『海の底』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
なにもない
風も吹かない
深閑の水底で
あなたを見た
解かれてゆく身体は
生まれる前の
記憶に還り
重力も感じられない
交差する時は
止まったまま
見上げれば
瑠璃色の空
深閑の水底で
あなたは眠る
泳いでゆく
水はわたしを包んでいる
生まれる前の記憶を
ひそかに呼ぶように
#海の底
海の底
海の底に住まう人魚の少女は、
地上の生活に夢を見る
海の底…。水は怖い。
ただ単に海洋生物が怖いって言うのもあるけど、暗い底に落ちてしまったらなんて考えるだけでも恐ろしい。でも、海の底に行きたいって言う人もいるから人は難しいね。
『海の底』
高台にある学校から帰ると、我が家が海に沈んでいた。
学校からまっすぐ坂を下ると、右手側に我が家が見えてくるのだが……そこは既に海の中だった。
(そうか、もうここまで海になったんだ)
ちょうど一年ほど前だったか、急速に海が町を呑み込み始めたのだ。
もちろん人も同じように海に呑まれては消えていく、なんでもそのまま海の底で眠っているのだとか。
この町だけでは無い、世界中で同じ現象が起こっているらしい。
あまり詳しくは知らない。
というのも、別にニュースで報道されたりしている訳では無いのだ。
ネットで調べてみても個人のSNSで『海の中なう(≧∇≦)』みたいな投稿が、沈んだ家の画像と一緒に引っ掛かるだけ。
何だか知らないけど、そういうものなんだろう。
そうして坂の半ばでボーっとしていると、後ろから話しかけられる。
「あー!〇〇ちゃんちょうど良かったわ、ちょっと待っててくれる?一度家に戻るから!」
そう言うと坂の上に急ぎ足で登っていく人物。
近所のおばさんだ、母の友人で私にも親切にしてくれる気の良い人。
数分後、何かを持ってこちらに歩いてくる。
「コレ、前に〇〇ちゃんのお母さんに肉じゃが貰ったのよ。その時に預かったのを返そうと来てみたら、〇〇ちゃんのお家がもう海に沈んじゃってるでしょ?困ってたのよ〜」
渡されたのはタッパーだった。
そういえば前に母からそんな話を聞いた気がする。
「『肉じゃが美味しかったわ』ってお母さんに伝えておいてくれる?〇〇ちゃんも待たせちゃってごめなさいね〜、風邪ひかないようにね?」
それだけ言うと坂を引き返して家に帰っていった。
おばさんを見送った私は、取り敢えず我が家に帰るため海に入る事にした。
右足から入って左足、腰、胴、肩……そして頭。
全身が海にすっぽりと入ったが、不思議と体に対して浮力は無く、地面に足をつけて歩く事が出来る。
恐ろしさは感じなかった、それどころか心が落ち着いていく感覚すらある。
そのまま我が家の前まで来た私は、玄関の鍵を開け扉を開ける。
「ガポァイバァ ー(ただいまー)」
口から泡を出しながら声をかけると、廊下の奥から鮫が現れこちらに向かって泳いでくる。
鮫はそのまま私の目の前を通り過ぎると、開けたままだった玄関からゆったりとした動きで出て行った。
……なかなか貴重な体験が出来たんじゃないだろうか?
玄関を閉めた私は自室に鞄を放り投げると、台所にタッパーを浮かべる。
そのまま母と父の寝室に行き覗いてみれば、二人とも既に布団へ横になり眠っていた。
……メモ紙が浮いている。
『〇〇へ
先に寝てます
父、母より』
(見たら分かるよ……まぁ、別にいいけど)
私の親は二人とも天然が入っている、本人達は否定するが間違いない。
……ともかく私ももう寝る事にした。
自室でパジャマに着替え、掛け布団と枕を持ってくると、母と父の間に割入って横になる。
普段は一人で寝るのだが、今日ぐらいはこういうのも悪くないだろう。
(明日は一体どこまでが海の底になるんだろう)
少しずつ眠りに落ちていく私の鼻を、小魚達がくすぐった。
[とあるCDショップ]
いま巷で人気沸騰の7人組アイドルグループ
"Earth Light"の新曲「南の海の誘惑」が絶賛発売中!
[船を出そう~鮮やかな大海原♪
連れて行くよ~君も一緒に♪
冒険しよう 知りたいのさ
君の心 オモテもウラも奥底まで♪
シーベッ シーベッ シーベッ シーベッ♪]
きゃあ🖤十六夜クン!(´▽`)
普段インテリで物静かなチハルは声を弾ませる。彼女にこんなテンションがあるのは意外。レンタルコーナーでホラー映画を物色するナツキとは…やはり趣味が合わなそう。
結局、ユウキに誘われて俺はナツキも連れて、クラスの女子たちと路草に付き合うことに。
ヘッドホンで試聴する俺に、後ろから膝カックンするスーツの中年男(笑)。
!(ノ゚д゚)ノ!!わっ! 噂の米国人、ジャックさん。
楽しそうだな。何聴いてるんだ?
訛りのない日本語でこちらに興味津々。流行りに疎いからアイドル講義を受けていることを話したら、案の定笑われたf(^_^;
南の海の誘惑…ジャックはCDの歌詞カードを眺めると、買うと言い出して、その場を後に。彼は米国の不動産会社の会長。日本の支社を指導する為に来日しているとか。でもその行動は謎。
[支社に戻るジャック]
(日本ではマスコミで流せない情報はエンタメを経由する。この曲もおそらく)
earth light…地球からの光。つまり月面管制局からのリーク。
南の海…月の南東(緯度38.9S 経度93E )
オモテとウラ…月の表と裏側に跨がった地点。
シーベッ…seabed。月の海底…発掘作業に進展?
十六夜…調査開始から16日目。
はい。こちら専用回線。ミスタージャック、どうされました?
南の海の誘惑…とても良い曲ですね(^^ゞ
ありがとうございます。調査がまとまり次第、報告書を送付いたします。お疲れ様です。
俺たちの"能力"について調査する事は、彼の仕事のひとつらしい。そして試練を課すのも、その能力を伸ばす為。経営している会社も本業とは別の目的があるかのも…?
失敗してはいないけれど
夕日につられて気が沈む。
地に足つけては居るけれど
何故だか不思議と流される。
上の空に星は無く
舞い散る憂いは灰として
胡乱な腹に積もりゆく。
それでも何故だか心地よく
きっとまた 流される。
-水底の歩き方-
赤、青、黄色、緑、白
紫、橙、黒、茶色
光があるから見える色
この世にたくさん生まれた色
私にとっては眩しくて
小さい私は楽しくて
だけど皆は自分の色が
誰の色より愛しくて
だから自分の持ってる色で
誰かの色を塗り替えて
光があるから見える色
誰かに塗り潰された色
私の色は汚れてて
私で誰かが汚れてて
光があるから見える色
光があるから見えるなら
光の届かぬ綺麗な場所へ
私を届けたいのです
「−海の底−」
海の底
?
難しい…。
海に関わる仕事してますが底はあまり見たことがない
海底カメラで日本海の底は見たことがあるけど泥が凄くてよく見えなかった
日本の山の最高標高は富士山の3776メートル
海底の最高震度は10000メートルらしい…
あとは昔の映画のグラン・ブルー
ジャン・レノ今どうしてるんだろう
海の底
ぷくぷく、ぷくぷく。
呼吸の泡が上がっていく。おかしいな、水のなかだよな。視界が揺らめき、青味を帯びた流動する世界は、たしかに水の中だと俺に確信させる。
「剣優、おきて」
声がする。海みたいなとこだと思ったんだけど、水槽?きみの所有する水槽なら、悪くは無いかな。ぐん、と浮上する感覚。
大事な人を亡くしたことがある
病院に運ばれたあとは眠ることなく枕元につめ、
息を引き取る瞬間までそばにいた
不思議なことに、そのときに周りと交わした言葉は、すべてくぐもった声で思い起こされる
病室の様子、医師の顔、握った手も、記憶の中で
すべてスクリーンを通したように青みがかっている
その人を失うことは、病院に着いた時点でもうわかっていた
その瞬間に、私の心は海の底に沈んでしまったのだろう
海の底からなすすべもなく最期のときを待っていた
いまもまだ、海面には出ていないと思う
でも少しずつ、浮上している
彼は海を見ながら
「綺麗だな」
と呟いた。いつもと同様の、人好きのする優しげな笑みを貼り付けて。
僕は缶コーヒーを一つ彼の方に投げやった。海から少し離れたコンビニで買ったそれは少しぬるくなってしまっていた。
彼は受け取ると、「ありがとう」とプルタブを引いた。かこんという無機質な音があたりに響く。
自分もコーヒーを啜りながら、ちらりと彼に目線を移す。
彼はやはり、黒くぼやけた瞳で海を見つめていた。
彼は海で出来ているのではないかと思うことがしばしばある。
大抵の事は優しげな笑みを浮かべて受け止めてくれるし、怒っているところを見たことがない。これまでにこんなに「海のように広い心」という表現がピタリとあう人に僕は出会ったことがない。
それだけじゃない、彼のあの底抜けに黒い瞳に見つめられると、あっと言う間に彼に飲み込まれてしまいそうになる。もう一生日の光を浴びることが出来ず、陸の上に立てない気さえする。
人間が海の事で知っている事と言ったら5%くらいしかないらしい。
いち友人として、結構な時間を彼の隣で過ごしてきたが、僕は彼について何も知らない。何を考え、海を見つめているのかも分からない。
海で出来た心の奥底には何があるのだろうか。
僕には触る事はもちろん、見ることさえ許されないのだろうか。
きっと、僕はすでに彼に飲み込まれたのだ。初めて彼と目を合わせたときからきっと、ずっと溺れているのだろう。足掻いたって陸の上には二度と戻れない。
それなら、いっそのこと引き摺り込んでくれよ。
彼の海底に潜む何かに僕は懇願する。
しかし、依然として、その何かは僕に姿を現さない。
とある町に優しい家族がいた。その家族は借金をしている人を見捨てられない人だった。そしてある男の人がその家族に歩み寄りこう言った。
「お願いがあるんだ!」
その家族はもしかしてと思った。そしてこう尋ねた。
「もしかして借金の肩代わりかい?」
そしたらそこにいた男は申し訳なさそうに頷いた。そしてその家族に借金を肩代わりしてもらっていたがその男の人が亡くなってしまってその家族が全てを支払うことになりその家族はご飯が食べられなくなった。もうどうしようもないと思ったお父さんは家族を連れて海に行った。そして海に入り亡くなった。その時に見た海の底はとても綺麗だった。
海の底
░░░░ ░░░ ░░
そこはどんなところでしょう。
きみは言った。きみは笑った。
行ってみたいの。
わたしが聞いたら、きみは笑うのをやめる。
ただ、一緒にいこうと誘ってほしかったらしい。
後から聞いた話だけどね。
【海の底】
海の底に行ったことはない。
一度も。
自分は海の「底」どころか一度も海の「中」に入ったことがなかった。
泳げないし海水はなんだか怖かった。
それなのになんだか行ったことのあるような気分になっている。
それは私が「どん底に落とされた」という文を見る度に海の底を思い浮かべているからだろう。
ファインディングドリーでしか見たことのない空間だけど映画で見る海の底は美しい。まったく怖くなどない。
これからの人生海の底から這い上がって水から自由になれるときは来るのだろうか。
沈んで 沈んで
沈んでしまったら
声もきこえなくなって
静寂の中で 過ごせる
海の底にいるかのように
私は足を組んで
ただ何も考えないで
好きな音色だけ響かせて
そんな時間が今の私には必要
たまに海の底に沈んでいく夢を見る。
真っ暗闇の海、照らされている水面。
私に救いなんてないのだと思わされる。
息はできる。でも苦しい。
手を伸ばしても届くはずない。
のに、必死に抵抗してしまう。
そこにただ、ひとつ手がさしのべられる。
――君の姿が見える
あなたは私の、唯一の光です。
お題〈海の底〉
光も音もない。
暗く、静かなその場所であなたは眠っている。
どうか安らかに。
【海の底】命の還る場所
哀しいことがあると
海の底で歌う
誰にも届かない
そのくらいがちょうどいい
嬉しいことがあると
海の底で歌う
誰にも聞こえない
そのくらいがちょうどいい
喜びも哀しみも食卓に並べて
ゆっくりかみしめる
それがいい
テーマ:『海の底』
遠い遠い、遥か上の方。
水で満たされていない世界があるらしい。
遠い遠い、遥か上の方。
光であふれた世界があるらしい。
いいないいな、見てみたいな。
いいないいな、行ってみたいな。
みんな言っている。でもボクは違う。
そんなところ、あるわけがない。
そんなところ、興味ない。
ふかい深い海の底。
深淵が広がる静かな世界。
ボクはここが好き。
すごく安心するんだもの。
ふかい深い海の底。
ヘンテコな仲間が集うおかしな世界。
ボクはここが好き。
けれど、みんなはそうじゃないみたい。
遠い遠い、海の底。
光が届かない寂しい世界があるらしい。
遠い遠い、海の底。
不思議な生き物が、地上に思いを馳せているらしい。
遠い遠い―――
海の底のように
知らない世界で生きられたなら
今の選択をしなかったと思う人の
数はどれくらいいるのだろう
その人達が思い留まってくれたおかげで
生まれた人たちが世界を回してきたのだろう
海の底のない私達の世界
檻のようでいて
胎内のようでいて
しがらみと呼んでみたり
きずなと呼んでみたり