『海へ』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
「海へ」
何もかもを洗い流しに。
そしてまた出発しましょう。
海へ家族みんなで行きました。私がクラゲに噛まれちゃったけど、楽しかったし、かき氷も冷たくて美味しかったです。
海へ:
海岸で練った、ねるねるねるねは
潮の匂いがした…
あの頃の記憶
海風が、吹いている…
《海へ》
身投げする 散骨する 精霊舟を流す 出漁する 感謝する 駆けていく 叫ぶ 深く潜る 人魚になったきみに会いにいく
・海へ
「海に還りたい」
最期にそう言い残してこの世を去った祖父。
当時中学生の俺は"人間は土に還るんだよな?"とお通夜の時に眠っている祖父を見ながらぼんやりと考えていた。
その後、祖父の骨は彼の地元の海に撒くことに決まった。どうやら遺言書にもそう書かれていたそうだ。
親族と海へ行く道中、俺は父にお通夜の時に考えていたことをそのまま話した。
父はしばらく黙っていたが「親父は海で良いんだよ」とだけ喋ってそれきりだった。
機嫌を損ねてしまったのか、と少し不安になっていた時、その会話を横で聞いていた叔母が代わりに答えてくれた。
「おとう……あぁ、おじいちゃんはね、若い頃漁師だったのよ。その家族もね」
「……そういえば聞いた事あるかも」
「だから海に還るって言ったのよ」
「なんで?」
「生涯で1番食べていたのは海の魚だから。お返ししたかったのかもしれないね」
「ふーん」
その後、俺たちは祖父の遺骨が海に撒かれるのを見届けた。
祖父だったものが海へと還っていくのを見届けている最中、父が静かに「俺は土に還るよ」と呟いたのは大人になった今でも覚えている。
あの日から数十年。父は土に還った。
晩年の父はしきりに「俺は陸で生きた。だから土に還る」と話していた。
父の葬儀で久々に出会った叔母も同じことを俺に話していたのを覚えている。
どうやら父方の親族はみなどこで長く生きたか、何で生かされてたのか、それによって還る場所を決めているそうだ。
俺ももういい歳だ。出来ることなら今のうちに祖父や父のように還る場所を決めておきたいが、未だにどこもしっくり来ないままでいる。
「……いっそイタリアの土にするかぁ?」
晩酌に選んだワインを飲みながら、俺は1人何処に還るべきなのか、何にお返しすべきかを、2人の葬儀を思い出しつつじっくり考えていた。
海が遠い。
と言っても距離の問題ではない。
ウチの最寄り駅から北口のバスに乗ると帰路。
南口のバスに乗ると海水浴場。
まあ海から駅を挟んで山側にウチがあるのだ。
運良く乗り継いだらウチからバス2本
計30分弱ほどで海に着く。
小学校の歩き遠足で海に行ったこともある。
そう、距離が問題ではない。
もう何年も行ってない。
行こうとも思わない。
嫌いな訳じゃない。
行けば半日くらい寄せては返す波を見続けるだろう。
磯の香も音も嫌いじゃない。
入る気なくてもいつの間にか靴下脱いで
膝まで濡らしてしまうだろう。
海が遠い。
今年も海へは行かないだろう。
(海へ)
海へ
この広い海はどこを見渡したとしても綺麗な青をしている
あなたといつかもう1度見たい景色
ある日の夏、次男と双子の自分、3人で自転車を漕ぎ、ビーチに訪れた。
到着して早速、サンダルと服を砂へ放り、駆け足で
海水に浸かった。
ひんやりと冷たく、夏の実感が湧く。なんだか、ラムネも無性に飲みたくなった。
僕達は、海を利用して、じゃれたり、鬼ごっこや、相撲をして楽しんだ。
そして適度の休みを各自取った。
僕は、水に浸りながら、ぼんやりと夏を眺める。
波に揺れる海面、ギラギラと輝く太陽、そして、青い空を。
この時間が、僕は好きだ。
だが、次第に時間が過ぎてゆく。
帰るのがなんだか名残惜しいが、この短くて青春の夏は、まだ始まったばかりだ。
ラムネでも飲んで、帰ろう。
XXXX年X月24日
今後の調査の方針を決める。後輩の提案により、まずは我々より以前にこの都市で活動を行っていた調査団の拠点を目指すこととなった。
当時の調査団の報告書は本部に保管されていたものの、私がこうして提出する報告とは別に記録を残しているように、最終の報告以降の調査で収集された情報や提出されていない個人の記録が拠点に残ったままとなっている可能性がある。
何より……調査団が消息を絶った原因の一端が分かるかもしれない。
「住民消失の謎に迫るためにも、我々の生還率を上げるためにも、この調査は必要でしょう。……思い付かなかったなんて言いませんよね先輩?」
後輩の視線の圧が強い。下手な誤魔化しは効かないぞと言わんばかりだ。どう返事をしても後が怖いので、代わりに調査に注力することとした。
拠点を出てすぐに異常に気付く。空気がおかしい。
いつも通りの霧に鼻を突く異臭が混ざっている。
磯の香りだ。
異臭は河に近づくほど強くなった。この河を東へ下れば海へ続くと聞いているが、これほど強力は磯の香りを感じたことはこの都市に来てからまだ一度もない。
原因を調査すべきか逡巡するも、嫌な予感が背を登ってくる。直感だが、異臭がするうちは河を渡らない方が良さそうだ。そう告げると後輩も同意見だったようで了承を得られた。
幸いにして調査団の拠点へは橋を渡る必要もない。予定通り調査団の拠点を目指すこととした。
海へ
夏休みももう時期終わり。今年こそは夏っぽいことしたかな(笑)友達からLINEが来た。
『ねぇ、一緒に海行かない?』
その事は小さい頃からの幼馴染。高校に入学してもずっと一緒にいた子。
(海か、たまには勉強の息抜きとか夏の思い出とでもいいよね)
「うん。行く!」
『わかった!』
海、楽しみるといいな。
海へ
日がまだ沈んでいる朝方、
君と海へ行った。
今なら誰にも邪魔されない。
そう言って私は君と手を繋いで、
海へ沈んで行った。
海へ
海なしコンビニなしの田舎
唯一海に行けるのは長期休み
よく行くけど理想は好きな人と行くこと
いつか叶えられたらいいな
昔、友達と海に行ったらめちゃくちゃ荒れに荒れてなんでだ?と思い聞いてみたら台風のせいだ、とあぁー確かに私たちが、海に行く少し前に台風が来てたなと思い木やその他の物は怪我しないように、気おつけて海に、入って遊んでたら友達のお父さんに腕を引っ張られ困惑してたらあと少しで危なかったよ、と言われ理由を聞いたら私の真横にドククラゲがいたそう、あの時友達のお父さんが引っ張ってくれなかったらドククラゲに刺されていたという事に少し怖くなった。
聞こえるのは漣の音。
寄せては返す波が足元に押し寄せる。吹き抜ける潮風が、白銀の髪を揺らした。
「主」
近侍が彼女の後を追って来た。柔らかな砂が足を絡め取るが、足跡だけが残る。
「無理言うてすまん」
「いいよ。運転するの楽しかったし」
海が怖くて仕方がなかった。水平線の向こうから、自分たちを飲み込む怪物が覗いていたから。静かに這い寄り、“ヒト”として溶け込んでいたから。
「わしが守っちゃるき、どこにも行きなさんなや」
主の最期を見届けた佩刀、その彼の気持ちに嘘偽りはない。強く握られた手に、指が優しく絡められた。
海へ
『堕神は海神となりて』
【お題:海へ 20240823】
「で、次の日曜なんだけど両親が⋯⋯、和音さん、おーい和音さん、聞こえてる?」
「⋯⋯⋯⋯ちょっと待って、今降りてきた」
「りょーかい」
パソコンの前に座り、キーボードを高速で打ち出した彼女から視線を外し、僕はゆっくりとソファから立ち上がった。
こうなった彼女は、キリのいい所まで周りの事に無頓着になる。
さて、今回はどれくらいの時間帰ってこないだろうか。
僕の出張や和音さんの締切と重なって、ひと月ぶりに会えたんだけどな。
仕方がない、掃除に洗濯、それから夕食の準備でもしますか。
和音さんとの出会いは、普通じゃなかった。
その日僕は、高校からの親友の結婚式に出席した帰りで、車を2時間運転し家の近くまで戻ってきた所だった。
家に帰る前に、コンビニで酒とつまみでも買おうかと駐車して店に入った。
缶ビールにローストナッツとレンジで温める砂肝を買い車に戻ると、そこにはあまり見ることの無い景色が広がっていた。
「えっ?」
僕の車のボンネットを机代わりにして、何やらノートに書き込んでいる女性がいる。
通りすがりの人達がジロジロと無遠慮にその人物を見ては、足早に去っていく。
うん、その気持ちは僕にもわかる。
出来れば関わりになりたくない感じ。
少し肌寒くなってきたこの季節に、露出度の高い真っ赤なパーティードレスという出で立ち。
書き込んでいるノートもペンも恐らくは、そこのコンビニで買ったものだと思われる。
「あのぅ」
恐る恐る声を掛けてみるが、反応はなく只管にペンを動かしている。
その後も何度か声をかけたり肩を叩いたりしたのだけれど、一向にこちらに意識を向けることなく一心不乱にノートに書き込んでいる。
僕は諦めて車の中で待つことにした。
運転席に座って女性を正面から見る。
真剣な表情でノートに書き込む姿は鬼気迫るものがあった。
その様子をしばらく眺めて、はたと気がついた。
女性がノーブラであることに。
流石にこのまま見ている訳にはいかないと、視線をずらした所で女性の後ろに酔っ払いが二人ニヤニヤしながら立っていることに気付いた。
僕は慌てて車から降りて、上着を彼女にかけるのと同時に、酔っ払いに睨みをきかせた。
こんな時は194cmという、無駄に大きい体が役に立つ。
酔っ払いがそそくさと居なくなるのを見送って、女性の方を見ると変わらずにノートと向き合っている。
時間にして30分ほどだったろうか、僕は女性のボディガードのように彼女の後ろに立っていた。
「とりあえず、これでいいか⋯⋯」
後ろからそんな呟きが聞こえ、振り返るとそこにはボンネットに突っ伏している女性の姿が。
慌てて声を掛けてみても反応はなく、代わりに規則正しい寝息が聞こえてきた。
しかも⋯⋯。
「うわっ、酒臭っ」
さっきまで気が付かなかったが、なかなかに酔っているようで、その後肩を揺すってみたり、頬を軽く叩いてみたりしたけれど一向に起きる気配はない。
どうしようかと考えているとコンビニの店員が出てきて、長時間の駐車は迷惑なのでどいてくれとか言われ、とりあえず、女性を後部座席に押し込んでノートとペンと小さなバッグを助手席に積んで車を走らせた。
「さて、どうしようか⋯⋯」
自宅マンションの駐車場に車を止め、ルームミラー越しに女性を見る。
幸せそうな寝顔に若干の腹立たしさを感じるも、その整った顔立ちに目を奪われる。
「あ、そうだ」
バッグの中に何かないかと探ってみるが入っていたのは、スマホと家の鍵と化粧品だけで身分証明になるようなものは何もなかった。
最近では様々な場所で電子マネーが使えるため、財布を持ち歩かないとは聞くがこういう時不便だなと思う。
色々なデータがスマホに保存されているのだろうが、それも本人の了承がなければ見ることもできない。
このまま放っておく訳にはいかないし、かと言って警察に行くのも面倒で、とりあえずは部屋に連れて行くことにした。
客室のベッドに女性を寝かせて布団を掛け、一息ついて、シャワーを浴びて自分もベッドに入った。
その日は特に夢は見なかった。
「ほんっ当に、申し訳ありませんでした」
翌朝、リビングの床に正座した女性は土下座の勢いで、額を床にぶつけた。
彼女は作家で昨日は作家仲間とのパーティーの帰りだったらしい。
自覚はなかったが随分と酔っていたらしく、あまり記憶がないとの事。
ただ、ことの成り行きを僕が説明すると、彼女は再度額を床にこすり付け謝り続けた。
聞けばどうも彼女は、創作活動時は周りが見えなくなるタイプで、自分の世界に入り込んでしまうのだとか。
それも突然世界に入り込んでしまうことが多く、その所為で今までも色々と失敗しているのだと嘆いていた。
そんなこんなで、とりあえずその日は車で家まで送って、後日お礼をさせて欲しいとの事で、連絡先を交換した。
あれから2年と5ヶ月。
家も近かった事もあり、何だかんだと食事に行ったり飲みに行ったりするようになって、気が付くと二人でいる事が多くなっていた。
僕は初めの頃から彼女が気になっていて、それが愛に変わるのはあっという間だった。
勇気をだして、想いを伝えてダメだったらこの関係も終わりかな、とか考えていたのに彼女は『えっ?あれ?付き合ってたんじゃないの、私達』とか、言う始末。
一気に力が抜けて、情けなくもその場で泣いてしまった。
2ヶ月前にプロポーズをして、和音さんからOKの返事を貰った。
『姐さん女房かぁ』とか、呟いていたけど、僕はそんなの気にしてない。
それに年上と言っても5年分だけだから、平均寿命で考えたら丁度いいくらいだ。
「よし、掃除終わり。あとは夕食⋯⋯」
ビール以外入っていない、空っぽの冷蔵庫の扉を閉めて車のキーを手に取った。
和音さんの仕事部屋のドア枠をノックして中の様子を伺う。
相変わらず、すごい集中力とタイピングの速さだ。
「和音さん、買い物行ってくるね」
当然の如く返事はなく、聞こえるのはキーボードを打つ音だけ。
僕は伝言用のホワイトボードに『買い物に行ってきます』とメッセージを書いて部屋を出る。
今日も和音さんは想像の海へダイブしている。
この世界の柵を捨ててどこよりも自由な世界へと。
僕は戻ってきた彼女に、とびきり美味しい夕食をご馳走するため、ひとり車を走らせた。
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(´-ι_-`) 『海へ』で一番最初に浮かんだのは『みおくる夏』でした⋯⋯。
【海へ】〜Mrs.GREEN APPLE様〚Folktale〛〜
砂舞うは夏の花の様で
滴る水は海へ戻る
その花散る頃夢思って
また日照りが心を戻す
変わりたいな
でも
変わりたくないな
そっとね
ずっとね
見ていてほしいんだよ
『海へ』
夏になると海に行きたくなる。
盆地で育ったせいで、海には馴染がないが、
何故か海を観に行きたくなる。
30年ほど前のスポーツ飲料のCMで
自転車に乗り海を観に行くという姿に感化されてから
ほぼ毎年、自転車に乗って海までサイクリング。
潮の香り、波の音を感じると
年甲斐も無く、一人はしゃいでしまう。
そーいえば、
地元では、誰かが車の免許を取るたびに
友達と海に行く習慣があったし
また、恋人ができるたびに、
一度は海に行ったな。
なんか海って、凄い
海へ
いつも広く深く穏やかに
見守ってくれてありがとう
小瓶に手紙を入れて
浜辺から送ったよ
ぜひ読んでね
✴️128✴️海へ
あとがき
子供の頃に流した
小瓶の手紙…
もうどこかで沈んでるかな?🤭
最近 仕事がすごい 忙しい…。
職場の人が 今月いっぱい
入院しているため
休み返上で 働いている。
人手がギリギリだからだ…。
この投稿を見てくれてる 皆さんの
職場は どうだろうか?
弘人
海へ行った。
理由というようなものは特になかったが、何故か海へ行こうという意欲が湧いてきたのだ。
今は午前3時。夏場なため生暖かい風が吹いていたが熱いというほどではなかった。
辺りは無人で光もなかったのでスマホで足元を照らす。階段を降り少し波が当たるところまで歩く。
近くで見る海はきれいだ、深い藍色で満たされている。それを見ていると、自分自身の身にあった不安や苦悩が少しづつ薄れて見えなくなっているような気がしてくる。
ここへ来る途中、ほんの少しだけ憂鬱になってしまっていたことに気づく。だが今は此処へ来てよかったと心からそう思っている。
もうしばらくしたら家へ帰ろう。
そう思ってこの美しい海を眺めていた。