お母さん、あのね
お母さんがいなくなってから何度言ったことか
もうすぐ20年や
突然の別れの時、私は28歳
お嫁に行って4ヶ月後の朝母は起きてこなかった
いつも全ては母を指針にしていた私
そんな母を突然亡くし、この先どう生きて行けばいいのかと絶望した
人の幸せが憎らしく、なんで私だけこんな目に遭わなければいけないのか
どうして私なの
お母さんがいない世界はどうして普通に流れているの
そんな気持ちでハリネズミのように棘をいっぱい身に纏っていた
お母さんがいなければ子供なんて育てられないから子供はいらない
そう思っていたら結局は欲しくてもできなくて子供のいない人生になった
いつになったら母の死を受け入れることができるのか 毎日ずっと思っていたけれど、15年過ぎたあたりから心穏やかになり始めた
母のいない世界
ものすごくものすごく辛かった
何かあればすぐ相談していた人がいない世界
若かった私にはキツかった
お母さん
今私はとっても幸せです
かけがえのない家族に囲まれて毎日が感謝の気持ちであふれるほど
だから私がこの世を全うした時にはお土産話たんまりあるからね
お父さんも、ばあちゃんも、兄ちゃんも
お兄にも 会えるのが楽しみで仕方がないよ
8/23/2024, 3:23:41 PM