『欲望』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
彼女を一目見た瞬間、身を焼くほどの衝動に駆られた。
彼女と話したい。彼女と遊びたい。
心を手に入れたい。僕のものにしたい。
この手でぐちゃぐちゃにしてしまいたい。
初めての激情だった。心臓がうるさかった。
知りたくなかった。感じたくなかった。
僕という人間は、こんなにも汚くて、愚かだったのか。
本能が彼女を強く求めた。理性が僕を嘲笑った。
「あー、空から突然大金降ってこねーかなー?」
男のぼやきに親友は「こいつは何言ってんのか」と返したくなるような顔をした。
「まずはうまいもん食うだろ? それから…」
存在しない大金の使い道を男はべらべらと話す。
「……お前の欲望ってのは果てしないな」
「はっはっは……そっちは大金あったらどうする?」
親友は口を噤んでいた。元々口数の少ない奴ではあるが男の質問に一向に答えようとしない。
使い道か何かを考えているのか親友のは目を伏せ顔は少し赤くなっている。
「お互い欲はありまくりってことだな」
そう言い男は親友の肩を軽く叩き、親友もその衝撃ではっと我に返った。
顔が赤くなるくらいの欲望とは何だろうか――
男は気になったが触れてはいけないような気がしたので自分以上の欲があるんだろうとそう思うことにした。
頬張れ。
【欲望】
人間の欲というのはどうしてこうも尽きないものなのか。ほとほと疑問に思う。
五体満足で生まれてきたことを感謝して生きていくべきだとか説教臭いことを言う訳では無いが、自分も含めて人の欲はどうしてここまで貪欲で尽きないものなのかと、度々痛感せざるを得ないことが定期的に起こる。
自分のお隣とかいうものがいない時は、隣人を欲しがって、隣人という名の恋人を得た時には彼らから今まで以上の愛情を得ることを望む。
自分でも驚く程に、わがままで勝手な願いだとは思うが欲望を満たすためにすぐさま積極的な行動を起こす癖みたいな私の衝動的な行動はなかなか治らなくて、今現在も自分を困らせていた。
「なんでだろうねえ。」
もう、返事をすることの無い彼に問いかける。
こんな風な過ちを起こすのは何回目だろうか。
まぁ、数え切れないほどではない回数なのだろうけど、一回でも起こしてしまえば麻痺するように繰り返してしまうようになったから、数えることは辞めてしまった。
自分の潜在的な欲求というのは怖いものだ、四六時中私に構って愛してくれる彼が出来た途端にそれでは満たされぬと言うように、こんな過ちを何度も起こしてしまうのだから。
そんな考えに、でもしょうがないよというような気持ちが言い訳するように湧いてくる。
彼が出来うる限りの愛情を注いでくれるのなら、私はその愛を永遠に閉じ込めるために、彼の全てを手に入れたいと思うのだからしょうがないよと。
でも、自分の中でどんなに言い訳しても世間とか法とか言うのは私のことを決して許してくれないのだろうなと思う。
だから、私はいつも後悔するのだ。
動かぬ身体を処理する手間と自分の起こしてしまった失態の尻拭いが欲望で自分を突き動かしたことの行動と釣り合わないことに不満を抱いて。
そして最初に言ったように思う。
どうしてここまで人の欲望というのは尽きないものなのか、と。
―――狂人
お題【欲望】
煮えたぎるような欲望がなきゃ人間終わり?
いや、欲望とも呼べない日々の欲しいものを活かして、案外楽しく生きてるよ。
ココじゃワタシじゃなくってボクで居させて
我儘だけど ホントのアイが欲しいの
ホントのIでいたいの
貪欲 AI 痛いも感じない
1000度で溶かしたって消えない見えない
ずっとそれで許してたけど
ホントは自然体で愛されてみたくて
おとしてみたかったの
「無欲な人ね」
彼女は眉を下げて笑った。僕への愛情か、僕をつまらない奴だと感じているのか、どちらとも言えないような表情で、僕は少し困った。
「どういう意味?」
我ながら間の抜けた声を出してしまったと思う。でも、聞かずにはいられなかった。もし、つまらない奴だと笑われていたのだとしたら。
「…優しい人ね、って意味よ」
今度はどこか悲しげな表情だ。言葉と表情があまりにも一致していなくて、僕はさらに困ってしまった。伏せられて、長い睫毛の垂れたその瞳はどうしてそんなにも寂しそうなのだろう。
「本当に?」
僕は馬鹿だ。彼女の気持ちなんて察せない。言ってくれなきゃ、分からない。言葉に釣られるようにして手が伸び、彼女の手首を掴んでいた。そのとき、僕は確かに見た。彼女の瞳に一瞬、光が宿るのを。嬉しそうな、好奇心が湧き立ったかのような、不思議な光。
「痛い、離して」
光が見えたかと思うと、彼女は顔を背けてそんな事を言った。僕は慌てて手を離して、悪い事をしたと彼女の顔色を伺った。その顔には、何故か失望の色が滲んでいた。そんなに痛かったのか。軽く掴んだだけだと
思ったのに。
「ごめん。本当にごめんね、つい…」
「そうじゃない」
僕が言い終わる前に、彼女はぴしゃりと言葉を刺した。僕の方に向き直った彼女は、どこか怒ったような、もどかしいような表情を浮かべていた。そして次の瞬間には、その瞳に涙の粒を浮かばせていた。
「…どうして、私に欲情しないの。乱暴に、滅茶苦茶にしたいと思わないの。私ってそんなに魅力が無い女なの」
彼女に言われた通り、僕は無欲な男だ。だから、彼女の事も、彼女の抱く欲望の事も何も分からない。理解の及ばない世界。何だか面倒くさい、と思った。
僕は何も欲しくないし、何も望まない。だから、彼女にも何も欲さず、何も望まないでほしかった。その方が面倒じゃない。楽だ。
これが僕の欲望だったのかもしれない。
欲望があるってすごいことだと思う。だって何かをしたい、何か欲しいそういう思いってこれからもずーっと必要だた思う。でも、自分のことだけしか見えなくなったら意味が無い。したい以上に何かを求めることが出来なくなるから。したあとはどうするかとか…。だから欲望もある程度大事なのかなぁ?って思う。
「欲望」
後ろめたいような
曇天のような望みを
抱くことは許されないの?
その思いに
支配されて
駆り立てられて
走るのは
愚かなことなんだろうか
⌜欲望⌟
今の時代は欲望に満ちている
昔は欲しいものも
やりたいことも
ほとんどが出来なかった
でも今は戦争のない平和な時代だ
平和な時代だからこそ
私たちは
我慢したり
自分のやりたいことではなく
他の人が言っているからといって
自分の望んでいなかったことを
やってはいけない
欲張っていい
わがまま言っていい
夢を叶えられなかった人、
やりたいことが出来なかった人のためにも
平和な時代に生まれてきた私たちが
やらなくてはいけない
みんなも自分のやりたいことをやって
他の人の意見なんて気にしなくてもいい
あなたの人生はあなたのものだから
じゃあ今日は終わり
また明日
満たされず
湧き出るものが
欲望で
どこに終わりを
求めるもなく
お題☆欲望
金が欲しい
異性が欲しい
名誉が欲しい
本能に動かされるまま欲望に走る
身が焦がれる衝動に駆られる
快楽に身を委ねるのは気持ちいい
だが欲望を追求しすぎるといつか身を滅ぼす
欲望をどう建設的なエネルギーに変換するかが
とても大切だ
欲望は生き物としての本能だが
理性を兼ね備えた人間には欲望さえも邪魔になる
欲望にも色々あるよね。
物欲なんかなら、
頑張って働いて、お金を貯めれば、自分でも満たせる。
でも、一人じゃどう頑張っても満たされない欲望もある。
愛が欲しい。信頼が欲しい。友情が欲しい。
きっと色々あるよね。
満たされようとするのは、満たしてもらおうとするのは、きっと悪いことじゃない。
それは、
自分を労わって、大切にしてあげることでもあるから。
でも、自分だけではなくて、ほとんどの人が同じように、欲望をもっていることを、理解しなくちゃいけない。
望むだけでは、いつか誰からも、何も与えてもらえなくなることを、理解しなくちゃいけない。
もちろん、無償の愛なんて言葉もあるように、
見返りを望まない人だっている。
だけど、もしそんなふうに自分を想ってくれる人が、
居たとして、
自分がお返ししたときに、喜ばないはずがない、と思う。
結局、人から何かを与えられることは、
とてもうれしいことで、
それが大切な人からなら、なおさらだと思うのだ。
人に何かを望むとき、自分は何をあげられるか考えよう。
ギブ・アンド・テイク。
そうすればきっと、関係を長く続けられる。
◌ 欲望 ︎︎◌
欲望_33
依存とは
依存先が一つのみの状態を指しており
それを二つ三つと増やす事で抜け出せる。
そう聞いたことはないか?
私は前者を極めすぎたようで
今に足をかけた。
-あの日
友人の 硝子で作られた杯のような
薄く 非常に脆いナニカを
割ってしまった。
周りの背景となりし友からの慰め。
それも相俟って
私が裏切ったからだ
と言わんばかりの
光が入る隙間もない瞳を見た。
それは
何を言っても修正が効くわけない
と静かに怒っているようだった。
それから私は いつもより
はるかに明るく振る舞い
古い杯を捨て 新しく作り直そうとした。
だが それもただ夢であった。
友人は泣いて 人に助けを求める。
私のことなど
突拍子もなく道路に飛び出て
轢かれて死ぬカエルだ
と言っているようだった。
友人よ。
私に依存をしなくたって
生きていけるのは良かったな。
友人よ。
一緒に生きるのなら
一緒に死ぬのも当然だろう。
友人よ。
何故 私の依存先ばかりを減らす。
友人よ。
私は この先 どうすれば良いのか。
友人よ。
私は貴方に欲望を晴らしてほしいと
願って 願って 願い続ける。
この足が怯み 堕落するまで。
欲望
もっとあの人と話していたい。
もっとあの人にご飯を作りたい。
もっとあの人と生きていたい。
いつからこんなロボットとは思えないような感情を手に入れたのだろう。
欲望…
それは人生の道標
私の夢
私の願い
私の目標
欲望がなかったら
人生を切り拓いていけないよ!
そこに立ちはだかる
欲望という名の壁
たまーに
寄りかかってきて
心を揺さぶられる
そしてその壁は、急に壊れて
自分に襲いかかる
「困った壁だ」と思い
大きな石を投げつけようが
ハンマーで殴ろうが
その壁はびくともしない
そんな壁に負けてしまうのが、『人』だ
その壁はときには邪魔だと思うかもしれない
しかし
欲望という名の壁は
本能的で、
とっても、人間らしい、
そんな気がする。
お題:欲望
1年4ヶ月、ずっと思っていた欲望が満たされた。
みんなの卒業を祝うこと、みんなが新しい世界へ羽ばたくところを見送ること、みんなと沢山写真を撮って思い出を残すこと。
叶えることができた今日は幸せだった。
欲望は私を醜くする。
欲望は私の未来を示してくれる。
好きを見つけることができる。
良さと悪さのあるものは、悪さを無くすのではなく、良さを強くするに限る。
〈欲望〉
「お前の欲望はなんだ?」
部活の帰り道で突然、先輩に聞かれた。僕はすぐには思い浮かばなかった。一生懸命考えて、出した答えがこれだった。
「えっと........僕は、これから何事も無く、平和に、みんなと一緒に卒業した.....」
「それは欲望じゃない」
冷たくそう言い放った先輩には、怒りや呆れの表情は見えず、どこか希望を抱いているようだった。
「いいか?それは欲望じゃなくて理想。俺が聞いてるのは欲望。これからの未来を掴むための“欲”さ」
さりげなく放った言葉なんだろうけど、僕の心には十分に響いた。
ー*ー
それからと言うもの、部活に一層力を入れるようになった。先輩の言う“欲”を見つけるために。
部活に力を入れると、自然と勉強や体調管理にも力が入りはじめた。その勢いを無くさないように、出来る限りを尽くした。
もう、三月か.........あの日あの時、先輩に言われた事を思い出す。今日で、先輩は卒業だ。最後に、言いたい事があった。
「先輩!」
「おぉ、どうした?俺が居なくなって寂しいか?」
「まぁ........って、そうじゃなくて!」
「?」
「欲望の事!」
「あぁ、決まったのか?」
「うん」
「じゃあ聞かせてくれ、お前の欲望を」
「.........僕は、先輩の後をつぎたい。先輩が守っていた部長の座を受け継いで、先輩と同じ高校に受験して、そして...........................」
先輩を超えます!
2人きりの空き部屋に大きな声が響く。
欲望という名の理想。理想という名の欲望。
“欲望”と“理想”