「あー、空から突然大金降ってこねーかなー?」
男のぼやきに親友は「こいつは何言ってんのか」と返したくなるような顔をした。
「まずはうまいもん食うだろ? それから…」
存在しない大金の使い道を男はべらべらと話す。
「……お前の欲望ってのは果てしないな」
「はっはっは……そっちは大金あったらどうする?」
親友は口を噤んでいた。元々口数の少ない奴ではあるが男の質問に一向に答えようとしない。
使い道か何かを考えているのか親友のは目を伏せ顔は少し赤くなっている。
「お互い欲はありまくりってことだな」
そう言い男は親友の肩を軽く叩き、親友もその衝撃ではっと我に返った。
顔が赤くなるくらいの欲望とは何だろうか――
男は気になったが触れてはいけないような気がしたので自分以上の欲があるんだろうとそう思うことにした。
3/1/2024, 1:02:16 PM