『欲望』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
欲望
それは、甘美なるいただき!!!
人間の欲ほど…
面白い物無い!!!
パチパチパチパチパチッ
今宵の幕開け
イエスマイロード
セバスチャン・ミカエリスより
物憂げな空(今回は2作品投稿してます)
僕は夜勤専属のホテルマンとして勤務している。
勤務時間は夜の22時から朝9時まで。
2時〜5時まではフロント閉鎖時間で仮眠となる。
毎日同じ勤務時間だが眠れない。
夜勤明けですぐにベッドに横になるが眠れない。
おそらくサ−ビス業なので頭は疲れているが、体は疲労してないからだ。
寝落ちしたと思っても15分〜30分で目が覚める。
酷い時はそれで働く事になる。
3時間しか眠れなかったという話を聞くと羨ましい限りだ。
仮眠の時も1時間ぐらいしか眠れない。
事務所のベッドで寝ていると、お客様が帰館した時の自動ドア音や自販機で飲み物を購入した時の音もうるさい。
これは仕方ないが、なかには時間外なのにスマホの充電器を借りにくる客がいる。
「緊急時以外は起こすんじゃねえ!!あんたもこんな事されたら嫌だろう!朝の5時まで待ちやがれ!!」
と言いたいが渋々対応してます。
また、深夜2時以降のチェックインは断ってもいいが、僕は優しいので受け入れてます。
物憂げな空とは、まるで僕の精神状態のようだ。
俺は夜行性だと言う人がいるが健康には良くない。
人は朝日と共に起床し、月と一緒に夜に眠るのがベストだ。
夜勤はオススメしない。
だが、こういう勤務の人がいないと社会は成立しないのだ。
読者の皆様、今日もお疲れ様でございます。
勉強や仕事が色々と大変だと思いますが、お互い頑張りましょう!
遠くの街へ。
僕の出身地は兵庫県淡路島。
今は宮崎県で仕事してます。
気がつけば、実家が遠くの街になってしまった!
静岡県在住の時は工場勤務だったので、ゴ−ルデンウィ−クは夜行バス、電車、路線バスを利用して帰省した。
そして、実家の農業を手伝った。
滅多に帰らないので、お客様扱いしてくれると思ったら朝から晩までやらされた…。
体は疲労困憊だ。
少しは親孝行になったと思う。
毎年GWは帰省した。
ところが2020年、新型コロナウィルスが世界中で蔓延した。
僕はコロナにかかる事はない!
その年のGWも帰省する予定だった。
だが、志村けんさんを始め大勢の人々がコロナに感染してお亡くなりになった。
あの強運の喜劇王が死亡した!!
新型コロナウィルス恐るべし。
こんな僕なんかひとたまりもない…。
この報道を知って帰省は断念した。
母は僕の帰省を望んでいたが、兄の家族に恨まれるので中止した。
この決断は正しかった。
今もコロナウィルスの後遺症等で苦しんでいる方がいます。
1日も早い治療法の確立を願っています。
皆さん、健康に留意してお過ごしください。
【欲望】
あの人が似合うからあれも欲しい。
あの人がおすすめていたからあれが欲しい。
手に入れたら次の物。
また手に入れたら次の物。
どんなに手に入れたって欲望は絶えない。
本当に欲しい物か分からないまま次から次へと欲しくなる。
あの人になれる気がして。
あの人に近づける気がして。
まだまだどんどん手を伸ばす。
私は私であってあの人ではないのに。
そんな事理解しているのに。
暗闇のどん底にいる私は。
輝くあの人になりたい欲望が潰えない。
だれかみて
だれかふれて
だれかみとめて
だれかほしがって
だれかてをつないで
だれかことばをかけて
だれかわたしをゆるして
欲望の本質
欲望
時と共に別人級に変わってきたのが欲望かもしれない。
自分を動かす原動力だったことは間違いなく、何かを得たとか失ったとか、右だった左だった、もう終わりだまた始まりだってさ、全般的に右往左往の彩りを与えてくれた。
大学受験の時、落ち止めとしていた大学のオープンキャンパスに行って、すごく印象が良かった。
入試のスタイルも独自性があってめっちゃツボだった。
今思えば私の心が動いていたのは明らかにその大学しかなかった。
受かったのに、他にも受けていた中で偏差値や人気が高かった学校を進学先に選んでしまった。
これも欲望によって起きた間違いだったのかな?
就職先の選択肢が多いよとかが念頭にあった打算的な選択だったと思う。
でも行きたかったのは独自性の方だったのに、そっちは欲望ってことではなかったのか。
そんな話を運転しながら息子と話してたらナビの案内聞いてなくて変なバイパス乗っちゃって、「降りられなーい!」ってわちゃわちゃして、息子が「その時18歳だったんでしょ、間違えたってしょうがないよ」ってポツリ。
「そうだね、でもね、オープンキャンパスに一緒に行ったママの友達は同じくらいの成績だったけど、この大学好きーってそこに行ったんだよ。18歳でも選べる子は選べるんだよ」って「賢いってそういうことだと思うんだよね」って話し続けてたら、「ママはナビの言うことを聞けるようになるといいよね」って、ほんまにー。
好きなだけ食べる、寝る、遊ぶ、知りたいと思う欲が一番強い
欲があるから学ぶ
欲はパッション
欲がないと次へ行動できない
よくばりでいいと思う
2023年の3月から投稿開始したこのアカウントも、とうとう4年目。シーズン4の始まりです。
「ここ」ではないどこか、別の世界に、「世界線管理局」なる厨二ふぁんたじー組織がありまして、
そこに都内在住の稲荷子狐が、立派な御狐となるため、修行に出されておりました。
期間は最短1年程度。
稲荷狐の不思議なチカラで、管理局の仕事のお手伝いをしながら、いろんな勉強をするのです。
今日のお手伝いは、滅んだ世界からこぼれ落ちたチートアイテムを保管しておる「収蔵部」。
管理局に収蔵されておるところの、解錠困難なチートアイテムを解錠するのです。
「えい!えい!」
コンコン、稲荷子狐が、鍵を失った施錠アイテムに、稲荷秘術を振りかけます。
稲荷狐の四宝のひとつ、稲荷狐の鍵は神秘の鍵。
商売繁盛諸願成就、五穀豊穣神秘開運、困難打開の鍵にして、あらゆるロックを外します。
秘密、財宝、ドアに記憶。
狐が知りたいと思えばそれこそお題のように、
表面に決して出してはならぬ、食欲金欲ダイエット欲、その他諸々の欲望までも。
稲荷狐の鍵の前に、隠し事はできないのです。
「えい!えい!」
まだまだ稲荷狐のひよっ子なので、秘術のチカラはまだまだ弱い子狐ですが、
これも、立派な御狐になるための修行です。
一生懸命秘術を使って、成功率を上げてゆきます。
コンコン稲荷子狐の修行1日目の朝は、
半分くらいお仕事を残して、終わりました。
ところで狐というものは
特に子狐は食欲旺盛のやんちゃっ子でして。
「おしごと、おわった、おわった」
とってって、ちってって、
お昼ご飯の時間になりましたので、コンコン子狐は管理局の優しいお嬢さんに連れられて、
とってって、ちってって、
廊下をすれ違う別の局員から挨拶を受けたり、頭を撫でてもらったり、おなかを撫でてもらったりしながら、管理局員専用の食堂へ向かいます。
「ごはん!」
世界線管理局は、ガチモンの多種多様組織。
人間だけでなく獣人も、妖精に幽霊も勤務中。
なんなら宇宙タコに深淵スライム、ゴーレムなんかもオンデューティーです。
そんな管理局の局員食堂は、美味がいっぱい!
「ごはん、ごはん!」
コンコン稲荷子狐は、朝にいっぱいお手伝いをした分だけ、まさしく「欲望」に従って、
しかし事前に注文方法は勉強しておりましたので、
アレくださいコレください、そこからそこまで1個ずつくださいと、尻尾ぶんぶん。
あらゆる子狐にとっての美味を、注文しました––
––…そんな子狐のグルメ探訪の裏側で
数時間前、管理局の局員食堂では、壮絶っぽいドラマが繰り広げられておりました。
せっかくなのでそちらの「欲望」のおはなしも、
すなわち食欲に立ち向かう者たちのおはなしを、
ひとつ、ご紹介しましょう。
『ランチ担当の諸君。おはようだぬ』
お昼ご飯の数時間前、管理局員専用食堂の厨房は、
いつもより大量の食材を並べて、物語の最終決戦に挑もうとしている精鋭たちのような空気でした。
『今日から管理局員に、1匹、食べ盛りの稲荷子狐が増えるだぬ。
責任者の法務部執行課からは、ホト級と同等、ないしニア・ホト級の食いしん坊との情報が、既に厨房に届いてるだぬ』
おお……。
厨房で調理を担当する、緑のエプロンをしたタヌキたちから、声が漏れます。
彼等には「ホト級の食いしん坊」という言葉の意味が、分かるのです。
それはドチャクソに規格外な食いしん坊であることを意味しておるのです。
『諸君』
厨房長タヌキが、前に出て言いました。
『諸君。我々は局員の食欲に対して、美味を提供するのが職務だぬ。
我々は欲望に、屈しては、ならないのだぬ。
よって今日は、まず相手の食いしん坊指数を見極めるため、キツネたちにも協力を要請したぬ』
どうぞ。入ってくれ。
厨房長タヌキの言葉とともに、ぞろぞろ!
稲荷子狐の欲望と対峙すべく、難民シェルターで個人レストランをそれぞれ経営しているキツネたち、
赤いコックスカーフを巻いたキツネの精鋭たちが、
食堂に集合したのでした。
『諸君!まずは今日1日!
巨大な欲望に、共に立ち向かうのだぬ!!』
おう! おお! キューン! くわぁー!
緑エプロンのタヌキと赤スカーフのキツネは皆みんな、共通の課題を前に、
大きな欲望に立ち向かってゆくのでした……
𖧷欲望𖧷
メラメラしてるのがいい?
静観できるほうがいい?
ほどよくあるべきだし、
たくさんありすぎても罪になる。
バランスの難しいもの。
【欲望】
「宣誓、
私は嘘偽りなく発言するのを誓います。
私の旦那は気に入らないと
すぐ私を殴ったり怒鳴りつけたりします。
それを『キュートアグレッション』として
旦那は捉えています。
また、この事件に関しては
自分が被害者だと思い込んでおります。
私はただ正直に生きたいだけなのです。
ですが何を始めようとしても不安で怖くなり
私はもう何をすれば良いか、
何をしてはいけないのか
区別がわからなくなっております。
私はこのまま旦那として共にして良いのかも
わからなくなりました。
この裁判は無意味なのです。
ただこの場所が丸くおさまったら
また旦那は犯罪に手を染めようとしています。
私はそれを見て見ぬふりをするのが許せません。」
裁判って 懺悔する場所みたいですね?
『欲望』
欲しいまま
望んだまま
いけば良いが
為せなくて
心の淵にて
ささくれる
欲望などなくなれば良いのにという、矛盾
欲望
ジブンが欲しいもの、ですか? っ、ふふ…あはは!
…ああ、すいません。おかしくって、つい。
そうですねぇ。 それはね。真実の愛や、富、名声、力、自由だとか…
そんな在り来りなもんじゃあ、決してありません。
永遠です。永遠がほしかったんですよ、わたし。
で、気づいたら……
……ちゃんと永遠になっちゃってました。
前までねえ、時間が進むのが怖かったんです。
なぜかって?…考えてみてくださいよ。
変化というのは残酷で、恐ろしいものです。
ニンゲンってのは……醜く朽ちていくんです。
……ジブンだけは、ああなりたくなかった。
鏡を見るのが、嫌だったんすよ。
ほんの少しだけ伸びた前髪とか、昨日より濁った目とか。
誰だって、望むんじゃないですか。永遠の美しさ。老いない身体、無垢なままの魂。それを羨んだんです。
欲しくて、ほしくて、ほしくて、ほしくてほしくてほしくてほしくてほしくてほしくてほしくて……
みたいなこと、考えてたら…
気がついたら、死んじゃってたんですよね。あはは。
ジブンでも笑っちゃいますよ。
…周りの人間より、寧ろ恵まれてたんですけどね。特に大きな苦労も苦しみも味わう前に、成長するまえに……
なんとなく、なんにも考えずに飛んだんです。
……何から逃げたかったのかは、未だにわかんないんですけどね。
まあ、それはわたしらしいかな。
…あなたは、どう思います? 怖いですか、ジブン。
一応は、幽霊ってことになるんすかねぇ。でも、気に入ってはいますよ。歳、もう取りませんし。
……
ええ?なんでここにいるか、ですか?
あー。 …わかんないんですよね。知らないとこで。
いや、さっきも言いましたけど… 落とし物を、探してる途中で。
…ジブン、人間って、死んだらさっさと地獄に落ちるモンだとばかり思ってました。
いやあ、原因をね、と〜っても頑張って考えたんすよ。ここって中々、人が来ないでしょう。そこで、賢いジブンは思い出しました。
生前、死ぬ直前にいた所ってね。高架橋だったんすよ
で、地縛霊って知ってます?
……ほら、死んだ後に残るやつ。
今の状況にそっくり。ですよね?だから、ジブン…どうにかしたくて。
普通、死んだ場所なら…高架橋になると思いません?
なんでこんな、知らない場所にいるんだ、って。
カーブミラーと、ガードレールしかない分かれ道……
あと、コンクリートの柱みたいな… 柱?
そこでピーンときました! ここはなんと、ジブンが飛んだ高架の下だったんすよ。
どうすか?!この美少女のあまりの賢さに驚愕…
……してないみたいっすね。
なんすかその顔。 もう分かってたって?
はあ。つまんないの。
んでね、ジブンの未練って、なんだろうなあって考えました。
ぱっと思いつく願い事はもう、全て叶ってますよ。
不自由なく、気まぐれに生きて、身勝手に死んだ。
…そりゃ、罰も当たりますよね。
他に、生前に願ったことがあるとすれば…
それって、ジブンの為に… キレイなお葬式をあげてもらうこと、くらいでした。
とびきりのお化粧されて、お花に囲まれてね。
だって、綺麗なまま終わりたかったんですからね。
みんなの記憶の中で。一番可愛いジブンで。
……あれ?
もしかしてそれが、未練ってやつですかね?
その為に……誰かに、ジブンの落とし物。見つけてもらわないとまあ、困っちゃいますよ。
…ねえ。 ガードレールの、側溝の中。
何が落ちてると思います?
ちゃんと、キレイなままですよ。
…………多分。
便りがないのは良い知らせ、なんて言うけれど。
貰って嬉しいに越したことはない。
親しい間柄なら元より、増してや筆不精の御仁からなら尚のこと。
驚きすぎて、送り主を思わず二度見してしまったのも無理はない。
懐かしい旧友からの手紙に、仕事でくたびれていた心がふわりと舞い上がった。
――けれども。
「改まって、一体何だ?」
浮かれて封筒をかざしたりしている内に、次第に冷静さを取り戻した。
電話もSNSも知っている間柄のくせに、今の時代に何で敢えての手紙なんだ?
くるくると裏返していた手の動きを止め、改めて封筒の表書きを見直してみる。
――これ、宛名がわざわざ事務所になってるじゃん。
近況報告とかの私信なら、俺の名前宛てで送るはずだろう。たぶん。
ということは――。
「まさか、仕事の依頼状?」
ポストを開けたときのテンションから気持ちは一気に急降下。
一呼吸をおき。身構え直して封筒を開けてみれば、案の定。
奴が巻き込まれたトラブルの子細がびっちりと書かれた依頼状が出てきたのだから笑えない。
「あの馬鹿。まったく何やってんだよ」
呆れる俺の姿が予想出来たのか。
長い手紙の締めくくりには一言、「すまん」と追伸が添えられていた。
その、声まで聞こえてきそうな一文に天を仰ぐ。
続いて特大のため息を吐き出して、ソファーへばったりと倒れ込んだ。
そうだった。そうだった!
困ったときばっかりに連絡よこす奴だったよな、昔から!
寝転がったまま、届いた手紙を睨むようにして三度読み返す。
昔から欲望の塊みたいな奴だったけれども、このトラブルのお手本のような依頼内容は一体何だ。
文章こそ丁寧に書かれてはいるが、その裏に透けて見える、俺を巻き込んで解決しようという図々しい魂胆に怒りが沸いてくる。
そりゃあ、探偵だ、便利屋だって看板掲げて仕事している身だけどよ。
この内容で俺が引き受けると思ってるのか。
まったく舐められたものである。
「おっはよ~。って、うわ! どうしたのその顔。こっわ!」
手紙から視線を外せば、ちょうど奥の部屋から起きてきた相棒と目が合った。
のけ反りびびる奴に文句の一つも言いたくなったが、それどころではないと無視をする。
そのまま弾みをつけて起きあがり、放り出していたスマホを手に取った。
ダイヤルを回す相手は勿論、彼の阿呆な友人だ。
「待って待って。そ、その顔のままで電話するつもり? 依頼人に?」
「ほっとけ。何、ちょっとまずは説教をな」
反省の度合いによってはお灸も据えるが。
青筋を立て、コールが止むのをしばし待つ。
そうして電話口に出た旧友のとぼけた一声を受け、俺の怒号が探偵事務所に響き渡った。
本当、ふざけんじゃねえよ。 馬鹿が!
(2026/03/01 title:091 欲望)
欲望。人間の内面に潜んでいる、ドロドロとした感情。
醜い、穢れている、でもだからこそ、それは人間が生きていくための糧になる。
「欲望」
『欲望』
向上心が野心に変わらぬよう
望みが執着とならぬように
志を野心としないように
律して生きていくのは
少々窮屈だが
10年後の僕に
胸を張って生きていけと
そう言える道を歩みたい
欲望
夢は鏡。自分の欲望が映し出される。
あなたに、もう一度会いたい。
欲望
なぜに喚く、なにゆえ畏れる、心の底に映るものは汝自身だというのに。
欲望の声も知らずにどう対処するというのだ?幼子よ、身に覚えがないと喚く声、気づきかけておるその本性、決して変わる事のない、変えられない己の本質を直視せよ。
それこそが欲望を知る術なり。
汝ならばそれで事足りよう、なぁ幼子よ。
欲望
年を取ってすっかり欲望というのも薄れた。あれがほしいこれがほしいというのがなくなった。
でも金と時間があったらどうだろう。そう考えて今の自分に金があったらなにを買うか。考えてみたけど特に欲しいものはない。やっぱり欲望は薄れている。
欲望というのはあまりいい響きではない。でも欲望は生の活力のようなもので人が人らしく生きるのに必要なものだと思う。
あまりありすぎるのも考えものだが、あまりにも欲望がなさすぎると人畜無害な植物のような人間ができあがる。何事もバランスだ。
しかし今日は花粉がえげつないな。薬を使ってるのに鼻と目がひどいことになってる。
部屋の中なのに目がしばしばしてかゆい。これはどうしたものかな。
【欲望】それは奇蹟か絶望か
町外れの小さな教会。ポツポツと立ち並ぶ個人邸宅のその向こう、いささか辺鄙な、バスの停留所の終点から一ついった場所に、それはあった。周囲は森に囲まれているが、農園地帯よりは都市部に近い。そんな場所だ。
バスから降りてきた幼年の子供達が、駆け足に教会へ入っていく。
「神父様ただいま!」
「おかえり、学校はどうでしたか」
「楽しいよ! 友達できた!」
「ねえホームワーク終わったら遊びに行っていい?」
神父は柔和に微笑み、「ちゃんとやったらいいですよ」と頷いていた。
月に一度。神父は街へ行く。持ち周りで留置所にいる人間のために働いているのだ。それなりの規模の警察オフィスの中にある留置所では、罪の軽重に関わらず、多くの容疑者達が収容されている。彼らの祈りのために、神父はそこに向かう。周辺のプロテスタント教会も曜日をずらして訪れているが、毎度収容されている顔ぶれは違っていた。
神父は希望者のために個室のついたバンで乗り付け、彼らの話をじっくりと聞いた。時間制限があるので、窓がノックされたら終了間際である。
泣いて神父の手に縋るもの、怒りをぶつけるもの、ひたすら懺悔するもの、何が悪かったのかと苦悩するもの。
それらの話を聞き終わると、神父はその日は教会に帰らず、街で宿をとっていた。
宿は、うらぶれた路地にあった。かつては何かしらで栄えていたらしいということが、すっかり紫外線にやられて白茶けた看板や、見る影もなくボロボロになった庇テント、幾重にも貼られていた形跡の残るレンガ壁に見て取れる。酔っ払いがビール瓶を抱えて寝こけているのを、起こさないように通り過ぎて、神父は古びた宿にやってきた。コンクリートの建物、小綺麗なロビー、宿の主人は「どうもどうも」と穏やかに迎え入れる。場所は悪いが、この辺りでは価格の割に良いと言える宿だった。
「今日もいつもの角部屋ですね」
「すみません、毎度わがままを」
「いえいえ、毎月必ず部屋が一つ埋まるってのはありがたいモンで」
にこにこしながら代金と鍵を交換してくれる宿の主人に、神父は少し後ろめたい気持ちになった。それでも勤めて明るく、「では、お部屋をお借りします」と言って、そのまま三階の角部屋へ向かう。
ツインの部屋で、一人ベッドに座り込む。カソックを脱いで、ワイシャツ姿になる。黒いシャツは少しごわついていて、ホテルのライトにもうっすらと凹凸を浮かび上がらせていた。
コンコンコン、とノックがある。
「どうぞ」
と、神父が声をかけると、外から浅黒い肌をした男が入ってきた。笑顔は笑顔なのだが、そこに凄みがある。書き上げた茶色い髪の毛に、コメカミの大きな傷。どう見ても堅気の人間ではなかった。その彼は、大きなトランクを神父の前の床に置く。
「どうも。毎月お世話んなってます」
「いえ……こちらこそ」
神父は静かに目を伏せた。それから胸ポケットに入っていた封筒を渡す。男は中身をあらためて、小さく頷いた。
「はい、確かにどうも」
そしてトランクが開かれた。二重になったその中に、真空パックに詰められた肉が入っている。それを見た途端、神父の喉がぐびり、と動いた。
「準備しますんでね、ちょっと待っててくださいね」
トランクの中には、他にもブルーのビニールシートや大きな皿があった。シートを床に敷き、皿をおいて、その上に、袋から取り出された肉が乗った。まだ血の滴るような肉がべちゃりと落ちる。人の拳ほどの大きさもあるだろうか、見るものが見れば、それが牛のものであるとわかるだろう。
神父の息が上がっていた。左手の指が右手の手首に食い込むほど、強く握られている。
「傷」
と、浅黒い男がその指に触れた。
「俺しかいないんだから、無理なく」
下唇を噛んで、ふぅ、ふぅ、と鼻息を漏らす神父の様子を見て、男は目を細めていた。
「いいんですよ、ほら」
男がそう言うや否や、神父は生肉に飛びついていた。慎ましやかで落ち着いた声を吐く口が、大きく開かれて肉にむしゃぶりついている。血が飛ぼうが汁が跳ねようが、お構いなしに喰らいつき、そのためには発達していない歯で器用に肉をむしっては、さほどの咀嚼もせずに飲み込んでいく。
「水も用意しとくんでね」
と、隣に深めの水の皿を置いてやりながら、浅黒い男は神父の姿をじっくりと眺めていた。
彼と知り合ったのは留置所でのことだった。暇つぶしに懺悔室の利用を申し出て、今日は人が少ないし、最後の一人だから、とわずかながら雑談に応じてくれたのがこの神父だった。知らぬ間にマフィアの手先になってしまっていた彼にとって、謂れのないレッテルを見ずに話してくれたことだけでも随分救われたものだ。その彼が、月に一度留置所に来ると知って、釈放後、留置所の出口で待ち伏せたのだ。ただ彼を知ってみたかっただけだった。
その時に、食事を断られた。何度かそうしているうちに、彼が少し遠くのチャイナタウンに通ってることを知った。つけていったのだ。そこで提供されている焼肉の肉を、ひっそりとほとんど生で食べているのを見た。そのことを彼に話してみたのだ。それは単に、健康に悪いんじゃないかとか、そう言うつもりで。
「……信じて、もらえないかもしれないけれど」
と、彼は苦しそうに呟いた。
「二十歳になった次の月のミサで……聖体を、食べた時に、それが生の肉に変わって」
それが嘘か本当かなどは、浅黒い男にはわからなかった。
「それで、その……そのあとは、どんなお肉をいただいても満足できなくて。こっそり調理用の肉を調理前に食べてみたんです。……満たされて、しまって」
何が、ということは聞かなかったが、それ以降彼はそれをする場所や機会を探していたらしい。チャイナタウンに来ているのは、単純に自身の教会から遠いからのようだった。
「なぁ、神父さん」
と、気がついた時には口をついていた。
「俺が手配してやろうか、それ」
野良犬の方がまだ行儀がいいのではないかと言うくらい、周囲に血や肉片を飛び散らせている神父を見下ろす。彼のこんな姿を見ているのが、自分だけだと言う仄暗い喜びを、持ってきた缶ビールでぐっと飲み下した。
【欲望】
抑えが効かない/無限増幅/性欲/食欲/睡眠欲/三大欲求/悪きもの/原動力
凡そ、俺には欲望というものがなかった。
人間、誰であれ動く時は欲というものを必要とする。
腹を満たすために飯を食うだろうし、快楽を得たいから会話をするのだろうし、見返りを期待するから人に優しくするのだ。
勿論、生存をするために飯は必要で、飯を買うために金が必要で、金を稼ぐために仕事が必要で、仕事で浮かないように友人は必要だった。
俺に友達が1人もいない、なんてことはない。
手に職がない、なんてわけでもない。
ただ「生存」が可能なだけであって、それ以上のものはなかった。
変わり映えのない日常に、そもそもの「生存」の意味を見失っていた。
人が生きていくためには欲望が必要だと理解したのはつい先日のことだった。
バイトの帰り道。ブレーキランプを目にして、ブレーキを握りしめた。大きなため息が漏れた。
ドッと疲れが押し寄せてくる。ようやくあがりだ。と思った矢先にこれなんだから。
この先は地元では有名な化け物T自路だ。一度捕まるとしばらく抜け出せない。
頭がやけに重い。これが熱であって、そしてバイト前に気付けていたなら休めていたのに。なんて、仮定に仮定を重ねた意味のない結論が頭をよぎる。
がくりともたげた頭。そしてその視界に、真紅のドレスに身を包んだ女性が映った。
フリルが多く、意匠にも凝っていて、素人目からでも相当な値打ちものだということは理解できた。
身体中に電流が走った。あの優雅な服を纏える女性というのは、一体どれだけの美貌なのだろうか。
女性は掲示板を見上げて、しばらくそうした後、落胆したように肩を落とした。
あれは、確かどこか有名な劇場の告知だったと思う。
クラクションが鳴り響き、道を塞いでいた車がすでにいなくなっていたことに気付いた。
慌ててエンジンを蒸した。
……帰り道はずっとその女性のことを考えていた。
俺の中では、必死に研鑽を積んで、血の滲むような思いで足掻いた結果、しかし力及ばずオーディションに受からなかった女性のストーリーが描かれていた。
俺の中に欲ができた。そんな報われなかったあの女性を、どうにか救ってやるのだと。
_あとがき_
体力切れにより、よくわかんないまま完成させました。まぁ、まぁ。うん。構成力は上がっている気がするのでよしです。
文章力?まぁ、まぁ。うん。おいおいね。
万華鏡
私は安楽椅子に腰掛け、部屋の窓から庭を眺めていた。
40分ほど経過したころ、突然視界の端で七色に光り輝く幾何学模様を認識した。
庭の草木が神秘的な曼陀羅を描き、七色に揺れ始める。
私の精神は恐ろしいほど落ち着いていた。
怖がるべきなのだろうが、恐怖感や不快感は少しも感じられない。
万華鏡を覗いているように、庭も部屋も揺れている。
波模様を描きながら、光の球となり、東西南北をふわりふわりと飛び交い、窓は教会のステンドグラスのように美しく揺れていた。
私はこれが夢なのか、単なる私の妄想なのか、それとも脳の異常なのか、考えなければならないのに、どうでも良く感ぜられたのである。
このあまりにも芸術的で神秘的な光景は筆舌に尽くしがたい。
私は扉を開いたのである。
隣の部屋は宇宙の神秘を詰め込んだ箱庭だった。
それから数時間後、万華鏡はゆっくりと消えていき、強烈な眠気が私を襲った、
私はいつの間にか眠っていた。
夢のような世界から夢に入り、夢の扉を開くのである。