『沈む夕日』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
沈む夕日のオレンジはただ温かかった
今日の夕日を見た時の感情を
また経験することはあるのだろうか
もう一度と思うものほど
人生で一度きりだったりする
むしろ
人生で一度きりだから
この感動を覚えていられるのかもしれない
何もかも忘れたくなる日もあるけど
今日の夕日を見て
あの日の感動を思い出そう
人生の素晴らしさを忘れないように
「沈む夕日」
「また、明日、ね」
別れの挨拶を交わした君と僕
でも僕には明日の夕日は来るけど
君には明日の夕日は来ないだろう
君は隠してるように見えてるけどバレてるんだよ
君が僕を殺そうとしてるの
だから、今、夕日が沈むこの時刻に
僕はキミを先に殺す
夕日が沈むと同時に、僕は眼鏡をかける。
透明なフレームに、虹色のレンズという奇妙な眼鏡を。
18時25分。
リビングの中で、金色の鱗粉のような輝きが生まれる。それは緩やかな竜巻のような渦を描き、女性の姿が――足が、手が、胴体が、頭が現れる。
瞬きをした瞬間には、僕の目の前に、照れたようにはにかむ奥ゆかしい女性――瑠香が立っている。
「こんばんは、大樹」
僕はぎこちなく眼鏡の縁に触り、優しく微笑む瑠香を見る。何も返さずにいると、瑠香は僕の頬に触れた。触れられた感覚がない。体温も感じない。
ぐっと下唇を噛む。
「駄目よ、噛んじゃ。その癖、直さないとね」
12年間、ずっと僕の妻として傍に居てくれた彼女が、困ったように眉を下げて口角をゆるりと上げた。生きていた時のままの彼女と、同じ仕草だ。
進化したAIは、亡くなった人間のデータを預ければ、専用の眼鏡を通して「ゴースト」の姿になって現実の世界に現れる。
姿も、話し方、癖、過去の記憶……。
それら全てをAIが管理し、眼鏡をかければ故人を復活させることが出来る。バーチャルとして。
僕はこれで4回、眼鏡を使っている。
目の前には瑠香が居る。笑っている瑠香が……。
思わず眼鏡のフレームを乱暴に外して、床に投げつける。一瞬にして瑠香の姿が消える。
残っているのは、カーテンが閉まっていない暗いリビングの静寂だけだった。
唇が震え、鼻の奥が熱くなる。
瞳から熱い涙が溢れ、こめかみが痛くなる。
AIで人の傷が癒せるものか。
失った大切な人を蘇らせられるものか。
「瑠香、会いたいよ」
僕は膝から崩れ落ちて背中を丸め、祈るように、許しを乞うように両手を組んだ。
沈む夕日
(本稿を下書きとして保管)
2024.4.7 藍
【沈む夕日】
沈む夕日が
どこかの国の
朝日だと知ったときから
昇る朝日に
どこかの国の
誰かの祈りを感じるように
なったんだ。
#2「沈む夕日」
海辺に佇む人
水平線の向こうを眺めてる
どんな一日だったのだろう
お天道様が照らしてくれた
今日はきっと良い一日
明日も日が昇る
また素敵な一日が
やってきますように
夕日はいいよなー
ほぼ毎日そこに現れるのに
やたらめったらもてはやされて
当たり前の毎日に感謝なんてしなくなるのも
失くしてはじめて、その大切さに気付くのも人の常だ
当たり前に側にある夕日みたいに
隣にいる人をいつまでも、尊いと思えたらいいのに
#沈む夕日
「幼馴染み」
二人は同じ年に同じ病院で春と夏に生まれて、双子の姉妹のように育った。
大人しくて優等生学級委員の春と、天然で悪戯好きな夢想家夏。
おばあちゃん同士も同級生で気がつけば、ばあちゃんの引く乳母車に乗せられて二人並んで笑っていた、真っ赤な夕焼け空の下。
口喧嘩が得意だった夏は、眼鏡の優等生春をからかう男子を片っ端から、その口で叩きのめしたのだった、ついたアダナは口だけ大将。そんな二人は塾の帰り道よく自転車で海へと走った真っ直ぐに続く青い青い田んぼ道、初夏の風は潮風と青い田んぼと青く波打つ苗の匂い。その匂いを揺れる髪に纏わせ春と夏は海岸に着くと自転車を降り堤防に座る。
「もう、そろそろかなぁ」
「ジュッていうね」
ジュッというのは、水平線に沈む太陽だ。
これを、見るために二人は塾が終ると急いで海岸に向かう。
内海の穏やかで静かな海にゆっくりと沈む夕日
は、いつからどちらが言い出した訳でもなく、神様のお風呂。
1日の疲れを取るように、燃えてる太陽神は「ジュッ」という音をたてて
「あゝとでも言いそうに海に浸かるの」夢想家夏のそんな空想話を春は喜んで聞いた。
二人は、そんな神様のお風呂を見ながら、明日の約束をする、、そんな日がずっと続くと疑わなかった。
卒業証書を抱いて、沈む夕日を見た。
バラバラの人生は走り出す。
季節が春から夏へ秋から冬へ移り行くように。
それでも、たまに何の約束もなく夕暮れの故郷の海岸で二人は出会う時がある。
べつに、どちらから誘う訳でもなく。
並んで堤防に座り
「ジュッって聞こえるね」
「今日も、いちにお疲れ様です」
そう言い合って
沈む夕日を眺めて
それぞれの家路につくのだ。
2024.4月7日
心幸
沈む夕日を眺めながら
あなたのことを思い出す
その瞬間が何よりも
明日を生きる理由になる
沈む夕日
少し切なく感じるのは、良い日だったから
泣きたくなるのは、実らなかったから
急いでいるのは、約束があるから
感動できるのは、今日に感謝できたから
沈む夕日を見る暇もない
沈む夕日を堪能できる暇がある
人それぞれ感じ方は違うけれど
どれも同じものを見ている
沈む夕日
18時、橋の下
水面に夕日が映った
石を投げた
波紋と共に消えていく
涙を悟られぬように
顔を洗った
赤ん坊が黄昏泣きをする理由が
少し分かった気がした
孤独は好きなはずなのに
心のどこかで『寂しい』という声がする
行き場のないこの感情も
夕日と共に
暗闇に沈んでしまえばいいのに
君だけを一生愛してる
いや
駄目だ
俺がそんな事を言ってはいけない
今までだって
証明できなかった
それを言う資格は無い
やめろ
好きだ好きだ
あっちへ行け
あっちへ行ってしまえ
もう俺へ近寄るな
そうだそのまま
二度と振り向くな
もうやめろ
夕日のような髪を見るのは辛いんだ
どうせ夕日なら
沈んでしまえ
沈んでくれ
頼むから朝日になって上らないでくれ
どうせいなくなるのなら
初めからいない方が
お題『沈む夕日』
沈む夕日と昇る朝日
スッと差し込むオレンジ色は
どちらも暖かい
「もう一周走る?」
「OK」
夕練も朝練も
好きな奴と一緒
頬を染めるオレンジ
今日を終えて明日が始まっても
火照る色は
いつまでも暖かい
#沈む夕日
沈む夕日に
「行かないで」
と声をかけた。
「まだここにいてよ」
おかしな話だ。
君から離れていくのは
君を隠すのは
私が立っている、この大地なのに。
「沈む夕日」
「さぁ、諸君今日も一日が終わります」
そう言われた気がした
人によっては感覚は違う
でも、僕にはそう魅せた
幻想とも言うのか
僕の映る君は優しく笑った。
窓の外には木立があって、天気がいい日は、その間から、はるか彼方の山のむこうに沈む夕日が見える
夕日を眺めながら、今日も一日が終わるなあ、今日も寂しい一日だったなあと思う
いつか幸せな気持ちで夕日を眺めたいもんだ
そんな日は来るんだろうか…
17時、学校の裏山。
沈む夕日を眺めていた。
チセ「手、止まってるよ」
ハル「あっ……ごめんなさい」
チセ「…休憩しよっか」
私たちは近くの岩に座る。
学校指定のジャージが土まみれだ。
手も豆だらけで痛い。
ハル「ごめんなさい……私のせいで」
チセ「いいのよ、ハルに無理やり迫ったコイツの自業自得よ」
チセさんは足元のブルーシートに包まれ横たわる170cmソレを蹴り飛ばした。
ソレは転がって穴に重い音を立てて落ちた。
チセ「さっ埋めちゃお」
ハル「はい…………あの、チセさん」
チセ「なに?」
ハル「どうして……手伝ってくれるんですか?バレたらチセさんまでっ……!?」
唇に柔らかいものが当たる。
チセさんの顔が近い。
顔が熱くなる……。
チセ「そういうこと」
「沈む夕日」
なんで空は青なんだろ?
私の好きなピンクなら良いのにな〜
そんな事小さい頃はよく考えていた。
そんな事を考えながら、今日は仕事が早めに
終われたので歩いて帰る。
ふと後ろを向くと、
"沈む夕日"が見えた。
すると、空はピンクに染まっていた。
"沈む夕日"によって、小さい頃の夢が叶う。
なんとなく、少しロマンチックかな笑。
なんて思いながら、今日も平凡な1日を過ごすのだ。
『沈む夕陽』
背後から世界の色が変わる。茜色に染まる世界の中で、彼はとても美しかった。
「どうした?」
視線に気付いた彼が此方を向いて笑う。
「なんだ、見蕩れているのか?」
「君には赤が似合うからな」
赤い陽が、沈んでいく。
ゆっくり、ゆっくり。
僕の足は、早くなる。
どんどん、どんどん。
足が早くなると、気持ちが焦る。気持ちが焦ると、足はまた早くなる。
あの太陽のように、ゆっくり、のんびり生きたい。そう思う隙すらない現代。
でも宇宙規模で見たら、太陽も毎日重労働してるから、もしかしたら現代が宇宙に追い付いてきたのかも。
嫌だなあ、そうだとしたら。
そんな答えのないことを考えながらもせかせかと動き続ける僕の足。
この陽が沈みきる前に、家に帰らないと。
【沈む夕日】