海へ』の作文集

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海へ』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど

8/23/2024, 3:50:29 PM

海へ

私はいい歳のおばさんです。

だけど潮が引いた後の磯に行って色んな生き物を探してみたいんです。

磯遊びがしたいんです。

家族連れや子供達がうらやましい…

恥ずかしくていけません…

誰が孫のふりして一緒にいってくれませんか〜〜

8/23/2024, 3:49:14 PM

手を繋いで海まで歩く君

の 隣には僕じゃない人

よかった

まだ君より人生絶望してないみたい。

8/24 「海へ」

8/23/2024, 3:40:46 PM

「なぜ夏に海に行くのか。それが問題だ」


「なぁ、なんで漫画とかの学園モノの物語って、夏に海行くんだろう。しかも絶対男女混合で行くだろ。ありえなくね?」

八月下旬。
二学期が始まった途端にフェーン現象により、最高気温三十六度になった日の放課後。
小学校からの腐れ縁である俺たち三人は、コンビニで買ったアイスを食べながら住宅地をダラダラと歩いている。


「夏といったら海だから……?」
「日本に海無し県がどれくらいあると思ってるんだよ。おかしいだろ」
「四十七都道府県のうち八県だけだろ。他は海あるんだから、海に行くのは自然な発想、自然な流れなんじゃねーの」
「海、暑いだろーが。夏行くなら高原だろーが。上高地とか志賀高原とか!」
「高原だと『水着回』にならないからだろ。ほら、『水着回』は入れておかないとさ、読書が離れていくんだよ。サービスだよ、サービス」
「そんなメタな理由嫌だ」
クーリッシュを揉みながら言い出しっぺの悪友が呟く。

「ほんっとうに海が良いもんなのか、行ってみねぇ?」
「は?」
「もう夏休み終わってるだろ」
「俺の夏は終わってねぇ!行く!行くったら行く!もちろん、女子を誘って」
「いいねー!俺たちの夏はこれからだああ!」
「誰が女子を誘うんだ?」

俺の投げかけた疑問に視線を彷徨わせてから期待に満ちた目で俺を見る二人。

「俺は嫌だからな」
「そこをなんとか!」
「俺たちを海に連れてって!」
「お前ら二人で行け!」


────海へ

8/23/2024, 3:40:05 PM

「幸せになんてならないでね。」
冗談のように言う彼女。でも俺は、何も言えなかった。

〈私の骨は、海に散骨して欲しい。〉
彼女の遺書。投薬で浮腫んだ手で書いたせいだろう。文字は小刻みに震えていた。こうして遺書を読んでいると、本当に彼女は死んだんだと実感する。今でも覚えているよ。君と出会った日を。

雨の日。彼女は俺の家にやって来た。彼女の両親は事故に遭い、亡くなった。その後は、親戚を盥回しにされたらしい。彼女が持病があるため、皆面倒事を避けたかったのだろう。そしてついに、親戚でもない俺の元に来たのだ。
「よろしくね。俺は君のお父さんの会社の後輩なんだ。」
「私って、邪魔者?」
いきなりの質問に驚いた。でもそうだよな。不安だったよな。まだ子供なのに。彼女は何処か大人びていた。
「邪魔だったら、君を家に呼ばないよ。」
彼女の瞳が揺れた。俺の目には弱々しい子どもに映った。
「俺に、君を幸せにする手伝いをさせてほしい。」
「私、幸せになっていいの?」
「勿論。」
彼女は泣いていた。今まで溜め込んでいた分が、一気に溢れたのだろう。大丈夫だよ、君は一人じゃないから。

「今までありがとう。」
持病の悪化により、彼女はもう時期死ぬ。それは彼女自身が一番理解しているのだろう。
「心残りがあるの。私は貴方の大切な時間を奪った。」
そんな事ないのに。君との生活は充実していたよ。
「だからね。貴方を幸せにしてあげたかった。でも、それはもう無理。」
そんな悲しい事言わないでよ。
「私が死んでも、幸せになんてならないでね。私が来世で、幸せにして上げるから。」
君は来世でも、俺の傍にいてくれるのか。
「だからさ。もう泣かないでよ。」
俺は泣いていた。声が出ない程に、泣いていたんだ。彼女は笑っていた。君はもう、泣いていないんだね。

〈貴方は、海が好きだったよね。だから、私も海が好き。好きな人が好きなものが好きだなんて、子供っぽいかな?どう思われても私は、あなたへの想いは変わらないよ。〉

あの後、遺言通りに彼女の骨を海に撒いた。夜の海に、骨が消えていく様子は、泣きたい程に美しかった。
「俺も、好きだよ。」
いつか、海へ消えた彼女を取り戻してみせるよ。それまでは、幸せにならないでね。

8/23/2024, 3:39:35 PM

まさかこんな形で夢が終わるだなんてね。
君がしてくれた愛情表現も、
1日に何通も送られてくるLINEも、
今となっては懐かしいな。
でもね、わたしこれだけは忘れられない。
君がいきなり「今度、海行こう。」
って誘ってくれたこと。
その日からずっとずーっと楽しみにしてた。
だけど、楽しみにしてたのはわたしだけだったんだなー、
そう思うとつい涙が出てしまう。
でも、あんな奴の事を考えて泣くのは
勿体無いから、もう泣かないで前を向くって決めた。
絶対にあいつよりも幸せになって自慢してやるんだから!!
わたしとの恋に幕を閉じた事を
後悔させれるぐらい、変わってみせる。

「海へ」

8/23/2024, 3:37:17 PM

『 海へ 』


この間海へ出かけた

初めての海だった。

初めて感じた、これが潮の匂い、
砂浜に足跡を残して、波が来るのをじっと待つ


あ、この波は大きい


そう思った瞬間、波は私の足に届いて濡らす。


海って面白くて怖い

この海の先の先の、さらに先
私の知らない島が拡がっていると思うと面白いと。

そして、簡単にこの海飲まれてしまう恐怖。


それでも、海へ行ってよかったと心から思えたんだ。

8/23/2024, 3:33:35 PM

海へ


海へ行くとパワーをもらえる。

海は本当に広くて、どこまでも広がっていて。

寄せては引いて、色々なことを考えさせられる。
逆に無にもなれる。


自然の壮大なパワーを感じられる。
だから、私はやっぱり海がだいすきだ。

8/23/2024, 3:32:30 PM

(現パロ)
「海に行こうよ」
 ただ隣の席になっただけの少年に、突然そんなことを言われた。 まだクラス替えをしたばかりでそもそも名前なんてよく分からなくて、面識なんて全くなくて去年同じクラスだった訳でもなくて、言うなればとにかく他人だった彼に何故誘われたのかなんて理由もわからなかったけれど、なんとなく気分が乗って『いいよ』なんて答えてしまった。
 だから、今海にいる。まだ海のシーズンではなくて、海開きだってしてなくて。だからそもそも泳げなくて、海に来て何がしたいのかなんてよく分からないけれど、春の日差しを反射してる海はとても綺麗で、幻想的な風景だった。
 特に会話はなかった。ボクも彼も言葉を交わさずに、海の方をずっと見つめていた。傍から見たら変だっただろう。無言で男女が二人っきりで海を眺めているなんて。
「…………なんで誘ったくれたの」
 沈黙に耐えかねてしまって、ふとそんな言葉をつぶやけばやけに真面目そうな顔で、彼は答えた。
「見せるって約束したのに、見せられなかったから」
 訳が分からなかった。面識はないのだ。誰かと勘違いされているのかもしれない。そう思って確認を取ろうと口を開こうとした時、彼が先に喋り始めてしまった。
「他にも見せられなかったもの、たくさんあった気がする。…………大丈夫、全部見せるよ。この世界なら見せられるから」
「ボクのことじゃないんじゃないかな、その相手」
 恐る恐るそう呟いた時、海を見ていた彼はこちらの方に向き直って、急に肩を掴んできた。
「忘れてしまったのかい、僕のこと。…………違うか、そもそも前世の記憶が引き継がれていないんだね」
「…………前世?」
 訳が分からない。前世って何だ。そもそも、人間には、前世というものがあるかどうかもわからない。それをさもあるかのように言っている。…………もしかしたら、中二病なのかもしれない。
 危険人物かもしれない。そんなことを思って、少しずつ後ずさりをしようとしたら、腕をぎゅっと掴まれて、身動きが取れなくなってしまった。
「忘れたって構わないよ。またやり直せばいい。もう二度と思い出さなかったとしても、僕は前から君のことが好きだから。きみが僕のことを好きになったら、それはもう前と同じだろ?」
 僕に対して恋をしているってわかる瞳っていうよりも、僕に対して依存しているとか執着しているとかそのように見える瞳でこちらを見つめながら、彼は淡々とそう言った。

8/23/2024, 3:31:57 PM

海へ行こう。

夏だからといって行くんじゃなくて、
単に今の気分でそう思っただけ。

どうせ、行く途中に行く場所変えるんだから
来るまで行ってもいいよね。

快適に車を走らせて、窓を開けると、
ぬめりとした夏風が入ってくる。

これも夏のいいところだろう。



海について、辺りを見渡してみれば、
親子、カップル、カップル、高校生。

青春してんな、ほんと、って気分。

男一人で気分によって来た海。

なんか虚しさに取り込まれたから、
速攻帰ることにした。



帰り道のコンビニでアイスを買い、
夕日が見えると有名な山の上へ。

確かに、景色はいいけど、
今日は夕日が見えそうもない。

だって、水平線上を雲がおおってしまっているから。

はぁ…と肩を落とせば、
アイスが足音へ落ちた。

もったないと思いつつ、アリが寄ってきたのですぐさまその場を離れた。



帰宅して、なんとなーくテレビをつけてみたら、面白い番組なんかひとつも無い。

最近のテレビに欠けているのは、
昔の誰も傷つけない面白さだな。

最近のドッキリとか言ってる番組は、
人間をなんだと思ってんだって感じのばかり。

何をつけても面白くないから、
映画を見ようと配信アプリを開いた。

最近公開されたばかりの映画が、
もう配信されている。

面白いと評判があったから、
一度は見てみたいと思っていたものだ。

公開されていた頃、
行けなかった理由はひとつ。

単に予定が合わなかった、それだけだ。



見始めてみたら、
みんなが言うほど面白くはなかった。

単に自分の好みに合わないだけだろう、と、SNSを開いてみれば、自分と同じ思いの人がちらほらと見受けられる。

「これがなんでヒットしたのか分からない」
という意見までもあった。同じ意見だ。



世の中つまらない物ばかりで面白くない。

だから無駄に電気代を払わないためにも、
寝よう。

そう思って寝る準備を色々済ませて、
布団に潜った。


はぁ…やっぱり落ち着く…と感じていれば、
いつの間にか眠っていた。



189テーマ【海へ】



なんか長編になっちゃった(

深夜テンションカナ⁉️

8/23/2024, 3:27:00 PM

「波音と小さな灯台」

夏の終わり、海辺の小さな村には、古い灯台が一つぽつんと立っていました。この灯台は、今は使われていないけれど、昔はたくさんの船を導いてきた大切な存在でした。村の人々は、灯台を「海の目」と呼び、その役割を誇りにしていました。

ある日、都会から一人の青年がこの村にやってきました。彼は心の疲れを癒すために静かな場所を求めていて、この海辺の村にたどり着いたのです。波の音が絶え間なく続くこの場所で、彼は何か特別なものを感じました。

青年は毎日、朝から夕暮れまで海岸を散歩しました。波の音、潮の香り、そして灯台が見守るように立つ風景に心を落ち着かせました。ある夜、月明かりに照らされた海岸を歩いていると、ふと灯台の方から淡い光が漏れているのに気づきました。

「今は誰も使っていないはずなのに…」

青年は不思議に思い、灯台へと足を運びました。灯台の中に入ると、そこには一人の年老いた女性が静かに灯りを灯していました。彼女は、この灯台を守る最後の守り人でした。

「この灯台が消えると、村の人々の希望も消えてしまう気がしてね」と、彼女は静かに語りました。

青年はその言葉に心を打たれました。彼女の静かな強さと、海を見守り続ける灯台の姿が、自分の中に忘れかけていた何かを呼び覚ましたのです。

それからというもの、青年は毎晩灯台に足を運び、彼女とともに灯りを灯しました。海の彼方には、かつてのように船が行き交うことはなくても、彼らの灯りは夜の海を優しく照らし続けました。

8/23/2024, 3:26:14 PM

轟音が真っ赤な夕日切り裂いて
 みどろの海へ吸われ消えゆく



♯海へ

8/23/2024, 3:23:41 PM

お母さん、あのね

お母さんがいなくなってから何度言ったことか
もうすぐ20年や

突然の別れの時、私は28歳
お嫁に行って4ヶ月後の朝母は起きてこなかった

いつも全ては母を指針にしていた私
そんな母を突然亡くし、この先どう生きて行けばいいのかと絶望した

人の幸せが憎らしく、なんで私だけこんな目に遭わなければいけないのか
どうして私なの
お母さんがいない世界はどうして普通に流れているの
そんな気持ちでハリネズミのように棘をいっぱい身に纏っていた

お母さんがいなければ子供なんて育てられないから子供はいらない
そう思っていたら結局は欲しくてもできなくて子供のいない人生になった

いつになったら母の死を受け入れることができるのか 毎日ずっと思っていたけれど、15年過ぎたあたりから心穏やかになり始めた

母のいない世界
ものすごくものすごく辛かった
何かあればすぐ相談していた人がいない世界
若かった私にはキツかった

お母さん
今私はとっても幸せです
かけがえのない家族に囲まれて毎日が感謝の気持ちであふれるほど

だから私がこの世を全うした時にはお土産話たんまりあるからね

お父さんも、ばあちゃんも、兄ちゃんも
お兄にも 会えるのが楽しみで仕方がないよ

8/23/2024, 3:19:14 PM

小高い山の上に展望台が設置されている。春には桜が楽しめる。夏は緑が生い茂り、秋には紅葉が見られ、流石に雪は降らないので葉の落ちた木々が冬であることを示す山。その展望台からは湾が見える。海はすぐそばにある。

 古代より旅の歌も詠まれてきた。歌碑もある。海を渡ってきた人、これから海を渡る人が訪れた。彼らもこの海を見ていたのだろうか。勿論、街並みは大きく変わり、自分の知る港は彼らの知らない港だろう。見える景色は異なっているだろうが、果たして海の様子は変わったのだろうか。答える人はいない。
 展望台のベンチに腰掛け、ぼんやりと空と海を眺める。幸い過ごしやすい気温だ。鞄から飲み物――ペットボトルの水――と先程購入したハンバーガーを取り出す。晴天の下の食事はより美味しい。鳥の声が響き、土と草の匂い。そこに見えてはいても、風は強くないから潮風のような香りはしない。

 しばらくこの景色を見ることはない。見えている方向とは違うものの、自分もこの街を離れ、海を越える。だから、長らく海を見てきたであろうこの場所を訪れた。ずっとここにあり続けたからこそ、自分にとって身近なこの場所へ。
 旅立つことに対する気持ちの整理。ここで抱いた海の向こうへの希望を忘れないために。
 すぐには行けなくなる海への憧憬を今ここで満たして。

8/23/2024, 3:17:05 PM

海へ


私ね、3回もこの海で落とし物をしたの。

一つめはブレスレット。
貴方が誕生日にくれた、大切なものだった。
いつも手首につけているはずのものがなくなっていたときはすごく焦ったの。
でもね、貴方は私と一緒に頑張って探してくれた。

二つめは帽子。
パンジーがついた綺麗な帽子。
いつも貴方が、可愛い、似合ってるって褒めてくれたものだった。
そのときも、貴方は一緒に探してくれたの。

最後に落としたものは、恋
貴方から別れをつげられた。
いつもそばにいてくれたから、別れようって言われたとき、すごくびっくりしたの。
そのとき、私は彼から貰ったブレスレットと、お気に入りの帽子を被っていんだ。貴方がまた、可愛いね、って言ってくれると思ったからさ。
だんだんと遠ざかっていく貴方の背中を、ぼーっと見つめることしかできなかったの。
私、どうすればいいのか分からなかったの、
振られた原因をあれからずっと探してた。
でもさ、貴方は私が本当に困ったときに限って、一緒に探してはくれなかったね。

もし、私が海へ落ちたら、貴方は私を探してくれるかな…?

…そんな勇気、ないんだけどね。

8/23/2024, 3:15:40 PM

寂しくなると、私の足はなぜか勝手に家の近くの海辺に向かう。



なんでだろう。

でもここにいるだけで自分の存在が世界に認められたような気がするんだ。


【No.30 海へ】

8/23/2024, 3:14:48 PM

色々な世界へ行って
沢山の景色をみたい
沢山の人と話をして考えを想いを知りたい

海が太陽の光を反射するように瞳をキラキラと輝かせて
貴方はよくそう言っていた

色々な世界へ行って
沢山の景色をみたかったな
沢山の人と話をして考えを想いを知りたかったな

海が月を朧気に映して揺蕩うように静かに
貴方は最後に言っていた

時には激しく大きな波、ひっそりと小さな波
少し荒い道のりかもしれないけれど
きっと色々な世界の景色をみて
沢山の人達の会話や、たまにひとりの人の想いをきく海へ
とても小さくなった貴方をそっと預けた

いつか自分が其方へ行くまで
少しの間旅にいってらっしゃい

いつか自分と其方で再会した時
海の旅の話を聴かせてね

そんな想いを心の中で呟きながら願いながら
今日も自分は海へ貴方へ思いを馳せる

8/23/2024, 3:14:07 PM

「海へ行こう」
彼はデートに行くとき、よくそう言った。彼は海より山が好きなのに、海好きな私にいつも合わせてくれていた。
それがいつも嬉しかった。大好きな彼だった。

そんな彼は数年前、海で溺れていた男の子を助けようとして亡くなった。
あの日、海じゃなくて山に行こうと言っていれば。
何回も自分を責めた。でも、彼はもう帰ってこない。

今日は、彼が亡くなって5年目の日。彼が亡くなった海に、私は今年も訪れた。
砂浜の上に立って、そっと目を閉じる。そして最近身の回りであった楽しかったことや悲しかったことを、彼に心の中で伝える。
どうか天国で、笑って聞いてくれていますように。

8/23/2024, 3:12:49 PM

(海へ)

エアコンで適温になるよう調整された部屋。
深夜ゼロ時。
潮の香りを感じながら、眠りにつきたいと思った。海へ足を向ける日はいつになるかしら。
地震こわい。そう。海がすき。

8/23/2024, 3:12:36 PM

思い出すたび、拍動が止まる。
昼下がり、都会の喧騒の中で僕を見つめて笑った顔に極彩色のモザイクが踊る。
起き抜けでぐすり甘える声が、耳朶を穿ち頭蓋を振るい揺らす。
抱き止めた時に薫ったミストの香りが、鼻を突き抜けて目頭を焦がす。
繋いだ手が返す小さく可愛らしい、焼き切れた皮膚の神経の震え。
彼女を想起させる全てが拒絶反応を示す。
「無理に思い出してはいけません」と精神科医は言う。
「忘れたら許さない」と彼女の妹が言う。
「忘れてください」と彼女の母が言う。
「思い出せ」と警察は言う。
どうすればいいのかわからない。
明確な事は、ただ一つ。
このまま生きてはいられない。
手付かずの仕事を放棄して、彼女の元に向かう。
すでに日は沈み、色濃い空の下は一面一層暗い。
波音を分けて、波間をくぐり、思い出せない彼女を求める。
浮立つ足を押さえて、深みを探る。
沈んだ記憶が、深奥から呼び覚まされる。
ああ、ようやく思い出せそうだ。
あの日、沈みながらこちらに手を伸ばしていた、彼女の顔を…声を…指先の感触を…


テーマ:海へ

8/23/2024, 3:12:28 PM

海へ

 今日も海へ帰る
 正しくは海へ逃げる
 だって、家に帰ったら何されるかわからないもん、
 ご飯なんてあるはずもなく、
 自分で買いに行かないと材料すら家に存在しない
 今までは給食があったから1日一食でどーにかなっていたが、
 高校に上がってからは給食がないから
 仕方なくご飯を作るようになった
 お金はそこそこある
 バイトしたり、月に1000円はもらえるから、
 そろそろ人生も締めどきかなって何度も思った
 だから海に来るんだけどー、
 絶対に家に帰り着いてしまう、
 今日こそは、、、

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