人間の欲というのはどうしてこうも尽きないものなのか。ほとほと疑問に思う。
五体満足で生まれてきたことを感謝して生きていくべきだとか説教臭いことを言う訳では無いが、自分も含めて人の欲はどうしてここまで貪欲で尽きないものなのかと、度々痛感せざるを得ないことが定期的に起こる。
自分のお隣とかいうものがいない時は、隣人を欲しがって、隣人という名の恋人を得た時には彼らから今まで以上の愛情を得ることを望む。
自分でも驚く程に、わがままで勝手な願いだとは思うが欲望を満たすためにすぐさま積極的な行動を起こす癖みたいな私の衝動的な行動はなかなか治らなくて、今現在も自分を困らせていた。
「なんでだろうねえ。」
もう、返事をすることの無い彼に問いかける。
こんな風な過ちを起こすのは何回目だろうか。
まぁ、数え切れないほどではない回数なのだろうけど、一回でも起こしてしまえば麻痺するように繰り返してしまうようになったから、数えることは辞めてしまった。
自分の潜在的な欲求というのは怖いものだ、四六時中私に構って愛してくれる彼が出来た途端にそれでは満たされぬと言うように、こんな過ちを何度も起こしてしまうのだから。
そんな考えに、でもしょうがないよというような気持ちが言い訳するように湧いてくる。
彼が出来うる限りの愛情を注いでくれるのなら、私はその愛を永遠に閉じ込めるために、彼の全てを手に入れたいと思うのだからしょうがないよと。
でも、自分の中でどんなに言い訳しても世間とか法とか言うのは私のことを決して許してくれないのだろうなと思う。
だから、私はいつも後悔するのだ。
動かぬ身体を処理する手間と自分の起こしてしまった失態の尻拭いが欲望で自分を突き動かしたことの行動と釣り合わないことに不満を抱いて。
そして最初に言ったように思う。
どうしてここまで人の欲望というのは尽きないものなのか、と。
―――狂人
お題【欲望】
3/1/2024, 12:58:41 PM