起き抜けのボサ頭でキミが
「これでいいや」と林檎を手にする。
「1位と7位だって。」
シャクシャク…
「へー。どっちが?」
シャクシャクシャクシャク…
「あれ?どっちだっけ?」
…シャクシャクシャク
その林檎を丸ごと齧りながら、
垂れ流されていたテレビの星座占いランキングを見て、
「おはよう」よりも先に話しかけてきた。
「フツーよりやや下ってビミョー。」
「わかる。それな。」
「どうせ当たってないんだけどね。」
…シャクシャクシャクシャク
「あ!そーいえばさ。さっき叶ったよ。」
「叶ったって?何が?願い事?」
「そそ。ねがいごと。小さい頃に、流れ星を見たことがあってさ。その時のマイブームが白雪姫でね。」
「ん?もしかして、あの…王子様からのキスで蘇生するやつ?」
「そう!ソレ。マセてたんだよねー。家族でどっかの山ん中でキャンプしたことがあってさ。みんなで夜空見てたら、ちょうど星が流れてきた。」
「へぇー…って!…あっ!」
シャクシャク…ゴクッ
「なに?」
「で、さっきの?」
「そ。」
「…死んではいなかったけどな。」
「昨日はほぼ死んでたよ。」
……シャクシャクシャクシャクシャクシャク
「確かに飲みすぎた感は…ある。」
「てかさー!アレ!!ゲロチューだけはマジ避けたい!」
「あー!アレはホント絶対アカン、やつ!」
シャクシャクシャクシャクシャクシャクシャクシャク…
ちゅ。
……ゴクンッ!
「もっかいしとく?」
それで結局、星座占いランキングの1位はどっちだったんだっけ?…ま、いいか。
#28「流れ星に願いを」
4/25/2023, 1:29:00 PM