『泣かないよ』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
【泣かないよ】
ごめんね。もう、泣かないよ。
きっと君を困らせちゃうよね。
もう、泣かないよ。泣かない、から。
そう言って、苦しげに笑う君はとても綺麗で、とても儚かった。
そんなこと、言わないで欲しかった。
でも、その言葉を紡がせてしまったのは僕のせいだから。
僕は君の涙を見ても、どうすることも出来ない。
謝るのは僕の方だよ。ごめん。
それすらも言えなくて。
言葉に出来なくて。
言いたいことは山のようにある。
口をパクパクと動かしても声は君に届かない。
ねぇ、神様。
最後に1つだけ、いや、二言くらい届けさせてください。
お願いしても良いですか?
"ごめんね。本当にありがとう。"
届いたかな。
もう、会うことは出来ない、君に。
君が生きている限り、君に幸せが訪れますように。
僕からの最後のお願い。
『僕なんか忘れて、強く生きてほしい。』
大好きだよ。忘れないで、、なんてね。
今日もまた、1つの魂が、空へと還りました。
魂は星となり、今も夜空に輝いています。
るあ
泣かないよ
小学校に入ってから、自分がこんなにも泣き虫なのだと知った。
うつ病と診断されてから、これは薬で治るものなのだと知った。
もう泣くのは自分の意思で堪えられるようになったよ。
泣かないよ
あなたが消えてしまって
その声や温もりを忘れてしまっても
巡り巡る季節の中にあなたを見つける。
そこにお別れがあったとしても
きっといつまでも続くんだろう。
そうしてまた違う世界で必ず巡り逢う。
だからまだ泣かないよ。
あなたもずっと笑っていてね。
泣かないよ
あなたとの別れ
卒業式
もう頻繁に会うこともない
もしかしたら忘れられるのかもしれない
けれど
それが全てではないのなら
途絶えてしまった
離れてしまった道がまた
交差する可能性は必ずしもゼロではないのなら
その可能性を信じて
今日を歩いていく
いつの日にかまた会った時には
たくさんの思い出話ができるように
楽しく時を過ごせるように
そう信じているから
泣かないよ
昔、隣に住んでた女の子がいた。
赤ちゃんの頃から一緒にいたその女の子は、少し泣き虫な一面があった。
突然現れた虫に驚いて涙を溜めたり、食べようとしていたアイスクリームがぽろっと零れ落ちしまって涙を溜めたりと、何かある度に泣き顔を見せていた。
「うぅ……っ。」
「ほら、泣くなよ。」
涙を零す姿を見る度に俺はその涙を手で拭ってきた。
何かあったら俺が側にいて、何かなくても側にいて……
そうやって俺達は同じ時間を過ごしてきた。
『一緒にいるのが当たり前。』
『大人になってもずっと一緒にいる。』
そんな風に思っていた16歳の夏、彼女は驚く言葉を俺に言ったのだ。
「あのね…?その……引っ越し…するんだって…私。」
「……は?」
突然のお別れ宣言だった。
両親の仕事の都合で遠くの町に行くことになったそうだ。
「そっ……か……。」
言葉を失った俺は何も言えなかった。
今までずっと一緒にいた、半身とも呼べるくらいの女の子が遠くに行ってしまう事実が受け入れられなかったのだ。
(……いや、俺がこんなふうになるくらいならこいつは……)
今までにないくらい涙を零すんじゃないかと気付き、俺は彼女を見た。
すると彼女は俺に笑顔を向けていたのだ。
「ーーーっ。」
「あのね…?もう泣かないよ?泣かないから……大人になったら私を迎えに来て?ずっと待ってるから……」
そう言ったのだ。
いつもの彼女なら絶対に泣くと思ったのに、まさかの言葉。
俺は自分の目に涙が溜まっていくのを感じていた。
「…あぁ、必ず迎えに行く。待ってろ。」
そう伝えた5年後の今日、俺は彼女が住んでる町に向かってる。
手には3本の薔薇を持って……。
くるくる
泣かないよと宣言するだけで、込み上げる涙が消えればいいのに。
波打つ視界が開けるのは涙が流れたあとだけ。
一生泣けなくなったとしても不便しないのではないか。
涙が、泣き顔が、世界から消えてくれ。
「拝啓 先輩へ」
もうすぐで、尊敬する部活の先輩が卒業する。
吹奏楽部から卒業してしまう。
出会いは、私が中学1年生が終わる頃、新しい何かを始めたいがため、吹奏楽部の見学に来た時、
来るのが遅く、もう先輩しか残ってなくて、
そんな中、私のために一生懸命吹いてくれたアルトサックスに惹かれ、吹奏楽部に入部。
でも、先輩は私のことを全く覚えていなくて、最悪のスタートラインを切りましたね。
それでも諦めることが出来なくて、私は必死に先輩に背中を追い続けました。
念願のアルトサックスを手にした時、思ったんです。先輩はこんなに重たい固まりに、命を吹き込んでいたのかと。
最初は全く音がならなかったけど、先輩が、一生懸命毎日毎日真剣に私にサックスを教えてくれましたね。
そりゃあ、先輩は全国大会でも、いつも上位にいる先輩だったから、教えるのも上手く、すぐに音が鳴るようになりました。先輩は高校2年生で私の学校は中高一貫だったから、高校生がいる生活は慣れないことばかり、ましてや、4つも下の私に教えるということはどんな気持ちだったのでしょう?
恥ずかしかったですか?嫌でしたか?色んな気持ちが混じり合う。
でも、あの時の私は恥ずかしい気持ちと尊敬する気持ちが複雑に混じりあっていました。
だから、先輩のことを嫌になってしまう自分がいたんです。これはきっと13歳のという、複雑な歳のせいでしょうね。
そして、先輩が高校3年生になると同時に、私にも後輩が出来たんです。
だから、先輩の大変さがわかると同時に嬉しさも生まれました。
後輩ができるってこんなにも嬉しいものなんですね。それなのに、先輩は私のことを全く覚えていないなんて、ほんとに、もう、酷くないですか?でも、いいんですよ。それ以上に先輩は私にたくさんのことを教えてくれましたから。
そして、先輩にとって最後のコンクール。
結果は「銀賞」
私は先輩と一緒に「金賞」が取りたかった。
溢れ出た気持ちは止まらず、涙の粒となった。その時も先輩は不器用ながらも、一言だけ話してくれましたね。
「今回は、、こんな結果だったけど、君は、まだまだチャンスがあるよ。僕はもう君と同じ舞台には立てないけど、応援してるから。」
涙が止まらなかった。その日は、暗闇の横断歩道で、先輩は何も言わず、私がないているのをただ横で微笑んで黙って見ているだけでしたね。
あぁ、嫌だ。もう少しで先輩がこの学校からいなくなってしまう。
次の演奏会が本当の最後だ。
悲しい。悲しい。悲しい。
先輩との思い出を思い出すだけで涙が出てくる。
この気持ちはなんなのか。
知りたくない。
でもね、先輩。
私、今度は泣かないよ。
先輩には笑って卒業して欲しいから。
先輩には、ほんの少しだけでも頭の片隅にこんな後輩いたなって覚えていて欲しいから。
泣き虫な人より、笑顔な人の方が記憶に残ると思うから。
だから、泣かないよ、先輩の前ではねー。
君がため
願いが為の
この死合い
結果がどうあれ
泣くものかと
「そう、思っていたはずなのだがな」
月が輝く可惜夜に
(Fateサムライレムナント)
【泣かないよ】
数年前、父が死んだ。
ガンが発覚してからきっかり一年で死んだ。
享年80歳。
まあ死ぬよね〜的な感じで、母も私も親戚も、特にこれといったリアクションは無かった。
クソ親父だった。
遊ぶ金欲しさに複数のサラ金業者から借金をし、返済せずにいたので家に取り立て屋が来たこともあった。
なぜか当時小学生の私が対応させらせた。怖かった。
毎月の給料日には外食に連れて行かれたが、それ以外で家計に金を入れたことはなく、すべてパチンコや趣味の買い物で消えていたので、私たち兄妹は母の稼ぎのみで生きていた。
死んでから母に聞かされたが、浮気三昧でもあったらしい。
そらあいくら金があっても足りまへんわなあ!!!
何度母に「頼むから離婚してくれ」と頼んだことか…
あのクソ親父なんて居ないほうが生活が楽になることは、小学生の私でもわかるレベルでヤバかった。
それでも別れずに最期まで連れ添った母の気持ちは未だにまったくわからないが、なぜか「陶子のために別れなかった」と言われ白目剥いた。私の必死の訴えは聞こえていなかったのか???
葬儀は、クソ親父本人の生前の希望通り直葬にした。クソ親父はなぜかわからないがお坊さんを極端に嫌っていた。
お経が無い分安く済むので、こちらとしてはどうでもよかった。
本当は病院からノンストップで焼却炉に放り込みたかったが、あいにく炉が混んでいた。
そのため一晩だけ葬儀場で遺体を安置することになり、それなら最期に一応顔を見ておきたいとクソ親父の妹一家が集まってくれた。
この人たちは大企業勤めのエリート揃いだ。クソ親父は大変外ヅラが良く、自分の所業をこの人たちには知られたくなかったらしいが、昔から母が逐一バラしており筒抜けだった。なので集まってもしんみりすることなく、笑いながらお互いの近況報告をして解散した。クソ親父の思い出話はほぼしなかった。
誰一人泣かなかった。
泣けと言われてもあの親父では泣けないよ。
『境界線』
君は強い 凄く強い 知ってるよ 唇を噛み締めて階段を登ってく 悔し涙の後だった 君はいつも僕の入っていけないとこにいる 僕の昼間は君の夕暮れ 気がついたら おやすみなさい 僕はまだ少し起きてるよ
昨年亡くなった長男
大学のため遠く離れてしまった次男
長男思いの優しい次男だったから
「○○との約束果たすよ」と
複雑で言い表せないほど
長男の居ないこの世は辛いけど
次男と離れた生活になって淋しいけど
決して表には出さず
泣き喚きたいけど、泣かない
君が悲しむなら。
嫌われたくないから。
困らせたくないから。
泣かないよ、君の前ではね。
〝泣かないよ〟
泣かないよ
みんなから心配されるのなんて嫌だから
泣かないよ
先生に泣き顔見られたくないから
泣かないよ
君の困った顔を見たくないから
みんな、僕が泣かないと思ってるから
それを、裏切っちゃいけないから
君に嫌われるのがとっても怖いから
だから、僕は泣かないよ
泣けないよ
泣かないよ
占いでね、「目隠ししたままの状態で動いても仕方ないから、少し立ち止まりなさい」って
確かにそうかもしれない
でも最近貴方への想いが溢れてしまいそうなの
「好き」と言いたくてたまらないの
どうしたらいいかな
もう少し貴方を信じて待ってみようか
それか当たって砕けてしまおうか
もう泣いてしまいそうだけど
泣いていいのは、私が貴方に気持ちを伝えて
貴方にその返事をもらった時だから
良い結果でも、悪い結果でも
泣いていいのはその時だけ
だから泣かないよ
まだ泣かない
空を見上げた。透明傘から覗く温かい光が傘に付いた雫を宝石のように光らせる。
その光景を見るといつも思い出す。「名前の由来はね。雨上がりの雲から覗く太陽が雨の雫を反射してキラッキラに宝石のように光るの。それがとてもお母さん好きでね。雫が居てくれるだけで周りの人を笑顔にさせてくれる人になって欲しいって。だから雫って名付けたの。」そう病院のベッドで笑う母を思い出す。
傘と一緒に腕に抱えた母の写真を見て「お母さん私泣かないよ」
そう呟いた。背中に当たる温かい光が母が背中を押してくれてるような気がした。
【泣かないよ】
泣かないよ
キミが喜んでも
キミが怒っても
キミが哀しんでも
キミが楽しんでも
泣かないよ
キミがいなくなっても
ボクが泣くのはボクのためだけだ
「泣かないよ。」
貴女はいつもわたしの前では
決して弱い自分を見せてくれなかったよね。
いつも笑顔で皆に優しく接してくれて
嫌な事が合っても、笑顔で笑いに飛ばして
見せてくれたよね。
そればかりか、わたしの事をいつも気遣って
くれて、励ましの言葉をくれたよね。
わたしはいつも言葉に甘えて居たけど
本当は知ってたよ。
貴女の弱い自分を隠していた事をね。
何で言ってくれなかったのかな?
わたしでは力不足だったのかな?
頼りないから?
そんなの悲しいよ。
一人で抱えないで、悲しい事があったら
わたしにも分けて下さい。
そうしたら、悲しみは半分になり
少しは気が楽になると思います。
|辛《つら》い時は一緒に泣こうよ
泣いてもいいじゃない?
わたしを信じて下さい。
わたしも貴女を信じます。
約束だよ。
お互い強くなったら
今度はねっ!
悲しい涙では
泣かないよ
今度は嬉し涙で一緒に
泣こうね。
泣いた後は、きっと笑顔に
なれるから。
めぐみより
「泣かないんですか」
無愛想で投げやりな言葉だった。決して大きな声ではなかったのにぱらぱらと降る雨の中、傘を差していてもはっきりとそれは私の元に届いた。
「泣かないよ」
「なぜ」
責めるような声音だった。目の前の青年は彼の後輩だったと聞いているから今回の私の態度に思うところがあるのだと思った。良い後輩だ。
「彼ね、私が泣いてるところを見るのがすごく苦手だったんだよ」
私が仕事で失敗した時、喧嘩をした時、感動する映画なんかで泣いた時彼は眉を八の字にして大慌てで私のことを慰めるのだ。ハキハキと喋るいつもの姿はなく、狼狽する珍しい姿に私が笑ってその場は収まる。
一人っ子で幼少を大人ばかりの環境で過ごしていたのだと聞いた。だから誰かが泣くとうまく対応できなくて苦手なのだと。
「それに、彼にはとびきりいい思い出だけを持っていて欲しいんだよ」
それは、きっと泣き顔ではないはずだ。彼との思い出は幸せで満たされているべきだと、私は思っている。だから、それで自分が僅かにでも救われるとわかっていても泣くことだけはしないと決めていた。
「すみません、俺___」
「いいえ、貴方みたいな後輩がいてくれて彼も幸せだと思うよ」
喪失感は消えない。しかし、大切な人を思ってくれていた存在がその痛みを和らげてくれる気がした。彼は確かに、ここにいたのだ。
「そろそろ帰ろうか」
はい。応えを確かに聞いて私はその場を後にした。彼の好きだった、小さな公園。
彼の骨は一欠片も残らなかったので。
泣かないよ…
夢やぶれ両手で水を掬い取る
溢さぬように泣かぬように。
聖人はこんなところで泣かないよ
どこか思いもかけないところで
どこにいっても、何があっても泣かない人は存在する。
大切な人に涙を見せることは心配をかけるだけだから、人前では泣かない人。
本当に感情が揺さぶられることが少なくて、泣く理由も見つからない人。
泣くことは恥だと感じ、泣く姿を晒したくない人。
様々な背景があって泣かない人は多いだろうと思う。
泣かないよ、っていう言葉は強いけど、強がりだなあって感じる。強がりさんが泣いていい?って言える関係になりたいな。