのように、首を振った。
いつの間にか、死神は、次の人の下へと消えていた。
感情が揺れ動いた。
涙の理由なんて、それだけで十分だ。
午下り、限られた時を守る静寂の帳
細い肩を震わせてあなたは嘆く
とうに終えた物語、傍に翻る頁の為に頬を濡らして
剥がれることのない祝福/呪縛を
覆ることの許されぬ因果/宿痾を
もはや爛れて無味で通す喉に代わり、あなたが嘆く
掠れた声で繰り返し、消えた世界の為に乾く
どうして、どうして
あなたがあんな目に遭わなくてはならなかったのか
誰よりも傷付いたあなたが、何よりも惨い終結へ至る
ひどいよ、苦しいよ
せめて分かり合えたならどれほど良かっただろう
共に生きられたなら夢のようだった
愛し合える未来へ繋ぎたかった
息遣いすら煩い回廊の片隅で、嘆く声だけが駆け抜ける
そして私はそっと手を差し出す
儚い希望を潰したのは、あなたであり私
断ち切った可能性は、言い換えれば癌だったのだから
あなたが膝を痛める必要はない
目を腫らす前に、いつか本当に折れてしまわないように
拉げて血を流す心はあなた自身に救ってほしい
既に終わった私の為に、どこかで終わった誰かの為に
今を生きるあなたを消耗しないでほしい
やがて消える私からあなたへ告げる、ただ一つの祈り
失われることのない光を
何にも敗れぬ運命を、あなたに
そして時々、思い出して
共に歩む果てを願ってしまった、愚かな影がいたことを
愛した人の心の片隅に居場所があるのなら
月の照らさぬ夜に幻想であろうと寄り添えるのなら
それだけで私は満たされている
これ以上なく満たされているのだから
(涙の理由)
【涙の理由】
tenpo pini: tenpo sina moku e kon seli pi kasi la, oko sina li jo ala e telo.
taso, pilin sina li sama ala e ni. pilin sina li telo tan pilin ike mute.
ma ni la, jan ale li jo e pilin pakala. jan ale li jo. kin sina.
pilin pakala sina li kama tan pilin pini sina lon utala pi kon seli.
sina toki ala mute e ni.
taso, tan ni la mi sona: pilin sina li pakala mute.
mi sona ala e ijo ale pi utala sina.
mi sona ala e pilin pakala sina.
taso, mi wile lon poka sina.
mi wile pana lili e pilin pona.
tan ni: mi wile ala e ni, sina li telo e pilin sina.
tenpo pini: tenpo sina moku e kon seli pi kasi la, mi awen lukin kepeken pilin wile e sina.
Day.8_『涙の理由』
私はたまに、一人でいるときに思い切り泣きたいと思う時がある。「大声で泣く」というより、「涙を流したい」と思うのだ。
泣くことで、気分がスッキリする。誰かがいると、不安にさせてしまうので、夜の自室にて泣く。
映画を見たり、本を読んだり。方法は様々。
時には、無理やり自力で泣くこともある。
涙の味によって、何故泣いているのかが分かる。
そんな感じのを聞いたことがある。
夜、泣きたい時に泣く時はかなり泣いている私。
口の中に涙が入ってしまうことも、もちろんある。
その時の味は……
しょっぱかった気がする。
目に映る
煙草の明かり赤々と
遠き星の
ともしびに似たり
(250927 涙の理由)
「涙の理由」
そんなの
本人にしかわからない。
場合によっては
大人の涙を見ると
無性に冷める自分がいる。
そんな私は
人前では泣かないと
決めている。
相手がいると
迷惑だと思うから。
題:真の涙
涙の理由って、色々あると思うんだ。
例えば、哀しい時、怒っている時、嬉しい時、楽しい時。
私は、『哀しい時』以外泣いたことがない。怒ったことはないし、嬉しいと思っても笑うだけ、楽しいと思った時も泣かない。
だから、哀しい時以外の時に泣くというのことが正直よく分からなかった。
……あの日までは。
☽ ☽ ☽
日が沈みかけた刻、私はリンクに告白された。
よく笑う昔のリンクは、ずっと前になくなってしまって。ハイリア人のリンクは、気がつけば私よりも大人になっていて。
あの頃の笑顔も可愛かったけど、今の凛々しい顔も好き。そして、ただ感情を表に出すのが苦手なだけで、ただ自分に厳しいだけで、根は優しいところも好き。
「ミファーのことが、ずっと好きだった。そ、の、付き合ってください!」
いつもの無口無表情からは考えられないくらいに顔を真っ赤にして、つっかえながら告白してきたの。
微かに震える突き出された右手をじっと見つめて、私はそっと、リンクの右手に自身の右手を置いた。
ゆっくり顔を上げたリンクは、困惑していたみたい。
だって、私は泣いていたんだもん。
哀しい時以外の時に初めて泣いた。あの時の涙は、きっと『嬉しい時の涙』なんだと思う。
「喜んで」
あの時の涙の理由は、『嬉しかった』。
☽ ☽ ☽
その後、二人は付き合うことになったと英傑達に伝えた。
リーバルはぶっきらぼうに「おめでとう」と言い、ダルケルは心底嬉しそうにリンクの背中をバシバシ叩き、ウルボザは「ついに恋が実ったんだね!」と大いに喜び、ゼルダはやや顔を歪めながら「とても喜ばしいことですね。おめでとう」と言った。
(私はリンクのことが好きなのに……)
ゼルダは苦しそうに左胸を抑えた。
お題『涙の理由』
涙の理由は、
お互いがそっと察していれば、
それで良い
【涙の理由】
ふと、1人の夜に、頬を伝う涙。
何か理由があるわけじゃなくて、でも何もないわけじゃない。
いろんなものが積み重なって、それが溢れているみたいな。
声を上げるわけでもない、顔を歪めて大泣きするような涙じゃない。
自分でもなぜ泣いているのかわからない。
みんな決定的な理由ではなくて、それ一つで泣いたのかと言われれば、違うけど
………よくわからない。
【涙の理由】
俺は恋人の涙にとても弱いです。
彼女は幼さが残ると見せかけてそんなことない。実は芯が強い。泣き虫だと本人は言うけれど泣く時はちゃんと理由がついてくる。
俺は、そんな彼女の涙に弱い。
彼女が俺の前で涙を見せる時は、俺が怪我をしてしまった時だから。
心配させてしまった時だから。
救急隊員として救助をしていれば危険が伴う時はある。気を抜いたり、予想していない時に上手く対処できなければ怪我だってする。
彼女の涙を見たくは無いから、怪我をしないように訓練を繰り返す。
何度も何度も。身体に染み込むまで何度も。
付き合い始めた頃にうっかりしたことで怪我をしてしまった。その時に、大きな瞳からこぼれ落ちる涙に肝を冷やした。
こんな泣かせ方は絶対にダメだと思った。
おわり
四九九、涙の理由
嬉しい 悲しい 悔しい 痛い 他にもいろいろ
涙の理由はたくさんあるけれど、
言葉だけでは託せない想いを吐き出すために存在している
『涙の理由』
涙の理由…いろいろあるよ。
嬉しかったり、悲しかったり、感動したり、つらい別れがあったり、挙げたらキリないよ。
ただ、自分の大切な人が泣いていたらつらいな。
私が泣いていて、その姿に胸を痛めてくれる人はいるのかな。
「涙の理由」
お題:涙の理由
後日あげるのでお題とスペース保存しておきます。
あぁ、そんな、なんて事。
お婆さんが住む森を前にして赤ずきん気付きました。
虫除けスプレーも蚊取り線香も虫刺され薬もすっかり忘れて来てしまったのです。
虫除け無しでこの森に入るのは無謀なのです。
全身至る所を刺される想像だけで涙が出るほどです。
(涙の理由)
赤ずきんちゃんのオマージュ、お婆さん家には強力な虫除け装置があるのでオオカミでも安心。
線状降涙帯(せんじょうこうるいたい)
ぽたり、と落ちた雫が手元の紙に吸い込まれた。判読できないほど滲んだ文字に邪魔だな、と微かな苛立ちを覚える。いがいがとした気持ちのまま文字を書き連ねてもそれがどこかに溶けることはなかった。
ぱたぱた、とまた雫が落ちた。手元のブルーブラックが大きな海に姿を変えていく。広がった先に小さな赤を覗かせて、意味を持つ言葉を飲み込んでいく。
「あぁもう!邪魔だなぁ!」
ぐしゃり、と青い海を握りつぶした。感情のままに紙を殴りつけて、破れるのも気にせずぐしゃぐしゃにしわを寄せる。
「邪魔だなぁ、邪魔だなぁ、あぁもう!!じゃまだなぁ!!」
ぼたぼたと降る雫が止められない。状態の言語化が上手くできない。絡まった心の糸が解けない。何か悲しいことがあった訳じゃない。致命的な悩みがある訳でもない。取り立てて怒るようなことだってない。それなのに、雫が、気持ちが止められない。止める術を知らない。
「もういやだ……」
机に突っ伏した時、丸めた紙が指先に触れた。
もう一度身を起こす。
すぅ、と昂っていた気持ちが消えた。
「……何やってるんだろ」
ふは、と乾いた笑い声が口から飛び出した。
「馬鹿らし」
震える言葉と共にぽたぽた、と雫が落ちる。涙はそれで最後だった。
悲しいことや辛いことがあった訳でもない。震えるほどの怒りも燃え上がるような感動も激情もない。ただ唐突に零れ溢れたそれは、さながら通り雨のようだった。
──雨のあがった紙の上、晴れ間はまだ、見えない。
#涙の理由
お城のような建物、綺麗なお花、
あの頃憧れたプリンセスのようなドレス。
私の大好きな物に囲まれ、一生に一回の特別な日。
大好きな人が隣にいて、大好きな物に囲まれて
私、世界で1番幸せ!
先に結婚した親友が言ってた。
結婚式の花嫁は世界で1番幸せな人になれるよって。
結婚式に憧れはあったけれど、そこまで思うのって
ちょっと疑ってた。
親友のこと疑ってごめんね。
今なら気持ちがよく分かるよ。
世界で1番幸せな日から数年。
ねえ、どうしてよ。
私のこと好きって言ったじゃない。
一生大切にするって誓い合ったじゃない。
そんな約束守れないなら、
結婚したいなんて言わないでよ。
あの頃の幸せな気持ちが、真っ黒に染まっていく。
私、今何してる…?
私の目から流れるものは何…?
気づいたら目の前に親友がいた。
あれ、ごめんね。無意識に電話かけてたみたい。
ううん、いいよ。
幸せなあなたを巻き込みたくなかったのに。
ううん、大丈夫。私も一緒だから。
え…?
彼女の目から流れる涙は、私の真っ黒になった心を包む優しさだと思っていたのに。
枕に顔を押し付けてベットの上で横になる……
どうして自分でも泣いているのかわからない
嫌なことがあったわけでも嫌なことを言われた
わけでもないのに……
心当たりがないのにずっと涙がでてきて止まらない。
誰にも気づかれたくない。
心配をかけるから。それにどうして泣いてるのか
理由を聞かれても答えれないから
早く止まってよ……
そんなことを思ってた時だった……
不意に誰かの手が頭に乗った
何を言うでもなくそこで私の頭を撫でるだけ……
しばらくして涙が落ち着くと幼馴染みは
頭を撫でながら言った。
「涙に理由なんてなくていいから。
もしまた泣きたい時はいつでも俺を呼んで。
絶対に飛んでくるから。」
そう言って幼馴染みは笑って部屋をあとにした。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
部屋から出ておばさんに挨拶をして
あの子の家から出て自分の家に帰宅し
部屋の中に入った途端固まった
嫌……えっ。
今俺なんかすごい恥ずかしいこと言わなかった
何、すぐ飛んでくるって。
恥ずかしい……
そんなことを思いながら
ふと窓をみるとあの子と目が合った。
すると何かを紙に書いていた……
しばらくすると……
【ありがとう】
そう言ってこっちに微笑む。
[ 涙の理由なんて知らなくていい。
あの子が……
大好きな君が笑ってくれるなら
それだけで俺はいいから ]
どうして、泣いてるの?
君が泣いていると僕も泣きたくなってくるよ。
ごめんね。
僕はもう君のそばにいてあげられなくなっちゃった。
君の涙をぬぐうことがもうできなくなっちゃった。
でも、大丈夫だよ。君は強いから。
僕なんかがいなくたって君は生きていけるよ。
新しい出会いがきっとある。
だから、僕のことは忘れて。忘れたほうが君のためだ。
これが、僕からの最後のお願い。
どうか、君は笑って生きて。