『流れ星に願いを』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
流れ星に願いを
「明日も、素敵な日になりますように」
少し離れた横からそんな声が聞こえてきた。ちらりとそちらを見れば、そこには少女が立っていた。
指を組み、目を閉じて流れ星に願いをするその姿は真剣そのもので、それでいて願い事はささやかでいっそ祈りのようだった。
少女くらいの年の子なら、もっと違うことを願うのだろう。そう思いつつも何だか微笑ましい気持ちになって、夜空を見上げる。
先ほどから終わる気配のない流星群に届くように、指を組み、目を閉じて心の奥でそっと祈った。
どうか、彼女の願いが叶いますように。
眠れない夜
ベランダに出て涼しい夜風に当たっていた
[こんばんはどうした?夜遅いのに]
横から声が聞こえた隣の家に住んでる
大学生のお兄さんだった。
[考え事しちゃって眠れなくなってしまって風に当たろうかなあって]
[そうなんだね、今日は流星群が見られるらしいですよ一緒に見ませんか?話聞きながら]
流星群なんていつぶりだろうロマンチックだなあ
[ちょっと告白しようか迷ってて片思いですね]
流星群の夜に恋愛相談なんかいいなあ〜
それからずっと聞いてくれていた。
[聞いてる感じだと両片思いかなって俺は思うな]
[両片思いですか考えたことなかったです]
[見て、空始まったよ]
途中で言いかけた言葉と重なり口を閉じた
指を空に向けたのでわかった
[流れ星には願い事必須でしょ?しないの]
そう聞かれ胸に中でそっと願った
[横の人と一緒にいられますように]
[終わった?願い事はもうそろそろ見とくけどどうする?]
[今日はもう遅いので寝ますね遅くまで話聞いて下さりありがとうございました。おやすみなさい]
[そっか何時でも聞くからねおやすみ]
お題[流れ星]
No.31
今日、このときに降ると天気予報は言った
だがどうにも降ってきそうにない。
皆に夢を見せるため、
私は今、流れ星に願いを。
お題:流れ星に願いを
流れ星に願いを。
よくそう言うであろう。
それは、願うことで心がリラックスする方法の一種だから。
宗教も願いだし、おとぎ話も願いだし。
願いがなくちゃ、いきていけないもんね。
実際に、流れ星に願うと、そのためのやる気も自然と出てきますよ。
願いが叶うって本当のことだと思います。
幸せになりたいです。
幸せになりたいです。
幸せに…なり…た、、
…。
あっ、流れ星いっちゃったあ!泣
♯流れ星に願いを
「あ。」
横から彼の声が聞こえたが、私は顔を上げなかった。
母からのメッセージをさらりと返してしまうと、手持ち無沙汰に夜空へ顔を掲げた。すると、「私を見て」と言わんばかりに煌めく流れ星が降り落ちてくるのを目撃し、思わず「あ。」と声が漏れた。
「流れ星やんな」
へらりと笑っていそうな声に同感するのが癪で、「うん」と適当に返事をし、またスマホに目を向けた。母からのメッセージはまだ来ていない。憂鬱な時間に本当に舌打ちが漏れそうになる。
「俺ら、あの、付き合った時、見たよな」
「……」
「初めてデートした時や。えっ…と、あれ、映画見に行った日」
「……」
「…あの……見んかった?流れ星。夜、二人で外見てた時」
「…いや、初デートは映画じゃないけど」
顔色を伺う話し方にイライラとし、はあとため息だけ遠慮なくさせてもらった。まだ関係を繋ぎとめようとする会話の出だしに、世の全ての男が嫌いになりそうになる。
「別にどうでもいいけど、カフェに行った日でしょ、それ。夜、公園で」
「あ…そうそう、きれいやったな、流れ星。咲良、願い事言ってたやんな」
「覚えてない」
「…そっか」
横から聞こえるか細い返事の主は、見えないけれど、苦笑いをしていた気がした。うざったいくらいに気を遣った、困り顔の笑い。心の中では泣いてそうな下手な笑顔。見飽きたその顔は今日はとことん眼中に入れたくなくて、ずっと前を向くことにしていた。
「俺さ、あの日初めて流れ星見てさ」
「ほんまに、降ってきたから。びっくりして」
「……いや、こんな話興味ないよなぁ」
「最後に、流れ星見たから、ちょっと…なんか、悲しくなって」
見えない困り顔の横顔は、鼻をすすっていた。
私は返事を返さず、目前の夜空を見ていた。
しん、と降り落ちてくる流れ星に、願いを伝えることもせず、ただただ、降りゆく流れ星と一緒に、彼との最後の時間を過ごした。
流れ星に願いを/
流れ星に願いを
流れ星が流れる度に
願い事をしてみているが
3回言えた試しがない
流星群の時にも
チャレンジはしてみたが
一瞬で消えてしまう
だからかな
まだ願い事が叶わないのは
今日は流星群の極大日。
だけどあいにく曇り空で、見れそうにないや。
2時間粘ってみても空はうんともすんとも言わない。
溜息をつきながらひざ掛けを畳もうとしたその時、ほんのわずかだけど雲間が見えた。
そう言えば流れ星は観測するものだと覚える前、
「流れ星が流れている時、願いを3回唱えると叶う。」
というおまじないを教わった。
ダメ元で、祈ってみた。
「空が晴れますように。」
開いた目の中には、一番星が輝いていた。
『流れ星に願いを』
「俺の傘、はいる?」
題.流れ星に願いを
流れ星が流れる確率と、
私が君の好きな人である確率。
どっちが高いんだろうね。
流れ星に願いを…貴方なら…貴女なら…何を願いますか?俺は引かれるかも知れないけど…明日は彼女の月命日だし、幻でも幽霊でも彼女に会いたい。
流れ星に願いを____
小さい頃はよく、寝る前に出窓を開けて、
夜空の星を見上げながら手を重ねた。
「どうか、ママもパパも妹も大切な人たち、
全員明日も生きられますように」
「世界中の人たちに幸せが訪れますように」
「おやすみなさい」
そう言ってベットに入る。
今思うと馬鹿馬鹿しいけど、小3ぐらいまで
そんなことをしていた。
多分、不安だったんだ。
誰かが死んで、不幸になることが。
またこの時が来てしまった
憂鬱だ
「今期の成就者数は82人です。目安を51%オーバーです」
「また、270万件を超えるクレームが寄せられています」
まいったな……
「大半のクレームは『2回は難しい』です」
仕方がないことだ
テスト運用で1回にしたら大赤字になったのだから
「次に多いクレームは『時間が短すぎる』です」
遅いと2回でも簡単になってしまう
速度を出すのもコストがかかるが致し方ないのだ
「直ちに改善策を講じてください」
成就者を減らして、クレームも減らせと?
上のものは平気で無理を言ってくる
そもそも私はこんな無茶なサービスは反対だったのだ
「では、来期からは3回で成就とし、
成就者数を見て適宜速度の調整を図ります」
不毛な拘束時間が終わり
私は外に出てその辺の柵に寄りかかる
はぁ、と嘆息すると上を見上げ、そして呟いた
「早く終わらないかなー、願いを叶えるサービス」
空には絶え間なく星が降り注いでいた
~流れ星に願いを~
もし流れ星に何かを願うとしたら、大半の人間は幸福を願うだろう。でも私は周りの人間と違ってダメな人間だ。だからこそ私は願う。「早くこの世から去ることができますように。」それがこの世の為だと私は思う。
目を閉じる。
瞼の裏に浮かぶのは、
こちらを振り向いて笑う彼の顔。
もう一度、彼に会いたい。
彼はあちらで元気にしているかしら。
また、あの星のように輝く笑顔を
皆に振りまいて、愛されているのかしら。
ただもう一度、流れ星のようにやってきて、輝いて、
そして去っていった彼を一目見たいだけ。
流れ星に願いを。ただ1つ。
彼にまた、一目だけでも会わせて下さい。
そんな叶わない願いは、
私の瞳から流れ落ちる星にとけてぽたりと落ちた。
「流れ星に願いを」
起き抜けのボサ頭でキミが
「これでいいや」と林檎を手にする。
「1位と7位だって。」
シャクシャク…
「へー。どっちが?」
シャクシャクシャクシャク…
「あれ?どっちだっけ?」
…シャクシャクシャク
その林檎を丸ごと齧りながら、
垂れ流されていたテレビの星座占いランキングを見て、
「おはよう」よりも先に話しかけてきた。
「フツーよりやや下ってビミョー。」
「わかる。それな。」
「どうせ当たってないんだけどね。」
…シャクシャクシャクシャク
「あ!そーいえばさ。さっき叶ったよ。」
「叶ったって?何が?願い事?」
「そそ。ねがいごと。小さい頃に、流れ星を見たことがあってさ。その時のマイブームが白雪姫でね。」
「ん?もしかして、あの…王子様からのキスで蘇生するやつ?」
「そう!ソレ。マセてたんだよねー。家族でどっかの山ん中でキャンプしたことがあってさ。みんなで夜空見てたら、ちょうど星が流れてきた。」
「へぇー…って!…あっ!」
シャクシャク…ゴクッ
「なに?」
「で、さっきの?」
「そ。」
「…死んではいなかったけどな。」
「昨日はほぼ死んでたよ。」
……シャクシャクシャクシャクシャクシャク
「確かに飲みすぎた感は…ある。」
「てかさー!アレ!!ゲロチューだけはマジ避けたい!」
「あー!アレはホント絶対アカン、やつ!」
シャクシャクシャクシャクシャクシャクシャクシャク…
ちゅ。
……ゴクンッ!
「もっかいしとく?」
それで結局、星座占いランキングの1位はどっちだったんだっけ?…ま、いいか。
#28「流れ星に願いを」
少しだけ願ってみた
貴方が私に気づいて
振りかえって
「大好きだよ」そう
言ってくれる事を
流れ星に願いを。
何をお願いしようかなぁ〜
優しい旦那様?
かわいくて、頭のいい子供たち?
働かなくて、毎日お昼寝付きの生活。
年に1回は、海外旅行。
かわいくない願い事になっちゃった。
「星、ほしかぁ……」
結構、星ネタも多いな。過去の投稿分をさかのぼりながら、某所在住物書きは数度小さく頷いた。
「星が溢れる」、「星空の下で」、そして「流れ星に願いを」。約2ヶ月で3回出題の星ネタである。
「今までこのアプリの出題傾向、『エモネタ』『季節・時事』『空関係』で睨んでたが、『星』も出題頻度高めで想定しても良さそうか……?」
満天の星、星降る夜、星の瞬き、星隠す雨雲。想定し得るネタをメモアプリに記しながら、しかし物書きはそのいずれにも、まともな物語が思い浮かばず……
――――――
流れ星といえば、夜が定番ではありますが、ひねくれ屁理屈でこんなおはなしはいかがでしょう。
最近最近、桜散り時の都内某所。
某稲荷神社敷地内の一軒家に、人に化ける妙技を持つ化け狐の末裔が、家族で仲良く暮らしておりました。
その家族の中の末っ子は、お星様がとっても大好き。敷地に芽吹き咲く花が、星の形に似ていれば、それを星の木星の花と、呼んで愛でて尻尾で囲って、一緒にスヤスヤお昼寝します。
桜も見れば5枚の花びら。子狐の目には「星の木」で、散る花びらは流れ星。桜吹雪は流星雨です。
桜散り時の稲荷神社。
その日は風がよく吹いて、コンコン子狐の視界いっぱいに、「流れ星」が舞い飛びました。
「お星さま、お星さま!」
数日後には葉桜の、寂しい未来もすっかり忘れて、子狐は稲荷神社の敷地をくるくるくる。
「ながれ星が、いっぱいだ!」
跳んで、はしゃいで、駆け回って、今年の桜の最後を体いっぱい楽しみます。
「ながれ星いっぱいで、お願い事が足りないや!」
流れ星に願いを託せば、託した願いがいつか叶う。
コンコン子狐、子狐なりにちょっと賢いので、人間たちの古くからの、信じちゃいないけどささやかな、祈りの形を知っています。
「お星さま、願いを叶えてくださいな、いっぱい叶えてくださいな」
今年もおいしいお米が、いっぱい育ちますように。おいしいおいなりさんとお揚げさんが、いっぱい食べられますように。それからそれから、えぇとそれから。
小さなおててで花びらを集めて、この流れ星にはこのお願い、その流れ星にはそのお願い。
子狐は幸せで小さな欲張りを、おててが桜の流れ星でいっぱいになるまで、吹き込み続けました。
桜の花を星に見立てた、散る流れ星と星好き子狐のおはなしでした。
細かいことは気にしません。だいたい童話の狐は話をするし、リアルガン無視でファンタジーなのです。
しゃーない、しゃーない。
流れ星に願うのは流れ星の正体を知るまでだった。
不思議で夢があった。
早口で三回唱えると夢が叶う。
それになぜか惹かれて。
今はもう見ようともしなくなった。
自分に魅力があったのは流れ星に願いを唱えてた頃だ。
理由を知りたくなって知った後に感動する事は少ない。
秘すれば花とはよく言ったもんだといつも思う。