『欲望』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
欲望
満たせ。空のコップを満たすように。
身体を、心を。満たして、満たして、有り余るくらいに。
どうせ、また足りなくなるのだから。
満たされるあの刹那の感覚を味わうために、今日も欲望の仰せのままに。
いつも一緒だった
家族のように育った
笑って、バカをして、怒られて、泣いて
これからも変わらない
そう、思っていた
「すきだよ」
幼馴染の口からこぼれた欲は、私の中の無意識の欲を刺激した
本当は、変わりたかった
異性としてみて欲しかった
家族になりたいと、思っていた
隠して、隠して、隠して──
そして彼に暴かれた欲望が、口からまろび出る
「私も、すき」
―欲望―
「欲望があるのは、幸せだからだ
恵まれた環境におかれ、
何不自由ないからだ
幸せでないとどうだろうか
願いは叶わないと分かれば
欲望すら生まれないだろう
それに
幸せに溢れていた記憶のおかげで
乗り越えられる壁だってあるはずだ
結局僕は何が言いたいのか
つまりは―
欲望はあるうちに
満たしておくのが一番賢明
ってことだよ」
『春眠と欲望』
春の朝、未だ起きれず 海老の姿勢で眠っている
海の底にいるようだ 海面を見上げて呟くは
人の欲望は無窮である 守るための暴力や平和であることの圧力にひたすら背を向ける 正しさはいつでも反応の無いリトマス試験紙だ 海老は眠る 昼をゆうに超えて 夕暮れはもう近い
欲望が私を蝕む
どれだけ振り払おうとも
欲望が付いてまわる
どんなに自制しようと
欲望はそんな私を嘲笑う
私を苦しめて
悩まして
甘い蜜を与える
だけど欲望がなければ
私は私では無くなり
屍の様に生きることだろう
煩悩ばかりの私だけど
それこそが私であり
生きる目的なんだ
目的が生まれた時点でそれが
欲望なんだ
そして私はまた欲望に抱かれ
蝕まれ
私になってゆく
私の欲望。
直感的に思いついた欲を語ろう。
私は一生楽に過ごしたい。学生、そうだな、高校生の春休みくらいの忙しさがいい。遊ぶ金を手に入れるくらいのバイトをして、ほんの少し宿題をサボって、他はめいいっぱい遊んで食べてだらけて眠る。
そんな一生を過ごしたいと思った。
少し考えた欲を語ろう。
私はめいいっぱい頑張れる夢が欲しいと思った。大好きな漫画や小説の中の彼らみたいに、がむしゃらに走って転んで手を伸ばして、持てる全てで挑戦するような、そんな熱が欲しいと思った。
脇目も振れないような夢が欲しいと思った。
他にも私の欲はあるけれど、悩まず言葉を紡げる欲はこの2つ。いつも考えているこの2つ。
この矛盾が私自身だ。熱を望むくせをして、実際に手を取るのは微睡みの温かさ。熱は訪れないものかと目を閉じる。目を開けろ、望め、走れ、手を伸ばせ。心の奥底が叫んでも、怠惰な私は部屋から出ない。
ため息1つそこに置いて、やっぱり私は諦める。こんな自虐みたいな文章と一緒に、勤勉な私の心も置き去りにするんだ。
欲望
「もっと」
耳に齧り付くような声が
私を癒す
「いいよ」
まるで自分ではないような返事が、口をついて出る。
「ありがとう」
誰からも言われたことのない言葉が
私を生かす
このまま、せめて今日の終わりまで、このまま。
- 欲望 -
何もいらない
あなたの他には。。
お題「欲望」
欲望は人類が発展していくたびに膨れ上がっていった。世の中は欲望で溢れてる
「あなたの欲望を満たして差し上げましょう」
男は狭い路地裏の地面に胡座をかいていた。
伸び切った髭に肩まであるであろう髪の毛はボサボサであった。
見るからに怪しく、決して清潔とは言えない。しかし男の周りには毎日たくさんの人が溢れかえっていた。
「俺は大金持ちになりたいんだ!」
「早く良い男性と出会って結婚したい!」
「勉強せずに大学に受かりたい!」
老若男女問わず何十人もの人々が己の欲望を赤裸々に路地裏の男に語っていた
男は静かにそれらを聞いて頷いていた。
それから男は立ち上がり、周りにいた何十人もの人の肩に手を乗せていった
最後の1人の肩に乗せ終わった。
男は言った
「あなたたちの欲望は満たしてあげましたよ。今日は帰ってゆっくり休みなさい」
先ほどまでの熱気は無く、周りの人々は皆んな虚な表情をしている
誰も自分の欲望を口にしない
皆んなの足は静かに路地裏の出口に向かっていった
「私の欲望は人々の欲望を喰らうこと、明日の欲望も楽しみだ」
人々の欲望という概念が生んだ欲望の化身は、路地裏の男として自身の欲望を満たしていたのであった。
完
その声で、名前を呼んで。
その瞳で、見つめて。
その指先で、触れて。
もっと近くに。
きみがゆるしてくれる度に、よくばりになる。
■ 欲望
あなたは「 」が
聞こえているか?
あなたは今
深い海の底にいて
上にあがろうにも
浮力が無いから
遠く光る水面まで
たどり着けない
ゆっくり
身体に満たしていこう
満たさないままに
水面を追い求めると
身体と心が張り裂けてしまうから
それでもあなたは乞い願う
遠く先の水面を
身体を「 」で満たさないまま
自分の「 」は後回しにして
「 」は
野生のように
本能を呼び起こすように
縮んで震えてしまった
あなたを研ぎ澄ます
あなたの「 」は
こんなにも叫んでいる
荒々しく
みっともなく
産まれたての赤ん坊のように
私はそれを聞く
私の「 」の慟哭と共に
「あの服欲しい」
「あのアクセサリー欲しい」
「あの子と仲良くなりたい」
僕の欲望はいつも叶っていたんだ。服やアクセサリーは親が買ってくれるし、仲良くなりたい子と仲良くなるのも簡単だった。だって話しかければいいし、僕は“ 人気者”だから。
でも、初めて手に入らないものを見つけた。
それは僕のクラスの目立たない女の子だ。
いつもみんなの影にいるが、僕の目には誰よりもキラキラ輝いて見えて、どんなものよりも美しく見える。
僕が話しかけてもほかの女子みたいにうるさくないし、無闇に近づいてこない。
そればかりか、彼女は僕にあまり興味がないみたいだ。
あぁ、どうやったら君の目に僕だけが映るんだろうか。
どうすれば、僕のモノになるの……?
幼稚園の頃からずっと遊んでいたあの子が、小学校三年生のとき、神隠しにあった。▼
昔から、もうすぐ梅雨になるなって頃に、国内のどこかで子供が攫われるらしい。▼
あの子が選ばれてしまったと思うと、腹が立ってしまう。▼
別に俺でもよかったじゃないか。▼
なんで。▼
もっとあの子と遊びたかった。▼
話したかった。▼
一緒にいたかったのに。▼
それなのに……。▼
許せなかった。▼
でもそれは神様のことが、ではなくて、自分が一人になってしまったことに対してだった。▼
なんて身勝手なんだ、俺は。▼
呆れてしまった。▼
もう二度と会えないとか、跡形もなく姿を消してしまったとか、そんな事をもう言わないでほしい。▼
あれから十年か。▼
気持ちの整理がついてもうしばらく経っていた。▼
申し訳なさはまだ残るけど……。▼
ーーでもたまに、本当にたまに、思ってしまう。▼
生存なんて言葉、この状況に一番相応しくない言葉なのに。▼
もしかして、もしかしたら……そう思ってしまうんだ。◾︎
欲望
っていうのは
誰にでもある、
別にダメなことじゃない。
Byそこら辺の中学生
大陸から島国へ輸入された雄の孔雀は分かっていた。
今夜、俺は檻越しの人間たちに食べられる。
「やっと手に入れた、これが鳳凰……。なんと神々しい。」
「この鳥を食べれば、死や病気の恐怖から開放される!!。」
檻の向こうで大勢の人間たちが俺を手に入れて歓喜
している。その光景に俺は笑った。
元々大陸では俺たち孔雀は食材だ。何度も親兄弟が人間たちに殺され、美しい尾羽根と共に皿の上に乗った所を檻越しで見たことか。
ここの人間たちは俺たちの種族を万能の鳥と勘違いしているようだ。まったく大陸の連中も人が悪い。
いいか、俺の命をもってお前たちの一時の欲望を満たしてやる。そして何時か、お前たちが勘違いに気づいた時…盛大に悔しやがれ。
それが、ただ食べられる為だけに産まれて殺される…
俺たちの復讐だ。
テーマ〈欲望〉
欲望
欲欲欲欲誰もがある気がするようなもの。
でもわからない。
気持ちなんて。
ありがたく思うだけ。
君の欲望って?
気になった全ての本、漫画、映画、ドラマ、アニメ、ゲーム、音楽といったいわゆる娯楽を、どの作品も分け隔てなく十分に味わい尽くしたいところなんだけども、時間は有限だ。目は労った方がいいと、最近特に痛感する。
/欲望
身辺整理をした。
服は三日ぶん。靴も三足。かばんはリュックとトートとポシェット。
そーいうの、ミニマリストっていうんでしょ、と友だちが言った。少しばかにした感じだったので、彼女と友だちでいるのもやめることにした。すっきりした。
その調子で片づけていたら、家の中の私の場所は空いてきた。ほかの家族がそこへ何か置こうものなら、私は容赦なく押し戻した。
「空いてるじゃないか」
「空いてることが私のものよ」
空間が私の持ち物だった。
私は家族に優しくなり、他人には思いやり深くなった。でも身の回りの誰とも親しさはなくなった。ただ一人、ふた月ごとに手紙をやり取りするアイスランド人の友だちがいて、私は離れた彼女の言葉を友だちみたいに持ち歩いては読み返す。
どうしてこうなったんだっけ。
わからないものだな、と思う。
彼女になれなくてもいい。
ただ、ふとした時に私を思い出してくれればいい。
嬉しいことがあったとき、
悲しいことがあったとき、
悔しいことがあったとき、
誰よりも一番に私を思い出してくれたらいい。
形にはこだわらないから。
一生いっしょだよ!
そんなこと言ったあんたは、本当に馬鹿だよ。
あんたの目がまだ黒かった時は、私のこと愛してくれていたのに。
私もあんたも女が恋愛対象で、互いに一番タイプなやつだった。でも、あんたはすぐに他の男に鞍替えした。やっぱそっちだったんだ。
私を一番傷つけて、未だに離れさせてくれないあんた。
こないだのランチで知らされた、「こどもができた」ってこと。
ぜんぶぜんぶ無かったことにしてよ。悪い夢で、あんたのことも忘れさせて。
それで、こどもを連れたかわいいあんたに、また恋をしたい。